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第2章 謎は霧の中に
Ver.3/第18話
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「は?」
謎の館に入った直後のことだった。
「どこ? ここ?」
いきなり全身が光で覆われ、どこかに転移させられてしまっていたのだ。〈発見〉のスキルに反応はなかったので、トラップの類ではなく、そういうシステムだと考えた方が妥当であろう。
「おーい。みんな、無事か?」
きょろきょろしていると、パーティチャットにチップから連絡が入った。
どうやら、全員バラバラに飛ばされてしまったようである。
「この感じだと、特殊イベントっぽいな。ルヴァンも勝手に帰還させられて、召喚もできねえ」
「は!? ホントだ! みんないない!」
チップの言葉に、ようやくハルマもひとりであることに気づいた。が、本格的にひとりではないらしい。
「ああ、良かった。マリーはいるわ」
「え!? マリーちゃんはいるの!?」
ハルマの呟きに、アヤネが興奮気味に尋ねてくる。
「マリーは戦闘に参加できないからかな? それとも、何か他に理由があるのか? そもそもマリーって、俺から離れられるのか? どちらにしても、何が始まるんだ?」
どうやら全員、同じ作りの部屋に閉じ込められているようである。扉はあるが、身動きを封じられているのか、足が床に張り付いたようにピタリと止まったままである。
何か手がかりがないかと周囲を観察していたが、一定時間経過したからか、視界の中にアナウンスが表示された。
つながったままのパーティチャットからも反応があったので、同じタイミングで表示されたのであろう。
『謎の館にようこそ。ここでは戦闘行為は行えませんし、モンスターも出現いたしません。観察眼、探索力、行動力、決断力、使えるものなら何でも使って構いません! 使えないものはすでに没収、もしくは使用不可の制限がかけられていますが、館から出ると解除されます。制限時間内に館から無事脱出できたら、クエストクリアとなります。まずは、その部屋から出ることが最初のミッションです。館の主をすくい出し、呪いが解けますことを切に願うばかりであります』
「何だ? こりゃ?」
面食らっているのはハルマだけで、他の面々はある程度のことは理解したらしく、最初にモヤシが口を開いた。
「たぶん、謎解き脱出系のゲームじゃないですかね?」
「ぼくもそうだと思う」
「だろうな。自分で手がかりを探しながら、制限時間内に出口を見つけるのがセオリーだから、館の中のギミックが全員共通であれば、チャットもいつまでつながるか怪しいな」
「そうだね。たぶん身動きがとれるようになるか、制限時間が表示されたら切れるんじゃないかな?」
「オッケー。それじゃあ、まずはこの部屋の扉のカギを探すことから、かしら? お互い、健闘を祈るわ」
おのおのが状況を整理するまで時間的な猶予が設けられていたのか、これだけたっぷり話し込んでも身動きは封じられたままだったが、それもようやく解除され、行動が開始された。
制限時間は90分と、長いような短いような設定である。また、表示されているカウントダウンの隣には、ギブアップ用のボタンも準備されていた。
そして、チップとシュンの予想通り、この段階でパーティは強制的に解除され、チャットも自動で切断されていた。
部屋の中を観察する。
実にごちゃごちゃした部屋である。ベッドに机、タンスに収納棚。広くはない部屋の中に様々な家具が配置されている。
「うへぇ。この中からカギを探さないとダメなのか?」
ハルマはぼんやりと部屋を眺めて辟易とすると同時に、ワクワクも感じているのだった。
謎の館に入った直後のことだった。
「どこ? ここ?」
いきなり全身が光で覆われ、どこかに転移させられてしまっていたのだ。〈発見〉のスキルに反応はなかったので、トラップの類ではなく、そういうシステムだと考えた方が妥当であろう。
「おーい。みんな、無事か?」
きょろきょろしていると、パーティチャットにチップから連絡が入った。
どうやら、全員バラバラに飛ばされてしまったようである。
「この感じだと、特殊イベントっぽいな。ルヴァンも勝手に帰還させられて、召喚もできねえ」
「は!? ホントだ! みんないない!」
チップの言葉に、ようやくハルマもひとりであることに気づいた。が、本格的にひとりではないらしい。
「ああ、良かった。マリーはいるわ」
「え!? マリーちゃんはいるの!?」
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「マリーは戦闘に参加できないからかな? それとも、何か他に理由があるのか? そもそもマリーって、俺から離れられるのか? どちらにしても、何が始まるんだ?」
どうやら全員、同じ作りの部屋に閉じ込められているようである。扉はあるが、身動きを封じられているのか、足が床に張り付いたようにピタリと止まったままである。
何か手がかりがないかと周囲を観察していたが、一定時間経過したからか、視界の中にアナウンスが表示された。
つながったままのパーティチャットからも反応があったので、同じタイミングで表示されたのであろう。
『謎の館にようこそ。ここでは戦闘行為は行えませんし、モンスターも出現いたしません。観察眼、探索力、行動力、決断力、使えるものなら何でも使って構いません! 使えないものはすでに没収、もしくは使用不可の制限がかけられていますが、館から出ると解除されます。制限時間内に館から無事脱出できたら、クエストクリアとなります。まずは、その部屋から出ることが最初のミッションです。館の主をすくい出し、呪いが解けますことを切に願うばかりであります』
「何だ? こりゃ?」
面食らっているのはハルマだけで、他の面々はある程度のことは理解したらしく、最初にモヤシが口を開いた。
「たぶん、謎解き脱出系のゲームじゃないですかね?」
「ぼくもそうだと思う」
「だろうな。自分で手がかりを探しながら、制限時間内に出口を見つけるのがセオリーだから、館の中のギミックが全員共通であれば、チャットもいつまでつながるか怪しいな」
「そうだね。たぶん身動きがとれるようになるか、制限時間が表示されたら切れるんじゃないかな?」
「オッケー。それじゃあ、まずはこの部屋の扉のカギを探すことから、かしら? お互い、健闘を祈るわ」
おのおのが状況を整理するまで時間的な猶予が設けられていたのか、これだけたっぷり話し込んでも身動きは封じられたままだったが、それもようやく解除され、行動が開始された。
制限時間は90分と、長いような短いような設定である。また、表示されているカウントダウンの隣には、ギブアップ用のボタンも準備されていた。
そして、チップとシュンの予想通り、この段階でパーティは強制的に解除され、チャットも自動で切断されていた。
部屋の中を観察する。
実にごちゃごちゃした部屋である。ベッドに机、タンスに収納棚。広くはない部屋の中に様々な家具が配置されている。
「うへぇ。この中からカギを探さないとダメなのか?」
ハルマはぼんやりと部屋を眺めて辟易とすると同時に、ワクワクも感じているのだった。
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