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第4章 結婚して変わったこと

8、サチからの問いかけ

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俺の名前は大杉緑。
絶賛、活動中である。

俺は、使命感に駆られていた。
苦しんでいる人を助けたいと。

しかし、よく考えてみると俺は今までと違う動きをしていたかも知れない。
最初に気がついたのはサチだった。

「ねえ、あなた。」
「どうした?」
「あなた、今、私に言わないことしてるでしょう。」
「どうしてそんなふうに思う?」
「浮気じゃないってことはわかる。でも私に秘密にしてる。」
「巻き込みたくないんだ。」
「夫婦なんだから巻き込まれるわよ。何か起きたら。」
「でも、今は秘密にして置かせてくれないか?」
「私、誰にも言わないわよ。」

そう言われても、サチは今、社交場に行くことを趣味といている。どこでどう言うか不安だった。

「ちょっと。でも悪いことはしてない」
「ねえ、私、わかるわよ。」
「何が?」
「あなた、活動してるでしょ?」
「え?」
「私だって、活動してたんだからわかるわよ。」
「なんでそう言うふうに?」
「でも、弁護士になって、安定して、結婚もして今、なんで活動する必要ある?」
「俺、誰かを助けたいんだ。」
「私が困っても?」
「サチならわかってくれると思ったよ。」
「苦しんでる人のことは可哀想だと思うわよ。でも、あなたは時期所長だし、従業員の生活だってあるのよ。」
「その社員たちよりも多くの人たちが苦しんでるんだ。」

そうするとサチはふっと笑った。
「あなたの優先順位って私は上にないのね。」
「いや、君の幸せは祈ってるよ。」
「私と一緒に家族を作ろうとかそんなことも感じないしね。」
「でも、そもそも一緒に活動してたじゃないか。君だって気持ちが。」
「うん。でも、あれは結婚してなかったからできたこと。守るものがしては波及するわ。」
「波及?」
「家族全体にね。」
「そうならないように気をつける。もし、君が大杉の家にいたくないなら離れてもいい。」
「あなたは私を全くみていないのね。私があなたといたくても」

そんなこと今更言わられたって困る。
ちょっとサチの気持ちを勘違いしていた自分にも恥ずかしくなった。
でも、俺と離れて、吉田と。。。。

「私あなたと別れないわよ。だから、私も私の家族のことも考えて。」

後ろ髪は引かれた。しかし、俺は訴訟のあらすじを書いた紙を抱えて家を出た。
夫婦といのは難しいと感じた日だった。
と言うことで、この辺りでさらばである。
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