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【本編】1章 四重奏
4.喫茶店にて
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「ゴメーン!待たせちゃった?」
「ここ禁煙?」
「・・・喫茶店でタバコとかありえないんだけど」
それから少しして喫茶店に二人が入ってきた。
入り口に近い席だったからすぐに二人も合流する。
「タカちゃん・・・・・・」
「っ、分ーったよ。・・・んで?二人は飯食ったのか?食ってないなら俺が奢るから何でも頼め」
「先に食べてるのは悪いってハルが」
「俺たちに遠慮しないで食べてれば良かったのにー」
「いや、、みんなで食べた方が美味しいだろ!?」
「はぁ・・・ホント、ハルはいい子だな。俺、養子にするならハルがいいわ。こんな娘欲しい」
「俺はどこから突っこめばいいんだ!?」
「じゃあ、俺とタカちゃんの娘ってことでハルを養子にしよう!」
「・・・なんで俺とお前の養子なんだぁ?」
「だって俺の嫁がタカちゃんでしょー。だから!」
「だからじゃねー・・・このエロガキ」
相変わらず仲良いなぁ。
俺たちが話してるうちにさっきの店員のお姉さんがきて、二人から注文をとる。みっきーがパンケーキとウィンナー珈琲。隆生がピザトーストとコーラ。
ついでに俺と蒼空君も追加注文。
俺はさっきサンドイッチを少し食べたし甘いもん食べたくてフレンチトースト。隆生の奢りってことで蒼空君はスペシャルチョコバナナDXパフェってのを頼んでた。この店で3番目に高いやつ。
「御馳走様」
「ありがと!リーダー」
「一応後輩だしな。それに金なら腐るほどあるから」
隆生はお金持ちだ。
もちろん、お金は勝ちすぎるほど賭けの女神に愛された隆生がギャンブルで稼いだ・・・・・・ってことはなくて、隆生は実のところアイドル兼小説家で、小説家業の方は人気がうなぎ登りで?再来月には実写ドラマ化されるくらいの人気作家。
まぁ、株で大儲けして、その儲けたのを投資したら大成功してって言うギャンブルっぽい勝ち方で儲けたお金もあるらしいんだけどね。隆生はお金に執着しない。あるだけ税金とかめんどくさいんだってさ。
「なんかウザいよね。人生の勝ち組みたいな」
運ばれてきたパフェをつつきながら蒼空君。
ジト目で隆生を見る。
「傷つくなぁ」
「それでもタバコおじさん奢ってくれるから嫌いではない」
「チビがデレた!」
「チビゆーな!!」
「てか、タバコおじさんて・・・」
「タバコジジイよりはマシ」
「なんか妖怪みてー(笑)」
そう言って隣に座る蒼空君を撫でる。・・・いや、その前に蒼空君との攻防戦。結局隆生に頭を掴まれてグシャグシャと掻き撫でられる。
蒼空君の毒舌にも負けない隆生は時々、ほんとに時々尊敬する。リーダーって感じがしなくもない気がするようなしないような。
「ハル、今失礼なこと考えたろ?」
「・・・気のせーじゃない?」
「間があったな」
「それも気のせいだと思うけど」
俺は誤魔化すために一口サイズに切ったフレンチトーストを口に含んだ。甘くて、ふんわりした生地がとろとろの卵の風味とともに絶妙だ。
・・・・・・入鹿さん遅いなぁ・・・。
ピロリンッ
あれ?・・・LIME・・・入鹿さんからだ。
『少し用事が出来ちゃったから帰りは隆生君に乗せてもらって。荷物は事務所に届けとくから』
『それと今日は僕の夕飯は用意しなくていいよ。先に寝てて』
「お、周防さんからLIME?珍しーな・・・遥を送ってってくれと。了解っ。ま、こんな可愛いのが一人で歩いてたら危ねーしなァ。ついでに蒼空も乗ってくか?」
