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第一章:皇帝と寵姫の秘密。

絶対に守るだけ、そして気付け!!

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今日は朝から私はルイと一緒でだった。

公式の場に着る服を、ずっと一緒に選ぶ中。
私が着れば、なぜがルイは…
最初だけ喜ぶのに、すぐ複雑な顔までする。

一応、何度も私は着替えるけど?

「ルカには、それもか?
そう、凄く…
やはり、どれも似合ってるよ!!
だが、どうやって俺は決めれば?
全て似合う上に…
俺すら迷うと?」

ルイは嬉しそうに笑うと、また考える様子へ。
そんな様子のルイが私には不思議で…

「ねぇ、ルイ?
いつもと何か違うの?
余り出なくても私の場合。
いつもルイが決めた服装だけど。
今回は…」

そう…
いつものルイなら早い。

すぐ私の服ぐらい…
簡単に決めてたよね?

察した様子でルイも私を。
見ながら頷くと、また優しく笑う。

「確かにね、ルカ?
いつも俺が決めた服装で、だった筈。
勿論、美しく似合ってたのだが…
夜のナイトドレスでか!?
もっと俺は早く、してれば良かったと。
凄く痛感したのだよ?」

嬉しそうに言ってきたルイだけど。
なぜか、すぐ目も閉じた。
そのままで…

「もう、ルカになぁ…
選んだ服を、着て貰う度にか?
俺は満足どころでもなかった…
だが、今回は久々でも公式の場。
皆すら見る中、こんなにも美しいルカを?
確かに話さないとしても、だろう?
美しいルカすら見せたくない感覚までか?
いや、それでも最低限、婚礼前に…」

凄く考えながら言うルイの様子へ。
私には見えた。

婚礼前にと?
私には、いつもと変わらない。

公式の場だけど…
どうやらルイには違うと?

私には不思議でしかないルイがだった。
やっぱり目すら閉じたまま…

「ふむ。
ルカは誰よりも美しいのは判ってた。
そして俺の唯一、誰よりも…
何よりも愛してるルカを?
身体も華奢だが、やはり…
俺だけ愛でたいのにか?
誰にも見せたくない感覚まで?
これ程、悩む事はないなぁ…」

言ってから複雑な顔でルイは目を開けた。
そして私も見ながら…

「ルカ?
公式の場で言う予定だが。
今後はクリスタすら不要へ。
正式名の『ルカ・スティア・アルデバード』を。
同時に公表する場なのだよ。
もう俺の皇妃に決まった形にすらなる。
その一番、似合う服へ。
どうしても俺は、したいのだ。」

もうルイの言った内容に私も驚く。

正式名の!?
『ルカ・スティア・アルデバード』へ?

それに皇妃になると?
だからルイが悩むと!?

ふと、そこで私も閃く。
嬉しくて笑いながら、すぐルイへ。

「ルイ!!
それならルイの服装に、でしょう!?
一緒に合わせる方が…
私にも多分、一番だよ!!」

少しルイは驚いたけど。
すぐ判った様子で…

「なるほど。
確かにルカの言う通りだな!!
俺の場合、決まってるのもある。
だが、ルカには、やはり…
俺の濃い赤と金色の部分を。
全てルカには淡い赤と銀色へ。」

納得する様子でルイが言った。
更に嬉しそうに笑うと…

「ふむ。
ならば、今から俺がだな。
ルカ専用のか?
もう特注でとだ。
全てトータルデザインして貰おう。
合わせるにも、まさに最適。」

頷きながら言ってきた。
その内容にも私は、また驚く。

えぇ!?

私専用でと!?
全てトータルデザインを。
でも、それだと…

「ル、ルイ?
今回の為だけにと?
それは…」

少し困惑する中、私も言いながら考える。

多分、今までも…
私は詳しくないけど?

それは、お金が高くなる?

一回しか着ないのに?

そもそもルイが、お金を。
持ってた事すら見てない?

勉学でも、でしょう?

お金がないと何も?
買えないと…
買ってないなら、どうやって?

