魔法の華～転移した魔女は勘違いされていても気づかないわよ？～

一章 出会いと魔女の本領発揮『憤怒』

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「おや、泉へピクニックですか？」
「ええ、そうなの。ジェイさんも行く？」
「よろしいのですか！デートですね！少し着替えて参ります！！」
「えっ……。」
次の瞬間どこの紳士だというような、茶色のベストにズボンに白いシャツを着たジェイさんは日傘を持ち私を影へといれてくれた。
まだ冬よ？
「まぁ冬でも紫外線はありますから。」
「ジェイさん心読めるの！？」
「ふふふ。」
意味深なイケメン……。眼福です。

泉へと歩いていけば、そこには毎度お馴染み泉の妖怪が佇んでいた。
「女神さま……！お会いしたかっ……。」
いいかけて彼は止まる。その目線はジェイさんへと向いていた。
「なぜこの人といる？」
ずいぶんとどすの効いた声を出し威嚇するように私とジェイさんを離した。
「……。」
ピクリと眉を動かすジェイさんは、不愉快だと言うような表情を隠せていない。
「あの……お知り合い？」
「知り合いもなにも……！こいつはあなた様のネックレスに……」
「シアン、そのうるさい口を閉じたらいかがです？ええ、私が閉ざしてあげますよ。」
いつのまにかナイフが彼をめがけていくつも飛んでいる。しかし彼は実態が水だからか、刺さっても平気そうだ。しかし彼の気持ちは苛立っているようで。というか泉の妖怪シアンっていうのね。
「おい！急にナイフを向けるなんてずいぶんな挨拶だ。俺も挨拶しないといけなくなったな。」
シアンさんも水の鎌？をとりだした。
さすがにこのままじゃピクニックはできないと思い止めようとしたら、花子ちゃんがどこからともなく現れ私の肩へとのる。にゃーと鳴いたとたん、二人は戦いをやめた。
(……もしかして、相当な猫好き？)
「ええ……申し訳ありません。お嬢様の目の前でこんな姿を……。」
「俺…私こそ、すみませんでした。女神さまに無礼な姿をお見せしましたね。」
「えっ、いえ……いいんですよ。結構昔馴染みなかんじですか？」
「いえ、対面するのは初めてです。なんとなく存在はしってましたけど…。」
シアンさんは、そういいまたジェイさんを睨み付ける。ジェイさんも負けないくらいにらみ返した。イケメンって怒ったかお結構怖いわね。
「ほ、ほら……今日はピクニックしに来たんです！シアンさんもいかがですか？みんなで食べましょ！」
「いいのですか！」
「私の手料理ですよ。」
「……。なぜそういうことを言うんだ。」
「事実ですから。」
もう一周回ってなかいい気がしてきたわ。