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第4章 未知なる世界

Ver.2/第25話

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「皆、素材集めは順調そうだな」
 自宅で使い魔のコウモリに届いていた伝言を確認すると、ハルマは外に出た。
 いち早くハロウィンイベントのEXクエストをクリアしたことで余裕のできた面々は、それぞれに通常プレーをしながら拠点造りに必要な素材を集めているようである。
 加えて、ハロウィンイベントの目玉アイテムは手に入れたが、イベント報酬用のコインは集めておいて損はない。そこで、素材集めとジャック・オー・ランタンの捜索を引き続き行っているらしい。
 ハルマはスタンプの村を回り、拠点を造るのに必要な場所を検討する。
「スズねえとミコトさんは隣同士が希望だったよな。で、逆に、チップはスズねえの家とは距離が離れてる方がいい、と」
 メモ機能に残してある項目を確認しながら区画を決めていく。
 家づくりの希望にも個性が出ていた。
 アヤネはそのうちかわいいもので埋め尽くしたいので、広い家にして欲しいというのが要望だった。
 ゴリも広い家を希望しているが、理由はアヤネと違い、現実世界ではデカい体がネックになって頭をぶつけたり窮屈な思いをしているので、ゲームの中では広々とした生活がしたい、というものだった。
 モカに関しては特に希望はなく、今後もハルマが生産職として手を貸してくれるならどんな家でもいいと言われてしまった。彼女にかんしては、拠点そのものに魅力を感じているというよりは、この村が気に入っている様子である。
「あー。そういえば、移住希望者も受け入れて家を建てないと、か」
 フレンドつながりで他にも拠点を造りたいという人がいるかもしれないと思って保留していたのだが、ハルマを直接知らないプレイヤーを入れるのは時期尚早なんじゃないかと意見が一致していたので、今回はこれ以上増えることはない。
 春頃になれば、フレンドの兄弟姉妹であるとか、知り合いが増える予定があるが、他に増えそうな気配はない。今後、知り合いが増える可能性もあるが、その時はその時である。
 移住希望者は当初より増え、すでに次回の開拓完了まで待ってもらわないといけないNPCがいるほどなのだ。
 開拓には数か月ほど時間がかかるだろうが、それを待ってもらえるプレイヤーでなければ、この村ではやっていけないだろう。
 ハルマは移住希望者のリストを開き、上から順に限度一杯の受け入れを決めると、要望に合う家の準備を始める。
「やっぱり家をいくつも造るとなると、素材がちょっと足らないな。俺もジャック・オー・ランタンを探しながら、採取しに出かけるか」
 そうやって先日も向かった光の大陸カサロストイ地方に向かおうとしたが、はたと思いつく。
「どうせなら、新規エリアで探してみるか」
 少し悩んで、この大陸の未踏エリアを目指すことにした。
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