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第5章 光の導き
Ver.3/第57話
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「うへぇ。このエリア、PVPあるんだ」
オンソンに入ってすぐ、サエラが嫌そうな声を出していた。
「あー。PVP解禁エリアも初めてなんだ。ハル君は?」
「俺はアウィスリッドで体験済です。って、言っても、人が来る前だから、実際にフィールドでPVPは体験したことないですけど」
「そっか、そっか。あそこもPVP解禁エリアか。あっちはあたしら、まだ行けてないんだよね。ま、それはそうと、心配しないで大丈夫だと思うよ? まだ未到達の人が多い上に、あたしら、ハル君のおかげで人数多く見えるからね。仕掛けてくる人はいないと思うから」
スズコの言葉は説得力があったのか、サエラも即座に納得した。
「それもそうね。この人数見たら、よっぽど自信がないと襲ってこないか。しかも、こっちには対人戦無敗の人がいるんだった」
サエラの視線は、主にハルマに向けられる。実際のプレイヤーは5人だが、フルメンバーのパーティを思わせる集団を形成しているのだ。
ただ、サエラの言葉には誤りがあることを知らない。
ハルマは、対人戦に限らず、負け知らずということを……。
「言っておきますけど、俺が無敗なのは3人パーティまでに限られますからね?」
一応、釘を刺しておいてから、新たなエリアに目を向ける。
光の大陸、風の大陸、土の大陸、そのどれとも違った雰囲気だ。
「何ていうか、暗いですね」
「そうだねー。さすがは闇の大陸って感じ。だいたい、いつ来ても曇ってるから、薄暗いね」
スズコの説明に、ズキンが付け加える。
「この辺りは、まだマシな方ですよ。北に行けば行くほど、雲が厚くなる上に、太陽も昇らない土地になるので、1日中星明りもない夜の場所もあるほどです」
「「「「「へー」」」」」
久しぶりに、ズキンが森の守り神カルラの娘であると確認できた一幕である。こんなことでもなければ、こぼれそうな乳を見せびらかしながらダラけているだけのキャラである。
「さて。まずは転移場所まで向かいましょうか。それから、ハル君希望のテントがある場所に案内するね」
サエラがPVPの説明を見終わるのを待ってから、移動することになった。
ここは、アウィスリッドと違い、森林エリアではないため、視界を遮る物が少ない。それでも、起伏が激しく、むき出しの岩場も多いため、人が隠れるのには苦労しなさそうである。
そのため、可能性は低いとはいえ、PVPに警戒しながらクネクネと迂回を繰り返しての移動となっていた。
道中は、女性陣の会話が止まることなく、周囲の暗く殺伐とした雰囲気と違い賑やかなものだった。これだけ賑やかにしていては、警戒も無駄に終わりそうな気もしたが、ハルマにとってはあまり関係なかった。
そもそも、〈発見〉のスキルによって近くにいるPCとNPCの気配を見つけることができるからだ。
結局、到達している人が多くないということもあり、転移場所があるセーフティエリアまで、他のプレイヤーに遭遇することなく到着してしまったのだった。
オンソンに入ってすぐ、サエラが嫌そうな声を出していた。
「あー。PVP解禁エリアも初めてなんだ。ハル君は?」
「俺はアウィスリッドで体験済です。って、言っても、人が来る前だから、実際にフィールドでPVPは体験したことないですけど」
「そっか、そっか。あそこもPVP解禁エリアか。あっちはあたしら、まだ行けてないんだよね。ま、それはそうと、心配しないで大丈夫だと思うよ? まだ未到達の人が多い上に、あたしら、ハル君のおかげで人数多く見えるからね。仕掛けてくる人はいないと思うから」
スズコの言葉は説得力があったのか、サエラも即座に納得した。
「それもそうね。この人数見たら、よっぽど自信がないと襲ってこないか。しかも、こっちには対人戦無敗の人がいるんだった」
サエラの視線は、主にハルマに向けられる。実際のプレイヤーは5人だが、フルメンバーのパーティを思わせる集団を形成しているのだ。
ただ、サエラの言葉には誤りがあることを知らない。
ハルマは、対人戦に限らず、負け知らずということを……。
「言っておきますけど、俺が無敗なのは3人パーティまでに限られますからね?」
一応、釘を刺しておいてから、新たなエリアに目を向ける。
光の大陸、風の大陸、土の大陸、そのどれとも違った雰囲気だ。
「何ていうか、暗いですね」
「そうだねー。さすがは闇の大陸って感じ。だいたい、いつ来ても曇ってるから、薄暗いね」
スズコの説明に、ズキンが付け加える。
「この辺りは、まだマシな方ですよ。北に行けば行くほど、雲が厚くなる上に、太陽も昇らない土地になるので、1日中星明りもない夜の場所もあるほどです」
「「「「「へー」」」」」
久しぶりに、ズキンが森の守り神カルラの娘であると確認できた一幕である。こんなことでもなければ、こぼれそうな乳を見せびらかしながらダラけているだけのキャラである。
「さて。まずは転移場所まで向かいましょうか。それから、ハル君希望のテントがある場所に案内するね」
サエラがPVPの説明を見終わるのを待ってから、移動することになった。
ここは、アウィスリッドと違い、森林エリアではないため、視界を遮る物が少ない。それでも、起伏が激しく、むき出しの岩場も多いため、人が隠れるのには苦労しなさそうである。
そのため、可能性は低いとはいえ、PVPに警戒しながらクネクネと迂回を繰り返しての移動となっていた。
道中は、女性陣の会話が止まることなく、周囲の暗く殺伐とした雰囲気と違い賑やかなものだった。これだけ賑やかにしていては、警戒も無駄に終わりそうな気もしたが、ハルマにとってはあまり関係なかった。
そもそも、〈発見〉のスキルによって近くにいるPCとNPCの気配を見つけることができるからだ。
結局、到達している人が多くないということもあり、転移場所があるセーフティエリアまで、他のプレイヤーに遭遇することなく到着してしまったのだった。
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