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本編
67.帰路
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「···律花、大丈夫?酔い止めの薬は······飲んだみたいだね」
俺は現在船酔いでダウンしている。魔人騒動の後目覚めた後も俺は食っちゃ寝してたと言うのに兄貴と先輩を筆頭に無理をするな、安静にしていろ、と言ってほぼほぼ部屋に軟禁とも言える状況だった。流石に満星さんに動かないと体が鈍るからって訴えて、なんとか説得したくらいだった。
俺が軟禁されている間に再度五家会議が開かれ、魔人化とそれを誘発したと思われる怪しい薬について議論が行われた。実害がハッキリと出てきた以上、成すべき事が各家分担され調査と事態の改善を目標に動く···と言ったような事が話されたらしい。なお、美園は兄貴が代理とはいえ一応兄貴は学生なので負担は少ないと言っていたけれど兄貴曰く『律花を害したんだ······それ相応の代償は払って貰わないと』と魔人化に深く関わっているとみられる小豆親子について再度調べるつもりらしい。兄貴の今まで見たことない表情にちょっとびびった···もっと怖い顔を前世で見たことあるから、無かったら多分泣きそうになってたかも。耐性ついてて良かったと思う。
それで、なぜ俺が船酔いでダウンしてるのかと言うと厳島に被害が出たことで先ずは早急に本島にも出回ってる薬の流通を止める為各々領地へ帰ることになったから。被害が出たばかりで飛行船への警備が回せないと言う事で、本島まで船で向かいその後各々警備を手配し、領地まで向かう。本当は厳島家で護衛を手配する話になってたんだけどそれを厳島家以外四家全てが断った。護衛に人手を割くなら少しでも早く市場の復興再建と今回の被害で不安になっている領民の皆さんへのケアに努めろって。まぁ、船で本島まで半日掛かるし出発前に本島へ連絡しておけば各家護衛となってくれる人を派遣出来るし······美園は母方の親戚が厳島家だけど父方──つまり美園の親戚は縁遠く護衛を頼む間柄でもない。兄は冒険者である父の友人達に頼むつもりだったらしいが、母方の親戚なんだからとそれは伯父と先輩に止められた。
「···律花様、宜しければこちら如何ですか」
「律花、痛くはないか?」
美園の護衛として一緒に向かう先輩と雪華さん。厳島に残ると言った先輩は早く学園を卒業しろと伯父に一喝されて、渋々俺達の護衛兼学園に戻ることになった。先輩だけでは心許ないだろうと言うことで雪華さんが一緒だ。
雪華さんは長い前髪で顔が見えないし無口な人だけど、声色はやや低めでトーンは落ち着いている。そっと差し出された梅干し······あ今無理かも、胃がモヤモヤしている。
そんな俺の様子を見て代わりに水のボトルをくれた。
先輩はと言うと乗り物酔いに効くツボがあるとかで俺の手をマッサージしてくれてる。効いてるのか効いてないのか分からないけど、先輩の気持ちはとても嬉しい。
「あと少しで着くからね」
「無理せず寝ていろ、着いたら宿まで運んでやるから」
俺がダウンしてるから気を使っているのか、いつも言い争うパターンなのに二人とも大人しい。でもその気遣いが今は凄く有難いわ···俺は先輩に言われたように目を瞑った。
俺が次に目を覚ました時に兄貴と先輩が喧嘩してて、理由を聞けば急遽泊まることになった宿の空き室が二部屋しかなくて誰が俺と一緒に寝るかって話だった。
眠かった俺は欠伸をしながら雪華さんの腕を引いた。「···兄貴達と寝るの心配だから雪華さんと寝るし······おやすみ」···説明も面倒くさくて多分こんな感じで言ったんじゃないかな?あとの三人ぽかーんとしてたよ。別に三人を信用して無いわけじゃない、けど念の為。
また寝てる間に好き勝手されてたら困るからな。
雪華さんも安心出来ないんじゃって?そこは大丈夫。何故なら雪華さんは楼透のお母さんの弟さん──つまり叔父さんだったから。楼透が生まれる前に厳島に雇われたらしく面識は無かったらしいけれど船の中でそれを聞いた時は驚いた、体調が悪かったからリアクションは悪かったかもしれない。
なんか俺寝過ぎってくらい寝てる気がする。
それでもまだ寝足りなく感じるのは寝過ぎだからか?
