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1章
26.紅の魔女
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保健室。
そこは、またの名を『魔女の間』と呼ばれている。そこの住人は『紅の魔女』と言われ恐れられている。
なぜなら・・・。
ガラッ
「失礼しま
「あ゙ぁ゙~~~?」
ガラッ
「失礼しました。
ガラッ
「愛してんぜっ!!瑠衣」
そう言ってもちろん抱きつく。(叫んで?かな)
なるべくこの人にはお世話になりたくなかった。けど状況が状況だし。
とにかく眠い。
「お久しぶりです。・・・紅子さん」
この人、宮代紅子さん。『紅の魔女』と呼ばれてる。その理由は、言葉遣いとその腕。豪快な言葉遣いに校内のヤンキーどもは制圧され、怪我をした生徒には的確に対応する。その姿から命名(?)されたらしい。
そして彼女は母さんの姉で僕の伯母。海渡の母の義理の姉。・・・身内が先生だと大変。
「あー?ったく、つれねぇなぁ。瑠衣、オレのことは紅姉で良いっていってんだろ」
いや、もうそんな子供じゃないし。
・・・あともう姉はきつい。
「あー、宮代先生?」
「んー・・・?るーい?」
「ほへんははい(ごめんなさい)」
宮代先生と呼んだら僕の両頬を引っ張った。
・・・すごく痛い・・・・・・。
とても女性の力じゃ・・・あ、
痛い痛い痛い痛い!!・・・この人はエスパーか何かなのか!?
「離してくらしゃいっ。紅姉ちゃんっ」
僕が涙目で訴えるとニヤリとしてようやく離してくれた。(あー、両頬がひりひりする・・・)
「ほい。・・・で、珍しいな!瑠衣がオレんとこ来るなんてなぁガハハッ」
豪快に笑うその姿は確かに美しいが品がない。・・・こんなこと言ったら僕はさっきのだけじゃ済まされない。うん、殺されかねないだろうね。
「・・・ちょっと、気分悪くて・・・少し休ませてもらっても良いですか?」
「それは別に構わねぇよ?・・・ん、海渡のことか?瑛子から聞いた」
「・・・はい、昨日から考えすぎちゃって寝不足なんです」
「・・・ふ~ん・・・若いねえ。青春だねぇ。・・・あぁ一応保健医として言っておくが、ちゃんど慣らせよ゙ぜってーいてぇから」
は?
「若い=仲直りは性交・・・ってのが定番じゃね?・・・・・・薬あるし、万が一は対処できっけど。海渡のやつ、結構性欲強そうだしなぁ・・・・・・あ、人居なかったらここも場所提供するぜっ(o≧▽゜)o」
・・・・・・は?
いやいやいやいや、なんでそーなる?
片目ウィンクってそれも場所提供も要らないです。
「あー、肛門交合だし・・・・・・あんまお勧めはできねぇけど・・・・・・うん、頑張れよ」
「なっ、何をですか!?・・・僕はそんな気なんてありませんし第一、その海渡と・・・そういうこと・・・をしたいとも思いませんし
「まぁまぁまぁ、瑠衣がそうでもあっちは分かんねぇぜ?ガハハッ」
また豪快に笑う。
この魔女は二つ名の二つ名に『紅の御社』とも呼ばれている。まったく動じない、凄まじい精神力と多くの人から崇められてる(?)らしく御社と表したらしいが。(宮代と御社もかけている・・・うまいっ!、と言うかなんと言うか)
「はぁ・・・とにかく、休ませてもらっても良いですか?」
「あ゙?いいよ。・・・ただ、ベッドが二つあるが一つはあたしの荷物が、な。あっ、オレの腕ん中でも良いぜっ。どっちにする?オレの腕ん中かオレの荷物ん中か」
「左のベッドを使わせてもらいます」
僕はそう言って、ごみ置き場と化していない方のベッドを指差した。と言うか、その二択って究極過ぎますよ?無理無理!!
「はいはい。・・・じゃあ、一時間・・・二時間にしとくかとりあえず時間になったら起こす。それまでお休み」
ベッドに横たわった僕に布団をかけながら先生はそう言った。「はい、ありがとうございます」お礼を言って目を閉じると、微かに頭を撫でられた感触があったが・・・眠い。寝よう・・・と僕の意識は遠ざかっていった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
まっさか、瑠衣たんが来るなんて思わねぇよ・・・。
オレ、宮代紅子は内心ニヤける。
瑛子には今の現状を知らされてたから、海渡辺りは来るかとは思っていたが瑠衣たん来た。あのいつもオレがいるからか、保健室になんてめったに来ないのに。
今はすやすやと可愛い寝顔で寝てる。
・・・ほんと天使だよなぁ・・・。
瑠衣たんがちっせー頃なんか「紅姉っ!紅姉っ!」って可愛くって可愛くって・・・。
今じゃ、逆鱗に触れないように必死になるわぁハハハ。
「ん~・・・ふぅ・・・・・・だよ」
ん?
「僕も・・・・・・っ、ごめん・・・」
寝言・・・か。
瑠衣の寝言は珍しい。
・・・それだけ、病んじまってるってことか・・・。
保健医としても、瑠衣の伯母としても・・・うん、辛いな。
「か・・・・・・いと・・・す・・・・・・き」
!!
「ん、瑠衣たん・・・?・・・もっかい言って?」
「・・・・・・スゥ・・・スゥ・・・・・・うざい」
だっ!!、これはオレに言ってんのか?それとも海渡に言ってんのか?
瑠衣は今、寝てる。薄く涙が目尻に浮かんでる。
無意識に寝言を言うくらいなんだから自分の気持ちに気づいてるはず。
だけど・・・・・・。
「まったく、昔から瑠衣たんの頑固は変わらないね~」
瑠衣たんの寝顔をスマホのカメラに収めながら自然とニヤける。
うちの(?)天使ちゃんたちは奥手過ぎてむしろ可愛いなっ!
「頑張れよ・・・る
ガラッ
「紅子先生っ!!急患です!!」
ちっ、オレの癒しタイムを邪魔したその急患は誰だぁ?オイ・・・・・・っておっふ・・・マジかー。
保健室のベッドの薄橙色のカーテンを開けるとそこにいたのはガチムチマッチョのラグビー部顧問の矢馳豪に姫抱きにされた――。
「・・・海渡・・・・・・か?」
そこは、またの名を『魔女の間』と呼ばれている。そこの住人は『紅の魔女』と言われ恐れられている。
なぜなら・・・。
ガラッ
「失礼しま
「あ゙ぁ゙~~~?」
ガラッ
「失礼しました。
ガラッ
「愛してんぜっ!!瑠衣」
そう言ってもちろん抱きつく。(叫んで?かな)
なるべくこの人にはお世話になりたくなかった。けど状況が状況だし。
とにかく眠い。
「お久しぶりです。・・・紅子さん」
この人、宮代紅子さん。『紅の魔女』と呼ばれてる。その理由は、言葉遣いとその腕。豪快な言葉遣いに校内のヤンキーどもは制圧され、怪我をした生徒には的確に対応する。その姿から命名(?)されたらしい。
そして彼女は母さんの姉で僕の伯母。海渡の母の義理の姉。・・・身内が先生だと大変。
「あー?ったく、つれねぇなぁ。瑠衣、オレのことは紅姉で良いっていってんだろ」
いや、もうそんな子供じゃないし。
・・・あともう姉はきつい。
「あー、宮代先生?」
「んー・・・?るーい?」
「ほへんははい(ごめんなさい)」
宮代先生と呼んだら僕の両頬を引っ張った。
・・・すごく痛い・・・・・・。
とても女性の力じゃ・・・あ、
痛い痛い痛い痛い!!・・・この人はエスパーか何かなのか!?
「離してくらしゃいっ。紅姉ちゃんっ」
僕が涙目で訴えるとニヤリとしてようやく離してくれた。(あー、両頬がひりひりする・・・)
「ほい。・・・で、珍しいな!瑠衣がオレんとこ来るなんてなぁガハハッ」
豪快に笑うその姿は確かに美しいが品がない。・・・こんなこと言ったら僕はさっきのだけじゃ済まされない。うん、殺されかねないだろうね。
「・・・ちょっと、気分悪くて・・・少し休ませてもらっても良いですか?」
「それは別に構わねぇよ?・・・ん、海渡のことか?瑛子から聞いた」
「・・・はい、昨日から考えすぎちゃって寝不足なんです」
「・・・ふ~ん・・・若いねえ。青春だねぇ。・・・あぁ一応保健医として言っておくが、ちゃんど慣らせよ゙ぜってーいてぇから」
は?
