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第5章 ダークエルフの集落
Ver.2/第34話
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風喰いが駆け抜けていった森の中をトワネに乗って追いかける。
「あっちです」
道案内は、怠惰なキャラとは思えないほど張り切っているズキンがしてくれていた。それだけドラゴンを食べたいのだろう。
さすがにAGIが飛び抜けて高いだけのことはあり、動きは俊敏だ。
森の中を駆け抜ける間、モンスターにも当然遭遇するのだが、そこはハルマの〈発見〉スキルの出番である。
事前にポップする位置を把握して、エンカウントしないルートを選択していく。
そうやって森の中をかなりの距離移動した辺りで、喧騒が聞こえてきた。
「何だ?」
ここ最近、森の中を散策し続けていたので、この辺りに何があったかを思い出すことができた。
「この先は……。ダークエルフの集落だ! 急げ!」
一度、うっかり彼らのテリトリーに入り込んでしまったらしく、威嚇射撃されたことがあったのである。
風喰いがダークエルフを襲っているのだとしたら、無許可で入り込んだとしても咎められることはないだろう。ただ、風喰いの仲間だと勘違いされると厄介なので、そこは慎重になる。
ダークエルフの集落は森の中にひっそりと紛れて形成されている。
柵で囲まれているわけでもないので、どこからどこまでが彼らのテリトリーなのか、すぐには判別できない。
それでも、注意深く観察すると、広場を中心に道が整理され、境界線となる地点に岩が置かれていることに気づく。
ハルマは境界線の近くに生える巨木に隠れながら集落の中を覗き見た。
「あー。やっぱり襲われてるな」
風喰いはシンプルな翼竜であった。前足が羽と同化しているタイプであり、地上戦は得意ではなさそうである。
それでも、人間を丸々飲み込めそうなほどの大きさがあり、飛翔能力も高いと見えて、あちこち飛び回ってはダークエルフ達を薙ぎ払っていた。
「くっそ。風喰いに攻撃したら、ダークエルフからは襲われずに済むかな?」
「彼らもそんなに好戦的な種族ではありませんよ。安心してください」
ハルマの懸念に、トワネが答える。
それを信じるしか今はない。
「えーい。やるだけやってみるか! トワネ、行ってくれ!」
踏ん切りがついたところで、号令を出していた。
風喰いは集落の中を所狭しと飛び回り、ダークエルフ達に襲いかかっていた。
ただ、ダークエルフ達もやられるばかりではなく、弓を駆使して対抗している。ただ、よくよく見てみると、ダークエルフで戦っている者はそのほとんどが怪我人であるのだ。
どうやら、風喰いの襲撃は初めてではないらしい。
「い、よいしょー!」
ハルマはトワネに揺られながら弓を射る。
片手剣の二刀流の方が安全ではあるのだが、それでは攻撃が届かない。
まずは、こちらに注意を引きつけなければ戦いが始まらないのだ。
突如現れた援軍にダークエルフ達は動揺したが、攻撃してくることはなかった。
ホッと安堵すると、声を上げる。
「あいつは俺たちが引き受ける! 皆さんは安全な所に避難してください!」
ハルマの攻撃で風喰いの怒りがこちらに向けられたのを確認すると、トワネから降りて片手剣に装備を切り替える。
こうして、ダークエルフの集落を守る戦いが始まったのだった。
「あっちです」
道案内は、怠惰なキャラとは思えないほど張り切っているズキンがしてくれていた。それだけドラゴンを食べたいのだろう。
さすがにAGIが飛び抜けて高いだけのことはあり、動きは俊敏だ。
森の中を駆け抜ける間、モンスターにも当然遭遇するのだが、そこはハルマの〈発見〉スキルの出番である。
事前にポップする位置を把握して、エンカウントしないルートを選択していく。
そうやって森の中をかなりの距離移動した辺りで、喧騒が聞こえてきた。
「何だ?」
ここ最近、森の中を散策し続けていたので、この辺りに何があったかを思い出すことができた。
「この先は……。ダークエルフの集落だ! 急げ!」
一度、うっかり彼らのテリトリーに入り込んでしまったらしく、威嚇射撃されたことがあったのである。
風喰いがダークエルフを襲っているのだとしたら、無許可で入り込んだとしても咎められることはないだろう。ただ、風喰いの仲間だと勘違いされると厄介なので、そこは慎重になる。
ダークエルフの集落は森の中にひっそりと紛れて形成されている。
柵で囲まれているわけでもないので、どこからどこまでが彼らのテリトリーなのか、すぐには判別できない。
それでも、注意深く観察すると、広場を中心に道が整理され、境界線となる地点に岩が置かれていることに気づく。
ハルマは境界線の近くに生える巨木に隠れながら集落の中を覗き見た。
「あー。やっぱり襲われてるな」
風喰いはシンプルな翼竜であった。前足が羽と同化しているタイプであり、地上戦は得意ではなさそうである。
それでも、人間を丸々飲み込めそうなほどの大きさがあり、飛翔能力も高いと見えて、あちこち飛び回ってはダークエルフ達を薙ぎ払っていた。
「くっそ。風喰いに攻撃したら、ダークエルフからは襲われずに済むかな?」
「彼らもそんなに好戦的な種族ではありませんよ。安心してください」
ハルマの懸念に、トワネが答える。
それを信じるしか今はない。
「えーい。やるだけやってみるか! トワネ、行ってくれ!」
踏ん切りがついたところで、号令を出していた。
風喰いは集落の中を所狭しと飛び回り、ダークエルフ達に襲いかかっていた。
ただ、ダークエルフ達もやられるばかりではなく、弓を駆使して対抗している。ただ、よくよく見てみると、ダークエルフで戦っている者はそのほとんどが怪我人であるのだ。
どうやら、風喰いの襲撃は初めてではないらしい。
「い、よいしょー!」
ハルマはトワネに揺られながら弓を射る。
片手剣の二刀流の方が安全ではあるのだが、それでは攻撃が届かない。
まずは、こちらに注意を引きつけなければ戦いが始まらないのだ。
突如現れた援軍にダークエルフ達は動揺したが、攻撃してくることはなかった。
ホッと安堵すると、声を上げる。
「あいつは俺たちが引き受ける! 皆さんは安全な所に避難してください!」
ハルマの攻撃で風喰いの怒りがこちらに向けられたのを確認すると、トワネから降りて片手剣に装備を切り替える。
こうして、ダークエルフの集落を守る戦いが始まったのだった。
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