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第12章 絶望をもたらす者
Ver.2/第90話
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「じゃあ、改めて一緒に行こうか」
散々笑われた後、ハルマはチップ達に声をかけた。
「は? いや。ハルマがランクインしちゃってるから、一緒に行っても無駄だぞ?」
「え?」
「ルール確認したけど、ランキングに入った場合、同じパーティじゃないと魔王イベント出られないだろ? ハルマがランクインした状態でオレ達のパーティに入ってランクインしても、パーティ人数が少ない方が優先されるから、オレ達は資格なくなるんだよ。だから、ハルマがパーティリーダーでオレ達がパーティに入る、なら可能性はあるだろうけど、ハルマの場合、人数が増えると条件厳しくなるだけで、更新できる可能性低いんじゃないか?」
ここに来て、理論上ほぼ最速での攻略が仇になってしまったのだ。
「え?」
「そういうわけなんで、魔王イベントがんばれ。オレ達も、まあ、がんばってみるわ」
「え? ええええ!?」
こんなやり取りが繰り広げられてるとは知らず、突如更新された1位の記録に、Greenhorn-onlineの世界は大いにざわついていた。
「おいおい。モカの記録も異常だったけど、何だよハルマの記録」
「今まで音沙汰なしだったくせに、最後の最後で話題をかっさらっていくとか、くー、しびれるねえ」
「こんなの、チートでも使ってなけりゃ無理じゃね?」
「ばーか。お前は前回の不落魔王見てないからそんなこと思うんだよ。ありゃ、正真正銘のバケモンだよ」
「やっと出てきたか。今回は不参加かと思って、ちょっと物足りなかったんだよな」
「わかる。俺もそう! モカも楽しみだけど、ハルマもどんだけ強くなってるのか見てみたかったんだよな」
「今回も全部攻撃受け切って、完勝かな?」
「いやー。さすがに難しいんじゃないか? 前回はMPを奪えたけど、今回はいきなり直接対決なんだろ?」
「はー。なんにせよ。楽しみが増えた!」
こうして〈不死者の砦〉が閉じられると魔王イベントの詳細が満を持して発表された。
〈魔王イベント 第2回 魔王城への挑戦〉
不死者の砦をクリアした勇者は、砦に隠された転移装置を見つけていた。
この先で待ち構えるのは異世界の魔王。
勇者よ、世界を救うため、魔王を討伐しよう!
<開催期間>
3月〇日17時~3月〇日23時
『23時~7時/7時~12時/12時~17時/17時~23時の時間帯から、挑戦したい魔王を選んで参加が可能です。ただし、魔王は、同じ時間帯に最大2時間(インターバルは含まない)しか出現しません』
<参加条件>
不死者の砦をクリアしていること
<参加費>
5万ゴールド
※違う魔王に挑む場合、追加で参加費が必要になります。ただし、各時間帯、1度しか参加はできません。また、1度討伐に成功した魔王には再挑戦できません。
<挑戦時の注意点>
戦闘時間は、魔王軍の人数によって変わらず、1戦15分(インターバル5分)です。
パーティを組んでの挑戦と、ソロプレイヤーによるオートマッチングを交互に繰り返しますので、参加したい時間帯を間違えないようにご注意ください。
パーティでの挑戦を希望する場合、魔王軍よりも3人以上多いと挑戦できませんので、ご注意ください。
※魔王がひとりの場合、3人パーティまで挑戦可。魔王が8人の場合、10人まで挑戦可。9人以上での挑戦の場合は、2パーティによるレイドシステムを利用いたします。この人数には、テイムモンスターは含まれません。
<勝利条件>
魔王、および、魔王の幹部を全滅させること。
テイムモンスターが残っており、魔王、および、魔王の幹部を蘇生できる場合に限り、戦闘は続行されます。
時間切れの場合、両者生存でも、勝利となります。
<勇者報酬>
見事、魔王を討伐した暁には、報酬として勇者のエンブレム銅が与えられます。
勇者のエンブレム銅は10個集めると、勇者のエンブレム銀と交換ができます。
勇者のエンブレム銀は5個集めると、勇者のエンブレム金と交換ができます。
勇者のエンブレムは各種、イベント終了後に他のアイテムと交換ができます。また、次回以降に持ち越すことも可能です。
