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第3章 トリック・オア・トリート!
Ver.2/第17話
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「ハロウィンイベントって、急に始まったけど何するんだ?」
チップの提案に全員が同意したが、ほとんどの者が理解していなかった。
「ただの季節イベントって感じ。フィールドで見つけられるジャック・オー・ランタンからお菓子が見つかって、この時期だけ町に出没する〈いたずらゴースト〉に渡すと、イベント用のコインを貰えるんだとさ。で、ハロウィンの仮装アイテムと交換できるらしい。余ったコインも、イベント後に何かしらのアイテムと交換できるみたいだな。あと、どうやったら貰えるのかわからないけど、コウモリの使い魔も報酬で用意されてるって話だぜ?」
「「何それ!?」」
チップの説明を話半分で聞いていたアヤネとミコトが、ほぼ同時に詰め寄っていた。このふたりほどではなかったが、スズコとモカも興味がわいたようである。
何よりびっくりしたのは、いつもは控えめなミコトの反応だった。
「コ……、コウモリの使い魔のこと?」
「それそれ。ハル君が連れてる感じのNPCかな!? かわいいの!?」
「あー。どうだろうな? 紹介動画見たけど、イベント報酬だからあそこまで自立したタイプじゃないと思うぞ? 簡単な便利機能はあるらしいけど。手紙のやり取りとかアラームとか。見た目は、まあ、トワネに雰囲気が近かったから、かわいい系なんじゃないか? たぶん、今後も似たような使い魔は出てくると思うぞ? 課金かもしれないけど」
「課金かあ……。使い魔っていったら、猫とかフクロウとかも定番だよね? カエルなんかもいいなあ……。いくらくらいだろう?」
チップの予想を聞いて、ミコトはすでにいくらまでなら出せるか考えているようである。
「とりあえず、イベントそのものは探索系なのか……。ハルマ君。拠点作りに必要な素材が取りやすい場所知ってる? 知ってるなら、素材集めながらイベントも進めたいかな?」
女性陣がどんな使い魔が追加されると嬉しいかで話が盛り上がってるのを他所に、ゴリが尋ねてきた。
「あー。それなら、どこの森でもだいたい集めやすいですけど、光の大陸のカサロストイの森が比較的集めやすいと思います。皆さんより行けるエリア少ないと思うので、俺の行ける範囲での話になりますけど、今のところ、あそこが一番ランクが高いポイントが多いですね。案内しますよ」
「お? ハルマ、いつの間にカサロに行けるようになってたんだ?」
カサロストイは、光の大陸の始まりの町ライトライムの2つ先のエリアである。始まりの町に隣接するエリアにしか進んでいないと思っていたチップが、意外そうに尋ねてきた。
「あー。ヤタジャオースの性能テストみたいな感じで何となく行ってみたら勝てたから、最近だな。やっぱり、先に進んだ方が採取ランクが上のポイント見つかりやすいって実感したから、少しずつ進んでいこうと思ってる」
ひとつひとつのエリアも広大なため、あちこち散策して回ってもまだ行けていない場所があるほどなので、できれば全部見て回ってから進みたいと思っているのだが、生産職としての血が新しい素材を欲してしまうのだ。
しかも、カサロストイ地方に進み、初めて目にした浮遊大陸を見て、他のエリアの変化も楽しみになっていた。
「なるほどね。その感じだと、あそこのボスを苦労しないで突破したかあ……。そうかあ……。うん。まあ、いいか。モカさんも行けますよね?」
チップはどことなく遠くを見ながら受け入れる。
何しろ、自分達はそのボスを倒せずに長いこと足止めされていたのだ。そして、攻略方法が見つかったのも、〈魔王イベント〉の直前であり、進めている者はあまりいない。
チップがモカに確認したのも、そういう理由があったからである。
「ん? 大丈夫だよ? あのエリア、人が少なくていいよねー。うちも好きな場所」
