ダレカノセカイ

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episode.21

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 俺が眠っていた宿舎に戻る際に夏奈華を含めた遠山達とばったり会った。俺が部屋にいなかったのが凄く心配で探し回ってたらしく、こっぴどく夏奈華に怒られた。怒られたりもしたが、俺は夏奈華や遠山達を見つける手前が省ける。
 遠山の顔は見ない間に少し痩せてる。
 元気な顔に変わりないが、痩せてるのは気掛かりだ。
「新道もう大丈夫なのか?」
「もうピンピンしてるよ」
 俺は体を動かす。
 遠山の左右に並んで同行してた千葉と戸倉が、俺の右目に付けた眼帯をじーっと見つめ、
「めちゃカラフルな色じゃん。新道くん、それどうしたん?」
 眼帯を指差した千葉が第一声から尋ねてきた。
 おいおい。体の心配してくれないのかよ。体よりも眼帯の方に目が行くのはわかるけど、少し悲しくなるわ。
「これは貰ったんだ」
 俺は眼帯に手を当て、ニコルの顔を思い出す。
 本当に悪いことをしたな。
「暗い顔するとか、嫌いな人に貰ったとか?めっちゃ気になるんだけど、誰に貰ったし?」
 やばっ、俺いつの間にか暗い表情になってたのかよ。
 戸倉の指摘を受け、俺は自分が今どんな表情になっているのかを察する。
「いや全然嫌いとかそんなのじゃないからな。ただちょい訳ありであって、嫌いとか全然違うから」
「またまた~そんなに否定しちゃって~!もしかして、これでも出来たん?」
 千葉は小指を立てて、口元をニヤける。
 完全に女がいると誤解されたな。絶対に勘違いされたわ。この顔から察するに絶対そうだわ!
「否定したところで、誤解を生みそうだからもうノーコメントで。とりあえず、この眼帯は貰っただけだ。はい!この話は終了!」
 俺は両手を強く叩き、パチン!と音を立てる共に眼帯の件について話を強制終了させた。
 千葉は「ぐぬぬっ……」と口に指を咥え、まだ聞き足りないという顔で俺の顔を睨むでもなく、じーっと覗く。
 戸倉は「それならそれでいいし」と切り替えが早い。その切り替えの早さに助けられたな。そう俺は強く思った。
「……とりま、眼帯は別の機会に是非話を聞くにして、新道くん、言い返せるぐらい元気バリバリじゃん。うちら、みんな心配したかんね」
 おいおい。まだ聞く気ありありじゃねーか。眼帯が何処出なのか、どんだけ気になってんだよ。心配してくれてたのは嬉しいけど、眼帯の方がかーなーりー印象強く残ったぞ。
「そーそー。うちも美紅人もやばくて、新道君はうちらよりも酷かったみたいって聞いて、めちゃびっくりしたし。うちは新道君はいつも全然怪我とかしないから、そんなにやばいとは思わなかったし。あの時も平気で戦ってるんだろうなーって思ってたら、めちゃめちゃボロボロのボロ雑巾みたくなってるし。挙げ句の果てに左眼ないし。ちょーびっくりしたし!」
 そういえば、戸倉さんもそうだったな。よく無事でいてくれた。それもこれも、やっぱり遠山達やラドラ達の活躍があったからこその結果だろうな。
 それにしても……ボロ雑巾って……俺ってどんだけあの時ボロボロだったんだよ。あの革ジャン仮面にやられて、炎で燃やされたから、やばかったのは分かるけどな。それにしてもボロ雑巾は……心にグサっと残る言葉だな。
「2人とも、色々と言ってくれてありがとう。普通に言い返せるし、ピョンピョン飛び跳ねられるし、なんなら本気で戦えるだけの力もある。それぐらい全快に戻ってるから安心して」
「よかったよかったじゃん。うちら最強の新道くんも起きたかんね。これで、うちら全員目を覚ましたじゃん。あとは外出てる葉山さんらが戻ってくるのを待つだけじゃん」
 千葉は両手でピースサインを作り、遠山に笑顔を見せて言った。