翌朝宿を出発し馬車で魔法陣を通る。
魔法陣を通る瞬間のぐわんとする感じは未だ慣れない。酔い止め飲んでても気持ち悪くなりそうなくらいだから、短時間に連続して通ることの出来ない俺に配慮してくれて休憩を挟みながら向かう。
本当は兄貴の守護獣であるフェニに馬車ごと運んでもらうって案もあったんだけどもしも落とされたら危ないと却下され、二人ずつフェニに乗って行くって案も空気抵抗を軽減する魔法の練度が違う事や乗る順で揉めて却下、別行動ってのも護衛の意味が無いと却下······まぁ、魔人騒動の後で何があるか分からないし念の為複数行動しようって事だから仕方ないとも思う。
俺一人のせいで手間かけてるのに皆可哀想な目で見てくるから申し訳ない。満星さんの話だと、俺の体が弱いのも魔力制御が上手く出来ていないかららしい。封印が解けたことでその強大な魔力に順応しようと体が徐々に慣れていくから時間の問題ではあると言っていた。
「律花は白虎祭、参加するんだよね?」
「その予定」
「個人か?団体か?」
白虎祭は個人戦と団体戦があって、両方とも対人戦を想定するが、学園のランキング···序列により影響があるのが個人戦。団体戦は総合力を教師陣が採点し能力が審査される。
「個人は無理。でも団体に出ようかなって思ってる······千秋と一緒に出るって約束したし、足でまといにならないように俺も頑張らないと!」
途中休憩に寄った河原で話をしながら深呼吸する。
···ここはまだアルバ州かな?もう一回魔法陣に乗ったら州境って言うのか、アルバ州とローガ州の間くらいだと思うから······。
宿での朝ごはんをお粥にして貰って、ちょこちょこゼリー食べたり飴を舐めたりしているからか魔法陣酔いもだいぶ良い···魔法陣酔いって何だって感じだけどな。
「しかし団体戦は三人一組だろう。どうするんだ?」
そうだった······千秋と俺、あと一人必要だ。
今更ながら気づいた俺。
兄貴と先輩を交互に見ると二人とも困ったように笑う。
「嬉しいけどごめんね、僕は個人に出る予定なんだ」
「済まない···俺もだ。少し思うところあってな······」
まさか二人とも断るとは思ってなかった。けど、序列上位にいる二人だから仕方ないかと思う。べ、別に俺の代わりに頑張って貰おうとか思ってないし!
さてどうするか······そう思った時、馬に人参を食わせてる楼透が目に入った。
「なぁ、楼透は白虎祭どうするんだ?」
「俺は出ません」
「まだ魔力が不安なのか······」
「それは違いますね。魔力の融和は七割程回復しているように感じますし、このペースなら白虎祭迄には完全融和するでしょうね。日常で使う程度の魔力は特に不安定には感じません。むしろ元々これが俺の魔力だったのかってくらいに調子が良いですね」
「ん?じゃ何で面倒臭い感想文書くつもりなんだ」
「·······単純に、興味が無いからですね。俺は貴方を守れるだけでいい」
そう言った楼透だが表情は暗い。
···確か去年も一昨年も参加してなかったっけ。最後に参加したのは······そう考えて思い出す。何年前かは忘れたけど、楼透が参加した最後の年──。
「楼透は弱くないよ···」
「···知ってますが?コクヨウと同化しましたし律花様より強い事は確か──」
「違うよ。楼透はうちに来た時から強かったから!」
あの年、まだ初等科の時に楼透を知ってる人が高等科にいて···個人戦に出てた楼透に野次を飛ばしたんだ。遠くからだったから俺は何を言ってるのか聞こえなかったけどその試合で楼透は負けた、あと二回勝てば予選通過出来たのに···。
「俺と千秋と団体出ない?」
「······正気ですか?」
「んー、正確には千秋がもう一人を決めてなかったら···なんだけどさ」