「いらない。事務所から徒歩10分。歩けるし」
「いやー、お兄ちゃんからしたら心配だなぁ」
「子供扱い」
「子供だろ?」
「子供じゃない。もう17。それに一人暮らし。・・・・・・あと、そのお兄ちゃんってキモい。おじさんはおじさん」
「あーそー、可愛くねーな」
「おじさんに可愛いって思われなくていい」
「んじゃ、食い終わったら事務所だな。3時だっけ?」
隆生がスケジュールを確認するためスマホを見る。
目の前に座ってる蒼空君が人指し指を口に当てて、隣の皿にあるピザトーストをつまんだ。
「だな。・・・て、おい」
「むしゃむしゃ」
見つかった蒼空君。
口をもぐもぐさせてハイ、ピース。
「ふっ、リスみてー(笑)」
「むしゃむしゃ」
「飲み込んでから話せ。それとここ、クリームついてるぞ?急がなくていいからゆっくり食え。・・・甘っ」
「ガブリッ」
「痛っ!!こらチビ噛むな!」
「チビゆーな。ボクのクリーム返せっ」
「出来ねーよ。てか食い意地だけははってんなぁ。じゃあ、お兄ちゃんとキスしちゃう?」
「殺されるから無理」
「は?」
「タカちゃーん・・・・・・?」
途端に青褪める隆生。
ふざけててもやっていいことと悪いことがある。しかも恋人の目の前でなんて尚更。
「俺、結構懐広い方だと思うんだよねー。・・・・・・ねぇ?」
「ちょ、ミツキ?・・・目が笑ってな―
「このあとはまだ練習とかハル送るとかあるから我慢してあげるけど?帰ったら・・・お仕置しよーね」
「ヒッ」
空気が凍りついちゃった。
こーなったら俺も知らなーい。隆生には悪いけど、大人しくみっきーの犠牲になるしかないね。
あ、もうそろそろ出ないとだね。
俺は最後のフレンチトーストを呑みこみ、一口残しておいた珈琲で流した。みんなも食べ終わってるみたいだし・・・。
「そろそろ行かない?」
「ここ禁煙?」
「・・・喫茶店でタバコとかありえないんだけど」
それから少しして喫茶店に二人が入ってきた。
入り口に近い席だったからすぐに二人も合流する。
「タカちゃん・・・・・・」
「っ、分ーったよ。・・・んで?二人は飯食ったのか?食ってないなら俺が奢るから何でも頼め」
「先に食べてるのは悪いってハルが」
「俺たちに遠慮しないで食べてれば良かったのにー」
「いや、、みんなで食べた方が美味しいだろ!?」
「はぁ・・・ホント、ハルはいい子だな。俺、養子にするならハルがいいわ。こんな娘欲しい」
「俺はどこから突っこめばいいんだ!?」
「じゃあ、俺とタカちゃんの娘ってことでハルを養子にしよう!」
「・・・なんで俺とお前の養子なんだぁ?」
「だって俺の嫁がタカちゃんでしょー。だから!」
「だからじゃねー・・・このエロガキ」
相変わらず仲良いなぁ。
俺たちが話してるうちにさっきの店員のお姉さんがきて、二人から注文をとる。みっきーがパンケーキとウィンナー珈琲。隆生がピザトーストとコーラ。
ついでに俺と蒼空君も追加注文。
俺はさっきサンドイッチを少し食べたし甘いもん食べたくてフレンチトースト。隆生の奢りってことで蒼空君はスペシャルチョコバナナDXパフェってのを頼んでた。この店で3番目に高いやつ。
「御馳走様」
「ありがと!リーダー」
「一応後輩だしな。それに金なら腐るほどあるから」
隆生はお金持ちだ。
もちろん、お金は勝ちすぎるほど賭けの女神に愛された隆生がギャンブルで稼いだ・・・・・・ってことはなくて、隆生は実のところアイドル兼小説家で、小説家業の方は人気がうなぎ登りで?再来月には実写ドラマ化されるくらいの人気作家。
まぁ、株で大儲けして、その儲けたのを投資したら大成功してって言うギャンブルっぽい勝ち方で儲けたお金もあるらしいんだけどね。隆生はお金に執着しない。あるだけ税金とかめんどくさいんだってさ。
「なんかウザいよね。人生の勝ち組みたいな」
運ばれてきたパフェをつつきながら蒼空君。
ジト目で隆生を見る。
「傷つくなぁ」
「それでもタバコおじさん奢ってくれるから嫌いではない」
「チビがデレた!」
「チビゆーな!!」
「てか、タバコおじさんて・・・」
「タバコジジイよりはマシ」
「なんか妖怪みてー(笑)」
そう言って隣に座る蒼空君を撫でる。・・・いや、その前に蒼空君との攻防戦。結局隆生に頭を掴まれてグシャグシャと掻き撫でられる。
蒼空君の毒舌にも負けない隆生は時々、ほんとに時々尊敬する。リーダーって感じがしなくもない気がするようなしないような。
「ハル、今失礼なこと考えたろ?」
「・・・気のせーじゃない?」
「間があったな」
「それも気のせいだと思うけど」
俺は誤魔化すために一口サイズに切ったフレンチトーストを口に含んだ。甘くて、ふんわりした生地がとろとろの卵の風味とともに絶妙だ。
・・・・・・入鹿さん遅いなぁ・・・。
ピロリンッ
あれ?・・・LIME・・・入鹿さんからだ。
『少し用事が出来ちゃったから帰りは隆生君に乗せてもらって。荷物は事務所に届けとくから』
『それと今日は僕の夕飯は用意しなくていいよ。先に寝てて』
「お、周防さんからLIME?珍しーな・・・遥を送ってってくれと。了解っ。ま、こんな可愛いのが一人で歩いてたら危ねーしなァ。ついでに蒼空も乗ってくか?」
「いらない。事務所から徒歩10分。歩けるし」
「いやー、お兄ちゃんからしたら心配だなぁ」
「子供扱い」
「子供だろ?」
「子供じゃない。もう17。それに一人暮らし。・・・・・・あと、そのお兄ちゃんってキモい。おじさんはおじさん」
「あーそー、可愛くねーな」
「おじさんに可愛いって思われなくていい」
「んじゃ、食い終わったら事務所だな。3時だっけ?」
隆生がスケジュールを確認するためスマホを見る。
目の前に座ってる蒼空君が人指し指を口に当てて、隣の皿にあるピザトーストをつまんだ。
「だな。・・・て、おい」
「むしゃむしゃ」
見つかった蒼空君。
口をもぐもぐさせてハイ、ピース。
「ふっ、リスみてー(笑)」
「むしゃむしゃ」
「飲み込んでから話せ。それとここ、クリームついてるぞ?急がなくていいからゆっくり食え。・・・甘っ」
「ガブリッ」
「痛っ!!こらチビ噛むな!」
「チビゆーな。ボクのクリーム返せっ」
「出来ねーよ。てか食い意地だけははってんなぁ。じゃあ、お兄ちゃんとキスしちゃう?」
「殺されるから無理」
「は?」
「タカちゃーん・・・・・・?」
途端に青褪める隆生。
ふざけててもやっていいことと悪いことがある。しかも恋人の目の前でなんて尚更。
「俺、結構懐広い方だと思うんだよねー。・・・・・・ねぇ?」
「ちょ、ミツキ?・・・目が笑ってな―
「このあとはまだ練習とかハル送るとかあるから我慢してあげるけど?帰ったら・・・お仕置しよーね」
「ヒッ」
空気が凍りついちゃった。
こーなったら俺も知らなーい。隆生には悪いけど、大人しくみっきーの犠牲になるしかないね。
あ、もうそろそろ出ないとだね。
俺は最後のフレンチトーストを呑みこみ、一口残しておいた珈琲で流した。みんなも食べ終わってるみたいだし・・・。
「そろそろ行かない?」
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