「てかさ、葉山のおっさん達いつ帰ってくるか分かんないし。うちら待つ方はめっちゃ長く感じるよね。出来れば、早く帰ってきてほしいとこだけど……。まぁ、美紅人と一緒に居られるだけで、うちはどうでもいいけど」
 戸倉は遠山の右腕を両腕で抱きしめ、
「また目を離した隙に抜け駆けしてるじゃんか!ちづ、ずるはよくないっていつも言ってんじゃん!」
 千葉は遠山の左腕をギュッと抱きしめる。
「いつもやってるの、まひろの方だよね?おかしくない?うちがやるとそれ言うのおかしくない?ねぇ、絶対おかしいから。これ誰が見てもおかしいし!10回まひろがやったら、うちは1回やってるかどうかだし。まひろみたいに抜け駆けなんて、うち神に誓っていいくらいやってないし!」
「ちょっとそれ本気で言ってるん⁈美紅人を独り占めしてるのは、そっちじゃん。うちも神に誓えるもんね。10回なんて少ない方だかんね。ちづなんて、100回以上やってんの知ってんだから。うちがグレーなら、ちづは100%黒じゃん。絶対そうじゃん」
 遠山を挟んだ状態で、千葉と戸倉の口喧嘩という名のバトルが始まった。
 もう慣れてるという顔をする遠山。
 平然と佇んだ遠山は、どれだけ左右から罵倒が耳に響いても顔を崩さない。それどころか、両腕に2人の大きな胸が当たっても一切普段通りの顔で、顔を緩めない。
 まるで、悟りを開いた修行僧のようだ。
 俺は遠山はムラムラしないのかよ?そう突っ込みを入れたかったが、俺はぐっと堪える。
「両手に花だな。……って、え⁉︎あれ、なんで⁇遠山の左腕あるんだ⁉︎遠山の左腕失ったんじゃなかったのか?俺はそう聞いてたのに違ったのか⁉︎」
 俺は左右の千葉と戸倉に意識が外れ、今更気付いた。
 遠山の左腕がある事に。
 しっかり左腕は千葉に握られてる。
 今も左右では千葉と戸倉のバトルは継続して勃発してる。それの為、2人の胸が激しく揺れる。それが遠山の両腕にダイレクトに当たってる。
 俺の見てる光景が幻でも、錯覚でもない事がそれだけでハッキリする。
「ああ。確かに私は左腕を失った」
 遠山は頷き、肯定した。
「じゃーその左腕は?」
 俺は遠山の左腕を指差した。
「これは私のユニークスキル《幻装》だ」
 ユニークスキル⁉︎
 その言葉だけで、納得出来た。
 俺もアンダーグラウンドでの戦いで、ユニークスキルの凄さを体験した。あれがなかったら、今頃獣人達はほとんど生き残ってなかっただろうし、戦いの流れも大きく違っていた可能性もある。あれがあったから流れは変わった。それはハッキリ言えるし、あれがなかったら仲間の中から死者を再び出していた可能性だってあるんだ。
 人の手には余る絶対的な力。それがユニークスキルだと俺は認識してる。
 遠山がどんなユニークスキルを手に入れたかは知らないが、左腕を元に戻せるだけの力とは凄いの一言だな。
「そうなのか。遠山が左腕を失って、しょぼくれてんじゃないかって心配したけど、左腕が元通りで良かった」
「新道、それは違うぞ。私の本来の左腕はもうない。今ある左腕は痛覚や触覚を含めた感覚はない。偽物の左腕だ。左腕があるように見えても、実際に神経が元通りに通ってるわけじゃないんだ」
 偽物の……左腕?……ってことは、本当に左腕はないってことかよ。
 遠山は悔やんだ表情も、今の話で暗くなる素振りも、後悔した雰囲気も一切出さない。むしろ逆に左腕を失っただけで済んで良かった。そう思わせるに足るだけの表情で、俺に伝えた。
「……そうだったのか。元通りって言って、ごめんな」
 俺は不死身の特性がある。
 でも遠山は違う。遠山は一度でも死んだら、そこで終わりなんだ。俺みたいに何度殺されたとしても、次があるわけじゃない。だからこそ、命があっただけでも良かった。そう思えるのかもしれない。これは俺の解釈であって、実際に遠山自身はどう思ってるか?は分からない。それでも、俺にはそう思えた。遠山とは伊達にこの世界に来るまで、色々な事を経験積んできたし、濃厚な付き合いがある。それがあるから、そう確信を持てた。