楼透の親族みんな楼透の事を呪いの影響とは言え弱いって思ってるみたいだけどそんな事ない。その分、楼透が努力して来たんだろう···学園に入学した当初から成績は上の方だった。目立たないようにする為なのか一度見せてもらった解答用紙は上から順に埋まっているのに半分から下は真っ白だったり、魔法の実技テストでも家で魔法の練習してた時に見本で見せてくれた威力の半分も無くて······。
「俺を守ってくれるんだろ?一緒に出ないと意味無いじゃん!それに今更だけどもう高等生だし、青春って感じで友達と思い出作りしたい」
結構無理があったかな?前世含め三十歳超えたオジサンが青春とか言うのもちょっと恥ずかしかったんだけど······。楼透は黙って手の中の人参を見つめる······人参が消えてからようやく楼透は俺の方を向いた。
「···仕方ないですね、千秋の監視もありますし」
久しぶりに見た楼透の笑顔、いつも眉を寄せてクールな態度のくせになかなか見せないその幼いギャップがゲームでも受けてたんだろうと思った。まぁゲーム関係なしに昔から可愛いやつではある。
その後数度の休憩も終え美園別邸に着く頃には夕方になっていた。夕方と言っても外はもう暗くなり始めていて、先輩と雪華さんには泊まって行ってもらうことに。
楼透はいつの間にか使用人さんたちの中に溶け込んでいた。
というか、楼透が蓮家から帰ってきて使用人さん達は大歓迎ムード。昔からあのギャップで可愛がられていたし、みんな楼透のお父さんお兄さんな気持ちなんだろう。仕事も早いし的確で一家に一人は欲しいってやつだ。
明日学校へ行ったら千秋に楼透の事を相談しよう。
もし他の参加者を見つけてたら話し合わないといけない。
俺の知らない人だったら、俺って意外と人見知りだし不安だ。もしメンチ切られたら今の俺って非力なチキンだから上手くやって行ける自信ないよ······。
俺は現在船酔いでダウンしている。魔人騒動の後目覚めた後も俺は食っちゃ寝してたと言うのに兄貴と先輩を筆頭に無理をするな、安静にしていろ、と言ってほぼほぼ部屋に軟禁とも言える状況だった。流石に満星さんに動かないと体が鈍るからって訴えて、なんとか説得したくらいだった。
俺が軟禁されている間に再度五家会議が開かれ、魔人化とそれを誘発したと思われる怪しい薬について議論が行われた。実害がハッキリと出てきた以上、成すべき事が各家分担され調査と事態の改善を目標に動く···と言ったような事が話されたらしい。なお、美園は兄貴が代理とはいえ一応兄貴は学生なので負担は少ないと言っていたけれど兄貴曰く『律花を害したんだ······それ相応の代償は払って貰わないと』と魔人化に深く関わっているとみられる小豆親子について再度調べるつもりらしい。兄貴の今まで見たことない表情にちょっとびびった···もっと怖い顔を前世で見たことあるから、無かったら多分泣きそうになってたかも。耐性ついてて良かったと思う。
それで、なぜ俺が船酔いでダウンしてるのかと言うと厳島に被害が出たことで先ずは早急に本島にも出回ってる薬の流通を止める為各々領地へ帰ることになったから。被害が出たばかりで飛行船への警備が回せないと言う事で、本島まで船で向かいその後各々警備を手配し、領地まで向かう。本当は厳島家で護衛を手配する話になってたんだけどそれを厳島家以外四家全てが断った。護衛に人手を割くなら少しでも早く市場の復興再建と今回の被害で不安になっている領民の皆さんへのケアに努めろって。まぁ、船で本島まで半日掛かるし出発前に本島へ連絡しておけば各家護衛となってくれる人を派遣出来るし······美園は母方の親戚が厳島家だけど父方──つまり美園の親戚は縁遠く護衛を頼む間柄でもない。兄は冒険者である父の友人達に頼むつもりだったらしいが、母方の親戚なんだからとそれは伯父と先輩に止められた。
「···律花様、宜しければこちら如何ですか」
「律花、痛くはないか?」
美園の護衛として一緒に向かう先輩と雪華さん。厳島に残ると言った先輩は早く学園を卒業しろと伯父に一喝されて、渋々俺達の護衛兼学園に戻ることになった。先輩だけでは心許ないだろうと言うことで雪華さんが一緒だ。