さらに、今後、勇者のエンブレム金を獲得したプレイヤーには、応募フォームから申請することで、後日、実物をお届けいたします。
<魔王>
魔王は、不死者の砦のランキング上位者の合計600名
辞退は可能です。参加賞は別途用意してありますが、期間中、10回以上参加できなかった場合、追加の報酬はありません。
21回、全てに参加していただくことも可能です。
※魔王を辞退した方も、勇者として参加することは可能です。
<魔王城>
今回、魔王城は、全プレイヤー共通です。
<魔王の幹部>
ランクイン時にパーティを組んでいたメンバーは幹部として登録し、必ず一緒に参加するようにしてください。
<イベント中の注意点>
魔王サイドは2時間(マッチング中にインターバルを5分設けます)、連戦となります。そのため、新しい挑戦者が現れる度にステータスやインベントリの中身、リキャストタイムはリセットされます。魔法やスキルによる強化は持ち越されません。またイベント開始前に、スキルや魔法によって強化されていた数値も、常時発動系のもの以外、反映されません。
<勝利条件>
挑戦者プレイヤーを全滅させる。テイムモンスターが残っており、挑戦者プレイヤーを蘇生できる場合に限り、戦闘は続行されます。
<魔王(幹部も含む)報酬>
参加賞として、魔王のエンブレム銀を1つ進呈。魔王のエンブレム銀は5個集めると、魔王のエンブレム金と交換ができます。
また、返り討ちにしたプレイヤーの人数×30000Gも進呈します。
さらに、一度も倒されなかった場合、魔王のエンブレム金を1つ進呈!
魔王のエンブレム金も、応募フォームから申請することで、後日、実物をお届けいたします。
魔王のエンブレムも各種、イベント終了後に他のアイテムと交換ができます。また、次回以降に持ち越すことも可能です。
<勇者・魔王 共通特別ルール>
魔王城には、HP回復アイテムは最大10個、MP回復アイテムは最大5個までしか持ち込むことができません。また、蘇生アイテムの使用は禁止とさせていただきます(蘇生魔法の使用は可能です)。
また、インベントリも、イベント専用のものになり、上記のアイテムを含めて、15種類のアイテムまでしか持ち込むことができません(上記アイテム以外の所持数の上限は通常通りです)。
散々笑われた後、ハルマはチップ達に声をかけた。
「は? いや。ハルマがランクインしちゃってるから、一緒に行っても無駄だぞ?」
「え?」
「ルール確認したけど、ランキングに入った場合、同じパーティじゃないと魔王イベント出られないだろ? ハルマがランクインした状態でオレ達のパーティに入ってランクインしても、パーティ人数が少ない方が優先されるから、オレ達は資格なくなるんだよ。だから、ハルマがパーティリーダーでオレ達がパーティに入る、なら可能性はあるだろうけど、ハルマの場合、人数が増えると条件厳しくなるだけで、更新できる可能性低いんじゃないか?」
ここに来て、理論上ほぼ最速での攻略が仇になってしまったのだ。
「え?」
「そういうわけなんで、魔王イベントがんばれ。オレ達も、まあ、がんばってみるわ」
「え? ええええ!?」
こんなやり取りが繰り広げられてるとは知らず、突如更新された1位の記録に、Greenhorn-onlineの世界は大いにざわついていた。
「おいおい。モカの記録も異常だったけど、何だよハルマの記録」
「今まで音沙汰なしだったくせに、最後の最後で話題をかっさらっていくとか、くー、しびれるねえ」
「こんなの、チートでも使ってなけりゃ無理じゃね?」
「ばーか。お前は前回の不落魔王見てないからそんなこと思うんだよ。ありゃ、正真正銘のバケモンだよ」
「やっと出てきたか。今回は不参加かと思って、ちょっと物足りなかったんだよな」
「わかる。俺もそう! モカも楽しみだけど、ハルマもどんだけ強くなってるのか見てみたかったんだよな」
「今回も全部攻撃受け切って、完勝かな?」
「いやー。さすがに難しいんじゃないか? 前回はMPを奪えたけど、今回はいきなり直接対決なんだろ?」
「はー。なんにせよ。楽しみが増えた!」
こうして〈不死者の砦〉が閉じられると魔王イベントの詳細が満を持して発表された。
〈魔王イベント 第2回 魔王城への挑戦〉
不死者の砦をクリアした勇者は、砦に隠された転移装置を見つけていた。
この先で待ち構えるのは異世界の魔王。
勇者よ、世界を救うため、魔王を討伐しよう!
