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明けましておめでとう、の前に。
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「もう今年も終わるのねぇ……。」
逃走○をこたつにはいってぬくぬくとみながら、私は蜜柑を食べていたわ。あとイチゴも。
「少し食べすぎじゃないか?」
玉藻前に呆れられているきはするが、私は気にせず食べ続ける。美味しいのよ果物って。
「すこーし食べすぎだ、いくら果物といっても太るぞ?」
ポンッ、と音がなり、蜜柑の袋から煙がたつ。つぎの瞬間には蜜柑の袋は玉藻前のてのうえにあった。
「ああ、そんなことよりも。姫始め、とやらはしないのか?」
にたり、と笑う玉藻前。その存在くらい、私も知っていた。
だが、私は知らないの。
「姫飯ってどうやって炊くの?」
「お前は変なところで知識があるな?」
からかうつもり満々だったのに、と拗ねられても、という気持ちでみやれば、手際よくお米を炊いてくれる。
「あら…?なにか調味料とかは……?」
「なにと勘違いしてるかしらんが、姫はじめの姫飯とは、新年最初に食した飯のことだ。米以外必要なものはない。強いていうなら……付け合わせのよいおかずや汁物だな。……あと三十分で今年が終わるな、いい時間だ。これなら炊飯器でふっくらじっくりと炊ける。その間に……。」
ぐらり、と視界が揺れ、抱き起こされたと思ったら、どん、と布団に降ろされる。
「……もうひとつ、姫始めの意味があってな。」
なにがあるの、と嫌な予感を感じながら彼の顔をみれば、知りたいか、と見下ろされる。いつの間にか、彼は私の上でまたがり、見下ろす体制となっていたのだ。
冷や汗をかきながら聞く。
「な、なにがあるの……?」
「それはだな、」
その瞬間、彼のスマホが鳴る。
「~っ、少し待っていろ。」
スマホを手に取り誰かと電話している間に、私もスマホを手に取り姫始めの意味を調べる。
(1)新年を迎えてから最初に釜で炊いた米を食べること。 一年の最初に「姫飯」を食べること。 (2)俗に、その年の最初に女と交わることを指す表現。
「…っ!?」
(これ、私喰べられる……!?男女的な意味で……!?)
そういえば、いまは深夜。しかも年末となれば、人々のいろいろな疲れや恨み辛みが溜まるから、それが妖怪の本能を強めていたりして、と嫌な考察をしてしまう。
(まって、これ私諦めるしかないやつかしら……?力の差的にも種族的にも私絶対勝てないわよね??)
下着ちゃんとしたのを着ていたかを考え悟りの域につく。
(それにしても珍しく長々と話してるわね。)
もうお米できちゃうんじゃないかしら。
何て思っていると、やっと切れたようだ。
「はぁ……なぜこんな夜中にいくつもの論文が賞を取ったという電話を受けなきゃ行けないんだ、しかもひとつ切ってもつぎからつぎへと別の電話が掛かってくる……💢どうなってるんだ、設定で掛かってこないようにしても、論文を提出した研究所同士手を組んでるのかハッキングまでしてくる始末だぞ!?すべてジャンルがちがうというのに……人間は頭がおかしい奴らばかりなのか?……やっと、一段落したぞ……お前と交わえる。」
私をみた瞬間そんな甘い顔しないでちょうだいっっ!!?
またもや覆い被さられ、慌てる。
(だれかぁぁぁ私の貞操ピンチよっっ!!?)
くっ、ここまでか、ならば一思いにやれっ!
とくっ殺騎士に想いを馳せていたそのとき。
どうやら髪や仏さまはいたようね。
ごーん、ごーんと鐘のおとが聞こえた。
(除夜の鐘!!)
「ぐ……っ!?なんだこの音は、頭が……っ!!
