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アイドルな俺たち♪
可愛いあの人のPvがエロ過ぎる件①
しおりを挟む「アイドルって・・・何?」
また、無防備に呟いてる。
もう30分以上前から2分おきぐらいに1回のペースで言っているその姿は相変わらず可愛らしい。それは自覚してのことで!?と叫びたくなる心を鎮めその後ろ姿を観察する。
東雲 依音17才。好きなものは・・・可愛い人。と言うのは秘密で表向きには読書と書道と言うことになっている。(読書と書道は嫌いではない)
身長179センチ、体重はやはりアイドルだここは控えておくのがベストだろう。
general voice所属の『happeningれいん♪』と言うグループの最年少であるもののメンバーのスケジュール管理を任されている。
『happening れいん♪』と言うのはリーダーの綾羽 翔ともう一人の最年少咲良 鈴と私東雲 依音の三人で構成されている。
翔さんは・・・とにかく優しい。肩書きがhappeningれいん♪のお兄さんというだけあって面倒見の良い人だと思う。
ただ1つ言えば、『抜け駆け堂々!』な人と言うだけだ。
そして、鈴は可愛い。初めてあったときからピンクに染めた頬に大きな瞳で見つめられると色事に淡白であった私でさえ腰にくるものがあった。
話を戻そう。
今、私は楽屋にいる。が、鈴はそんな私に気づいてないようでずっとこの間のPvを繰り返し再生している。・・・もちろん私も。
これはある意味困った。沈黙の楽屋に響く新曲のメロディーはこれから私の恋路を表しているようにも見える。
その原因は二日前の新曲Pv撮影の時。
「・・・う~ん?・・・なんか違うねぇ」
いつものようにプロデューサーさんとスタッフさんに囲まれているふわふわのアホ毛。
「・・・あっ、もうちょっと角度変えます?」
「ん?・・・それだと、依音君と被るんじゃない?」
「あー、ね。・・・今回も難題だねぇ」
可愛い顔を歪ませて、繰り返し『ごめんなさい』『すみません』『なるほど』『ありがとうございます』が聞こえる。
毎回、撮影時に一番時間がかかるのが鈴で鈴のポーズ決めはスタッフの皆さんが手伝って下さっていた。
鈴は『ただ才能が無いだけ』と言っていたがこれは違うと思う。
これは鈴が多くの人に愛される性格だからこそスタッフの皆さんも快く手伝って下さるんだ。
多くのスタッフが鈴を励ます声が聞こえる。それに嫉妬する私は心が小さいのかもしれない。
「うーっ!・・・・・・はぅ~」
「何をしてるんです?・・・百面相して」
また鈴は可愛らしい顔を、表情を百面相している。――・・・それは反則です・・・・・・!!
緊張と欲望を抑え込むと声が固まる。平静を装うなんてこの人の前では敵わない。この人の全ては私を可笑しくさせる。
・・・自分で言うのも何だが笑える。
「・・・別に」
「また、動けなかった・・・ですかね?可哀想
「むっ、可哀想って言うな!!・・・仕方ないだろ」
鈴はまた私の話を最後まで聞かないで、悔しそうに表情を変えた。私は『可哀想ですけど・・・そこが鈴の才能だと思います』と言いたかった。周りから愛される・・・そんな才能のことを教えてあげたかったんですが・・・。
しかし目を伏せて悔しさと恥じらいを含んで言うその姿はまさに『可愛い』の一言。
それでも納得がいかないのか鈴はうんうん唸っている。頬を膨らませたり、眉を下げたり、唇を噛み締めたり(・・・唇は噛むなと言っているのですがね・・・可愛いです)
私の後ろ・・・なんか気配が
「ほーらっ、鈴?もっと力抜かなくちゃ、ね?」
「ふぇっ、え、えぇ・・・かっ翔さんっ」
頭、ぐりぐりした。
なでなで、ぐりぐり、ぽんぽん・・・。
私の陰から翔さんが突然現れた。
・・・ちっ、ほんとに『抜け駆け堂々!!』ですね。
鈴は可愛らしい顔を赤らめている。
いつか、私が鈴をこんな顔にしたい・・・。
「かっ翔さん!・・・子供扱いやめてください!!」
「んー?だって鈴、可愛いんだもん。マジ癒し」
翔さんは未だに鈴を撫でている。
私だって、出来るものなら鈴を撫でたいです!!しかしいつも良いところで翔さんが現れるから!!
「・・・翔さん。ちょっといいですか?」
「ん、やだ・・・けど仕方ないね」
鈴が寂しそうな顔をしている。・・・本当に上手いですね・・・私の揺さぶり方が。しかし、ここは我慢して頂きましょう。この人への牽制が先です。
「翔さん・・・!貴方は私と結んだ不可侵条約を反故にするおつもりですか?」
「んー?違う違う違う。俺は二人より五つも離れてるんだよ?その気になったらお兄さんには敵いません!!ww」
翔さんは軽い調子でそう言った。余裕といった表情が癪に障るが、そこは翔さんの性格だ。
「では、なんで・・・り
「俺はさ。鈴のこと好きだ・・・だからガンガン行って意識してもらおうとするし、依音がライバルでもアプローチは続ける。・・・恋は盲目・・・ってやつだね。依音は?不可侵条約なんて面倒なことやってないで、時には熱く情熱的になるのも大人の恋愛じゃないかな~。ね?いーちゃん♪」
っ、何も言えない。
そのまま翔さんは何処かに行ってしまった。
言えない。確かに翔さんの言う通りだった・・・。私は、もっと自分に素直になるべきだった。
「頭を冷やしに行きましょう・・・」
私はスタッフに外で休憩してくる旨を告げに撮影現場に向かった。
撮影現場につくと何やら騒がしくなっていた。
「どうしたんですか?」
「あ、依音君・・・」
「なんか・・・あったんですか?」
「えっと、、・・・鈴ちゃんが逃走ちゃった・・・」
話を聞くとスタッフとともに考えていた鈴は、急に青ざめて走っていったらしかった。
翔さんは既にスタッフへの謝罪に向かったらしい。
恐らく、鈴のことだから――。
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