悪役令息(?)に転生したけど攻略対象のイケメンたちに××されるって嘘でしょ!?

紡月しおん

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本編

1.何故かいきなり断罪ルート✻

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何故こんな事になったんだろう···。
うつ伏せにされた目の先にはこの資料室のドアがある。
助けを呼ぶにもこんな所·······見られたくない。

何度体勢を変えられたか覚えていない。
痛みと激しい動きに浮かべた汗がたらたらと床に落ちる。
後ろから体重の掛けられた体はギシギシと軋むように後ろ手に掴まれている左腕から肩にかけてが物凄く痛い。


「んあぁっ、、あっん、ま、て、、んやぁっ」

「っ、待てって言われてもなっ」


どちゅんッッ!!


「はぅぁっ!!」
 
目の前がチカチカする。
待って欲しいと懇願した俺の声は虚しくも言葉にならず、再びその剛直が強引に俺のナカを割り開くように突き入れられる。


「ヒュッ、あ“ぁあ~~~!」


びゅるるっっ。

い、お、俺······イッちゃった·············?
そのまま力の入らない体を後ろからゆさゆさと揺さぶられる。


「ひぃっ、ま、まってっ、イッたばっかっ」

「む、も、もうっ、、むりぃっ、んあっ」

「止めて欲しいですか···?」

「あっあっ、、ろうとぉ、な、んでっ、、こ、なのっ」




ほんと······何でこうなったんだろう。


















俺、美園律花には前世の記憶がある。
幼い頃はその前世の記憶を鮮明に覚えていたのを覚えている。しかし、もうその記憶はとある可能性を避けるためだけに注ぐようになった。


それはそう──断罪レイプルートを避けるためだ。



この世界はBL乙女ゲーム『紅き薔薇は漆黒に染まりて』
通称アカソマの世界だ。

俺に前世の記憶があると言ったが別にこれは好きでプレイしていた訳では無い。俺の彼女···元カノと言うか元婚約者と言うか、そこは色々と複雑なのだが······とにかく俺には好きな子がいて、その子が好きだと言っていたのを聞いて好感を得るために俺はその子に言った。
『楽しそうなゲームだな。ちょっと気になる』
今思えば軽率は言動だった······。
それを聞いた彼女の目はギラつき······したくないとも言えない状況を作り出してしまったあのときの俺をぶん殴ってやりたい。いや、今に役立っているのだから褒め称えるべきなのだろうか?

まぁ、このゲームを簡単に説明すると、ストーリーは学園モノで、魔法のあるファンタジーな世界の主人公のレベルを強化しつつ、仲間···攻略対象のイケメンとの密な関係を築いていく······といった内容だった。
攻略対象のイケメンたちとのストーリーはLoveエンドとdarkエンドと言うがあって内容は対象によって違い、ハッピーエンドもあればバッドエンドもあった。···どちらにしても生々しい表現が多くて心を無にしてプレイしていた記憶がある。

ともかく、俺は前世でこのゲームをプレイしたことがある。一度始めたことはキリのいい所までやらなくては気の済まない性格が災いしてか、俺はなんとそのゲームで自分のアバターのレベルをカンストさせた挙句、各ストーリーのLoveエンドとdarkエンドをクリアしたのだった。


問題はその中で俺······美園律花の断罪レイプルートがあること。


もちろん前世では主人公目線でのプレイしかしていない訳で、そこまで詳しいことは分からないが、いつ何のイベントで断罪レイプルートへ繋がるかという事は分かる。





の、だが。






何故、イベントが未だに始まっていないと言うのに俺は何故攻略対象3人にレイプされているのだろうか······?


「っ考え、事かっ」

「っあ」

「···随分と余裕そうですね」

「······」


考え事じゃない。
何でこんなことになったのか思い出してんだ。
全然余裕じゃない。慣らしもせずに無理やりそんな太いの突っ込まれたんだ!余裕なんて欠片もないわ!···めちゃくちゃ痛ぇ···っ。


