悪役令息(?)に転生したけど攻略対象のイケメンたちに××されるって嘘でしょ!?

紡月しおん

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本編

27.誓い ✻

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·······デジャブと言うのはこういうのを言うんだろうな。
ぴちゃ、ぴちゃ、ともう聞きなれた水音が耳元で聞こえている。



ざらりとした濡れた何かが俺の耳を這っている。
時々耳の中に入り込むその感触は擽ったいような、ざわざわと背筋を掻き撫でられるような変な感じだ。中に放り出したままの意識を手繰り寄せる。

············なんで、あいつは俺をこんな···。



「······あ、律花」

「おはよ。目覚めた?どこか痛いとこない?」



·······くそ。信じられねぇよ···。
滲む視界に捉えた千秋は眉を八の字に下げて、本気で心配した顔で俺の顔を覗き込んでいる。千秋が本心で俺を心配してるのは分かってる。でも実際にこの今の現状を生み出したのは千秋で······。


「·······ち、あき」

「···律花。好き·······大好き」


惚けたような表情でそう繰り返す千秋。
俺はどこで間違えたんだろう。···何故こうなった?

千秋は主人公で攻略対象ではないのに。
それを襲う理由なんてないのに。
俺は一体どこで選択を間違えた?


「···千秋」

「···なんで···········何故こんな事をした」


ここは何処だか分からない。全裸でベッドに寝かされている。
ベッドの柵に括られた両手首の枷。
足はさっきよりは比較的自由だが片足に重りのついた枷。
俺の状況は先程よりもずっと深刻になっていることは明白だ。


「俺は·······お前を信用してたのに」

「···お前も。楼透と同じように、俺がおかしくしたのか······?」


泣きたい。あぁ、確かにコーネリアは言ってなかったよ。
俺に付けた加護が『攻略対象のみに有効』なんて一言も。だからこそ今までの千秋の行動にも合点が行く。ここまで来たら俺の馬鹿さ加減にも嫌気が差してくる。




ちゅっ。


「律花が何を勘違いしてるのか分からないけど。僕はおかしくなんかなってないよ?出会った時からずっと律花の事が大好きだった」

「だからこれは律花がもう僕から離れないようにするためにやってるんだよ」



「いっぱい穢されちゃったから僕が綺麗にしてあげるね」



そう言った千秋の杏色の瞳には強い欲望を秘めた光が映っている。
·······俺は、もう、逃げられない。







「ん·······ちゅ、律花ぁ···口開けて」


「ちあ、っんん···やだっ······止めろっ、っん」


顔を両手で固定されてまだ話も終わっていないと言うのに無理矢理口づけられる。止めろと言った口に強引に差し込まれた千秋の舌が俺の口腔内を犯していく。



「ふぁ······んっ。甘ぁい·········律花···好き······大好き···好き」



聞き慣れた筈の千秋の『好き』が、そう呟かれるだけで背中にゾクゾクとした快感を伴って耳の中も全て犯していくような···。そんな意味での言葉なんて聞きたくない。信じてた。俺を友人として慕ってくれてるんだって思ってた。俺について回るそんな千秋が可愛くて、俺も大好きで······それなのにっ。

裏切られた悲しさと頭の中を支配する快楽に訳わかんない。ただ確かなのは涙が止まらないだけ。悲しい、辛い。絶望にも似た暗い感情だけ。

それなのに俺は千秋にキスされて気持ちよくなってしまっている。心と身体が一致しない。それが余計に苦しくて···。




「···律花······触るね」

「ひうっっっ」

「くふ。もう···こんなになってる·······僕で興奮してくれたの?嬉しい」



千秋はそう言って俺の両足を広げ、無防備に晒された俺の陰茎を握りくちゅくちゅと扱き出す。どれくらいの時間が経っているのか分からないけど、身体の感覚では学園で会長にされてからそう時間は経ってない気がする。

は、、待って、会長·········っ!!



「本当に柔らかいよね······律花の足。全部好き······ちゅっ」 

「真っ白で······粉砂糖みたいに甘くて···いつまでも触ってたい。こっちも気持ちいい?···こっちも甘くていやらしい匂いがする、美味しそう·······」

「ひっ、千秋···っ待って話させ──」

「いただきまぁす、ん」




俺の太腿の間に入り込むとパクっと千秋は口を開けた。


ぢゅるるぅ。




「っいあぁっ!!」



咥えられた刺激にガクガクと腰が震える。
お、俺の······食べられて···る············?

