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章外 Greenhorn-onlineチャンネル②
Ver.2/第74話
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「「「「「「「「Happy New Year !」」」」」」」」
日付が変わった瞬間、スタンプの村に多くの声が重なり響きわたった。同時に、運営から配られていた花火とクラッカーを使い、この世界での初めての新年を祝い合う。
しかし、にぎやかな時間はすぐに終わり、それぞれが現実の世界へと引き上げ、改めて新年を祝うこととなるのだった。
正月であろうと、高校生のハルマにとっては大きな変化もなく、少し浮かれた日常があるだけで、初詣であるとか、親戚とのちょっとした付き合いであるとか、友人達とのちょっとした挨拶回りがあった程度で、だいたいは暇を持て余し、Greenhorn-onlineに入り浸っていた。
それはチップ達も似たようなもので、頻繁にゲーム内で顔を合わせていた。
相も変わらずケセランパサランの大捜索はにぎわっており、時折、隙を見つけてはハルマも探しているのだが、未だ見つけることはできていない。
そうやって、何となくダラダラと正月気分が抜けないまま、あっという間に冬休みも終わり、ニューイヤーイベントも幕を下ろしたのだった。
そうして迎えた週末の21時。
Greenhorn-onlineのプロモーションビデオが流された後、画面はスタジオに切り替わる。
映っているのは、すでにお馴染みとなったMCのクラッチだった。
「始まりました。Greenhorn-onlineチャンネル、記念すべき、新年1発目の公式生放送! お久しぶりです。MCを務めさせていただきます、声優のクラッチです。本日も、よろしくお願いします!」
番組にはMCの他にプロデューサーの吉多公介と、ディレクターである安藤雄仁も同席している。公式生放送としてはまだ2回目であるが、大型ゲームショウ等での出張放送であるとか、録画放送は数回行われており、この3人で登場することも見慣れた光景となっている。
「つい先日、出張版で放送があったばかりですけど、どうでしたか? 年末年始は?」
「いやー。おかげさまでイベントが大盛況で、ありがたい限りです。まあ、年越しのタイミングでサーバーが耐えられるか、ちょっとヒヤヒヤした時間帯もありましたけど、何とか大きな問題もなく、新年を迎えられたな、という感じです」
「私もログインしていましたけど、ホントに人が多かった! サービス開始日でも、あんなにいませんでしたよね?」
「そうですね。サービス開始の初日もヒヤヒヤしながら推移を見守っていたのを思い出しましたね。今回は仰る通り、あの時よりも多くの方がログインしていただいたみたいで、初めての年越しイベントも大成功となりました」
こうして、当たり障りのない話題から始まり、サービス開始からの振り返り、最近の変化について話は続いた。
「そして〈聖獣の門〉とセットになった〈ニューイヤーイベント〉が、ホント、つい先日まで大盛況でした」
「ありがとうございます」
「そこで、なんですが……。聞きますよ?」
「聞いて下さい!」
「正直なところ、〈聖獣の卵〉からテイムモンスターが生まれるんですか!? これ、本当に多くの人が気になってると思うんですよ!」
「おっと。やっぱり、そこに触れちゃいますか?」
「触れちゃいましょう!」
「安藤さん、どうしますか?」
「そうだねえ。そろそろ一番早い人の卵が孵化しそうかな? ってタイミングだから、発表しちゃってもいいのかな?」
そこで、リアルタイムで流れるコメントに目を向ける。
「あー。だいぶ情報を欲してますね」
「そうだねえ。発表しちゃおうか。〈聖獣の卵〉から、テイムモンスターは……」
「テイムモンスターは?」
そこで、たっぷりと時間を空け、安藤は好々爺とした笑みを浮かべ、今一度周囲に確認を取ると、軽くひとつ頷いた。
「生まれ……ます! なので、楽しみにしておいてください。それと、タロットカードそろえられなかったよ、という方にも、近いうち、といっても、イベントをがんばっていただいた方の育成がひと段落、というくらい間隔は空きますが、救済策を追加しますので、もう少しお待ちください」
「おー! やっぱり生まれるんですね! しかも、早い人だと、もうそろそろ孵化するんですね!? いやー、どんな聖獣が生まれるのか、楽しみですねー」
