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第十二章 新学期

4、放課後パーラーにて

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一週間はあっという間だった。
いよいよ、上野和枝と一緒にパーラーに行く日になった。

「江藤さん、今日、大丈夫よね?」
「はい、もちろん。もう楽しみで。」
「本当、去年のあなたと別人みたい。」
「え?」
「まあ、あとでゆっくり話しましょ。」

ということで、学校の間はそれぞれ勉強に勤しみ、放課後を楽しみにしていた。

「さて、江藤さん、行こうか?」
「はい。あ、でも、私雑誌で調べたところ、今やってるか。」
「そうねえ。ダメだったことを考えて、繁華街に行く?」
「どこですか?」
「銀座よ。」

銀座と言えば、キヨと資生堂パーラーに行ったことがある。

「ああ、銀座。。」
「気が乗らない?」
「ううん。私も調べたところがあるからぜひ。」

本当のことを言うと、櫻は銀座に友達と遊ぶと言うのがちょっと後ろめたかった。
姉弟子に会うかもしれないし、百貨店の同僚と会うのかも知れない。

電車で向かい、櫻がアグリから借りた本にのっていたお店に行ってみた。
「あ、やってるわね。」
櫻は一安心した。
銀座を歩き回りたくなかったのだ。
「じゃあ、江藤さん、入りましょ。」

ちょうど、最後のひとテーブルが空いていた。
「こちらへどうぞ。」

2人は腰掛けた。
「ねえ、何頼む?」
「そうですね。せっかくだから、2人でパフェを分けましょうか?」
「ははは。江藤さんが分けるなんて、言うと思わなかったから。」
「え?そうですか?」
「前はつっけんどんだったじゃない?」
「うーん。そうですかね。」
「あなたに何か起きたのね。」
「そうですね。」
「言える範囲で教えてくれる?」

2人は注文し、席でまった。
「どうして、江藤さんは変わってきたの?」
「今まで住んでいたところから、姉のような人の家に移ったんです。」
「あら、引越しなさってたのね。」
「実の姉じゃないんですけど、本当に親身になってくれて。このお店も、その人が貸してくれた雑誌に載っていて。」
「素敵なひとなのね。」
「そうなんです。その人みたいになりたいんです。」
「私ね、銀上じゃ自分自身が浮いてるって思ってたけど、自分をうわ回る江藤さんがきたから。でも、あなたって、本当は気軽でとても親しみやすいひとなのね。」
「私も、上野さん、すごく親切で友達になりたいと思ってました。」
「嬉しいわ。」

2人はたのしい時間を過ごした。それはとても素敵な放課後のひと時と言えた。
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