必死に私も考えてると…
いつも通りにルイは優しく笑いながらだった。

「ルカ?
恐らく、お金か?
心配したのだろう?
だが、何度も言ってる筈だよ。
俺は皇帝だとね。
何も心配すら全くない。
全て俺が、動かしてるのだから…
そしてルカには、やはり…
俺の為、今後にもなる。」

私にも皇帝の意味は判るけれど…
違う部分すら不思議に思う。
だから…

「今後にと?
私がルイの為?
一体、何に…」

言ってる途中でルイが急に私を。
すぐ抱き寄せると…

「ルカは夜に、だろう?
美しく咲き乱れる花へ。
もっと俺はルカと言う名の花を。
愛でる為、専用の服を。
俺は欲しいが?」

耳元でルイが言ってきた言葉に…
意味も判って余計、恥ずかしい気分へ。
更に私へ。

「そしてルカ?
俺の唯一、特別なルカが…
もう皇妃になるのとだ。
同じだと言ったよ?
だからこそ、大切なルカだけが…
俺の子を、俺とルカだけの愛する子を。
産んでくれるのだろう?
ならば、夜も常に俺の為。
服は何着あっても良い筈。」

完全に私すら意味に気付く。
恥ずかしいのとも違う?

複雑で、どうにもならない感覚ばかり。

私すら目を閉じてから…

「愛してるルイの子へ?
だったら私も?
もっと頑張るよ?」

「な、ル、ルカ?
ルカが、もっとだと!?
今すら俺は、あんな魅惑で…
だが、これは…
やはり、俺が、だろう?
今でも俺には充分過ぎるのだよ?
そして今以上だと、恐らく…」

慌てる様なルイの声で目を。
私も開けると逆にルイは腕も緩めたけど…
目すら閉じてた。

少し不思議に思いながら…

「ルイ?
どうしたの?
いつもルイが、でしょう?」

そこでルイも目を開けると。
少し驚きながら私へ。

「確かに、いつも俺は言うが。
その、ルカも?
望んでると?
だが、ルカから俺も余り聞いた事は…」

その言葉で私も思い出す。

そう…
やっぱり恥ずかしいし?
私の場合、ルイへ。

余り言えないけど…
だから目すら閉じてルイへ。
少し擦り寄りながら小さく…

「ルイ?
皇妃になりたいとも違うよ。
私は、ただ…
ルイの為、ルイの喜ぶ事を。
ルイが望む事を、その為だけなの。
そしてルイが子供を。
望むなら私も…
唯一のルイへ。
それだけ…」

どうにか私も言ってる時。
途中から言葉が上手く浮かばない。

また、すぐルイが、私を。
抱き締めたのも判る。

「あぁ…
ルカは本当に俺だけを。
そうだな、そして良いんだよ、ルカ?
上手く言葉に出来なくても充分だ。
ルカの言いたい事。
そして意味すら俺には判るからね。
だが、そんなルカはなぁ…
やはり、俺の唯一はルカだけを。」

ルイの言ってくる言葉、全てが私には…
優しく感じるだけ。

腕も緩めてルイの顔すら優しく笑ったのを。
私も見た時。

「ルカ?
今夜は激しくなりそうだよ?
だから今から俺も楽しみか?
そして俺だけの正妃へ。
まぁ、当然、俺の場合。
ルカは皇妃になるのだが。
俺はルカだけ愛してる。」

言ってから私へ、軽くキスを。
意味にも気付いて、やっぱり…

凄く恥ずかしい!!

どうにか私も考えてルイの胸元へ。
顔だけ隠して思う。

そう…
私にもルイしか居ないよ!!

ずっと優しくて変わらない。
いつも私も助けてくれるばかり。

そして私もルイが一番で唯一なの。
大好きだよ!!

ルイも判ってる様にだった。
私の事も優しく抱き締め返してきた。


「ふむ。
だが、ルカ?
これは、ルカより常に俺が、だよ。
安心しておくれ?
勿論、俺が、必ずなぁ…
愛してるルカの事を、全てから…
誰からも守るのすら当然だろう?
もう大丈夫だからね。
そして、ずっと俺の側へ。
ルカと一緒に居るだけでか?
俺も嬉しいのだから…」

優しいルイの言葉に私も嬉しくなる。

でも、そう…
その日、夜は本当にルイも激しく私を。
快楽もある中で常に信じるだけだった。

**************************

一方、グリシャ。

既に属国でも二つの国は避けながら…
痕跡すら残さず、どうにかメイガン国へ。
無事に着いてからもだった。

フィンの情報網で残った場所へ。
だが、やり取りでも常に全て暗号を。

やはり互いの確認だけでもない。

警戒も含めるが俺だからこそ…
フィンでは、ないから!!

