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第2章 弁護士になって

3、1人めの同志

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俺の名前は大杉緑。緑とつけたい子供がいるか?俺はこの名前で幸せだった。
だから、とてもお勧めな名前である。
時に、女として認識される。しかし、それを対抗する力を得た。
尋常小学校の名簿には女で書かれていることもあり、それに対抗した。
俺の、強い心を育ててくれたのかもしれない。

と、諸君は俺のその後が気になっていると思う。
サチと名刺交換して、その後、デエトした。

あえて、銀座である。
サチは銀座でディナーといったら、めかし込んできた。
その姿を見た時、ああ、綺麗だなと思ったんだ。

活動を一緒にしようといった相手に、恋心を持ってるなんてふしだらだと思うかもしれない。
ふしだらでいい。
俺はパートナーが必要だったのだ。
タイピストという誰もが憧れる職業についていて、知的な彼女は銀座でも振り返る男がいた。

「ねえ、今日のレストラン、どんなところ?」
「老舗のフランス料理さ。」
「私、フランス料理初めてだから、緊張するわ。」
「俺も、そんなにいったことはない。親父に連れて行かれたからだ。」
「あら、じゃあお父様に会ったりしない?」

まあ、そんな偶然あり得ないだろうと思い、レストランで席についた。

食事をしている途中で、人から声をかけられた。
「おい、緑じゃないか」

おいおい、親父です。
正確にいうと、叔父だけど、養子にしてくれた叔父、すなわち父なのだ。

「あ、父さんもここきたの?」
「俺がここの常連なのは知ってるだろう。そちらのお嬢さんは?」
え?聞いてくるのか?

「あ、昔からの友人でタイピストのサチさん」
「ああ、2人で食事のところすまないね、サチさん、私は緑の父、大杉一郎です。」
「すみません、後藤サチです。タイピストしてます。」
「知的な女性で安心したよ。ではごゆっくり。」

ああ、なんていうことだ。
これで親父はサチのことを嫁としてみていくだろう。
俺は女としては色々まだ遊びたい。

「なあ、サチ、親父が変なこと言っても。」
「あ、大丈夫よ。私も自由恋愛主義だし。」
「主義の話も親父はよく思ってないんだ。」
「わかるわよ。私の両親もよく思ってないから、地下で行動してるわ。」
「今度、連れていってくれ。」
「うん。今日のデエトが最高だったらね。」

もう、デエトで採点なのか!俺はもう、親父が出て来たところでめちゃくちゃだ!

しかし、同時にサチに惹かれ始めていた。

ということで、今日はこの辺りで、さらばである。
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