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一章 出会いと魔女の本領発揮『憤怒』

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「世話になった。」
彼女のもとへきて約一週間たった。みなも回復しきっており、すぐにでも動けそうだ。彼女は、微笑みながら食料庫の物資をくれた。なんとなく彼女も食料庫にて驚いていたような表情をしていたな。取りすぎたかと問えばいえ、いいんですと快い返事を貰えた。我々がたくさん食べることにより減った物資の量はかなり多いのだ。その事を案じてなのだろう。
(しかし、この家はやはりとてもどころか言葉に表せないほど不思議だな。)
彼女の細腕では運べまい物資は私たちが頂いたものを差し引いても大量にのこっている。
所々高値が付くであろう宝石などもみた気がするが……気のせいと思いたい。
世にでれば混乱するような代物なんてみていないぞ。
彼女の見送りを後ろに、私たちは隣国のグランド王国へと足を進めた。アーサー王子からの救いの手紙を片手に。
 そのとき、私たちを導いてくれた蝶たちのうち、淡い朱色の蝶が、目の前を通り、私の手へと止まった。それは、いつのまにか重みをまし、気づけばそれは蝶の飾りの付いた美しい金の腕輪へと変化した。
「……純金、か?この彫られた3という印は……。」
慌てて彼女の家を見やろうと振り返るが……そこにはなにもなく、まっさらな砂漠が広がっていた。


(やっと行ってくれたわ……イケメンと同居はさすがに心臓に悪すぎよ……。)
忘れてはいけない、彼の正体を知らないが、何かしらやらかした逃亡者なのだろうという仮説はたっているのよ。
彼らを見送りテントにはいれば、ピンクの蝶がひらひらと私のまわりを舞う。
「正直言えば、ちょっと寂しいきはするわ。……そうね、彼が無事に目的地に付けばいいけど……まって彼どこ行くつもりなの!?え、目的地あるわよね!?」
そういえば、この一週間重要なことはなにも聞かず、普通に雑談しかしていない。
焦って蝶をみれば、非情なもので、蝶はテントを出ていってしまった。
(このっ……ご主人思いじゃない蝶々めぇ……!!)
「にゃーにゃー」
いつのまにかこのテントに、家からのドアからはいってきた花子ちゃんは、鳴きながら、大丈夫だとでもいうようにぽん、と前足を私の腕に置く。
「そ、そうよね……結構強そうな人たちだったし、早々死なないわよね!」
無理やり自分を落ち着かせ、私は家へとつなぐどこでも○アをくぐったのだった。

 

まさか蝶が腕輪になり、それが実は三度まで強力なシールドとなり持ち主を護る効果付きだなんて、私は知らない。 
蝶たちの勝手な行動である。もし知っていたら彼女は相談所に行きこう言うでしょう、
【魔女が使い魔たちになめられすぎている件について解決策を教えてください(泣)】と。
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