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第7章 カラスの恩返し
Ver.1/第47話
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「森の中……? あー。それはたぶん、レア素材目的のクエストだよ」
エリアボスをクリアした翌日、例によってチップからチャットが飛んできたので、挨拶ついでに近況報告をした時に尋ねていた。
「レア素材のクエストか。俺でもクリアできる内容なのか?」
生産職としては、レア素材と聞いて興味を持たないわけにはいかない。新しいエリアとはいえ、まだまだ序盤のエリアなのだ。そこまで難易度の高いクエストではないのではなかろうかと思ったのだ。
しかし、返ってきた答えは酷なものだった。
「どうだろうな? ソロだと無理なんじゃないか?」
「エー!? ってことは、ボス戦あり?」
森の中をうろついていたのは、人数をそろえたパーティだったことを思い出し興味は薄れていく。
「テゲテゲって、けっこう人気のある動画配信者が配信中に見つけたんだけど、森の中で罠にかかってるカラスがいて、助けようとすると罠を仕掛けたハンタータイプのモンスターに襲撃されるんだよ。で、無事討伐出来たらカラスからお礼にレア素材がもらえる」
「ずいぶんあっさりしたクエストのわりに、報酬がいいんだな」
「だろ? だからけっこう人気があるらしい。ただ、クエストボスがけっこう強いから、パーティをしっかり組んでないと倒せないっぽい。実際、配信中に戦闘になった時も、ぎりぎりの勝利だったからな」
「その口ぶりだと、配信見てたのか?」
四六時中インしているタイプなのに、どこにそんな時間があるのかと疑問に思う。
「いや。アーカイブが残ってたから、たまたま見ただけだよ。あの人、動画配信者として人気はあるけど、素手でどこまでやれるか、ってやってる人だから、正直、あまり参考にはならないんだ」
「素手で? すごいじゃないか。特殊なスキルでもあるのか?」
素手であっても攻撃判定はあるのだが、格闘タイプの場合、ツメ系の装備が用意されているので素手で戦うメリットはあまりない。
「いや。今のところそんな情報、見た記憶はないな。基本的にツメ系で取得できるスキルばかりだったと思うぞ? それに、テゲテゲさんが上手いから素手でやれてるっていうより、取り巻きのサポートが手厚いだけだからなあ……。まあ、面白い人だから嫌いじゃないけど」
「それは、俗にいう、姫プレーならぬ殿プレー?」
「……に、近いかな? 金品の受け取りはしてないみたいだけど、パーティ参加はけっこう気軽に了承してるし、戦闘中に使うアイテムまでは制限しようもないからな。正直、取り巻きの廃プレイヤーの方が参考になるんじゃないか?」
「まあ、戦闘にかんしては俺も人のことが言えないからなあ。ってか、金品を払ってでもエリアボス討伐を手伝ってもらわなくちゃいけない未来しか見えてないけどな」
「はっはっは。そうなったら手伝ってやるよ。そのクエスト受けたいんだったら、行ってみるか? シュンとアヤネだけじゃ心許ないから、もう少しメンバー探した方がいいかもしれないけど」
「そうだなあ……。一度くらい挑戦してみたい、かな? 追加のメンバーに当てはあるのか?」
「ちょっと待ってくれよ。ある程度実力があって、ハルマのプレースタイルを見られても大丈夫そうなのは、っと……。あんまり気は進まないけど、打ってつけなのはちょうどいるな。聞いてみるわ」
交渉はすぐにまとまり、ダークッタンで待ち合わせとなった。
エリアボスをクリアした翌日、例によってチップからチャットが飛んできたので、挨拶ついでに近況報告をした時に尋ねていた。
「レア素材のクエストか。俺でもクリアできる内容なのか?」
生産職としては、レア素材と聞いて興味を持たないわけにはいかない。新しいエリアとはいえ、まだまだ序盤のエリアなのだ。そこまで難易度の高いクエストではないのではなかろうかと思ったのだ。
しかし、返ってきた答えは酷なものだった。
「どうだろうな? ソロだと無理なんじゃないか?」
「エー!? ってことは、ボス戦あり?」
森の中をうろついていたのは、人数をそろえたパーティだったことを思い出し興味は薄れていく。
「テゲテゲって、けっこう人気のある動画配信者が配信中に見つけたんだけど、森の中で罠にかかってるカラスがいて、助けようとすると罠を仕掛けたハンタータイプのモンスターに襲撃されるんだよ。で、無事討伐出来たらカラスからお礼にレア素材がもらえる」
「ずいぶんあっさりしたクエストのわりに、報酬がいいんだな」
「だろ? だからけっこう人気があるらしい。ただ、クエストボスがけっこう強いから、パーティをしっかり組んでないと倒せないっぽい。実際、配信中に戦闘になった時も、ぎりぎりの勝利だったからな」
「その口ぶりだと、配信見てたのか?」
四六時中インしているタイプなのに、どこにそんな時間があるのかと疑問に思う。
「いや。アーカイブが残ってたから、たまたま見ただけだよ。あの人、動画配信者として人気はあるけど、素手でどこまでやれるか、ってやってる人だから、正直、あまり参考にはならないんだ」
「素手で? すごいじゃないか。特殊なスキルでもあるのか?」
素手であっても攻撃判定はあるのだが、格闘タイプの場合、ツメ系の装備が用意されているので素手で戦うメリットはあまりない。
「いや。今のところそんな情報、見た記憶はないな。基本的にツメ系で取得できるスキルばかりだったと思うぞ? それに、テゲテゲさんが上手いから素手でやれてるっていうより、取り巻きのサポートが手厚いだけだからなあ……。まあ、面白い人だから嫌いじゃないけど」
「それは、俗にいう、姫プレーならぬ殿プレー?」
「……に、近いかな? 金品の受け取りはしてないみたいだけど、パーティ参加はけっこう気軽に了承してるし、戦闘中に使うアイテムまでは制限しようもないからな。正直、取り巻きの廃プレイヤーの方が参考になるんじゃないか?」
「まあ、戦闘にかんしては俺も人のことが言えないからなあ。ってか、金品を払ってでもエリアボス討伐を手伝ってもらわなくちゃいけない未来しか見えてないけどな」
「はっはっは。そうなったら手伝ってやるよ。そのクエスト受けたいんだったら、行ってみるか? シュンとアヤネだけじゃ心許ないから、もう少しメンバー探した方がいいかもしれないけど」
「そうだなあ……。一度くらい挑戦してみたい、かな? 追加のメンバーに当てはあるのか?」
「ちょっと待ってくれよ。ある程度実力があって、ハルマのプレースタイルを見られても大丈夫そうなのは、っと……。あんまり気は進まないけど、打ってつけなのはちょうどいるな。聞いてみるわ」
交渉はすぐにまとまり、ダークッタンで待ち合わせとなった。
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