雪華さんは長い前髪で顔が見えないし無口な人だけど、声色はやや低めでトーンは落ち着いている。そっと差し出された梅干し······あ今無理かも、胃がモヤモヤしている。
そんな俺の様子を見て代わりに水のボトルをくれた。
先輩はと言うと乗り物酔いに効くツボがあるとかで俺の手をマッサージしてくれてる。効いてるのか効いてないのか分からないけど、先輩の気持ちはとても嬉しい。
「あと少しで着くからね」
「無理せず寝ていろ、着いたら宿まで運んでやるから」
俺がダウンしてるから気を使っているのか、いつも言い争うパターンなのに二人とも大人しい。でもその気遣いが今は凄く有難いわ···俺は先輩に言われたように目を瞑った。
俺が次に目を覚ました時に兄貴と先輩が喧嘩してて、理由を聞けば急遽泊まることになった宿の空き室が二部屋しかなくて誰が俺と一緒に寝るかって話だった。
眠かった俺は欠伸をしながら雪華さんの腕を引いた。「···兄貴達と寝るの心配だから雪華さんと寝るし······おやすみ」···説明も面倒くさくて多分こんな感じで言ったんじゃないかな?あとの三人ぽかーんとしてたよ。別に三人を信用して無いわけじゃない、けど念の為。
また寝てる間に好き勝手されてたら困るからな。
雪華さんも安心出来ないんじゃって?そこは大丈夫。何故なら雪華さんは楼透のお母さんの弟さん──つまり叔父さんだったから。楼透が生まれる前に厳島に雇われたらしく面識は無かったらしいけれど船の中でそれを聞いた時は驚いた、体調が悪かったからリアクションは悪かったかもしれない。
なんか俺寝過ぎってくらい寝てる気がする。
それでもまだ寝足りなく感じるのは寝過ぎだからか?
翌朝宿を出発し馬車で魔法陣を通る。
魔法陣を通る瞬間のぐわんとする感じは未だ慣れない。酔い止め飲んでても気持ち悪くなりそうなくらいだから、短時間に連続して通ることの出来ない俺に配慮してくれて休憩を挟みながら向かう。
本当は兄貴の守護獣であるフェニに馬車ごと運んでもらうって案もあったんだけどもしも落とされたら危ないと却下され、二人ずつフェニに乗って行くって案も空気抵抗を軽減する魔法の練度が違う事や乗る順で揉めて却下、別行動ってのも護衛の意味が無いと却下······まぁ、魔人騒動の後で何があるか分からないし念の為複数行動しようって事だから仕方ないとも思う。
俺一人のせいで手間かけてるのに皆可哀想な目で見てくるから申し訳ない。満星さんの話だと、俺の体が弱いのも魔力制御が上手く出来ていないかららしい。封印が解けたことでその強大な魔力に順応しようと体が徐々に慣れていくから時間の問題ではあると言っていた。
「律花は白虎祭、参加するんだよね?」
「その予定」
「個人か?団体か?」
白虎祭は個人戦と団体戦があって、両方とも対人戦を想定するが、学園のランキング···序列により影響があるのが個人戦。団体戦は総合力を教師陣が採点し能力が審査される。
「個人は無理。でも団体に出ようかなって思ってる······千秋と一緒に出るって約束したし、足でまといにならないように俺も頑張らないと!」
途中休憩に寄った河原で話をしながら深呼吸する。
···ここはまだアルバ州かな?もう一回魔法陣に乗ったら州境って言うのか、アルバ州とローガ州の間くらいだと思うから······。
宿での朝ごはんをお粥にして貰って、ちょこちょこゼリー食べたり飴を舐めたりしているからか魔法陣酔いもだいぶ良い···魔法陣酔いって何だって感じだけどな。
「しかし団体戦は三人一組だろう。どうするんだ?」
そうだった······千秋と俺、あと一人必要だ。
今更ながら気づいた俺。
兄貴と先輩を交互に見ると二人とも困ったように笑う。
「嬉しいけどごめんね、僕は個人に出る予定なんだ」
「済まない···俺もだ。少し思うところあってな······」
まさか二人とも断るとは思ってなかった。けど、序列上位にいる二人だから仕方ないかと思う。べ、別に俺の代わりに頑張って貰おうとか思ってないし!