 俺は痛みは誰よりも分かってるはずだ。遠山の左腕を無くした辛さは痛い程、分かる。その痛みが分かるからこそ、俺は遠山に謝った。
「気にするな。私は気にしてはいない。元通りとは言わずとも、昔の腕よりも頑丈な作りだ。次があるかは私には分からないが、次もし戦いの際に同じ状況になれば、あんなヘマをするつもりはもうとうない。2度目が起こったとしても、1度目の経験を活かして全力で挑む。安心していいだろう」
 遠山の両眼から威圧感を感じた。
 遠山の威圧……初めて受けた。並大抵の努力では到達しないだろう。そおいう領域の威圧感。
 俺の右手に汗が流れる。
 遠山も俺の知らない間に今まで以上に強くなってる。アンダーグラウンド戦で、どれだけ強くなったんだよ。
 俺は仲間であり、リーダーである遠山が更に強くなったことを心から喜ぶ。
「次は絶対にさせないかんね。うちが切り離された部分を元通りにくっつけて治せるだけの力をつけるじゃん。それさえ出来れば、もう2度とあんな悲しい出来事はさせないから!これ、うちの中で絶対の決まりだかんね」
 熱いバトルを繰り広げていても、遠山の会話はしっかり聞いていたらしく、千葉が自分の決意を目の前にある遠山に伝えた。
「そーそー。まひろがその力を持ってたら、もう2度目があってもなくてもさ。安心だし!そもそも美紅人が2度も同じ失敗はしないから。大丈夫とうちは思ってるし。まひろ、それでも治せる力は必須だよ!それがあったら、うちはめちゃめちゃ安心だし。うちら全員、安心して敵と戦ってられるじゃん」
 千葉さんも、戸倉さんも、本当に遠山が好きなんだな。それが今の言葉だけで、よーく分かるわ。
「そうだな。まひろ、ちづ、2人とも頼りにしてるぞ。私は私で、今よりも更に強くなる。その為にも時間は一分一秒惜しい。では新道、私達はこれから鍛錬に行ってくる。新道は夏奈華ちゃんと一緒に宿舎で休んでいるなり、食事を摂るなり好きにしていて構わない。ただ無茶だけは控えておいてくれ」
 遠山はそう言い、鍛錬をしに行こうとする。左右の2人は腕を組んだまま、遠山の速度に合わせて歩き始める。
「遠山、ちょっと待ってくれよ」
 俺は遠山達を呼び止め、今から他の都市で奴隷にされた獣人を助けに行く内容を伝える。
「新道、本気か?まだ病み上がりに等しい体で無茶をするべきじゃないぞ」
「俺は遠山も知っての通り、特殊な作りで体は出来てるから大丈夫だ」
 俺の言葉を聞き、俺が言いたい事がどおいう意味を指してるのか素早く理解した遠山は頷く。
「そうか。……それなら分かった。私達も共について行こう」
 遠山は腕を組んだ千葉達から両腕を解放し、腰に下げた白鴉に触れる。
 遠山からプレッシャーが一瞬にして、全体に放たれる。
 俺は前に一歩踏み出した遠山の肩に左手を置き、ハッキリ言う。
「遠山達はそのままここに居てくれていい」
「新道、何を言ってる?人数は多いに越した事はないだろう?それとも私達だけでは不服か?」
 遠山のプレッシャーが更に跳ね上がる。
「不服とかそんなの関係ない。ただ俺は遠山にここに残ってほしいだけだ。もし万が一、ここに敵が来たら誰が守る?俺や遠山が全員出払ってたら、誰が今ここにいる人や獣人のみんなを守るって言うんだ?遠山以外にいないだろ?」
「……確かに一理あるが、私は――」
「そもそも俺の体は特殊だから平気。まだ病み上がりなのは遠山の方だろ?ここで無理して何かあったら、言い出しっぺの俺も責任感じちゃうし、あの時『俺の背負えないものは背負う』と言ってくれたのは嬉しかった。でもそれは今じゃない。今は遠山の方が無理しちゃダメだ。次に取っておいてくれ。今は俺が頑張る番だと思うから」
「新道、私は万全だ……そう言いたいところだが、新道の言う通り、まだまだ本調子には到底及ばない。それを新道に見透かされたな。……本当はどんなに無理してでも行かなくては行けないのだろうが、今回は新道に任せる」
