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第十五章 佐藤櫻として
6、櫻の部屋に案内
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しばらくテラスでゆっくりしていると、サキが声をかけてきた。
「櫻お嬢様、辻のぼっちゃまにお部屋を見せてはどうですか?」
「あ、でもまだ片付けてないから。」
「それは私たちの方でしておきました。お気に召さなかったら場所を変えてください。」
「え!そんなことまで。」
「お嬢様ですからね。」
櫻は色々と戸惑った。
サキはまたキッチンへと戻って行った。
それを見て辻は口を開いた。
「君はそれをする側だっただろ。」
「それ?」
「人の世話をすることさ。」
「そうですね。」
「だから、される側に慣れていないんだ。」
「先生はずっとされる側だったんですか?」
「イエス、とも言えるし、ノーとも言える。」
「どう言う意味ですか?」
「それはね、僕は実家にいた時はほとんどしてもらっていたよ。でも外遊で一人暮らしをして自分のことは自分でするようになったのさ。それに慣れてしまって今では実家でも自分のことはなるべく自分でしてるよ。」
「なら、私も自分のこと。」
「まず、佐藤の家のルールに従った方がいいよ。そのうちに自分のしたいことを伝えて広げるんだ。」
「んん。」
「じゃあまず、君の部屋を拝見しに行こうじゃないか!」
と、スタスタと2階に辻が上がっていってしまった。
「あ、先生。」
追いかける櫻。
「さて、どのへやなのかな?」
「あの、一番奥の。」
「ああ、客室だったところだね。」
「先生は色々ご存知なんですね。」
「だって、赤ん坊の頃からこの家に来ていたからね。」
「じゃあ、この家のお嬢さんたちとも?」
「ああ、兄妹のように親しかったよ。だから、恋愛なんてしてないから安心して。」
櫻は見透かされたような気分なった。
「ねえ、僕が部屋の扉を開けていい?」
「ダメです!ちょっと、待ってください。」
そう言うと、櫻は部屋の中をみた。
すぐに扉を閉めた。
すると、光が差し込んできて、ベッドのシーツも花柄に取り替えられており、とても可愛い部屋になっていた。
「櫻くん、そろそろいい?」
「え?あ、はい。」
櫻がドアを開けた。
「どうぞ。」
辻を向かい入れた。
ドアが閉まると、辻は櫻を抱きしめた。
「先生!」
「シッ」
考えてみれば久しぶりの抱擁であった。
素敵な部屋の中で大好きな辻と抱き合っていることがこの上なく幸せに櫻は感じた。
「久しぶりで感動した?」
抱きしめながら辻が聞いてきた。
「恐縮ながら、そうですね。」
二人はニコッとして、それからしばらく抱き合っていた。
「櫻お嬢様、辻のぼっちゃまにお部屋を見せてはどうですか?」
「あ、でもまだ片付けてないから。」
「それは私たちの方でしておきました。お気に召さなかったら場所を変えてください。」
「え!そんなことまで。」
「お嬢様ですからね。」
櫻は色々と戸惑った。
サキはまたキッチンへと戻って行った。
それを見て辻は口を開いた。
「君はそれをする側だっただろ。」
「それ?」
「人の世話をすることさ。」
「そうですね。」
「だから、される側に慣れていないんだ。」
「先生はずっとされる側だったんですか?」
「イエス、とも言えるし、ノーとも言える。」
「どう言う意味ですか?」
「それはね、僕は実家にいた時はほとんどしてもらっていたよ。でも外遊で一人暮らしをして自分のことは自分でするようになったのさ。それに慣れてしまって今では実家でも自分のことはなるべく自分でしてるよ。」
「なら、私も自分のこと。」
「まず、佐藤の家のルールに従った方がいいよ。そのうちに自分のしたいことを伝えて広げるんだ。」
「んん。」
「じゃあまず、君の部屋を拝見しに行こうじゃないか!」
と、スタスタと2階に辻が上がっていってしまった。
「あ、先生。」
追いかける櫻。
「さて、どのへやなのかな?」
「あの、一番奥の。」
「ああ、客室だったところだね。」
「先生は色々ご存知なんですね。」
「だって、赤ん坊の頃からこの家に来ていたからね。」
「じゃあ、この家のお嬢さんたちとも?」
「ああ、兄妹のように親しかったよ。だから、恋愛なんてしてないから安心して。」
櫻は見透かされたような気分なった。
「ねえ、僕が部屋の扉を開けていい?」
「ダメです!ちょっと、待ってください。」
そう言うと、櫻は部屋の中をみた。
すぐに扉を閉めた。
すると、光が差し込んできて、ベッドのシーツも花柄に取り替えられており、とても可愛い部屋になっていた。
「櫻くん、そろそろいい?」
「え?あ、はい。」
櫻がドアを開けた。
「どうぞ。」
辻を向かい入れた。
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「先生!」
「シッ」
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「久しぶりで感動した?」
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