173 / 419
第十一章 櫻の冬休み
13、女同士の秘密
しおりを挟む
富田編集長がいた時、同室には大久保キヨがいた。
櫻はキヨを信頼しているので、深い話を聞かれてもいいと思っていた。
「櫻さん、ちょっといい。」
富田編集長が帰って、しばらくしてからキヨに話しかけられた。
「うん、大丈夫です。」
「他の人が入ってきたら、話を中断するから安心してね。」
「どうしました?」
「あの、さっきの大杉さんのこと。」
「ああ、ちょっと気になっちゃってて。」
「私、大杉さんのことじゃなくて、辻さんのこと。」
「え?あ、はい。」
「辻さんと恋人なの?」
「キヨさんだから教えますが、そうなんです。」
「そっかあ。私、ちょっと辻さんいいなって思ってた。」
「すみません。私、きちんと言ってなくて。」
「ううん。だって、先生と生徒だから大っぴらに明かせないこともわかる。」
そうなのだ。しかし、キヨには言っておくべきだったと櫻は思った。
「ねえ、辻さんがいて、でも他の人が気になるってどういう感じなの?」
「え?大杉さんは知り合いじゃないですよ。」
「知り合いじゃないの?」
「私が勝手にエッセイなどを好きで。」
「そういうところから、始まる恋ってあるかもよ。」
「でも、私辻さんのこと本当に大切にしたいんです。」
言葉に詰まってしまった。
「そっかあ。でも、私もその多すぎって人見てみたいわ。」
「定期的に御徒町で演説しているみたいです。」
「本当はもう一度見たいんでしょう?」
「。。。。」
「私、次のお休みに行ってみようかしら?」
そう言われた時、あの名刺のことを思い出した。あの名刺をキヨに渡したら大杉と繋がるかもしれない。
しかし、今は踏ん張りどきだ。
「一緒に行く?」
「え?」
「私と一緒にだったら、辻さんにも怒られないでしょ?」
「でも。」
「偶然だって言えば。」
「私、本当にこれ以上突っ込むと本当に気になってしまいそうで。」
「もう気になってるよ。ちゃんと向き合った方が櫻さんのためになるよ。」
どうやらキヨは本当に心配してくれているようだった。
「じゃあ、お言葉に甘えて、今度のお休みに一緒に。。」
「うん、じゃあ、演説聞きに行こう。」
櫻はとんだ約束をしてしまったと思った。
櫻はキヨを信頼しているので、深い話を聞かれてもいいと思っていた。
「櫻さん、ちょっといい。」
富田編集長が帰って、しばらくしてからキヨに話しかけられた。
「うん、大丈夫です。」
「他の人が入ってきたら、話を中断するから安心してね。」
「どうしました?」
「あの、さっきの大杉さんのこと。」
「ああ、ちょっと気になっちゃってて。」
「私、大杉さんのことじゃなくて、辻さんのこと。」
「え?あ、はい。」
「辻さんと恋人なの?」
「キヨさんだから教えますが、そうなんです。」
「そっかあ。私、ちょっと辻さんいいなって思ってた。」
「すみません。私、きちんと言ってなくて。」
「ううん。だって、先生と生徒だから大っぴらに明かせないこともわかる。」
そうなのだ。しかし、キヨには言っておくべきだったと櫻は思った。
「ねえ、辻さんがいて、でも他の人が気になるってどういう感じなの?」
「え?大杉さんは知り合いじゃないですよ。」
「知り合いじゃないの?」
「私が勝手にエッセイなどを好きで。」
「そういうところから、始まる恋ってあるかもよ。」
「でも、私辻さんのこと本当に大切にしたいんです。」
言葉に詰まってしまった。
「そっかあ。でも、私もその多すぎって人見てみたいわ。」
「定期的に御徒町で演説しているみたいです。」
「本当はもう一度見たいんでしょう?」
「。。。。」
「私、次のお休みに行ってみようかしら?」
そう言われた時、あの名刺のことを思い出した。あの名刺をキヨに渡したら大杉と繋がるかもしれない。
しかし、今は踏ん張りどきだ。
「一緒に行く?」
「え?」
「私と一緒にだったら、辻さんにも怒られないでしょ?」
「でも。」
「偶然だって言えば。」
「私、本当にこれ以上突っ込むと本当に気になってしまいそうで。」
「もう気になってるよ。ちゃんと向き合った方が櫻さんのためになるよ。」
どうやらキヨは本当に心配してくれているようだった。
「じゃあ、お言葉に甘えて、今度のお休みに一緒に。。」
「うん、じゃあ、演説聞きに行こう。」
櫻はとんだ約束をしてしまったと思った。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる