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1章
2.親子ゲンカ
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僕は強く言い放った。
だって、このままだと本人の意志なんて関係なしに結婚を決めてしまおうとしている親は親なんて言えるだろうか!?
言えない!!
「僕は海渡と結婚なんて嫌だ!!」
「瑠衣ちゃん・・・。でも、考えるだけ考えて欲しいなぁ」
「母さん。僕は海渡と結婚するくらいならこの家を出る」
僕の言葉に母さんは怯えた。
「瑠衣!!母さんを苛めるなんてそんな子に育てた覚えはない!!」
「あなたぁ!!」
父は僕を戒め、母とひしっと抱き合う。
仲が良いのは良いことだけど僕は母さんを苛めた覚えはない。むしろ、こっちが苛められてる。
「ねぇ、お兄~」
「兄さんー。雫姉と静にもう一人お兄ちゃん欲しいなぁ~」
うっ、可愛い・・・。違う!!
でも・・・。
今このときだけ妹たちを溺愛してきた自分に腹が立つ。
「う~~~!!」
僕はうめいた。
あーあーあーあー!!
「・・・父さんも母さんも大っ嫌いだーーーっ!!こんな家、出てってやるぅ!!」
「瑠衣っ!!・・・待ちなさいっ、もう6時なのよ!?夜の6時!!こんな遅い時間に外になんか出たら可愛い瑠衣ちゃんはきっと、きっと・・・あぁ・・止めて頂戴、瑠衣ちゃんっ、瑠衣ちゃんっ」
「瑠衣!!」
あー、めんどくさい。
ピーンポーン
そのとき、チャイムが鳴った。
・・・嫌な予感が。
「あっ、出ないと・・・でもこんな顔じゃ」
母さんは泣いて赤くなった目と鼻をどうしようとおろおろしてる。
ハァ・・・。
「僕が出るよ」
正直嫌な予感しかしないけど、これ以上母さんを泣かせたら僕は父さんや妹たちにどんなときであってもはぶかれるようになってしまう。
そんな光景が目に浮かぶようだった。
ダイニングを出て玄関に向かう。
ドアに人影が映ってあいつだと分かる。
とりあえず、釘バットで応戦かな。
ピーンポーン
再びチャイムが鳴ったのと同時に僕はドアを開け放った。
バンッ
やはり、飛び込んできた影。
――死ねっ!!
「ストップっ!! 待って待って待って、瑠衣!!落ち着いて!!ほらっ、ホールドアップっ」
ちっ、敵意のないやつを殺るなんて僕の良心が痛むからな。
「待った。・・・お前が僕に害をなすなら容赦はしない」
と言ってから気がついた。
海渡は白いタキシードに髪を整え、さらにバラの花束を持っていた。
・・・殺っとけばよかったかな?
「何のよう?」
「ふふっ、クールな瑠衣も素敵だね」
黙れ。この変態。
「何のようだと言ったけど?」
「うん、・・・瑠衣ちゃん・・・瑠衣、俺と結婚して下さい!!ずっと、子供の頃から可愛い瑠衣一筋だった。だから、俺と瑠衣のために俺、頑張って薬を開発したんだっ!!そしたら、法改正で俺達は結婚出来るようになったんだよ!!だから、だから」
ん?今なんて言った?
「ちょっと、待って?話についてけない」
「え?だから、結婚してって」
「そうじゃなくて!!」
海渡はポカンとしてこちらを見ている。
「薬?・・・作ったって、どういうこと?」
だって、未成年がそんな薬開発なんて出来るはずない!
それにあの変態の海渡だよ!?
あ、変態だから・・・か?
本人は僕の言葉に合点がいったようでにやにやしてこちらを見ている。普通ならイケメンの部類なんだけどなぁ・・・。いや、キモい。
「海渡・・・キモい」
「うぐっ!!・・・瑠衣ちゃんだから痛いけど嬉しい」
海渡は胸を抑えながら笑顔になった。
・・・ヤバイ、マジで引くわー。
「瑠衣ちゃん、引かないでよー。・・・俺さ、頑張ったんだよ。俺達が出会ったのは5歳の時だっけ?初めて瑠衣ちゃんを見たときから綺麗な子だな、こんな子と将来結婚したいなって。でも、一度母さんに言ったら『男の子同士は結婚出来ない』って言われた・・・それで俺は隠れていっぱい勉強して、色んな文書とか読んで、研究するために色んな資格とって・・・で、ようやくなんだ。ようやく、完成した・・・この薬は俺の10年間の努力の賜物なんだ!」
「要約すると、人知を超えた変態性で今まで海渡はスー○ーサイ○ジン状態だったと?」
「変態じゃないよー。瑠衣ちゃんへの愛のため・・・ゴフッ・・・なんで・・・(バタッ)」
だって、このままだと本人の意志なんて関係なしに結婚を決めてしまおうとしている親は親なんて言えるだろうか!?
言えない!!
「僕は海渡と結婚なんて嫌だ!!」
「瑠衣ちゃん・・・。でも、考えるだけ考えて欲しいなぁ」
「母さん。僕は海渡と結婚するくらいならこの家を出る」
僕の言葉に母さんは怯えた。
「瑠衣!!母さんを苛めるなんてそんな子に育てた覚えはない!!」
「あなたぁ!!」
父は僕を戒め、母とひしっと抱き合う。
仲が良いのは良いことだけど僕は母さんを苛めた覚えはない。むしろ、こっちが苛められてる。
「ねぇ、お兄~」
「兄さんー。雫姉と静にもう一人お兄ちゃん欲しいなぁ~」
うっ、可愛い・・・。違う!!
でも・・・。
今このときだけ妹たちを溺愛してきた自分に腹が立つ。
「う~~~!!」
僕はうめいた。
あーあーあーあー!!
「・・・父さんも母さんも大っ嫌いだーーーっ!!こんな家、出てってやるぅ!!」
「瑠衣っ!!・・・待ちなさいっ、もう6時なのよ!?夜の6時!!こんな遅い時間に外になんか出たら可愛い瑠衣ちゃんはきっと、きっと・・・あぁ・・止めて頂戴、瑠衣ちゃんっ、瑠衣ちゃんっ」
「瑠衣!!」
あー、めんどくさい。
ピーンポーン
そのとき、チャイムが鳴った。
・・・嫌な予感が。
「あっ、出ないと・・・でもこんな顔じゃ」
母さんは泣いて赤くなった目と鼻をどうしようとおろおろしてる。
ハァ・・・。
「僕が出るよ」
正直嫌な予感しかしないけど、これ以上母さんを泣かせたら僕は父さんや妹たちにどんなときであってもはぶかれるようになってしまう。
そんな光景が目に浮かぶようだった。
ダイニングを出て玄関に向かう。
ドアに人影が映ってあいつだと分かる。
とりあえず、釘バットで応戦かな。
ピーンポーン
再びチャイムが鳴ったのと同時に僕はドアを開け放った。
バンッ
やはり、飛び込んできた影。
――死ねっ!!
「ストップっ!! 待って待って待って、瑠衣!!落ち着いて!!ほらっ、ホールドアップっ」
ちっ、敵意のないやつを殺るなんて僕の良心が痛むからな。
「待った。・・・お前が僕に害をなすなら容赦はしない」
と言ってから気がついた。
海渡は白いタキシードに髪を整え、さらにバラの花束を持っていた。
・・・殺っとけばよかったかな?
「何のよう?」
「ふふっ、クールな瑠衣も素敵だね」
黙れ。この変態。
「何のようだと言ったけど?」
「うん、・・・瑠衣ちゃん・・・瑠衣、俺と結婚して下さい!!ずっと、子供の頃から可愛い瑠衣一筋だった。だから、俺と瑠衣のために俺、頑張って薬を開発したんだっ!!そしたら、法改正で俺達は結婚出来るようになったんだよ!!だから、だから」
ん?今なんて言った?
「ちょっと、待って?話についてけない」
「え?だから、結婚してって」
「そうじゃなくて!!」
海渡はポカンとしてこちらを見ている。
「薬?・・・作ったって、どういうこと?」
だって、未成年がそんな薬開発なんて出来るはずない!
それにあの変態の海渡だよ!?
あ、変態だから・・・か?
本人は僕の言葉に合点がいったようでにやにやしてこちらを見ている。普通ならイケメンの部類なんだけどなぁ・・・。いや、キモい。
「海渡・・・キモい」
「うぐっ!!・・・瑠衣ちゃんだから痛いけど嬉しい」
海渡は胸を抑えながら笑顔になった。
・・・ヤバイ、マジで引くわー。
「瑠衣ちゃん、引かないでよー。・・・俺さ、頑張ったんだよ。俺達が出会ったのは5歳の時だっけ?初めて瑠衣ちゃんを見たときから綺麗な子だな、こんな子と将来結婚したいなって。でも、一度母さんに言ったら『男の子同士は結婚出来ない』って言われた・・・それで俺は隠れていっぱい勉強して、色んな文書とか読んで、研究するために色んな資格とって・・・で、ようやくなんだ。ようやく、完成した・・・この薬は俺の10年間の努力の賜物なんだ!」
「要約すると、人知を超えた変態性で今まで海渡はスー○ーサイ○ジン状態だったと?」
「変態じゃないよー。瑠衣ちゃんへの愛のため・・・ゴフッ・・・なんで・・・(バタッ)」
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