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第4章 不落魔王ここにあり
Ver.3/第46話
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「「「「「「「「「「魔王、おそるべし……」」」」」」」」」」
口には出されなかった言葉が、その場に漂う中、モカとハルマは正反対の表情を浮かべながらも勝った喜びに浸っていた。
「いやー! 久しぶりに燃える戦いだった! 実際、味方じゃなかったら燃やされてたかも? ハルちゃんのアレ、〈ゴブリン軍の進撃〉の時より、すんごいことになってたね。さすがに6人コンボともなると、桁違いだねえ」
思う存分暴れ回ることができたことで、モカは大満足の様子だ。
「ああ……、そういうことになるのか……。今まで、せいぜい3人コンボだったからなあ。でも、ピインがアイテム使ったスキルも再現できるのかは、まだ検証したことがなかったから、上手くいくか賭けだったんですよ。まさか、あんな大惨事になるとは思っていませんでしたけど」
げっそりと疲れた表情である。
そこに、遠巻きに眺めていたグループの中から、ユキチが駆け寄り声をかけてきた。
「おつかれさま。報酬、出てるよ」
見てみれば、ジャイアントフェアリーアントが消失した地点に、大きな宝箱が出現している。しかし、それに近寄る者がいない。
「ん? 何でみんな取らないんだ? 報酬は全員共通でもらえるはずだろ? 中身が同じとは限らないけど」
ゲームによっては、プレイヤー同士の奪い合いが起こることもあるがGreenhorn-onlineで、それはない。
「そうなんだけどさ。そこはやっぱり、魔王様を差し置いて開けるわけにはいかないでしょ」
ニカッと笑みを浮かべると、遅れて集まってきたグダやサエラ達も頷いて見せる。この戦いにおいて、誰が一番活躍したかは、皆が理解しているのだ。
それは、モカも例外ではない。
「ほら、さっさと開けた、開けた。うちらも早く見たいんだから」
「きょ、恐縮です」
全員に促され、ハルマはおずおずと宝箱に近寄ると、報酬を獲得した。
「え?」
「どうしたの?」
ハルマの戸惑いの声に、ユキチが尋ねる。
「いや、なんというか、たぶんハズレだったものだから。いや、まあ、蘇生薬の素材だから、完全にハズレでもないんだけど……」
宝箱に入っていたのは、雨降りの迷宮で手に入る百厄の薬であった。これがおそらくレイドボスのドロップで、他のジャイアントアントのドロップとして魔物の骨や甲殻虫の羽といったノーマル素材が複数入っていた。
「あはっ。ハル君、こういう引きは昔から弱いもんね。お! ぼくはアクセサリーだから、けっこう当たりかな?」
全員が報酬を確認した結果、どうやら初心者には確定でアクセサリーが出るらしく、テイムモンスターを所有しているメンバーは、ランダムでレア素材が出たみたいである。
「なんか、悪いね。先輩方のおかげで倒せたのに、ぼく達だけ報酬良くて」
「気にしないでください。本物の不落魔王の戦いを間近に見ることができただけで、満足ですから」
サエラの言葉に、グダも大きく何度も頷いている。
「そうだねー。あれだけ派手な攻撃は、うちも初めて見たからねえ。ついてきた甲斐があったよ」
モカもニッシッシと笑みを浮かべるので、ハルマも毒気を抜かれてしまう。それに、本来の目的は別にある。
「はあ……。俺も別に気にしてないよ。だいたい、ここの桜を楽しみに来ただけなんだから」
「ああ! そうだった。忘れてた」
ユキチのニカッとした笑みで、その場の雰囲気もガラリと変わるのだった。
口には出されなかった言葉が、その場に漂う中、モカとハルマは正反対の表情を浮かべながらも勝った喜びに浸っていた。
「いやー! 久しぶりに燃える戦いだった! 実際、味方じゃなかったら燃やされてたかも? ハルちゃんのアレ、〈ゴブリン軍の進撃〉の時より、すんごいことになってたね。さすがに6人コンボともなると、桁違いだねえ」
思う存分暴れ回ることができたことで、モカは大満足の様子だ。
「ああ……、そういうことになるのか……。今まで、せいぜい3人コンボだったからなあ。でも、ピインがアイテム使ったスキルも再現できるのかは、まだ検証したことがなかったから、上手くいくか賭けだったんですよ。まさか、あんな大惨事になるとは思っていませんでしたけど」
げっそりと疲れた表情である。
そこに、遠巻きに眺めていたグループの中から、ユキチが駆け寄り声をかけてきた。
「おつかれさま。報酬、出てるよ」
見てみれば、ジャイアントフェアリーアントが消失した地点に、大きな宝箱が出現している。しかし、それに近寄る者がいない。
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それは、モカも例外ではない。
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「きょ、恐縮です」
全員に促され、ハルマはおずおずと宝箱に近寄ると、報酬を獲得した。
「え?」
「どうしたの?」
ハルマの戸惑いの声に、ユキチが尋ねる。
「いや、なんというか、たぶんハズレだったものだから。いや、まあ、蘇生薬の素材だから、完全にハズレでもないんだけど……」
宝箱に入っていたのは、雨降りの迷宮で手に入る百厄の薬であった。これがおそらくレイドボスのドロップで、他のジャイアントアントのドロップとして魔物の骨や甲殻虫の羽といったノーマル素材が複数入っていた。
「あはっ。ハル君、こういう引きは昔から弱いもんね。お! ぼくはアクセサリーだから、けっこう当たりかな?」
全員が報酬を確認した結果、どうやら初心者には確定でアクセサリーが出るらしく、テイムモンスターを所有しているメンバーは、ランダムでレア素材が出たみたいである。
「なんか、悪いね。先輩方のおかげで倒せたのに、ぼく達だけ報酬良くて」
「気にしないでください。本物の不落魔王の戦いを間近に見ることができただけで、満足ですから」
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「そうだねー。あれだけ派手な攻撃は、うちも初めて見たからねえ。ついてきた甲斐があったよ」
モカもニッシッシと笑みを浮かべるので、ハルマも毒気を抜かれてしまう。それに、本来の目的は別にある。
「はあ……。俺も別に気にしてないよ。だいたい、ここの桜を楽しみに来ただけなんだから」
「ああ! そうだった。忘れてた」
ユキチのニカッとした笑みで、その場の雰囲気もガラリと変わるのだった。
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