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第二章 職業婦人見習い
11、大人の階段ノボル
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辻に促され、店内へと入る。入り口はホールになっており、天井からシャンデリアが煌めいている。
「わあ、すごい綺麗。」
「まだまだ序の口ですよ。本番はこれからです。」
辻と櫻が立っていると、給仕らしい男性がやってきた。
「辻様、いつもありがとうございます。今日は可愛らしい女性をお連れで。本日のコースも特別に用意しておりますのでご堪能ください。」
給仕は辻に礼をすると、櫻にも会釈をし、挨拶した。
「では、辻様、バルコニーの見えるお席をご用意しましたのでこちらへ。」
辻は桜の手を引くと、一緒に席へと歩みを進めた。
「素晴らしい席をありがとう。では、櫻さんフランス料理のフルコースを楽しみましょう。」
「は、はい。」
キンチョウしっぱなしの櫻は、席に着いた時点で混乱していた。
この空間も、この雰囲気も、私が味わったことのないものである。
「先生、私、洋食なんてましてやフランス料理なんていただいたことがないから、しきたりがわかりません。どうしたらいいのでしょう?」
「まあ、安心してください。こちらは僕が懇意にしているレストランですから、かしこまることなんてないんですよ。」
とはいえ、一品めのスープがきたときにもう櫻は混乱してしまった。
「えっと、これはコーヒーのように飲めばよろしいのですか?」
「あながち間違いではありませんが、1番恥においてあるそのスプーンを使ってすくってのむのですよ。」
辻はスプーンを使って、上手にスープを掬い、飲む。
それを真似て、櫻も飲んでみる。
「わあ、美味しい。こんなに美味しいものがあるなんて。」
「喜んでいただいて結構。こちらは、帝都でも一番の料理人が揃っています。あなたに経験して欲しかったのですよ。」
櫻は、はしたないマナーはしたくなかったので、辻の真似をしながら食事をとった。
「先生、私緊張して、肩がこわばってきました。」
「本当はね、櫻さん僕は君をフランスに連れて言ってみたいんだよ。もっとカジュアルな刺激的なそんな街でフレンチをいただけるのでね。芸術家が集まるムーラン・ルージュではシャンパンにコースでショーを他のしんだものです。」
「お食事をとりながらショーを?」
「日本ではあり得ないですよね?せいぜい芸者遊びくらいで女性がいくこともできないし、遊ぶ場所なんて限られてますからね。」
「私、かしこまった席は結納からずっと避けていました。でも、こんなに素敵なところがあるなんて、本当に感動しました。」
「それでこそ、あなたをデエトに誘った甲斐があるってものですね。あ、櫻さんちょっと失礼。タバコをふかしてもいいですか?」
「どうぞ。職場でも皆さんお吸いですし。」
「あなたが学生だから、気を使って吸わないでいたのですが、こういう料理をたべている、ついつい吸いたくなるものでしてね。」
すると、ポケットから辻はタバコを出し、マッチをすると火をつけた。
フーとその味を美味しそうに味わっている。
「嫌ではありませんか?」
「いいえ。先生のタバコはいい匂いがします。」
「舶来品だからかな。日本のタバコは未来はもっと良くなりますよ。僕はこの煙も好きなんだが、煙も出ないタバコなんてのもできるかもしれませんね。」
辻の言うことはいつも突拍子もないことが多いが、もしかしたらそうなるかもと思わせる何処か予知者のようなところがある。
「ねえ、先生。先生は未来をみてきたんですか?」
「ザッツライト!未来はこの手の中にいつもあるのですよ。想像の翼を広げればね。」
ゆっくりと食事をとりながら辻と談笑できるのが心地よく、この時間がいつまでも続けばいいと思った櫻だった。
「わあ、すごい綺麗。」
「まだまだ序の口ですよ。本番はこれからです。」
辻と櫻が立っていると、給仕らしい男性がやってきた。
「辻様、いつもありがとうございます。今日は可愛らしい女性をお連れで。本日のコースも特別に用意しておりますのでご堪能ください。」
給仕は辻に礼をすると、櫻にも会釈をし、挨拶した。
「では、辻様、バルコニーの見えるお席をご用意しましたのでこちらへ。」
辻は桜の手を引くと、一緒に席へと歩みを進めた。
「素晴らしい席をありがとう。では、櫻さんフランス料理のフルコースを楽しみましょう。」
「は、はい。」
キンチョウしっぱなしの櫻は、席に着いた時点で混乱していた。
この空間も、この雰囲気も、私が味わったことのないものである。
「先生、私、洋食なんてましてやフランス料理なんていただいたことがないから、しきたりがわかりません。どうしたらいいのでしょう?」
「まあ、安心してください。こちらは僕が懇意にしているレストランですから、かしこまることなんてないんですよ。」
とはいえ、一品めのスープがきたときにもう櫻は混乱してしまった。
「えっと、これはコーヒーのように飲めばよろしいのですか?」
「あながち間違いではありませんが、1番恥においてあるそのスプーンを使ってすくってのむのですよ。」
辻はスプーンを使って、上手にスープを掬い、飲む。
それを真似て、櫻も飲んでみる。
「わあ、美味しい。こんなに美味しいものがあるなんて。」
「喜んでいただいて結構。こちらは、帝都でも一番の料理人が揃っています。あなたに経験して欲しかったのですよ。」
櫻は、はしたないマナーはしたくなかったので、辻の真似をしながら食事をとった。
「先生、私緊張して、肩がこわばってきました。」
「本当はね、櫻さん僕は君をフランスに連れて言ってみたいんだよ。もっとカジュアルな刺激的なそんな街でフレンチをいただけるのでね。芸術家が集まるムーラン・ルージュではシャンパンにコースでショーを他のしんだものです。」
「お食事をとりながらショーを?」
「日本ではあり得ないですよね?せいぜい芸者遊びくらいで女性がいくこともできないし、遊ぶ場所なんて限られてますからね。」
「私、かしこまった席は結納からずっと避けていました。でも、こんなに素敵なところがあるなんて、本当に感動しました。」
「それでこそ、あなたをデエトに誘った甲斐があるってものですね。あ、櫻さんちょっと失礼。タバコをふかしてもいいですか?」
「どうぞ。職場でも皆さんお吸いですし。」
「あなたが学生だから、気を使って吸わないでいたのですが、こういう料理をたべている、ついつい吸いたくなるものでしてね。」
すると、ポケットから辻はタバコを出し、マッチをすると火をつけた。
フーとその味を美味しそうに味わっている。
「嫌ではありませんか?」
「いいえ。先生のタバコはいい匂いがします。」
「舶来品だからかな。日本のタバコは未来はもっと良くなりますよ。僕はこの煙も好きなんだが、煙も出ないタバコなんてのもできるかもしれませんね。」
辻の言うことはいつも突拍子もないことが多いが、もしかしたらそうなるかもと思わせる何処か予知者のようなところがある。
「ねえ、先生。先生は未来をみてきたんですか?」
「ザッツライト!未来はこの手の中にいつもあるのですよ。想像の翼を広げればね。」
ゆっくりと食事をとりながら辻と談笑できるのが心地よく、この時間がいつまでも続けばいいと思った櫻だった。
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