<開催期間>
3月〇日17時~3月〇日23時
『23時~7時/7時~12時/12時~17時/17時~23時の時間帯から、挑戦したい魔王を選んで参加が可能です。ただし、魔王は、同じ時間帯に最大2時間(インターバルは含まない)しか出現しません』
<参加条件>
不死者の砦をクリアしていること
<参加費>
5万ゴールド
※違う魔王に挑む場合、追加で参加費が必要になります。ただし、各時間帯、1度しか参加はできません。また、1度討伐に成功した魔王には再挑戦できません。
<挑戦時の注意点>
戦闘時間は、魔王軍の人数によって変わらず、1戦15分(インターバル5分)です。
パーティを組んでの挑戦と、ソロプレイヤーによるオートマッチングを交互に繰り返しますので、参加したい時間帯を間違えないようにご注意ください。
パーティでの挑戦を希望する場合、魔王軍よりも3人以上多いと挑戦できませんので、ご注意ください。
※魔王がひとりの場合、3人パーティまで挑戦可。魔王が8人の場合、10人まで挑戦可。9人以上での挑戦の場合は、2パーティによるレイドシステムを利用いたします。この人数には、テイムモンスターは含まれません。
<勝利条件>
魔王、および、魔王の幹部を全滅させること。
テイムモンスターが残っており、魔王、および、魔王の幹部を蘇生できる場合に限り、戦闘は続行されます。
時間切れの場合、両者生存でも、勝利となります。
<勇者報酬>
見事、魔王を討伐した暁には、報酬として勇者のエンブレム銅が与えられます。
勇者のエンブレム銅は10個集めると、勇者のエンブレム銀と交換ができます。
勇者のエンブレム銀は5個集めると、勇者のエンブレム金と交換ができます。
勇者のエンブレムは各種、イベント終了後に他のアイテムと交換ができます。また、次回以降に持ち越すことも可能です。
さらに、今後、勇者のエンブレム金を獲得したプレイヤーには、応募フォームから申請することで、後日、実物をお届けいたします。
<魔王>
魔王は、不死者の砦のランキング上位者の合計600名
辞退は可能です。参加賞は別途用意してありますが、期間中、10回以上参加できなかった場合、追加の報酬はありません。
21回、全てに参加していただくことも可能です。
※魔王を辞退した方も、勇者として参加することは可能です。
<魔王城>
今回、魔王城は、全プレイヤー共通です。
<魔王の幹部>
ランクイン時にパーティを組んでいたメンバーは幹部として登録し、必ず一緒に参加するようにしてください。
<イベント中の注意点>
魔王サイドは2時間(マッチング中にインターバルを5分設けます)、連戦となります。そのため、新しい挑戦者が現れる度にステータスやインベントリの中身、リキャストタイムはリセットされます。魔法やスキルによる強化は持ち越されません。またイベント開始前に、スキルや魔法によって強化されていた数値も、常時発動系のもの以外、反映されません。
<勝利条件>
挑戦者プレイヤーを全滅させる。テイムモンスターが残っており、挑戦者プレイヤーを蘇生できる場合に限り、戦闘は続行されます。
<魔王(幹部も含む)報酬>
参加賞として、魔王のエンブレム銀を1つ進呈。魔王のエンブレム銀は5個集めると、魔王のエンブレム金と交換ができます。
また、返り討ちにしたプレイヤーの人数×30000Gも進呈します。
さらに、一度も倒されなかった場合、魔王のエンブレム金を1つ進呈!
魔王のエンブレム金も、応募フォームから申請することで、後日、実物をお届けいたします。
魔王のエンブレムも各種、イベント終了後に他のアイテムと交換ができます。また、次回以降に持ち越すことも可能です。
<勇者・魔王 共通特別ルール>
魔王城には、HP回復アイテムは最大10個、MP回復アイテムは最大5個までしか持ち込むことができません。また、蘇生アイテムの使用は禁止とさせていただきます(蘇生魔法の使用は可能です)。
また、インベントリも、イベント専用のものになり、上記のアイテムを含めて、15種類のアイテムまでしか持ち込むことができません(上記アイテム以外の所持数の上限は通常通りです)。
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