さてどうするか······そう思った時、馬に人参を食わせてる楼透が目に入った。
「なぁ、楼透は白虎祭どうするんだ?」
「俺は出ません」
「まだ魔力が不安なのか······」
「それは違いますね。魔力の融和は七割程回復しているように感じますし、このペースなら白虎祭迄には完全融和するでしょうね。日常で使う程度の魔力は特に不安定には感じません。むしろ元々これが俺の魔力だったのかってくらいに調子が良いですね」
「ん?じゃ何で面倒臭い感想文書くつもりなんだ」
「·······単純に、興味が無いからですね。俺は貴方を守れるだけでいい」
そう言った楼透だが表情は暗い。
···確か去年も一昨年も参加してなかったっけ。最後に参加したのは······そう考えて思い出す。何年前かは忘れたけど、楼透が参加した最後の年──。
「楼透は弱くないよ···」
「···知ってますが?コクヨウと同化しましたし律花様より強い事は確か──」
「違うよ。楼透はうちに来た時から強かったから!」
あの年、まだ初等科の時に楼透を知ってる人が高等科にいて···個人戦に出てた楼透に野次を飛ばしたんだ。遠くからだったから俺は何を言ってるのか聞こえなかったけどその試合で楼透は負けた、あと二回勝てば予選通過出来たのに···。
「俺と千秋と団体出ない?」
「······正気ですか?」
「んー、正確には千秋がもう一人を決めてなかったら···なんだけどさ」
楼透の親族みんな楼透の事を呪いの影響とは言え弱いって思ってるみたいだけどそんな事ない。その分、楼透が努力して来たんだろう···学園に入学した当初から成績は上の方だった。目立たないようにする為なのか一度見せてもらった解答用紙は上から順に埋まっているのに半分から下は真っ白だったり、魔法の実技テストでも家で魔法の練習してた時に見本で見せてくれた威力の半分も無くて······。
「俺を守ってくれるんだろ?一緒に出ないと意味無いじゃん!それに今更だけどもう高等生だし、青春って感じで友達と思い出作りしたい」
結構無理があったかな?前世含め三十歳超えたオジサンが青春とか言うのもちょっと恥ずかしかったんだけど······。楼透は黙って手の中の人参を見つめる······人参が消えてからようやく楼透は俺の方を向いた。
「···仕方ないですね、千秋の監視もありますし」
久しぶりに見た楼透の笑顔、いつも眉を寄せてクールな態度のくせになかなか見せないその幼いギャップがゲームでも受けてたんだろうと思った。まぁゲーム関係なしに昔から可愛いやつではある。
その後数度の休憩も終え美園別邸に着く頃には夕方になっていた。夕方と言っても外はもう暗くなり始めていて、先輩と雪華さんには泊まって行ってもらうことに。
楼透はいつの間にか使用人さんたちの中に溶け込んでいた。
というか、楼透が蓮家から帰ってきて使用人さん達は大歓迎ムード。昔からあのギャップで可愛がられていたし、みんな楼透のお父さんお兄さんな気持ちなんだろう。仕事も早いし的確で一家に一人は欲しいってやつだ。
明日学校へ行ったら千秋に楼透の事を相談しよう。
もし他の参加者を見つけてたら話し合わないといけない。
俺の知らない人だったら、俺って意外と人見知りだし不安だ。もしメンチ切られたら今の俺って非力なチキンだから上手くやって行ける自信ないよ······。
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