連絡の出来た相手、数人すら警戒してたが。
真っ先に俺はフィンから渡された二つの魔石を。

涙だけ耐えて俺が見せると…
明らかに相手側が、すぐだった。

目すら閉じて悔しそうに俺と似た反応を。
年配の男が一人だけ頷くと…

「フィンから既に…
もう聞いてんだよ。
その二つの魔石を、なぁ?
もしフィンじゃねぇ…
しかも黒髮で、黒い瞳だったらかぁ?
持ってたら…
全て命も含め託した証拠だって…
つまり、フィンは、もう…
そしてアンタが全てを、だろ?
チクショウ!!
あの冷帝にかぁ!?
絶対また拷問すらフィンへ!!」

最後は我慢すら出来ない様子で…
泣きながら叫んだ。

その意味に判って俺も…

「そうだ、俺が!!
フィンの代わりにだぁ!!
そんなフィンと皆の全てを。
俺は継いだんだぁ!!
そして必ず!!
世界も奪い返してやるってなぁ!?
そう、フィンにも言った…
絶対に俺が纏めるんだぁ!!」

叫ぶと数人が目を開けて…
視線も合わすと、また頷くのを。
俺が見てると警戒も完全に解いた。

最初の男性一人が少し笑うと…

「アンタの名前は多分…
『グリシャ』ってんだろ?
あのフィンがなぁ?
フィンが助けたみてぇだが。
容姿は一切、言わねぇのにか?
時々、話してたんだよ。
子供の成長は嬉しいと?
将来、絶対良い男に育つと?
もう何回、俺達すら笑いながらだ。
弟より子供かよって…
言ったら、あのフィンが。
スゲェ複雑な顔もしてなぁ?
なぜか弟に見えねぇと。
だから子供みてぇな感覚だと。
でもスゲェ頭脳だけじゃねぇと。
そして赤黒い方の魔石は…
フィンの血から、だろ?
子供だからこそ…
僅かでも意思と一緒に俺は継ぐんだと。
そう、笑って言ってたからなぁ…」

言ってきた言葉の全て俺には判る。

だから意思と一緒で、俺へ!!
子供みたいな存在として、あのフィンが!!

余計フィンも思い出すが。
また俺は二つの魔石を、握り締める。

あぁ、そうだったなぁ…

本当の親じゃなくても、だろ?
親よりも長く、ずっと俺を。

フィンが、なのに!!

必死に涙も耐えたが。
頷くしか出来ない俺へ。
メイガン国の隠れた鍾乳洞へ。

そして判る範囲内からと近い属国へ。

情報も慎重に進め始める。

徐々に仲間も増えて集まる中。
常に俺は赤黒い魔石に注意してた。

すぐ赤黒い魔石の反応にも気付くが。

あのフィンが、また!!

受け続けてる拷問すら全て…
充分、判る事で怒りばかり、冷帝へ!!

皆も判る事で怒りを、必死で抑え…
そんな中で明らかに赤黒い魔石がだった。

大きく振動した上に色が赤より…
いきなり、なぜか真っ黒に変化したのも見る。
その違いで俺は察する。

まさか!?
冷帝が直接、フィンへ!!

だが、今だろ?
魔石の波動まで…

すぐ俺は予測して波動も合わせる為。
近付いてから魔力を、魔石へ。

そうすると予測通り、フィンの思考が。
更に初めて聞く声、冷帝なのが明確に判った。

すぐ小さな魔石を、囲う様に皆も波動を。
僅かに合わせたのも判る。

だから、あのフィンが罵声を。
冷帝相手へ。
浴びせた事すら俺も含め皆も判る中。
全て的確な返答を、する冷帝の…

『どれだけの愚か者だぁ!!』

急な怒鳴り声に驚く。
更に続けて言った事でも特に…

『常にルカを、狙ってくるのは…
お前達だろう!?』

そう…
確かに俺達もクリスタ妃を。
狙って動いたが、まさか…

あの冷帝が!?
さっきまで、ずっとフィンが、だろ?
あんな事すら平気で…
直接、会ってからも笑ってる予測も出来る。

にも関わらず?
感情すら乱して激怒した!?

そのまま考えながら聞いてれば…
クリスタ王族の件すら簡単に判った。

フィンからも聞いてるが。
クリスタ国の者だからこそ…
冷帝も簡単に言った真実だろう。

だが、なぜ?
今のクリスタ妃だけ固執してるのか?
いや、話も聞いてると違う!?

そこにもフィンすら気付いてる。

だから情報の為、足掻く為、冷帝へ。
意味も判るが。

『ふざけるな!!』

また冷帝の怒声が…

『全く違う!!
愛する者だとしても、ルカだけ違う!!』

何だと!?
あの冷帝が、また激怒して?

だが、フィンの言う事すら間違えて…
いや、それより価値観か?

話すら合ってない感覚に近いか?

なぜだ…

今のクリスタ妃に対して、これ程?
どう考えても違うだろ?

