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1章
28.気まずい空気
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ん、なんか・・・あったかい。
自然とそちらに誘われて僕は身を捩った。
・・・・・・気持ちいい。
ふわふわとした気持ち。・・・久しぶりかもしれない。
海渡のこと考えすぎて昨日はまったく寝付けなかったし、一昨日だってプロポーズにいっぱいいっぱいで・・・。寝られなかった。
とくに昨日は海渡を傷つけたことにぐるぐるして、辛くて、わけわかんなくて。
あったかい・・・・・・。
横に感じる暖かいなにか。・・・安心する。
目をうっすらと開けると
え
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あー、眠い。
久しぶりかもしんない。開発中はあんまり眠いとか感じないのに、瑠衣ちゃんを考えてたら寝付けなかった。
瑠衣ちゃんを傷つけたってことが俺の中で巡回して目が覚める。
・・・・・・寝不足で倒れたんだっけ?俺。
横に感じる暖かい香り。
ずっと側に置いて置きたくなるほどのなにか。
ふと腕にそのなにかが絡まった。
「え・・・?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんで、
なんで、
っ、海渡がここに・・・・・・!?
「え・・・?」
「え・・・?」
「え・・・?」
「か・・・いと?なんで・・・?」
「瑠衣ちゃん・・・、え・・・俺、倒れて・・・」
目の前には確かに海渡が居た。
僕は寝不足でとにかく眠かったから宮代先生(紅子叔母さん)にお願いして寝ていた・・・・・・!!
謀られた・・・・・・!
「っ、、
「待ってっ!!」
僕は急いで海渡から離れようとしたけど寝起きの怠さで動きが遅い。海渡に腕を掴まれた。
「わっ、・・・・・・」
「あ、ごめんね・・・!怪我してない!?」
掴まれた勢いで、もとの場所に戻る。
――海渡の腕の中に。目が合って反らす。
「だっ大丈夫。・・・離して」
「え、あ、ご、ごめんね・・・えっと」
海渡は動揺しているようでやっぱりいつもよりぎこちない。ケンカ?したあとってこんななのかな・・・?
僕たちはケンカしたことない。僕が何を言っても海渡はにこにこしてるし、何をしてもにこにことしてる。
それなのに・・・・・・。
ケンカってこんなに気まずいんだ・・・。
初めて知った。
「・・・海渡、はどうしてここに・・・?」
気まずい空気に僕は疑問を投げる。
僕は一人で寝ていたのに、海渡が一緒に寝てるんだもん。その理由が知りたい。
「え、えっと・・・俺にも分かんない」
「?」
海渡にも・・・・・・分からない?
「俺、今日寝不足で・・・教室で倒れたのは覚えてるけど・・・なんで、ここで寝てるのかは・・・分かんない」
「へぇ」
「え、瑠衣ちゃん?ほんとだかんね!!俺、嘘言ってないよ!?・・・・・・え」
・・・。
そっか、海渡も寝不足なんだ。別に僕のとこにいつもみたいに『瑠衣ちゃ~ん!!』って言ってにこにこしてぎゅーってしたり、変に触ってきたりするために来たんじゃないんだ・・・。
いつもなら、ほっとするのに・・・。
なんか、なんか・・・辛い。
なんで・・・・・・・!?
涙が出てる。頬を伝って唇を濡らした。
分からなくなって海渡の顔が見られない。こんな顔、見せられない。
僕は顔を反らして海渡に背中を向けた。
「るっ瑠衣?・・・え、ごめん、ごめんね。痛かった?・・・どこか怪我してるの?・・・え?え」
「うっ、・・・う・・うう・・・ん・・・・・・ちがっ」
「ごめんね」
そう言って、引き寄せられた。
腕を引かれ、頭を抱えられて。海渡に抱き締められた。
頭に添えられた手は優しく撫でてくれる。
「っ・・・う、うぅう~
「ごめんね。今だけ、許して」
「か、、いと。海渡っ、ご、ごっご
「うん。大丈夫だから・・・・・・手は出さないから」
「え・・・・・・?」
言いたくて、言いたくて、言おうとした涙で濡れて掠れた『ごめんなさい』それは海渡に遮られた。
「ごめんね。・・・・・・俺、瑠衣ちゃんの気持ち考えてなかった。俺の気持ち押し付けて、瑠衣ちゃんに選択肢なんてなかったよね・・・。それで、押し付けて押し付けたまんまなのに瑠衣をさらに傷つけて。・・・傷つけてるって分かってたのに傷つけて、それをみて自分が嫌になって傷ついて。だったら、もう諦めろって自分に言い聞かせても、瑠衣ちゃんを手放したくなくて意地はって、、ごめんね」
そう言った海渡も泣いていた。
引き寄せられてる肩に落ちる雫。震える声。
――違うっ!!傷つけてるのは海渡じゃない!!
そう言いたかった。
でも声が出ない。言いたいのに、話したいのにっ!!