テイムモンスター実装が明確となり、俄かにネット上はにぎわいを高めたのだった。
日付が変わった瞬間、スタンプの村に多くの声が重なり響きわたった。同時に、運営から配られていた花火とクラッカーを使い、この世界での初めての新年を祝い合う。
しかし、にぎやかな時間はすぐに終わり、それぞれが現実の世界へと引き上げ、改めて新年を祝うこととなるのだった。
正月であろうと、高校生のハルマにとっては大きな変化もなく、少し浮かれた日常があるだけで、初詣であるとか、親戚とのちょっとした付き合いであるとか、友人達とのちょっとした挨拶回りがあった程度で、だいたいは暇を持て余し、Greenhorn-onlineに入り浸っていた。
それはチップ達も似たようなもので、頻繁にゲーム内で顔を合わせていた。
相も変わらずケセランパサランの大捜索はにぎわっており、時折、隙を見つけてはハルマも探しているのだが、未だ見つけることはできていない。
そうやって、何となくダラダラと正月気分が抜けないまま、あっという間に冬休みも終わり、ニューイヤーイベントも幕を下ろしたのだった。
そうして迎えた週末の21時。
Greenhorn-onlineのプロモーションビデオが流された後、画面はスタジオに切り替わる。
映っているのは、すでにお馴染みとなったMCのクラッチだった。
「始まりました。Greenhorn-onlineチャンネル、記念すべき、新年1発目の公式生放送! お久しぶりです。MCを務めさせていただきます、声優のクラッチです。本日も、よろしくお願いします!」
番組にはMCの他にプロデューサーの吉多公介と、ディレクターである安藤雄仁も同席している。公式生放送としてはまだ2回目であるが、大型ゲームショウ等での出張放送であるとか、録画放送は数回行われており、この3人で登場することも見慣れた光景となっている。
「つい先日、出張版で放送があったばかりですけど、どうでしたか? 年末年始は?」
「いやー。おかげさまでイベントが大盛況で、ありがたい限りです。まあ、年越しのタイミングでサーバーが耐えられるか、ちょっとヒヤヒヤした時間帯もありましたけど、何とか大きな問題もなく、新年を迎えられたな、という感じです」
「私もログインしていましたけど、ホントに人が多かった! サービス開始日でも、あんなにいませんでしたよね?」
「そうですね。サービス開始の初日もヒヤヒヤしながら推移を見守っていたのを思い出しましたね。今回は仰る通り、あの時よりも多くの方がログインしていただいたみたいで、初めての年越しイベントも大成功となりました」
こうして、当たり障りのない話題から始まり、サービス開始からの振り返り、最近の変化について話は続いた。
「そして〈聖獣の門〉とセットになった〈ニューイヤーイベント〉が、ホント、つい先日まで大盛況でした」
「ありがとうございます」
「そこで、なんですが……。聞きますよ?」
「聞いて下さい!」
「正直なところ、〈聖獣の卵〉からテイムモンスターが生まれるんですか!? これ、本当に多くの人が気になってると思うんですよ!」
「おっと。やっぱり、そこに触れちゃいますか?」
「触れちゃいましょう!」
「安藤さん、どうしますか?」
「そうだねえ。そろそろ一番早い人の卵が孵化しそうかな? ってタイミングだから、発表しちゃってもいいのかな?」
そこで、リアルタイムで流れるコメントに目を向ける。
「あー。だいぶ情報を欲してますね」
「そうだねえ。発表しちゃおうか。〈聖獣の卵〉から、テイムモンスターは……」
「テイムモンスターは?」
そこで、たっぷりと時間を空け、安藤は好々爺とした笑みを浮かべ、今一度周囲に確認を取ると、軽くひとつ頷いた。
「生まれ……ます! なので、楽しみにしておいてください。それと、タロットカードそろえられなかったよ、という方にも、近いうち、といっても、イベントをがんばっていただいた方の育成がひと段落、というくらい間隔は空きますが、救済策を追加しますので、もう少しお待ちください」
「おー! やっぱり生まれるんですね! しかも、早い人だと、もうそろそろ孵化するんですね!? いやー、どんな聖獣が生まれるのか、楽しみですねー」
テイムモンスター実装が明確となり、俄かにネット上はにぎわいを高めたのだった。
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