 遠山は白鴉に触れた手を離し、一歩後ろに下がる。それと同時に遠山から放たれるプレッシャーが瞬時に消えた。
「分かった。任せろ。そおいうことだから、千葉さんと戸倉さん、2人は遠山を無理させないように頼んだ」
「そんなん当たり前たりめーじゃん!」
「うちらが責任持って、美紅人の側にいるし!無理しない程度に鍛錬させるから安心して、新道くんは行ってきな!」
 千葉と戸倉は遠山の両腕に再び抱きつく。次はがっちり両腕を固定してる。たぶん俺を遠山が追いかけないように身動き取れなくしたんだろうな。女って凄い!そうまざまざと思わされた。
 俺は遠山達と話し合いを終え、他の都市へ向かおうとした――その時、
「お兄ちゃん!」
 今まで静かに黙っていた夏奈華が俺の足に抱きつく。両腕両脚を固定ホールドして、遠山同様に身動き取れなくする。といっても強引に抜け出そうと思えば、抜け出せるんだが。
 夏奈華は「ななかも、いく」と俺の足にひっついて離れようとしない。
 甘えん坊さんだな。夏奈華ちゃんが一度こうなると意地でも貫き通すのをよーく知ってる。こうなったら仕方ない。
「夏奈華ちゃん、分かった。行こう」
 俺は夏奈華の頭を優しく撫で、頷く。
「うん!」
 夏奈華は顔を見上げ、笑う。
 甘えん坊なのにOKするとすぐ素直になる。夏奈華ちゃん、可愛いな。
 俺も夏奈華の顔を見て、笑顔をこぼす。
「夏奈華ちゃんは空の旅に出たことがあるか分かんないけど。今から空の旅にご案内だ!」
 復讐者の籠手を触媒に《闇の闘気》を発動し、
闇装術ダークドーピング《闇翼》夏奈華、しっかり掴まっててな」
「うん!」
「新道、敵はもういないだろうが油断大敵だ。絶対に何があっても、気を抜かずに油断するなよ。油断は命取りだ」
「分かってる」
「新道くん、夏奈華ちゃん、行ってらっじゃん」
「2人とも、いってらー」
 背中に大きな闇の翼を広げて、俺は夏奈華ちゃんを抱きしめて飛んだ。
「さぁー、空の旅の始まりだ!」
 [称号:空の旅人 獲得]
 [称号:大空へ飛びし者 獲得]
 一瞬で上空まで上昇し、
「うわー!きれーー!お兄ちゃん!きれいだよ!ほら見て見て!」
 地上を見下ろすと地上は細かく見える。上を見上げれば、星々の煌めきが直視して眺められる。
 [称号:地上を見下ろす者 獲得]
 [称号:星々を仰ぎ見た者 獲得]
 夏奈華は星々を右手で指差し、目をキラキラと輝かせる。
 夏奈華ちゃんが喜んでくれて良かった。
「ああ。綺麗だな。こんな綺麗な星々を眺められて、俺も心から嬉しいよ。人間と獣人が争う世界にも、こんなに綺麗な光景があったんだな。こんな光景を見るとこの世界も捨てたもんじゃないと思える。俺は拉致られなかったら、今見てる光景も見れなかったんだよな」
 俺はシミジミと思い耽る。
「ななかね、お兄ちゃんが言ってること……あんまりわからないけどね。ななか、こーーんなにきれいなの見れて幸せだよ。お兄ちゃん、ありがとう。大好き!」
 ……夏奈華ちゃん……。
 そうだよな。こんなに綺麗な景色を見れたら、本当に今までの事が嘘のように思えてくるな。ずっとこの景色だけを見てたら、本当に幸せなんだろうな。
 俺は星々を見上げるのを止め、現実に戻ると共に本来の目的に移る。
「夏奈華ちゃん、俺の方こそ、ありがとう。夏奈華ちゃんが一緒に来てくれなかったら、俺1人でこの景色を見るところだった。本当に本当にありがとう!そして俺も夏奈華ちゃんが大好きだ!夏奈華ちゃん、空の旅は星々から次は飛行に移るよ。空の旅を心行くまで楽しんで」
 俺はそう伝え、夏奈華を楽しませるようにありとあらゆる飛び方――といっても、初めて俺も飛ぶんだけど――で雲を引き裂き、空を飛ぶ鳥と肩を並べては新たな発見をし続け、空の旅を楽しんだ。
 [称号:空の旅を楽しむ者 獲得]
 [称号:大空の旅人 獲得]
 [称号:大空を駆ける者 獲得]
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