モカの軽い返答を聞いて、さてはこの人も苦労せずにボスを倒したんだなと他の6人は悟ると、何とも言えない雰囲気になるのだった。
チップの提案に全員が同意したが、ほとんどの者が理解していなかった。
「ただの季節イベントって感じ。フィールドで見つけられるジャック・オー・ランタンからお菓子が見つかって、この時期だけ町に出没する〈いたずらゴースト〉に渡すと、イベント用のコインを貰えるんだとさ。で、ハロウィンの仮装アイテムと交換できるらしい。余ったコインも、イベント後に何かしらのアイテムと交換できるみたいだな。あと、どうやったら貰えるのかわからないけど、コウモリの使い魔も報酬で用意されてるって話だぜ?」
「「何それ!?」」
チップの説明を話半分で聞いていたアヤネとミコトが、ほぼ同時に詰め寄っていた。このふたりほどではなかったが、スズコとモカも興味がわいたようである。
何よりびっくりしたのは、いつもは控えめなミコトの反応だった。
「コ……、コウモリの使い魔のこと?」
「それそれ。ハル君が連れてる感じのNPCかな!? かわいいの!?」
「あー。どうだろうな? 紹介動画見たけど、イベント報酬だからあそこまで自立したタイプじゃないと思うぞ? 簡単な便利機能はあるらしいけど。手紙のやり取りとかアラームとか。見た目は、まあ、トワネに雰囲気が近かったから、かわいい系なんじゃないか? たぶん、今後も似たような使い魔は出てくると思うぞ? 課金かもしれないけど」
「課金かあ……。使い魔っていったら、猫とかフクロウとかも定番だよね? カエルなんかもいいなあ……。いくらくらいだろう?」
チップの予想を聞いて、ミコトはすでにいくらまでなら出せるか考えているようである。
「とりあえず、イベントそのものは探索系なのか……。ハルマ君。拠点作りに必要な素材が取りやすい場所知ってる? 知ってるなら、素材集めながらイベントも進めたいかな?」
女性陣がどんな使い魔が追加されると嬉しいかで話が盛り上がってるのを他所に、ゴリが尋ねてきた。
「あー。それなら、どこの森でもだいたい集めやすいですけど、光の大陸のカサロストイの森が比較的集めやすいと思います。皆さんより行けるエリア少ないと思うので、俺の行ける範囲での話になりますけど、今のところ、あそこが一番ランクが高いポイントが多いですね。案内しますよ」
「お? ハルマ、いつの間にカサロに行けるようになってたんだ?」
カサロストイは、光の大陸の始まりの町ライトライムの2つ先のエリアである。始まりの町に隣接するエリアにしか進んでいないと思っていたチップが、意外そうに尋ねてきた。
「あー。ヤタジャオースの性能テストみたいな感じで何となく行ってみたら勝てたから、最近だな。やっぱり、先に進んだ方が採取ランクが上のポイント見つかりやすいって実感したから、少しずつ進んでいこうと思ってる」
ひとつひとつのエリアも広大なため、あちこち散策して回ってもまだ行けていない場所があるほどなので、できれば全部見て回ってから進みたいと思っているのだが、生産職としての血が新しい素材を欲してしまうのだ。
しかも、カサロストイ地方に進み、初めて目にした浮遊大陸を見て、他のエリアの変化も楽しみになっていた。
「なるほどね。その感じだと、あそこのボスを苦労しないで突破したかあ……。そうかあ……。うん。まあ、いいか。モカさんも行けますよね?」
チップはどことなく遠くを見ながら受け入れる。
何しろ、自分達はそのボスを倒せずに長いこと足止めされていたのだ。そして、攻略方法が見つかったのも、〈魔王イベント〉の直前であり、進めている者はあまりいない。
チップがモカに確認したのも、そういう理由があったからである。
「ん? 大丈夫だよ? あのエリア、人が少なくていいよねー。うちも好きな場所」
モカの軽い返答を聞いて、さてはこの人も苦労せずにボスを倒したんだなと他の6人は悟ると、何とも言えない雰囲気になるのだった。
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