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第二章 執筆
2、絶妙なアイデア
しおりを挟む僕の名前は望月何某。ああ、この挨拶も非凡だと思っていた諸君。慣れてきて、きちんと名乗らない僕に痺れを切らしたものもいるのではないかな?
さて、名は体を表すという格言があるね。僕の下の名前。オリジナルネームはとても平凡でつまらないもんだ。
僕はつまらない人間じゃないから、あえて名乗らないよ。
ということで、ワイフに書きかけた、いやゴミ扱いされた原稿たちは処分され、部屋は綺麗さっぱりさ。
自由って何さ。
僕はずっと自由に生きてきたよ。
なのに、辻が変なこと言うから、僕だって自由について執筆したくなってしまったではないか!
ふと、僕は思いついてしまった。
子持ちの女性が職業に就くという、今じゃあありえない(大正)で、書いてみようと!
さて、取材が必要だ。
うちのワイフに聞いてみよう。
居間に移動すると、浴衣を縫っているワイフを見つけた。
「何をしているんだい?」
「質屋さんにほとんど着物預けちゃって、寝巻きの浴衣もないもんですから、かえを縫っていたんです。」
むむむ。僕の甲斐性が内容な表現ではないか!
「無理しなくてもいいよ。夏は僕はふんどし一丁で大丈夫だから。」
「いいえ。私の浴衣です。」
「ああああ・」
僕のワイフはなんと面白味のない。しかし、取材してみよう。
「ねえ、君は仕事をしてみたいと思う?」
「え?」
「さっき、洋服に見惚れていただろ?」
「はい、でも」
「じゃあさ、明日、あの洋装店に行って、中を見てみようよ。」
「いいんですか!ぜひ入ってみたいです!」
え?なんかやる気なワイフだよ。うん。まあ、実際働くわけじゃないから、そこで働く女性を声をかけて話を聞いてみよう。
「明日、午前で授業が終わるから、辻にランチをたかってから洋装店へいってみよう。」
「そんなに辻さんにお世話になっていいんでしょうか?」
「僕が今の辻を作ったようなもんだよ。任せて任せて。」
明日の正午に帝都大でワイフと待ち合わせすることになった。
働く女性を子持ちにするなんて、僕って天才!~
明日が楽しみだ!
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