99 / 419
第六章 愛を確かめ合う関係
17、ユキとの再会
しおりを挟む
望月は公園であくびをしていた。
昼下がり、弁当屋で弁当を買い、川辺で食べていた。
来年の今頃は赤ん坊を抱いているのか、と思うとなんだか変な気持ちになる。
赤ん坊は自分にとってどんな存在になるのだろうか。
変な気持ちと言っても嫌な気持ちではない。
初めての気持ちということだ。
どうにかこの思いを作品に落とし込めないか考えていた。
「あら、望月さんじゃない?」
ふと声をかけられた。
高級な和装の美人はかつて恋人だったユキだ。
「ユキ、こんなところで何してるの?」
「それはこっちのセリフよ。どうして汐留なんかにいるの?」
「ああ、今編集者やっててね。新橋にビルディングがるんだ。」
「筆を折ってしまったの?」
「いや、まだ書いてる。編集者としても、文士としても書いてるよ。」
「よかった。書いてない、望月ヨウスケなんてキの抜けた風船みたいなもんだものね。」
「それはそうと、ユキはそんなめかして何してるんだい。」
「私結婚したのよ。言わなかったっけ?て言っても2号さんなんだけどね。」
「2号さんが結婚なのかい?」
「子供が生まれてね、養子縁組という制度でその家に入ったのよ。」
「そんな裏技もあるんだね。」
「あなたの2号さんでもあったわね、私。」
「僕は君を2号さんなんて思ってなかったよ。」
「でも、あなたの中には常にあぐりさんがいた。」
「うーん、どうなのかな。」
「私、今充実してるの。お茶やお花、習ってね。優雅になっていく自分を磨いてるのよ。」
「お金持ちになると変わるね。」
「あなたは全然変わらなわね。次のお稽古があるから失礼するわね。」
そういうと、ユキはスタスタとそこから去っていった。
5年間くらい、彼女とは恋人だった。あるパーティーで出会った。
強すぎない物腰が好きだった。でも、書き出すとこもりきりになるので、いつの間にか会わなくなっていて、手紙を送ったら宛先不明になっていた。
自分を通り過ぎた女性には拘らない。
しかし、今、アグリお腹に子供を宿している。今はちょっと控えておこうと思った。
でも、自由で恋愛をまたしたいな、と彼女に会ってまた望月は思うのだった。
昼下がり、弁当屋で弁当を買い、川辺で食べていた。
来年の今頃は赤ん坊を抱いているのか、と思うとなんだか変な気持ちになる。
赤ん坊は自分にとってどんな存在になるのだろうか。
変な気持ちと言っても嫌な気持ちではない。
初めての気持ちということだ。
どうにかこの思いを作品に落とし込めないか考えていた。
「あら、望月さんじゃない?」
ふと声をかけられた。
高級な和装の美人はかつて恋人だったユキだ。
「ユキ、こんなところで何してるの?」
「それはこっちのセリフよ。どうして汐留なんかにいるの?」
「ああ、今編集者やっててね。新橋にビルディングがるんだ。」
「筆を折ってしまったの?」
「いや、まだ書いてる。編集者としても、文士としても書いてるよ。」
「よかった。書いてない、望月ヨウスケなんてキの抜けた風船みたいなもんだものね。」
「それはそうと、ユキはそんなめかして何してるんだい。」
「私結婚したのよ。言わなかったっけ?て言っても2号さんなんだけどね。」
「2号さんが結婚なのかい?」
「子供が生まれてね、養子縁組という制度でその家に入ったのよ。」
「そんな裏技もあるんだね。」
「あなたの2号さんでもあったわね、私。」
「僕は君を2号さんなんて思ってなかったよ。」
「でも、あなたの中には常にあぐりさんがいた。」
「うーん、どうなのかな。」
「私、今充実してるの。お茶やお花、習ってね。優雅になっていく自分を磨いてるのよ。」
「お金持ちになると変わるね。」
「あなたは全然変わらなわね。次のお稽古があるから失礼するわね。」
そういうと、ユキはスタスタとそこから去っていった。
5年間くらい、彼女とは恋人だった。あるパーティーで出会った。
強すぎない物腰が好きだった。でも、書き出すとこもりきりになるので、いつの間にか会わなくなっていて、手紙を送ったら宛先不明になっていた。
自分を通り過ぎた女性には拘らない。
しかし、今、アグリお腹に子供を宿している。今はちょっと控えておこうと思った。
でも、自由で恋愛をまたしたいな、と彼女に会ってまた望月は思うのだった。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる