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第7章 カラスの恩返し
Ver.1/第46話
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本来の目的だったエリアボス、なまくらトロールの方が苦戦しながらも、ラフとトワネのバフ、デバフ、状態異常の過剰とも思えるサポートのおかげで何とか撃破したハルマは、新たにザッルーム地方への進出を許可された。
「いやー。HPが高いだけとはいえ、俺にターゲットが移るとヒヤヒヤだったな。わかっちゃいるけど、ホント、戦闘には不向きだな」
今回は、想定外のスキルを取得することもなく、道が開かれる。
ラフのダメージを回復させると、今度はそのまま先に進むことにした。
「んー。この辺だと、まだ変化らしい変化はないな」
そう思いつつ峡谷を抜け荒野にたどり着くと、先ほどまでいたエリアとは違い、多くのプレイヤーを見かけることができた。
……のだが。
よくよく見ていると、どのプレイヤーも狙って戦っているのはスライムである。
「みんな、考えることは同じってことか……」
抽出機と紙のレシピは、おおむね生産職に行き渡っている。続いて、MPポーションの価格も出始めの頃に比べると半分以下にまで落ち着いている。
つまり、今、もっとも求められているのが上質な紙なのだ。
簡単に言ってしまえば、間が悪かった、ということである。
「これじゃあ、スライム探すのも一苦労だな。せっかくここまで来たから、散策してみるか」
「ラフ仕舞っちゃうの? ひとりで大丈夫?」
他のプレイヤーに見つからないうちにラフを収納すると、マリーが訊いてきた。
「大丈夫じゃないだろうけど、これだけ人が多かったら気軽にラフも使えないんだよ」
「ふーん。じゃあ、マリーも見張り手伝ってあげるね!」
「ははは。頼りにしてるよ」
ハルマは〈発見〉のスキルを活用しながら、マリーと一緒にのんびりと歩き出すのだった。
「ありゃ!? もう、そんな拾ったか」
新しいエリアを散策しつつ、しっかり素材の採取も行っていたのだが、途中でアナウンスが表示された。
『1日の上限採取量に到達しました』
シンプルなものだが、ハルマにとっては困った問題である。
フィールドで採取できる素材は、1日350個までの上限が設けられており、これを越えると〈発見〉のスキルを持っていても採取ポイントが見つからなくなってしまうのだ。採取ポイントが見つからないだけでなく、当然のことながら採取そのものも不可能になってしまう。
始まりの町エリアで見つかる素材と違いは見られなかったが、先に進めば上のランクの採取ポイントも見つかったかもしれないと思うと、少しもったいないことをした気になっていた。
「仕方ないか。ここにも森があるみたいだから、そっちで少し戦闘して、今日は戻ろう」
ところが、森に入ってすぐ、またしても当てが外れる事態に遭遇することになった。
「なんで、こんなに人がいるんだ?」
今までの経験では、どのエリアに行っても森の中は閑散としていたのだが、ここでは違ったのである。
どのプレイヤーも多めの人数でパーティを組み、何かを探してうろうろしているのだ。
「こりゃ、大人しく帰るしかなさそうだな」
ハルマはエリアボスを2体も倒したことで満足することにしたのだった。
「いやー。HPが高いだけとはいえ、俺にターゲットが移るとヒヤヒヤだったな。わかっちゃいるけど、ホント、戦闘には不向きだな」
今回は、想定外のスキルを取得することもなく、道が開かれる。
ラフのダメージを回復させると、今度はそのまま先に進むことにした。
「んー。この辺だと、まだ変化らしい変化はないな」
そう思いつつ峡谷を抜け荒野にたどり着くと、先ほどまでいたエリアとは違い、多くのプレイヤーを見かけることができた。
……のだが。
よくよく見ていると、どのプレイヤーも狙って戦っているのはスライムである。
「みんな、考えることは同じってことか……」
抽出機と紙のレシピは、おおむね生産職に行き渡っている。続いて、MPポーションの価格も出始めの頃に比べると半分以下にまで落ち着いている。
つまり、今、もっとも求められているのが上質な紙なのだ。
簡単に言ってしまえば、間が悪かった、ということである。
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「ラフ仕舞っちゃうの? ひとりで大丈夫?」
他のプレイヤーに見つからないうちにラフを収納すると、マリーが訊いてきた。
「大丈夫じゃないだろうけど、これだけ人が多かったら気軽にラフも使えないんだよ」
「ふーん。じゃあ、マリーも見張り手伝ってあげるね!」
「ははは。頼りにしてるよ」
ハルマは〈発見〉のスキルを活用しながら、マリーと一緒にのんびりと歩き出すのだった。
「ありゃ!? もう、そんな拾ったか」
新しいエリアを散策しつつ、しっかり素材の採取も行っていたのだが、途中でアナウンスが表示された。
『1日の上限採取量に到達しました』
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フィールドで採取できる素材は、1日350個までの上限が設けられており、これを越えると〈発見〉のスキルを持っていても採取ポイントが見つからなくなってしまうのだ。採取ポイントが見つからないだけでなく、当然のことながら採取そのものも不可能になってしまう。
始まりの町エリアで見つかる素材と違いは見られなかったが、先に進めば上のランクの採取ポイントも見つかったかもしれないと思うと、少しもったいないことをした気になっていた。
「仕方ないか。ここにも森があるみたいだから、そっちで少し戦闘して、今日は戻ろう」
ところが、森に入ってすぐ、またしても当てが外れる事態に遭遇することになった。
「なんで、こんなに人がいるんだ?」
今までの経験では、どのエリアに行っても森の中は閑散としていたのだが、ここでは違ったのである。
どのプレイヤーも多めの人数でパーティを組み、何かを探してうろうろしているのだ。
「こりゃ、大人しく帰るしかなさそうだな」
ハルマはエリアボスを2体も倒したことで満足することにしたのだった。
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