「若い=仲直りは性交・・・ってのが定番じゃね?・・・・・・薬あるし、万が一は対処できっけど。海渡のやつ、結構性欲強そうだしなぁ・・・・・・あ、人居なかったらここも場所提供するぜっ(o≧▽゜)o」
・・・・・・は?
いやいやいやいや、なんでそーなる?
片目ウィンクってそれも場所提供も要らないです。
「あー、肛門交合だし・・・・・・あんまお勧めはできねぇけど・・・・・・うん、頑張れよ」
「なっ、何をですか!?・・・僕はそんな気なんてありませんし第一、その海渡と・・・そういうこと・・・をしたいとも思いませんし
「まぁまぁまぁ、瑠衣がそうでもあっちは分かんねぇぜ?ガハハッ」
また豪快に笑う。
この魔女は二つ名の二つ名に『紅の御社』とも呼ばれている。まったく動じない、凄まじい精神力と多くの人から崇められてる(?)らしく御社と表したらしいが。(宮代と御社もかけている・・・うまいっ!、と言うかなんと言うか)
「はぁ・・・とにかく、休ませてもらっても良いですか?」
「あ゙?いいよ。・・・ただ、ベッドが二つあるが一つはあたしの荷物が、な。あっ、オレの腕ん中でも良いぜっ。どっちにする?オレの腕ん中かオレの荷物ん中か」
「左のベッドを使わせてもらいます」
僕はそう言って、ごみ置き場と化していない方のベッドを指差した。と言うか、その二択って究極過ぎますよ?無理無理!!
「はいはい。・・・じゃあ、一時間・・・二時間にしとくかとりあえず時間になったら起こす。それまでお休み」
ベッドに横たわった僕に布団をかけながら先生はそう言った。「はい、ありがとうございます」お礼を言って目を閉じると、微かに頭を撫でられた感触があったが・・・眠い。寝よう・・・と僕の意識は遠ざかっていった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
まっさか、瑠衣たんが来るなんて思わねぇよ・・・。
オレ、宮代紅子は内心ニヤける。
瑛子には今の現状を知らされてたから、海渡辺りは来るかとは思っていたが瑠衣たん来た。あのいつもオレがいるからか、保健室になんてめったに来ないのに。
今はすやすやと可愛い寝顔で寝てる。
・・・ほんと天使だよなぁ・・・。
瑠衣たんがちっせー頃なんか「紅姉っ!紅姉っ!」って可愛くって可愛くって・・・。
今じゃ、逆鱗に触れないように必死になるわぁハハハ。
「ん~・・・ふぅ・・・・・・だよ」
ん?
「僕も・・・・・・っ、ごめん・・・」
寝言・・・か。
瑠衣の寝言は珍しい。
・・・それだけ、病んじまってるってことか・・・。
保健医としても、瑠衣の伯母としても・・・うん、辛いな。
「か・・・・・・いと・・・す・・・・・・き」
!!
「ん、瑠衣たん・・・?・・・もっかい言って?」
「・・・・・・スゥ・・・スゥ・・・・・・うざい」
だっ!!、これはオレに言ってんのか?それとも海渡に言ってんのか?
瑠衣は今、寝てる。薄く涙が目尻に浮かんでる。
無意識に寝言を言うくらいなんだから自分の気持ちに気づいてるはず。
だけど・・・・・・。
「まったく、昔から瑠衣たんの頑固は変わらないね~」
瑠衣たんの寝顔をスマホのカメラに収めながら自然とニヤける。
うちの(?)天使ちゃんたちは奥手過ぎてむしろ可愛いなっ!
「頑張れよ・・・る
ガラッ
「紅子先生っ!!急患です!!」
ちっ、オレの癒しタイムを邪魔したその急患は誰だぁ?オイ・・・・・・っておっふ・・・マジかー。
保健室のベッドの薄橙色のカーテンを開けるとそこにいたのはガチムチマッチョのラグビー部顧問の矢馳豪に姫抱きにされた――。
「・・・海渡・・・・・・か?」
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