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【本編】1章 四重奏
5.報せ
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そこから車のなかでは沈黙で、青褪めたままの隆生とその助手席でにこにこ笑ってない笑顔で座ってるみっきーとスマホゲームに夢中の蒼空君。俺はスーパーのチラシ見ながら暗算。
静かに時は流れた。
事務所についたらレッスン室へ直行。
この芸能事務所クロック・ムッシュのアイドルグループは実を言うとこのquartetteだけ。いくつもアイドルを育成できるほど、お金ないんだってさ。
俺と蒼空君とみっきーはダンスが苦手。パッと見て、すぐにその振を覚えられる訳じゃないし、ある程度時間が必要だ。それに新曲のMVとか、あとライヴのときのダンスとか、よく間違えるから俺らはダンス中心の練習。
もちろん各自筋トレとボイトレしてから。
隆生は運動神経は良いけど、歌が苦手らしい。そこまで下手ではないし、むしろ一般の人と比べても上手いとは思うけど。
「ハル。合わせたい」
「いいよ」
今回の新曲は、俺と蒼空君。みっきーと隆生。の二人一組だから、俺の場合は蒼空君と二人で踊ることになる。
「最初のクロスから移動が分からない・・・」
「そうだよな・・・。動きが大きい方が見やすいだろうけど、あんまり大きく動くと音とズレるし、バランスも悪くなるよな」
「・・・うん」
「じゃあさじゃあさー、クロスするときもっと楽しく動けばー?例えば・・・スキップみたいにピョンピョンっって!そんで、クロスのときハイタッチして切り替えればいーんじゃない?」
「それ、いい!」
「流石みっきー!!確かにそれなら空気読んでやるより楽しいし面白そう!ありがと!蒼空君、やってみよっか」
「うん!」
みっきーはダンスのアレンジが凄く上手い。
さっきも言ったようにこの事務所にはお金がない。だからプロの振付け師さんにお願いするのにもお金がかかるわけで・・・・・・。
今回の新曲は入鹿さんの友達の叔父さんの奥さんの友達の知り合いの社長さんの秘書さんの・・・・・・まぁ、入鹿さんのツテで、なんとか振付け師の人に振付けを考えてもらった。
一応、考えてもらった。ってことで振付け師さんにはある程度変えてもいーよって承諾もらってるし、踊る人によっては変えた方がいい所もあるらしいってことは聞いてたから大丈夫。
それに一年前なんて振付けとか曲とか、全部俺たちで考えてた。もちろん事務所スタッフ総出で。
あのときと比べたら全然苦じゃないし、と言うか凄く楽になった。・・・入鹿さんのお陰だね・・・。
「みんなっ!!」
ガタンっと騒々しくドアを開けて事務の……中川さん?だったっけ?……が入ってきた。肩で息をする様子に余程慌てて来たんだと思う。まさか、また新曲の発売が中止になったとかかな?あ、畑中さんだったっけ?
「はぁはぁはぁはぁ、、」
「中田さん。落ち着いて?」
あ、中田さんだった。
「あ、蒼空君······」
「あ~中田ちゃんじゃん!どーしたの~?」
「·············が」
「ん?」
「入鹿さんがっ。入鹿さんが交通事故にあって-」
-意識不明の重症で救急車で運ばれたらしい
静かに時は流れた。
事務所についたらレッスン室へ直行。
この芸能事務所クロック・ムッシュのアイドルグループは実を言うとこのquartetteだけ。いくつもアイドルを育成できるほど、お金ないんだってさ。
俺と蒼空君とみっきーはダンスが苦手。パッと見て、すぐにその振を覚えられる訳じゃないし、ある程度時間が必要だ。それに新曲のMVとか、あとライヴのときのダンスとか、よく間違えるから俺らはダンス中心の練習。
もちろん各自筋トレとボイトレしてから。
隆生は運動神経は良いけど、歌が苦手らしい。そこまで下手ではないし、むしろ一般の人と比べても上手いとは思うけど。
「ハル。合わせたい」
「いいよ」
今回の新曲は、俺と蒼空君。みっきーと隆生。の二人一組だから、俺の場合は蒼空君と二人で踊ることになる。
「最初のクロスから移動が分からない・・・」
「そうだよな・・・。動きが大きい方が見やすいだろうけど、あんまり大きく動くと音とズレるし、バランスも悪くなるよな」
「・・・うん」
「じゃあさじゃあさー、クロスするときもっと楽しく動けばー?例えば・・・スキップみたいにピョンピョンっって!そんで、クロスのときハイタッチして切り替えればいーんじゃない?」
「それ、いい!」
「流石みっきー!!確かにそれなら空気読んでやるより楽しいし面白そう!ありがと!蒼空君、やってみよっか」
「うん!」
みっきーはダンスのアレンジが凄く上手い。
さっきも言ったようにこの事務所にはお金がない。だからプロの振付け師さんにお願いするのにもお金がかかるわけで・・・・・・。
今回の新曲は入鹿さんの友達の叔父さんの奥さんの友達の知り合いの社長さんの秘書さんの・・・・・・まぁ、入鹿さんのツテで、なんとか振付け師の人に振付けを考えてもらった。
一応、考えてもらった。ってことで振付け師さんにはある程度変えてもいーよって承諾もらってるし、踊る人によっては変えた方がいい所もあるらしいってことは聞いてたから大丈夫。
それに一年前なんて振付けとか曲とか、全部俺たちで考えてた。もちろん事務所スタッフ総出で。
あのときと比べたら全然苦じゃないし、と言うか凄く楽になった。・・・入鹿さんのお陰だね・・・。
「みんなっ!!」
ガタンっと騒々しくドアを開けて事務の……中川さん?だったっけ?……が入ってきた。肩で息をする様子に余程慌てて来たんだと思う。まさか、また新曲の発売が中止になったとかかな?あ、畑中さんだったっけ?
「はぁはぁはぁはぁ、、」
「中田さん。落ち着いて?」
あ、中田さんだった。
「あ、蒼空君······」
「あ~中田ちゃんじゃん!どーしたの~?」
「·············が」
「ん?」
「入鹿さんがっ。入鹿さんが交通事故にあって-」
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