気持ちよすぎて思考もついていかない。何をされてるかなんて分かっているのに拘束された身体は逃げることも出来ない。



「りふはぁ···ひほひぃ?(りつか、きもちいい?)」


「んあっぁっ···咥えっ、ひぃっ、、ひゃべんなぁ♡」



思わず千秋の頭を両足で挟み込んでしまう。
そんなことなど気にもしないで俺のものを咥え、口で扱き続ける千秋。鈴口を舌先で弄られると身体中に電流が流れたように勝手に跳ねる。



「ひぁっ、ひあきぃ···っ♡まっへ···話をきけぇっ」


「······ん、なぁに?あは、気持ちよかったんだね···ちゅ」


「んっ······ちあき、かいちょは···」


俺の陰部から顔を上げ太腿に頬ずりする。
あの血······千秋が会長を襲ったのは事実だろう。出血量は分からないが頭の怪我だ。場合によっては会長の生死が危ないかもしれない。


ガリッ


「ひぐぁッ」


「···そんなのどうでもいいだろ──僕だけを見て」


余りの激痛に背中を仰け反らせた。
その痛みの元を辿ると、初めて見る千秋の険しい表情。そして俺の太腿についた歯型とそこから流れる一筋の赤い筋···。ドクドクと脈を打つ。
······噛まれた、、のか?血が出るくらい···強く。



「·······あ、ごめんね。血が出ちゃった···」


ぺろり、と歯型のついた傷跡を舐める千秋。
その血が舌をさらに赤く染めている。
そこから俺を見る瞳は爛々と欲情の光を放っているというのに、まるで氷漬けにされるような鋭い冷たさを持っていた。




「···律花、僕のこと好きって言って?」


「······ち、あき」  


「僕はね。もう律花を誰にもあげないって誓ったんだ。だから律花も僕以外を見たら駄目。僕以外の事を考えても駄目。律花も誓って」


「そ、そんなの──」


「誓って」



その冷えた目、俺の心臓はバクバクと音を立てる。 
怖い······嫌だ、こんなの千秋じゃないっ。



「·······律花」


「っぅ、なんで···っ」


「···あぁ、ごめんねっ。僕つい怖いことしちゃってた···。怖がらせちゃったよねっごめんねっ。·······律花···泣かないで。もう決めたことだから譲れないけど、ゆっくりでいいから···僕に誓えるようにしてあげる」















✻✻✻✻✻                    ✻✻✻✻✻                       ✻✻✻✻✻





そのまま流れるような動作で押し倒されて、長く深く口付けられる。拒もうとしても千秋の力には敵わない。本当にいつの間にこんなに力が強くなったんだろう···。同時に胸をカリカリと引っ掻かくように弄られる。先がジンジンとして痛い。
頭はぼんやりしてるのに、感覚は凄く敏感になってて千秋に触れられる度に熱を帯びている。



「んっ、、ぁんっ······ふぁ···ぅぅっやぁっ、ん♡」


「乳首······やっぱり気持ちいいんだね···。ちゅ」


「ひゃっ、、、ら、だめっ♡痛ぃっ、かりかり、やらぁ」


「···そっか。じゃあ下も触るね···ちゅっ、んっ」


「ひゃぅっ、ぁっ、、んぁっ、んんっ♡」


「うわあ······どろどろだ。···律花凄く可愛い」



陰茎から垂れ流れた先走りでどろどろになった俺の下半身。尻の境い目を伝って尻の穴までぐしょぐしょに濡れてしまっていた。そこから指をゆっくり挿れられる。

ぐちゅ。ぐちゅ。くちゅん。

一本、二本と徐々に指が増やされてる感触。   


時折中にある凝りに指が当たるとビリビリして射精出来そうになるのに、その度に指を抜かれてしまって到達出来ない。泣き叫ぶような俺を宥めながら焦らし続ける。


ちゅぽんっ。 




「·······律花、挿れるよ」



···もう、どうにでもなれ。
焦らされ続けてもう考えてる余裕なんてない。


ぐぢゅり······。
千秋の陰茎の先が俺の中に挿っていってるのが分かる。
······熱い。


ズグッ!!


びゅるるぅっっ。



「!!」

「·······くふふっ。···イッちゃったね♡」


挿れられた拍子にイッてしまった······。
はふはふと呼吸するのが精一杯。目がチカチカする···。



「···律花·······可愛い···好き·······僕だけを見て」

「大好きだよっ·······律花···好き·······大好きっ····」

「僕しか見ないで·······考えないで········っ」



ズッ、ぐちゅっん、ずるぅっ、ぐちゅ。


頭が真っ白になる。
激しい律動と動く度に耳元で囁かれる言葉。熱く硬い千秋の陰茎でナカを割り裂き開くように穿たれる度に声が甘く高くなる。


「···律花、律花の中に出すね」


グッ·······ドクドクドク、さらに奥に押し込まれ中に注がれる感覚。
ずるぅ、と俺の中から千秋が出ていく。その後を追うようにゴポッという音を立てて注がれた精液がドロリとシーツを汚した。









「あぁ、そうだ······プレゼントがあったんだ」


思い出した、とそう言って笑う千秋。
そんな千秋を見て俺は震えが止まらない。別に寒い訳じゃない。千秋のあの冷えた目を見たからだ、逃がさない、絶対に離さない、そんな強い意志を持った瞳······。    


「·······やっぱり似合ってる」


鏡を持ってきた千秋はそれを俺にみせた。
···淡いローズピンクの首飾り······所謂首輪だった。





✻✻✻✻✻                    ✻✻✻✻✻                        ✻✻✻✻✻
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