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第3章 トリック・オア・トリート!
Ver.2/第20話
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始まりの町であればどこでも良かったのだが、何となく縁のあるウィンドレッドに向かう。ここは、マリーと出会った町でもある。
「マリーはお菓子いらないのか?」
今ではいたずら天使に進化しているが、元は、いたずらゴーストだったのだ。
「ん? マリーはいつももらってるから、だいじょうぶだよ?」
食べる必要はないが、食べられると知ってからは何となく定期的にプレゼントするようにしていた。その際、これも何となくだが、お菓子を購入するのは大工道具を譲ってくれたケーキ屋を利用している。
ただ、ハルマが与えなかったとしても、知らぬ間にズキンが持ち込んだものを分けてもらっているので、それでじゅうぶんな様子ではあった。
ラフは仕舞ってあるが、カラス姿のズキンは肩に載せたままである。トワネにユララ、ヤタジャオースは町に向かう前に自宅に戻り、置いてきた。町の中もハロウィン仕様であちこちに人形やぬいぐるみと飾り付けがされていたこともあり、上手いこと紛れることができたかもしれないが、さすがに数が多いと目立ちすぎると思ったのである。
「プリンと他のお菓子、交換できる人いませんかー?」
「コウモリの使い魔の情報、探してます! ネタバレありのため、詳しくは直接聞きに来てください!」
「お菓子、買いまーす! 値段は相談にのります!」
予想していた通り、町中ではお菓子を巡ってトレードが行われたり、探す手間を省いてゴールドで集めようとしたりする者でにぎわっていた。
そんな町中の様子を感じながら、転移してきた中心地から少し歩くと、イベント用の〈いたずらゴースト〉はすぐに見つけることができた。
マリーとは少し雰囲気の違う、小さな男の子のゴーストだ。
「トリック・オア・トリート! ぼくはね。プリンが大好物!」
近寄っただけで挨拶代わりにお菓子を要求された。
「はいよ。プリンな」
チップだけでなく、集めたお菓子の中からプリンを選択し、男の子のゴーストに渡すと、ハロウィンコインなるアイテムを入手した。
「コイン3枚か。ゴーストによって変わるのかな?」
町の至る所で同じような光景が散見される中、次の〈いたずらゴースト〉を探していく。宿屋の軒先、教会跡地、ただの路地裏。普段、この〈いたずらゴースト〉達はどうやって過ごしているのか気になったが、何か問題をかかえているのかもしれないし、ただのイベント用NPCかもしれない。ひとつだけハッキリしていることは、マリーとは同じ種類ではないということくらいだろう。
そうやって町中を探し、手持ちのお菓子も少なくなってきた頃、新しい〈いたずらゴースト〉を見つけていた。
「おーい。あなたは、どのお菓子が欲しいの?」
「トリック・オア・トリート! あたしはね。クッキーとシュークリームとイチゴのタルトが大好物なの!」
お菓子を複数要求されることは今までにもあった。しかし、イチゴのタルトはジャック・オー・ランタンから見つかったことはなかった。
「あちゃー。レアなお菓子もやっぱりあったのかー」
呑気にチップが頭をかいていたが、近くから不穏な声が聞こえてきた。
「くそー。こんな町中でボス出るとか、予想外だぞ!?」
誰とも知れぬプレイヤーの声が耳に届くのと同時だった。
「お菓子くれないの? だったら、イタズラしちゃえー!!」
刹那。ハルマ達は見知らぬ空間に飛ばされていた。
「「「「「「「「え?」」」」」」」」
「マリーはお菓子いらないのか?」
今ではいたずら天使に進化しているが、元は、いたずらゴーストだったのだ。
「ん? マリーはいつももらってるから、だいじょうぶだよ?」
食べる必要はないが、食べられると知ってからは何となく定期的にプレゼントするようにしていた。その際、これも何となくだが、お菓子を購入するのは大工道具を譲ってくれたケーキ屋を利用している。
ただ、ハルマが与えなかったとしても、知らぬ間にズキンが持ち込んだものを分けてもらっているので、それでじゅうぶんな様子ではあった。
ラフは仕舞ってあるが、カラス姿のズキンは肩に載せたままである。トワネにユララ、ヤタジャオースは町に向かう前に自宅に戻り、置いてきた。町の中もハロウィン仕様であちこちに人形やぬいぐるみと飾り付けがされていたこともあり、上手いこと紛れることができたかもしれないが、さすがに数が多いと目立ちすぎると思ったのである。
「プリンと他のお菓子、交換できる人いませんかー?」
「コウモリの使い魔の情報、探してます! ネタバレありのため、詳しくは直接聞きに来てください!」
「お菓子、買いまーす! 値段は相談にのります!」
予想していた通り、町中ではお菓子を巡ってトレードが行われたり、探す手間を省いてゴールドで集めようとしたりする者でにぎわっていた。
そんな町中の様子を感じながら、転移してきた中心地から少し歩くと、イベント用の〈いたずらゴースト〉はすぐに見つけることができた。
マリーとは少し雰囲気の違う、小さな男の子のゴーストだ。
「トリック・オア・トリート! ぼくはね。プリンが大好物!」
近寄っただけで挨拶代わりにお菓子を要求された。
「はいよ。プリンな」
チップだけでなく、集めたお菓子の中からプリンを選択し、男の子のゴーストに渡すと、ハロウィンコインなるアイテムを入手した。
「コイン3枚か。ゴーストによって変わるのかな?」
町の至る所で同じような光景が散見される中、次の〈いたずらゴースト〉を探していく。宿屋の軒先、教会跡地、ただの路地裏。普段、この〈いたずらゴースト〉達はどうやって過ごしているのか気になったが、何か問題をかかえているのかもしれないし、ただのイベント用NPCかもしれない。ひとつだけハッキリしていることは、マリーとは同じ種類ではないということくらいだろう。
そうやって町中を探し、手持ちのお菓子も少なくなってきた頃、新しい〈いたずらゴースト〉を見つけていた。
「おーい。あなたは、どのお菓子が欲しいの?」
「トリック・オア・トリート! あたしはね。クッキーとシュークリームとイチゴのタルトが大好物なの!」
お菓子を複数要求されることは今までにもあった。しかし、イチゴのタルトはジャック・オー・ランタンから見つかったことはなかった。
「あちゃー。レアなお菓子もやっぱりあったのかー」
呑気にチップが頭をかいていたが、近くから不穏な声が聞こえてきた。
「くそー。こんな町中でボス出るとか、予想外だぞ!?」
誰とも知れぬプレイヤーの声が耳に届くのと同時だった。
「お菓子くれないの? だったら、イタズラしちゃえー!!」
刹那。ハルマ達は見知らぬ空間に飛ばされていた。
「「「「「「「「え?」」」」」」」」
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