……わ、たしはなぜ、お前の体を堪能しようとしたんだ……?夢、ではないな……。白日夢にでもなっていたのか……?」
「助かったわさすが日本魔除けの国!!!鐘つく伝統作った人愛してるわっっ!!」
「私以外の男を見るだと?」
「男性とは限らないでしょ!?」
そんなこんなあり。
やっとの思いで迎えた一日。
江戸のご近所さんや常連さんたちに挨拶しようと江戸に降り立ち、店を開けようとドアを開ければ、一郎さんがいた。
「あ、あら……?なにをしていらっしゃるの……?」
「店主殿。わしと姫始めをしないか。」
「あなたもなの!?」
どうやら一郎さんには除夜の鐘があんまり効かなかったらしいわ。あるいみ、妖怪より怖いかも……なんて。
逃走○をこたつにはいってぬくぬくとみながら、私は蜜柑を食べていたわ。あとイチゴも。
「少し食べすぎじゃないか?」
玉藻前に呆れられているきはするが、私は気にせず食べ続ける。美味しいのよ果物って。
「すこーし食べすぎだ、いくら果物といっても太るぞ?」
ポンッ、と音がなり、蜜柑の袋から煙がたつ。つぎの瞬間には蜜柑の袋は玉藻前のてのうえにあった。
「ああ、そんなことよりも。姫始め、とやらはしないのか?」
にたり、と笑う玉藻前。その存在くらい、私も知っていた。
だが、私は知らないの。
「姫飯ってどうやって炊くの?」
「お前は変なところで知識があるな?」
からかうつもり満々だったのに、と拗ねられても、という気持ちでみやれば、手際よくお米を炊いてくれる。
「あら…?なにか調味料とかは……?」
「なにと勘違いしてるかしらんが、姫はじめの姫飯とは、新年最初に食した飯のことだ。米以外必要なものはない。強いていうなら……付け合わせのよいおかずや汁物だな。……あと三十分で今年が終わるな、いい時間だ。これなら炊飯器でふっくらじっくりと炊ける。その間に……。」
ぐらり、と視界が揺れ、抱き起こされたと思ったら、どん、と布団に降ろされる。
「……もうひとつ、姫始めの意味があってな。」
なにがあるの、と嫌な予感を感じながら彼の顔をみれば、知りたいか、と見下ろされる。いつの間にか、彼は私の上でまたがり、見下ろす体制となっていたのだ。
冷や汗をかきながら聞く。
「な、なにがあるの……?」
「それはだな、」
その瞬間、彼のスマホが鳴る。
「~っ、少し待っていろ。」
スマホを手に取り誰かと電話している間に、私もスマホを手に取り姫始めの意味を調べる。
(1)新年を迎えてから最初に釜で炊いた米を食べること。 一年の最初に「姫飯」を食べること。 (2)俗に、その年の最初に女と交わることを指す表現。
「…っ!?」
(これ、私喰べられる……!?男女的な意味で……!?)
そういえば、いまは深夜。しかも年末となれば、人々のいろいろな疲れや恨み辛みが溜まるから、それが妖怪の本能を強めていたりして、と嫌な考察をしてしまう。
(まって、これ私諦めるしかないやつかしら……?力の差的にも種族的にも私絶対勝てないわよね??)
下着ちゃんとしたのを着ていたかを考え悟りの域につく。
(それにしても珍しく長々と話してるわね。)
もうお米できちゃうんじゃないかしら。
何て思っていると、やっと切れたようだ。
「はぁ……なぜこんな夜中にいくつもの論文が賞を取ったという電話を受けなきゃ行けないんだ、しかもひとつ切ってもつぎからつぎへと別の電話が掛かってくる……💢どうなってるんだ、設定で掛かってこないようにしても、論文を提出した研究所同士手を組んでるのかハッキングまでしてくる始末だぞ!?すべてジャンルがちがうというのに……人間は頭がおかしい奴らばかりなのか?……やっと、一段落したぞ……お前と交わえる。」
私をみた瞬間そんな甘い顔しないでちょうだいっっ!!?
またもや覆い被さられ、慌てる。
(だれかぁぁぁ私の貞操ピンチよっっ!!?)
くっ、ここまでか、ならば一思いにやれっ!
とくっ殺騎士に想いを馳せていたそのとき。
どうやら髪や仏さまはいたようね。
ごーん、ごーんと鐘のおとが聞こえた。
(除夜の鐘!!)
「ぐ……っ!?なんだこの音は、頭が……っ!!
……わ、たしはなぜ、お前の体を堪能しようとしたんだ……?夢、ではないな……。白日夢にでもなっていたのか……?」
「助かったわさすが日本魔除けの国!!!鐘つく伝統作った人愛してるわっっ!!」
「私以外の男を見るだと?」
「男性とは限らないでしょ!?」
そんなこんなあり。
やっとの思いで迎えた一日。
江戸のご近所さんや常連さんたちに挨拶しようと江戸に降り立ち、店を開けようとドアを開ければ、一郎さんがいた。
「あ、あら……?なにをしていらっしゃるの……?」
「店主殿。わしと姫始めをしないか。」
「あなたもなの!?」
どうやら一郎さんには除夜の鐘があんまり効かなかったらしいわ。あるいみ、妖怪より怖いかも……なんて。
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