「痛い?···オレの千秋の初めても···きっと痛かったよ」

「んっ、んあっぁ、そ、っな」

「そんな?······そんなことか、お前にとっては」

「あがッッ!!」


痛い痛い痛い痛い!!
俺のを急に掴まれた。ただでさえ、痛みで萎縮してしまっている俺の陰茎を奴は強く握り込む。


「ちょっと···霧ヶ谷先輩。律花様が怯えてます」

「ん?あはっ、そんなのオレには関係ないねェ。オレは千秋の痛みをそのまま与えてるだけ···全く足りないけどな」

「あぐぅッ、っあ、いっぁ、っひぅ」

「ホントはこんな汚いの触りたくない。千秋···オレの千秋······こんなやつに汚されて······その分お前も汚してやる」

「ちがぁ!っあっ、やっ、てやってないぃ、んぃ」

「チッ···何なんだよ、この──」

「ぁんっ、やぁ、ろ、うとぉ、たす、けっ」


楼透は凌辱が始まってから一向に手を出してこない。
ただ、鋭い視線と冷たい言葉を放ってくるだけ。
大体なんで俺の従者の楼透が『暴れ龍』と『沈黙の死神』と一緒になって俺にこんなことをするのか分からない。
一番似たシチュエーションの断罪ルートは『沈黙の死神』のLoveエンド間際にあったけどこんなすぐに起こるイベントじゃない。ましてや内容だって違うし、時期と時間帯も全く別だ。俺は中等科3年を卒業したばかりだし、このゲームのメインは高等科初日から···つまり来週からだったはずだ。なのに、なんで·······。

もう、やだ······訳わかんない。


俺のナカをより一層硬度を増して穿つそれは角度を変えつつ何度も俺の当たってはいけない場所にガンガンと打ちつけられて、俺も何が何だか分からなくて···。
痛いのに何かがジワジワと上がってくるこの感じ。
苦しいはずなのにゾクゾクと背中が震える。
犯されてるのに。
─俺、変だ。······何だよ、コレっ。


時折聞こえる楼透の冷たい声と俺のモノを握り潰そうと蠢く白い手が俺を《犯されている》と言う現実に引き戻す。



ほんと、、何で·······。































「すまなかった·····················!!」
「············ごめん」

次の日、俺の自室にて。
目の前には俺を犯したアカソマ攻略対象『暴れ龍』厳島いつくしま 龍玄りゅうげんと『沈黙の死神』霧ヶ谷きりがや 陽星ようせいが焦げ焦げで土下座していた。
何があったかって?それはーー。

「この僕『業火の煉獄』こと。美園燈夜の弟を勘違いで犯したなんて······本当は万死に値するけどねぇ?」

さらに僕の後ろで仁王立ちして両手に《火炎球》を構えている我が兄。美園燈夜その人。
あの激甘兄がめっちゃ怒っとる。

事後。
俺は意識を失ってそのまま放置されていたらしい。
それを帰りの遅い俺を心配した兄が探索魔法の魔法具擬き···前世で言うところのGPSのような魔法を使って探し出し保護した。
そして···何故か今に至るのだが······。

「すまない·······」
「謝ってもダメ···分かってる。けど······ごめん」
「あの······事情を聞かせてもらっても?」

俺としては幸いにも裂けてなかった尻だが、ほんとマジで尻だけじゃなく腰も痛いなんてもんじゃないんだが。その通り謝られても許せることじゃない。この2人の···いやアイツも含めて3人の顔なんて見たくもないけど···でも、一応事情を聞かないと俺もなんでいきなり断罪レイプルートに行ったのか分からないままだ。とりあえず命だけはと今にも消し炭にしそうな勢いの兄に頼んで事情を聞かせてもらうことにした。


「俺は千秋を愛している」
「オレは千秋が好きだ」

んんん??

「千秋が言ってたんだ·······友人の美園律花とヤッたと」
「オレはその言葉が信じられない。オレの千秋がオレに何も言わないままオレ以外の男に身を委ねるとは思えなかった」
「俺も霧ヶ谷の意見に同意した。あの千秋がそんなことするはずが無いと。だから、お前を見つけたらつい······」

つまりはこの人たちは何が言いたいんだ······?
千秋が好きだから、千秋が俺とヤッたと言って、千秋を取られまいと俺を犯したってことか······?
俺は一応確認のために2人に聞く。

「そういう事だ」
「隣に同じ」
「お前らはバカか?」

ニッコリしながらもこめかみにぶっとい青筋を浮かべて兄が突っ込む。
俺も2人の話を聞いて色々とツッコミどころ満載過ぎて、何から言えばいいか分からないのだけどまずは千秋についてだ。

「俺は千秋とヤッてない···です。と言うか幼馴染ではあるが最近は交流を控えていたし、つい最近だとクラス対抗の魔法具製造の授業で対戦しただけです。それ以外は一言も話していないし、俺から千秋に話しかけることも千秋から俺に話しかけることも無かった。お互いのクラスを行き来することも無かった···です」
「···は?」
「つまり、先輩たちは勘違い以前に俺たちの関係も勘違いしてる···ます。幼い頃は確かに友人だったが、今は友人とすら言えるのか分からない関係です」

そう。
俺は断罪レイプルートだけは何とか回避しようと、神から一方的な謝罪を受けた後から千秋を避けるようになったのだ。だって、主人公と関わりを持たなければストーリーのようなルートに移行することは無いはずと思ったから。

「·······それは本当か?オレの千秋とは···」

関係なんてない。そう、一切。
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