22 / 64
1章
20.いつも通り
しおりを挟む
学校・・・行きたくないな。
でも、行かないと折角入った高校。将来、微生物とかの研究がしたいと思って入った。
「・・・行かないと」
海渡が一緒の高校と知ったとき驚き何でだと言う疑問と共に知っているやつがいる。しかも、あの海渡だ。また面倒を見ることになるんだなと思って少し・・・嬉しかった。
もう既に時計の針は6時20分を指している。
7時には家を出なくてはならない。
僕は重い体を引きずるように階下に降りた。リビングにはもうみんな揃っているようで賑やかな声が聞こえた。
「お兄、大丈夫かなぁ?」
ふと聞こえた雫の声。
昨日は食欲なくて雫が折角運んでくれたお握りを部屋の前に置きっぱなしにしてしまった。
朝起きて、誰かが片付ける音がしていた。
これ以上可愛い妹たちや父さん、母さんを困らせるわけにはいかない。
僕はいつも通りにリビングに入っていった。
「ふぁ・・・母さん、父さん。おはよう」
「あらっ、おはよう。瑠衣ちゃん、お味噌汁は?」
僕は首をふって「粉末のスープがいい」と言って中央にあるテーブルについた。
母さんはいつも通りにこにこして僕の前にお椀をおいた。
「好き嫌いはだめよ。今日は豆腐とワカメだから大丈夫でしょ?」
僕は味噌汁にねぎや小松菜、ほうれん草に大根など豆腐とワカメ以外の具が入っていると食べない。ただでさえ、味噌が苦手なのにその風味にプラス余計なものと思えるから。
僕は渋々お椀を手に持った。
・・・塩分の補給は大事だからね・・・。
今日の朝が味噌汁であったことに初めて嬉しく思った。
時計の針が6時55分を指した。
もうそろそろ行かなくてはならない・・・。
「お兄~。(むぎゅっ)学校行ってくるねー」
「兄さん。(ぽんぽん)今日もお土産よろしくなっ。アイスクリーム饅頭の無念を晴らすんだ!!」
僕は雫に抱きつかれ、静に頭をぽんぽんされた。これで、元気の出ない兄はいない。
――学校行って、帰りにアイスクリーム饅頭を買ってこよう。
そう心に誓った。
あと1分。
もう家を出なくてはならない。
「瑠衣ちゃん・・・行ってらっしゃい」
「ん、・・・行ってきます」
僕はリビングから出て、重い足を引きずりながら玄関のドアを開けた。
ガチャッ
うん、行ってきます。
僕は学校に向かった。
ーーーーーーーーーーーー
眠い・・・。
貫徹は流石に不味かったとは思う。
ただ前々からこの『小型のカメラ』の構想は練っていたため、作るのは容易かった。
試運転は先程完了したし、カモフラージュ機能も問題ない。これも政府に売ることになるんだろうし・・・(国同士の問題とか?警察で危ないとこを捜査するときとか?に使ったり)まぁ、俺には関係ないけどね。
「さてと・・・。瑠衣ちゃんは今?」
隣を双眼鏡で覗く。
盗聴器からは何の反応も無かったから、恐らくリビングにでもいるのかな?
時刻は6時53分。だいたい、瑠衣ちゃんは遅くても55分に家を出ることが多い。
「瑠衣ちゃん・・・。大好き」
独り言がでる。恐らく貫徹の頭は正常に動いていないんだろう。
55分になった。瑠衣ちゃんは出てこない。
「今日、瑠衣ちゃん休みなのかな?」
もしかしたらと思った。
昨日の今日だ。きっと学校に行きたくないなとでも思っているんだろうと思った。
でも、もし学校に行くなら俺が先に家を出ると瑠衣ちゃんのことだから教室について俺と目があったら逃げるかも知れない。
もう少し、もう少しだけ待ってよう。
そう思っていたら時計は7時になった。
双眼鏡を覗く。
玄関のドアが開いて瑠衣ちゃんが出てきた。
そっと『小型のカメラ』を起動させる。無音の浮上。そのカメラに瑠衣ちゃんの情報を覚えされる。
そして、それは部屋の窓から飛び立った。
しばらく、空中を見つめてから俺は鞄を手にした。
「母さん。学校、行ってくるね」
母さんの「行ってらっしゃい」と共に玄関を出た。
でも、行かないと折角入った高校。将来、微生物とかの研究がしたいと思って入った。
「・・・行かないと」
海渡が一緒の高校と知ったとき驚き何でだと言う疑問と共に知っているやつがいる。しかも、あの海渡だ。また面倒を見ることになるんだなと思って少し・・・嬉しかった。
もう既に時計の針は6時20分を指している。
7時には家を出なくてはならない。
僕は重い体を引きずるように階下に降りた。リビングにはもうみんな揃っているようで賑やかな声が聞こえた。
「お兄、大丈夫かなぁ?」
ふと聞こえた雫の声。
昨日は食欲なくて雫が折角運んでくれたお握りを部屋の前に置きっぱなしにしてしまった。
朝起きて、誰かが片付ける音がしていた。
これ以上可愛い妹たちや父さん、母さんを困らせるわけにはいかない。
僕はいつも通りにリビングに入っていった。
「ふぁ・・・母さん、父さん。おはよう」
「あらっ、おはよう。瑠衣ちゃん、お味噌汁は?」
僕は首をふって「粉末のスープがいい」と言って中央にあるテーブルについた。
母さんはいつも通りにこにこして僕の前にお椀をおいた。
「好き嫌いはだめよ。今日は豆腐とワカメだから大丈夫でしょ?」
僕は味噌汁にねぎや小松菜、ほうれん草に大根など豆腐とワカメ以外の具が入っていると食べない。ただでさえ、味噌が苦手なのにその風味にプラス余計なものと思えるから。
僕は渋々お椀を手に持った。
・・・塩分の補給は大事だからね・・・。
今日の朝が味噌汁であったことに初めて嬉しく思った。
時計の針が6時55分を指した。
もうそろそろ行かなくてはならない・・・。
「お兄~。(むぎゅっ)学校行ってくるねー」
「兄さん。(ぽんぽん)今日もお土産よろしくなっ。アイスクリーム饅頭の無念を晴らすんだ!!」
僕は雫に抱きつかれ、静に頭をぽんぽんされた。これで、元気の出ない兄はいない。
――学校行って、帰りにアイスクリーム饅頭を買ってこよう。
そう心に誓った。
あと1分。
もう家を出なくてはならない。
「瑠衣ちゃん・・・行ってらっしゃい」
「ん、・・・行ってきます」
僕はリビングから出て、重い足を引きずりながら玄関のドアを開けた。
ガチャッ
うん、行ってきます。
僕は学校に向かった。
ーーーーーーーーーーーー
眠い・・・。
貫徹は流石に不味かったとは思う。
ただ前々からこの『小型のカメラ』の構想は練っていたため、作るのは容易かった。
試運転は先程完了したし、カモフラージュ機能も問題ない。これも政府に売ることになるんだろうし・・・(国同士の問題とか?警察で危ないとこを捜査するときとか?に使ったり)まぁ、俺には関係ないけどね。
「さてと・・・。瑠衣ちゃんは今?」
隣を双眼鏡で覗く。
盗聴器からは何の反応も無かったから、恐らくリビングにでもいるのかな?
時刻は6時53分。だいたい、瑠衣ちゃんは遅くても55分に家を出ることが多い。
「瑠衣ちゃん・・・。大好き」
独り言がでる。恐らく貫徹の頭は正常に動いていないんだろう。
55分になった。瑠衣ちゃんは出てこない。
「今日、瑠衣ちゃん休みなのかな?」
もしかしたらと思った。
昨日の今日だ。きっと学校に行きたくないなとでも思っているんだろうと思った。
でも、もし学校に行くなら俺が先に家を出ると瑠衣ちゃんのことだから教室について俺と目があったら逃げるかも知れない。
もう少し、もう少しだけ待ってよう。
そう思っていたら時計は7時になった。
双眼鏡を覗く。
玄関のドアが開いて瑠衣ちゃんが出てきた。
そっと『小型のカメラ』を起動させる。無音の浮上。そのカメラに瑠衣ちゃんの情報を覚えされる。
そして、それは部屋の窓から飛び立った。
しばらく、空中を見つめてから俺は鞄を手にした。
「母さん。学校、行ってくるね」
母さんの「行ってらっしゃい」と共に玄関を出た。
0
お気に入りに追加
208
あなたにおすすめの小説

見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)


【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。


異世界の『贄』として殺された僕がこの世界で生きるにはどうしたら良いのですか?
紡月しおん
BL
異世界『ユグドラシル』から贄として殺されたはずなのに何の因果か“この世界”に落とされた村人A・・・・・・ルウ。
何も知らない彼が“この世界”で出会う三人の騎士。
「俺に囲われてろ」
「僕なら、絶対君を幸せにする···!」
「俺じゃダメ?・・・ずっと一緒にいよ」
「えーと・・・どうしたら良いんでしょうか?」
──────────
※思っていたより長くなりそうなので長編に変更しました。
すみませんm(。>__<。)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる