ある日隣の変態と結婚することになりまして

紡月しおん

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1章

27.イタズラ~♪

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「紅子先生っ!!今日もお綺麗っすね!!好きっす!!あー、紅子先生が独身でいらしたらなぁ!!」

暑苦しい。

「オイ・・・ここは病人が居んだよ・・・黙れ」
「ふぅっ、・・・相変わらずの毒舌・・・もうどれだけ僕をメロメロにするんですかー」
「・・・・・・テメーの耳は飾りか?」

凄んで睨み付けてやったらようやく静かになった。このゴツイ頭ん中筋肉の体育教師兼ラグビー部顧問の矢馳豪は身長195センチの巨体だ。ただでさえ、見た目が煩いと言うのにとにかくいつも煩い。
ようやく黙った脳筋ゴリラは放っておいて海渡を肩に担ぎ長椅子に横たえる。
・・・無駄にでかくなりやがって。
この長椅子は150センチ程。瑠衣でさえこの長椅子に横たえても足が余るのに海渡の場合はさらに、だ。

とりあえず脈拍と呼吸音を確認する。
・・・うん、寝不足だな。

「オイ、脳筋ゴリラ」
「へ?」
「テメーだよ。テメー。・・・海渡が倒れたときの状態は?」

ゴリラはにこにこと答えた。
どうもゴリラはその場に居なかったらしいが、丁度通りがかって海渡を運ぶように先輩先生おっさんに言われたらしい。・・・おつー。
聞いた話では急に叫んでそのあとバタリ、と倒れたようだと。

「まったく、似た者同士でお似合いじゃないか」
「僕と紅子先生っすか?イダッ・・・気持ち良いっす
「オレにはくにって可愛い旦那が居んだよ!!黙れ変態脳筋ゴリラ」

手刀で頭を叩く。

瑠衣と海渡。まったく、揃いも揃って可愛い奴等だなぁ・・・。

「よっし、・・・オイ変態脳筋ゴリラ」
「なんすか?って変態じゃないっすよ~
「手伝え」






五分後。



「・・・あの~?紅子先生はそっちのお方で?」
「ん?」
「まぁ、確かにこれは有りっす。というか、有り以外なんとも言えねっす」

何が有りなんだ?

オレの前にはベッド。
その上には瑠衣たん・・・・・・+海渡。
ちょっとしたイタズラだぜ。起きたときどんなことになるか楽しみすぎてヤベー。

「沖江君はお金持ちでハイスペック(?)。宮代君は可愛い系の男の子。しかも幼馴染・・・・・・なんかこのCPテッパンすね~」
「あ?・・・CP?テッパン?・・・・・・まさか?」
「え、紅子先生は違うんすか?!や、てっきり・・・ハハッ・・・・・・なんですか?その・・・あ、恋愛対象は紅子先生っす!!マジです!!はい!!」

どうやら、ゴリラは腐ってたらしい。
ヤベー、ここにも変態がいたぜ。ヤベー。
オレは冷たい目をゴリラに向けた。

「ま、それはともかくな。・・・オイ、ゴリラ」
「だからゴリラじゃないっす!なんすか?」
「オレは今からちょっくら出てくっから、ここの鍵かけて外で見張ってろ。ご褒美は『海渡×瑠衣』の生BL試聴」
「えー、生BLを堪能できんのは嬉しいっすけど紅子先生と一緒が良いっす」

案の定。

「・・・ここで見張るなら、次の校時お前はサボれる。もとい、・・・・・・・・・いやサボれるぞ」
「え、
「これを貸す。まだ試作品だがな・・・・・・お前、確かドローン飛ばせるだろ?」

そっと、机の引き出しから2,3センチ程の小型カメラとコントローラーを出す。・・・・・・以前、海渡のノートをチラ見して作った試作品だ。

「・・・・・・飛ぶんすか?」
「飛ぶ。オレを侮ってると後悔するぞ」

ばきゅーんと右手を動かすと面白いほどノッてくるゴリラ。ばたん、きゅー。(笑
その後、コントローラーを手にとって軽く動かしていたゴリラは徐々に楽しくなってきたのかノリノリで了承した。

「いやー、紅子先生には感服っす!これちょー楽しいじゃないすか!」
「その中央の画面の下に二つ・・・そーそーそれ。それでカメラ起動するから。海渡は以外と鋭いとこあっから、バレたら右のを押せ。透明化する」
「え!!・・・マジすか・・・」

マジだ。海渡は天才だからな。
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