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第十六章 最終学年
4、担任
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櫻は教室に入ると、サッと席についた。
今まで江藤だったのが佐藤になったので、15番だった。
1番か2番がいつもだっただけに、それはちょっと戸惑った。
後ろの方では女学生が誰と婚約したという話題で盛り上がっていた。
興味があるのか上野もその輪に入っていた。
昔の櫻だったらそれを侮蔑の目で見ていただろう。
しかし、今は違う。
結婚を前提として養女になったのだ。
今まで結婚を忌み嫌っていた自分が。
私の1番大切な人と共に歩むことができる、そう恥じないようにしたいと思った。
すると、ホームルームの時間を知らせる鐘が鳴った。
騒がしかった教室はみな、席についた。
席には年度はじめということで名札がついていた。
しばらくすると、ガラガラと戸が開いた。
すると、辻が入ってきた。
また、皆が騒がしくなった。
「コホン」
辻が、せきをした。
すると、教室が静かになった。
「えー、皆さん本年度担任になりました。辻潤之助です。皆さんにカラクリやフランス語を教えていたのであえて、自己紹介は不要かと思いますが、どうぞよろしく。」
皆が拍手をした。
「あとね、皆さんに紹介したい先生がいます。」
教室がまたざわめく。
「もう婚約者がいて将来を決めている人もいるともうが、将来のことは僕自身、自分で決められる世の中が来るといいと思っている。そこで、生活指導である若葉先生に進路指導をしてもらうことになりました。」
すると、また戸がガラガラと開いて学生ふうの若い青年が入ってきた。
「初めまして。若葉守です。早稲田で歴史を専攻していました。今年度は学校全体を見ていきます。」
すると、女学生が手を挙げた。
「あの、先生、質問が。」
「なんでしょう?」
「許嫁がおありで?」
「それは?」
「重要な質問です。」
「うーん。ある意味で言うと、ノーで、イエスです。」
「え?」
「お見合い合戦の最中です。」
教室がドッと笑った。
辻が口を開いた。
「と言うことで、僕と若葉先生でこのクラスを見ていくからよろしく。では一限の先生に任せます。」
そう言って、2人は教室を出て行った。
櫻は若葉が何かあるような気がして少し不安になった。
今まで江藤だったのが佐藤になったので、15番だった。
1番か2番がいつもだっただけに、それはちょっと戸惑った。
後ろの方では女学生が誰と婚約したという話題で盛り上がっていた。
興味があるのか上野もその輪に入っていた。
昔の櫻だったらそれを侮蔑の目で見ていただろう。
しかし、今は違う。
結婚を前提として養女になったのだ。
今まで結婚を忌み嫌っていた自分が。
私の1番大切な人と共に歩むことができる、そう恥じないようにしたいと思った。
すると、ホームルームの時間を知らせる鐘が鳴った。
騒がしかった教室はみな、席についた。
席には年度はじめということで名札がついていた。
しばらくすると、ガラガラと戸が開いた。
すると、辻が入ってきた。
また、皆が騒がしくなった。
「コホン」
辻が、せきをした。
すると、教室が静かになった。
「えー、皆さん本年度担任になりました。辻潤之助です。皆さんにカラクリやフランス語を教えていたのであえて、自己紹介は不要かと思いますが、どうぞよろしく。」
皆が拍手をした。
「あとね、皆さんに紹介したい先生がいます。」
教室がまたざわめく。
「もう婚約者がいて将来を決めている人もいるともうが、将来のことは僕自身、自分で決められる世の中が来るといいと思っている。そこで、生活指導である若葉先生に進路指導をしてもらうことになりました。」
すると、また戸がガラガラと開いて学生ふうの若い青年が入ってきた。
「初めまして。若葉守です。早稲田で歴史を専攻していました。今年度は学校全体を見ていきます。」
すると、女学生が手を挙げた。
「あの、先生、質問が。」
「なんでしょう?」
「許嫁がおありで?」
「それは?」
「重要な質問です。」
「うーん。ある意味で言うと、ノーで、イエスです。」
「え?」
「お見合い合戦の最中です。」
教室がドッと笑った。
辻が口を開いた。
「と言うことで、僕と若葉先生でこのクラスを見ていくからよろしく。では一限の先生に任せます。」
そう言って、2人は教室を出て行った。
櫻は若葉が何かあるような気がして少し不安になった。
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