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第2章 弁護士になって

4、腑抜けの俺

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俺の名前は大杉緑。今日はちょっと恥ずかしいはなしをする。
なので、名前の話は短めに。

とういうことで、サチと活動、いや恋愛することになった俺。
表向きは真面目な見習い弁護士をしていたよ。
サチも運動家をしていることがしれたら、家にまずいと言っていたからね。

でも、俺たちは戦争になったらどうしたらいいか、などを話していた。
まずは訴訟を起こした方がいいとサチは言った。
しかし、俺は自分の立場が危うくなるのも嫌になっていた。
いわゆる、久保と同じ状態だ。
これから何もなくサチと結婚したら美人で頭のいい嫁をもらえるのだからな。

歳をとってきたら、ちょっと浮気でもしてなんて平凡な将来を夢見たりしたんだ。

しかし、サチは違った。
戦争の雰囲気がちょっと感じられてきたら、どのあたりの業界が危なくなるか、どういう人たちが戦争にいかなければならなくなるかなどを探っていた。
もちろん、俺にも調べるように色々依頼された。

あるとき、親父が俺に言ってきた。
「なあ、お前この間のサチさんとまだあってるのか?」
「ああ、そうだけど。」
「女性には婚期があるから早めに、な。」
「婚期って。今は職業もある時代だぜ。」
「女学校に通ってた女性だろ。家だってしっかりしているはずだ。軽はずみに恋愛ごっこなんてするもんじゃない。」
「いや、彼女とは付き合うというより友人というか。」
「そういう中途半端がいけないんだ。」
「俺、まだ結婚は。。」
「ダメなら会うのは相手にとっても失礼だ。彼女の経歴に傷がつく。」

親父から言われなかったらそんなこと想像もしなかっただろう。
しかし、親父には

「うん、まあはっきりさせるよ。」
と言って、親父を巻いた。

サチはこのままでは本格的には運動家になりたいようだった。
どうすれば、いいのか俺自身もわからなくなっていた。

そんな時に、別の女と出会うことになる。

と、今日はこのくらいで、さらばである。
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