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第3章 MPポーションはじめました
Ver.1/第19話
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町に戻ると、早速カフェに向かう。
この日は〈手品〉スキルの師匠であるダイバーはいなかった。どうやら、ダイバーはいつ来ても会えるNPCではないようだ。
「こんにちはー」
他に客も見当たらない閑散とした店内に入ると、マスターであるウィリアムは前回と同じように新聞に目を通していた。
「やあ、いらっしゃい。ダイバーさんのカバン、取り戻せたらしいね」
年齢は正確にはわからないが、雰囲気から察するに40代といった感じだろうか。この人が幼馴染ということは、幼く見えるマリーも本来はそのくらいの年齢ということになる。
「ええ。色々ありまして、何とか無事に……。今日はマスターに訊きたいことがあって来たんですよ」
「わたしに? また誰か盗まれたんですか?」
「もー!! マリーがいっつも物を盗んでるみたいじゃない!!」
マスターの言葉にマリーは抗議しているが、やはり見えていないらしく反応する様子はない。
マリーに気を取られないようにマスターに視線を向けると、本題に入る。
「いえ。マスターが森の中にあった村の出身だと聞きまして。確認したいことがあるんですよ」
「おや。よくご存じですね。もう30年近く昔の話なのに……。あの村に何かありましたか?」
「いや。何もなかったから気になったという方が正しいかな? ご神木がなくなったせいで村に住めなくなったと聞いたんですけど、さっき行ってみたらモンスターに占拠されているわけでもない。危険な雰囲気もなかったので、どういうことなのかな? と」
「あー。そういうことでしたか。私も詳しいことは知らないのですが、数年前、あのご神木に宿っていた神様を蜘蛛に変えてしまった魔物が退治されましてね。もしかしたら、そのおかげかもしれないですね。そうでしたか。あそこ、安全な場所になってるのですか。もしかしたら、私の両親みたいに戻りたいと思ってる住人も残ってるかもしれないですね」
「ん? 移住って、できるんですか?」
「モンスターがいないのであれば、そんなに難しくないと思いますよ? 住める家があって、商業組合と教会に話をつけてもらえれば、村としても復興できると思います。勇者様のおかげで、この辺りはだいぶ安全になりましたからね」
「住める家……。ん? もしかして、家って自分で建てられるのか?」
「そりゃ、人の手で建てずに、どうやって建てるんで?」
誰にとはなく吐き出されたつぶやきに、マスターは可笑しなものを見る目で返してくる。
「あれ? これって拠点問題、解決できるんじゃね?」
ハルマはニヤリと笑みを浮かべるのだった。
この日は〈手品〉スキルの師匠であるダイバーはいなかった。どうやら、ダイバーはいつ来ても会えるNPCではないようだ。
「こんにちはー」
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「やあ、いらっしゃい。ダイバーさんのカバン、取り戻せたらしいね」
年齢は正確にはわからないが、雰囲気から察するに40代といった感じだろうか。この人が幼馴染ということは、幼く見えるマリーも本来はそのくらいの年齢ということになる。
「ええ。色々ありまして、何とか無事に……。今日はマスターに訊きたいことがあって来たんですよ」
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マリーに気を取られないようにマスターに視線を向けると、本題に入る。
「いえ。マスターが森の中にあった村の出身だと聞きまして。確認したいことがあるんですよ」
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「いや。何もなかったから気になったという方が正しいかな? ご神木がなくなったせいで村に住めなくなったと聞いたんですけど、さっき行ってみたらモンスターに占拠されているわけでもない。危険な雰囲気もなかったので、どういうことなのかな? と」
「あー。そういうことでしたか。私も詳しいことは知らないのですが、数年前、あのご神木に宿っていた神様を蜘蛛に変えてしまった魔物が退治されましてね。もしかしたら、そのおかげかもしれないですね。そうでしたか。あそこ、安全な場所になってるのですか。もしかしたら、私の両親みたいに戻りたいと思ってる住人も残ってるかもしれないですね」
「ん? 移住って、できるんですか?」
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「住める家……。ん? もしかして、家って自分で建てられるのか?」
「そりゃ、人の手で建てずに、どうやって建てるんで?」
誰にとはなく吐き出されたつぶやきに、マスターは可笑しなものを見る目で返してくる。
「あれ? これって拠点問題、解決できるんじゃね?」
ハルマはニヤリと笑みを浮かべるのだった。
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