「だから、もう止めるね。・・・・・・でも、これからも友達でいてほしい」
海渡はそう言って僕から離れた。
僕は何も言えなかった。
自然とそちらに誘われて僕は身を捩った。
・・・・・・気持ちいい。
ふわふわとした気持ち。・・・久しぶりかもしれない。
海渡のこと考えすぎて昨日はまったく寝付けなかったし、一昨日だってプロポーズにいっぱいいっぱいで・・・。寝られなかった。
とくに昨日は海渡を傷つけたことにぐるぐるして、辛くて、わけわかんなくて。
あったかい・・・・・・。
横に感じる暖かいなにか。・・・安心する。
目をうっすらと開けると
え
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あー、眠い。
久しぶりかもしんない。開発中はあんまり眠いとか感じないのに、瑠衣ちゃんを考えてたら寝付けなかった。
瑠衣ちゃんを傷つけたってことが俺の中で巡回して目が覚める。
・・・・・・寝不足で倒れたんだっけ?俺。
横に感じる暖かい香り。
ずっと側に置いて置きたくなるほどのなにか。
ふと腕にそのなにかが絡まった。
「え・・・?」
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なんで、
なんで、
っ、海渡がここに・・・・・・!?
「え・・・?」
「え・・・?」
「え・・・?」
「か・・・いと?なんで・・・?」
「瑠衣ちゃん・・・、え・・・俺、倒れて・・・」
目の前には確かに海渡が居た。
僕は寝不足でとにかく眠かったから宮代先生(紅子叔母さん)にお願いして寝ていた・・・・・・!!
謀られた・・・・・・!
「っ、、
「待ってっ!!」
僕は急いで海渡から離れようとしたけど寝起きの怠さで動きが遅い。海渡に腕を掴まれた。
「わっ、・・・・・・」
「あ、ごめんね・・・!怪我してない!?」
掴まれた勢いで、もとの場所に戻る。
――海渡の腕の中に。目が合って反らす。
「だっ大丈夫。・・・離して」
「え、あ、ご、ごめんね・・・えっと」
海渡は動揺しているようでやっぱりいつもよりぎこちない。ケンカ?したあとってこんななのかな・・・?
僕たちはケンカしたことない。僕が何を言っても海渡はにこにこしてるし、何をしてもにこにことしてる。
それなのに・・・・・・。
ケンカってこんなに気まずいんだ・・・。
初めて知った。
「・・・海渡、はどうしてここに・・・?」
気まずい空気に僕は疑問を投げる。
僕は一人で寝ていたのに、海渡が一緒に寝てるんだもん。その理由が知りたい。
「え、えっと・・・俺にも分かんない」
「?」
海渡にも・・・・・・分からない?
「俺、今日寝不足で・・・教室で倒れたのは覚えてるけど・・・なんで、ここで寝てるのかは・・・分かんない」
「へぇ」
「え、瑠衣ちゃん?ほんとだかんね!!俺、嘘言ってないよ!?・・・・・・え」
・・・。
そっか、海渡も寝不足なんだ。別に僕のとこにいつもみたいに『瑠衣ちゃ~ん!!』って言ってにこにこしてぎゅーってしたり、変に触ってきたりするために来たんじゃないんだ・・・。
いつもなら、ほっとするのに・・・。
なんか、なんか・・・辛い。
なんで・・・・・・・!?
涙が出てる。頬を伝って唇を濡らした。
分からなくなって海渡の顔が見られない。こんな顔、見せられない。
僕は顔を反らして海渡に背中を向けた。
「るっ瑠衣?・・・え、ごめん、ごめんね。痛かった?・・・どこか怪我してるの?・・・え?え」
「うっ、・・・う・・うう・・・ん・・・・・・ちがっ」
「ごめんね」
そう言って、引き寄せられた。
腕を引かれ、頭を抱えられて。海渡に抱き締められた。
頭に添えられた手は優しく撫でてくれる。
「っ・・・う、うぅう~
「ごめんね。今だけ、許して」
「か、、いと。海渡っ、ご、ごっご
「うん。大丈夫だから・・・・・・手は出さないから」
「え・・・・・・?」
言いたくて、言いたくて、言おうとした涙で濡れて掠れた『ごめんなさい』それは海渡に遮られた。
「ごめんね。・・・・・・俺、瑠衣ちゃんの気持ち考えてなかった。俺の気持ち押し付けて、瑠衣ちゃんに選択肢なんてなかったよね・・・。それで、押し付けて押し付けたまんまなのに瑠衣をさらに傷つけて。・・・傷つけてるって分かってたのに傷つけて、それをみて自分が嫌になって傷ついて。だったら、もう諦めろって自分に言い聞かせても、瑠衣ちゃんを手放したくなくて意地はって、、ごめんね」
そう言った海渡も泣いていた。
引き寄せられてる肩に落ちる雫。震える声。
――違うっ!!傷つけてるのは海渡じゃない!!
そう言いたかった。
でも声が出ない。言いたいのに、話したいのにっ!!
「だから、もう止めるね。・・・・・・でも、これからも友達でいてほしい」
海渡はそう言って僕から離れた。
僕は何も言えなかった。
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