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第8章 聖獣の門
Ver.2/第59話
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ルールが表示されたのと同時にマップも表示された。
通常、行動した範囲しかマッピングされない上に、モンスターの位置は表示されないのだが、全体図と一緒にモンスターの位置もリアルタイムで移動している。
潜入型のダンジョンに徘徊するモンスターはどれもマシン系だった。外で見かけるモンスターと違い、目からライトが発せられ、警戒範囲を示している。
「あのライトの中に入ると見つかるってやつだな。しかし、プラチナ門だけあって動きが早えぇ。俺のAGIじゃ、どうやっても見つかるぞ?」
警備モンスターの動きは規則性があり、それを外れることはないのだが、その反復する動きが俊敏なのである。
捕まる前に倒してしまえればいいのかもしれないが、装甲は頑強そうであり、見るからに倒せないタイプのモンスターであることが窺えた。おそらく、こちらから攻撃を仕掛けると、近くからわらわら集まってきて、あえなく御用となるだろう。
天井も低いため、トワネに天井を伝って運んでもらうこともできそうにない。
要所要所に一休みできる安全地帯が設けられているのだが、ハルマの足ではそこに走り込む前に見つかるのは必至である。
「ズキンやニノエは楽々進めるだろうけど、俺が目的地にたどり着けないとクリアにはならないよな? きっと」
腕を組んで考え込むも、制限時間も設けられている。じっくり解決策をひねり出す余裕はないという結論に達し、行動に移ることにした。
「ものは試しって言うからな」
これだけ動きが早いと、40レベルに達しているプレイヤーであっても逃げ切ることは困難なはずである。で、あるのなら、AGI以外に解決方法が潜んでいるはずであった。
まずは、それを見つけなければならない。
ハルマはひとつのトラップを取り出し、〈離れ技〉を使って遠くの警備モンスターが徘徊するルートに設置する。
仕掛けられたベアートラップは、すぐに発動した。
「よし! 足止めはできるな。しかも、特に警戒レベルが上がることもない」
一定時間拘束できる上に、ダメージとAGI低下を同時に与えるトラップだ。唯一の懸念が、ダメージも与えてしまうので、敵対行動をとってくる可能性があったことだが、身動きできないことにジタバタしているだけである。どうやら、ダメージ判定もなかったことから、そもそも倒せない相手なのであろう。
「ラフとトワネはインベントリに入れるとして、ユララとヤタジャオースは飛んでれば見つからないだろ? ズキンとニノエは、こういう時こそ真価を発揮するタイプだろうから、任せておけばいいよな?」
そこでふと、視線をマリーに向ける。
「マリーは、ああいうのにも見えないよな?」
そもそも、モンスターに見えるのだろうか? と、疑問に思うが、それどころではないので検証は後回しにする。今は、見えない、ということにしなければ先に進めないのだ。
何せ、マリーに気を使っている余裕が一番ないのが、ハルマ自身なのだ。
「えーと? あそことあそこの警備を足止めしてる間に移動して、拘束時間は30秒だから、この距離だと……ブツブツブツ」
緻密にシミュレーションしている時間もないのだが、ちょっとでも手順を間違えるとゲームオーバーになってしまう。
マップと、見えている範囲のモンスターの動きからイメージを固めていく。
宝物庫までの距離はそう遠くないのだが、最短距離で駆け抜けるにはちょっと無理がありそうなので、少し遠回りしなければならない。
それでも、10分もあればたどり着けるはずだ。
「いざ!」
最初のトラップが発動したのを確認すると、ハルマは駆け出していた。
通常、行動した範囲しかマッピングされない上に、モンスターの位置は表示されないのだが、全体図と一緒にモンスターの位置もリアルタイムで移動している。
潜入型のダンジョンに徘徊するモンスターはどれもマシン系だった。外で見かけるモンスターと違い、目からライトが発せられ、警戒範囲を示している。
「あのライトの中に入ると見つかるってやつだな。しかし、プラチナ門だけあって動きが早えぇ。俺のAGIじゃ、どうやっても見つかるぞ?」
警備モンスターの動きは規則性があり、それを外れることはないのだが、その反復する動きが俊敏なのである。
捕まる前に倒してしまえればいいのかもしれないが、装甲は頑強そうであり、見るからに倒せないタイプのモンスターであることが窺えた。おそらく、こちらから攻撃を仕掛けると、近くからわらわら集まってきて、あえなく御用となるだろう。
天井も低いため、トワネに天井を伝って運んでもらうこともできそうにない。
要所要所に一休みできる安全地帯が設けられているのだが、ハルマの足ではそこに走り込む前に見つかるのは必至である。
「ズキンやニノエは楽々進めるだろうけど、俺が目的地にたどり着けないとクリアにはならないよな? きっと」
腕を組んで考え込むも、制限時間も設けられている。じっくり解決策をひねり出す余裕はないという結論に達し、行動に移ることにした。
「ものは試しって言うからな」
これだけ動きが早いと、40レベルに達しているプレイヤーであっても逃げ切ることは困難なはずである。で、あるのなら、AGI以外に解決方法が潜んでいるはずであった。
まずは、それを見つけなければならない。
ハルマはひとつのトラップを取り出し、〈離れ技〉を使って遠くの警備モンスターが徘徊するルートに設置する。
仕掛けられたベアートラップは、すぐに発動した。
「よし! 足止めはできるな。しかも、特に警戒レベルが上がることもない」
一定時間拘束できる上に、ダメージとAGI低下を同時に与えるトラップだ。唯一の懸念が、ダメージも与えてしまうので、敵対行動をとってくる可能性があったことだが、身動きできないことにジタバタしているだけである。どうやら、ダメージ判定もなかったことから、そもそも倒せない相手なのであろう。
「ラフとトワネはインベントリに入れるとして、ユララとヤタジャオースは飛んでれば見つからないだろ? ズキンとニノエは、こういう時こそ真価を発揮するタイプだろうから、任せておけばいいよな?」
そこでふと、視線をマリーに向ける。
「マリーは、ああいうのにも見えないよな?」
そもそも、モンスターに見えるのだろうか? と、疑問に思うが、それどころではないので検証は後回しにする。今は、見えない、ということにしなければ先に進めないのだ。
何せ、マリーに気を使っている余裕が一番ないのが、ハルマ自身なのだ。
「えーと? あそことあそこの警備を足止めしてる間に移動して、拘束時間は30秒だから、この距離だと……ブツブツブツ」
緻密にシミュレーションしている時間もないのだが、ちょっとでも手順を間違えるとゲームオーバーになってしまう。
マップと、見えている範囲のモンスターの動きからイメージを固めていく。
宝物庫までの距離はそう遠くないのだが、最短距離で駆け抜けるにはちょっと無理がありそうなので、少し遠回りしなければならない。
それでも、10分もあればたどり着けるはずだ。
「いざ!」
最初のトラップが発動したのを確認すると、ハルマは駆け出していた。
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