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第7章 大魔王誕生
Ver.3/第78話
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――時は少し戻り、ハルマの視点でも見てみよう。
『3……2……1……ゼロ! Greenhorn-online公式、初代大魔王が、ついに決まります!』
ハルマの耳に届くことはなかったが、外部で実況の絶叫が響き渡ったの同時に、体を自由に動かせるようになった。
3度目であるので、この感覚にも慣れてきた。
正面で動き出したテスタプラスの軍勢を目にし、おっかねー、と戦々恐々としながらも、落ち着いてひとつのアイテムを使用する。
「〈カーテンコール〉」
スキルが発動すると、ハルマを中心に半径5メートルほどを包むように真っ赤なカーテンが下りて、姿を覆い隠す。
続けて、準備してあったアイテムを次から次に使い出す。与えられている時間は10秒しかないが、これだけは事前に練習してきているため、スムーズな動きだ。
「7……8……9……」
カウントをつぶやきながら作業を終えると、最後に忍びの隠れ里で見つけた煙玉を使った目くらましで、更に時間を稼ぐ。
直後、ハルマの視点からは、数え切れない攻撃が迫ってきているのがわかったが、どうすることもできない。できることは、ユララに〈加護の霧雨〉で状態異常に対する警戒を指示することくらいだ。
後は、ここが攻撃の範囲から外れていることを祈るばかりである。
この、奇術〈人体浮遊〉によって作られた透明な足場の上が……。
「届いてない……よな?」
ダメージを受けている者はいない。
それを確認すると、煙玉によって作られた目くらましが晴れる前に、指示を出す。
「ズキンは右、ヤタジャオースは左に回って挟撃! 注意を逸らせることができればいいから、無茶はするなよ! ラフとニノエは、シャムと一緒に下で迎撃! 時間を稼いでくれ!」
仲間達が素早く動き出したのを確認することなく、次の行動に移る。
新たに取り出した狼の覆面をかぶり、ワーウルフへと変貌すると、新たな指示をハンゾウに飛ばす。
「ハンゾウ、変化の術で俺に!」
「承知」
ハンゾウがワーウルフ状態のハルマに変化したかと思ったら、すぐさまハルマは〈覆面〉を解除してしまう。
「ここが時間のロスなんだよな。〈贋作〉」
対象にしたのは、ワーウルフとなったハンゾウである。
時間との勝負の中、ちらりと視線を闘技場に向ける。
テスタプラスの軍勢は、煙の中から現れたズキンとヤタジャオースが無傷であることに驚き、対処が少し遅れているように見える。
再び狼の覆面をかぶり直しワーウルフに戻ると、今度はトワネに指示を出す。一度〈覆面〉を解除したのは、こうしなければDEXの値が半分となり、〈贋作〉の効果が最大限発揮できないからだった。
「トワネ! 阿修羅モード!〈擬態〉を使って4本ともブーメランを装備!」
全身を伸び縮みさせ、ハルマにしがみつくことで6本腕っぽい雰囲気を作り出すと、スキルを使って足をブーメランに擬態させる。擬態させたブーメランが飛ばせるというのも何とも奇妙だが、それができるのがゲームであろう。
「仕上げだ! ピイン、俺の影を使って〈現影〉!」
こうして煙が晴れた時、闘技場の上に、異様な光景が出現することになるのだった。
『3……2……1……ゼロ! Greenhorn-online公式、初代大魔王が、ついに決まります!』
ハルマの耳に届くことはなかったが、外部で実況の絶叫が響き渡ったの同時に、体を自由に動かせるようになった。
3度目であるので、この感覚にも慣れてきた。
正面で動き出したテスタプラスの軍勢を目にし、おっかねー、と戦々恐々としながらも、落ち着いてひとつのアイテムを使用する。
「〈カーテンコール〉」
スキルが発動すると、ハルマを中心に半径5メートルほどを包むように真っ赤なカーテンが下りて、姿を覆い隠す。
続けて、準備してあったアイテムを次から次に使い出す。与えられている時間は10秒しかないが、これだけは事前に練習してきているため、スムーズな動きだ。
「7……8……9……」
カウントをつぶやきながら作業を終えると、最後に忍びの隠れ里で見つけた煙玉を使った目くらましで、更に時間を稼ぐ。
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後は、ここが攻撃の範囲から外れていることを祈るばかりである。
この、奇術〈人体浮遊〉によって作られた透明な足場の上が……。
「届いてない……よな?」
ダメージを受けている者はいない。
それを確認すると、煙玉によって作られた目くらましが晴れる前に、指示を出す。
「ズキンは右、ヤタジャオースは左に回って挟撃! 注意を逸らせることができればいいから、無茶はするなよ! ラフとニノエは、シャムと一緒に下で迎撃! 時間を稼いでくれ!」
仲間達が素早く動き出したのを確認することなく、次の行動に移る。
新たに取り出した狼の覆面をかぶり、ワーウルフへと変貌すると、新たな指示をハンゾウに飛ばす。
「ハンゾウ、変化の術で俺に!」
「承知」
ハンゾウがワーウルフ状態のハルマに変化したかと思ったら、すぐさまハルマは〈覆面〉を解除してしまう。
「ここが時間のロスなんだよな。〈贋作〉」
対象にしたのは、ワーウルフとなったハンゾウである。
時間との勝負の中、ちらりと視線を闘技場に向ける。
テスタプラスの軍勢は、煙の中から現れたズキンとヤタジャオースが無傷であることに驚き、対処が少し遅れているように見える。
再び狼の覆面をかぶり直しワーウルフに戻ると、今度はトワネに指示を出す。一度〈覆面〉を解除したのは、こうしなければDEXの値が半分となり、〈贋作〉の効果が最大限発揮できないからだった。
「トワネ! 阿修羅モード!〈擬態〉を使って4本ともブーメランを装備!」
全身を伸び縮みさせ、ハルマにしがみつくことで6本腕っぽい雰囲気を作り出すと、スキルを使って足をブーメランに擬態させる。擬態させたブーメランが飛ばせるというのも何とも奇妙だが、それができるのがゲームであろう。
「仕上げだ! ピイン、俺の影を使って〈現影〉!」
こうして煙が晴れた時、闘技場の上に、異様な光景が出現することになるのだった。
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