その時、フィンの思考が聞こえた。

『冷帝は知らないまま!?
だから尚更、今まで、ずっとか!?
気付け!!』

何がだ、フィン?
そんな拷問まで受けてるのに…

あの冷帝が知らないまま?
今まで、ずっと?

またフィンから冷帝へ。
恐らく、今のクリスタ妃を、情報を。
一切、俺も聞き逃さない様に考えながら…

今度は冥土の土産かよ!!

もう冷帝すら呆れたのも判るが。

フィンも思い出しながら…
俺すら頷いてから呟く。

「普通、誰も拷問中に言わねぇぞ?」

だが、意外にも冷帝はフィンへ。

今のクリスタ妃を、その正体を。
真実を、言った事に対し…
内容すら余りにも、俺には衝撃的だった。

何だと!?
産まれた時から死産扱いで?
しかも忌み子へ?

何もない暗闇の中で4年も監禁!?
にも関わらず。

初めて見た冷帝へ。

言葉が判らないからこそ…
無垢な笑顔を!!

更に今のクリスタ妃…
正体は実の妹か!!

衝撃の中に居る、俺にも届く程。

『大切で愛するルカは、俺の全てだぁ!!
皇帝になった時から、ずっと俺は変わってないぞ?
ルカの為、皇帝へ。
愛してるからこそ、守る為…
今すら俺だけを信じるルカが…
俺の唯一、愛する大切なルカを、奪うなぁ!!』

冷帝の叫び声を、聞いた時。
また俺には初めて知る感覚ばかり。

俺達が奪うだと!?
奪ってるのは冷帝だろう!?

今すらフィンを、仲間達を!!

だが…
俺達も同じ理由で?
クリスタ妃を。

つまり、愛してる妹を、狙ったから?

どうにか冷静にと必死に俺も考える。

あの冷帝が守る意味を。
一応、実の妹で、あんな状況ならば…
理由も含めて納得させるが。

これは一体、何だ?

違和感と似てる何かが、俺には判らない。

『それも違うのに気付くんだ!!
周りの人間も同じって意味を。
頭脳と魔力だけ高過ぎる。
12歳の子供が帝国皇帝へ。
なったからこそだろ!?
妹でもあるルカ以外、他にも居るんだ!!」

またフィンの思考が聞こえる。
冷帝にも伝えたのも判るが。

『俺にはルカだけで充分だ。』

冷帝の一言と、魔法詠唱まほうえんしょうへ。

それも違うだろ!?

妹だけで良いと?
妹も同じと?
だったら冷帝のみ?

『奪うから狙われるにも気付け!!
そして親から愛も欲しかったんだろ!?
8歳で母親すら居ねぇ!!
父親すら処刑も簡単だったなら…
ずっと頭脳と魔力だけかぁ!!
唯一の妹しか皇帝でない、お前を。
見ない上に誰も教えてないからこそ…
お前は知らないんだぞ?
そもそも…
妹の愛し方も間違ってるんだ!!』

フィンの大きな思考も響くと…
冷帝の僅かな魔法詠唱まほうえんしょうのみ。

俺にも聞こえた時、魔石がだった。
一瞬で砕け散った。

咄嗟に俺は…

「フィン!!」

魔石の置いてた場所へ。
手を、それでも俺は理解してた。

フィンの死を。

本当に最後まで、あの冷帝相手にかよ?

既に多い皆も目を閉じて耐える様子を。
また俺すら涙も耐えるが、同時に考える。

情報も多過ぎるが、まず纏めないと…

俺に出来る事、同時に知った真実。

つまり、今のクリスタ妃は…
ルカ・ミラ・クリスタは偽名と!?

正式名は…
ルカ・スティア・アルデバードと。
帝国の皇族だ!!

あの冷帝が言ってた言葉ならば…

愛してるからこそ、守る為と?
今すら俺だけを信じると?
俺の唯一、愛する大切と?

これは…
本当に愛してるからだ!!

嘘も言わない理由すら妹の名を。
その上で汝の主を。
出したのが証明してる。

だが、フィンのか?

冷帝相手へ。
あんな拷問中に嘘だけ言えるか?

『気付け!!』

ま、さか…

「フィンの言った言葉!!
これは冷帝だけじゃねぇ!?
俺も、いや、聞いてる筈の俺達へ?
つまり、気付けとかぁ!!」

思わず、俺も大きく言うとだった。
皆も反応するが。

もう俺は考えてる事。
目すら閉じて全てを。

「フィンが言った意味だ、俺が!?
聞いて情報とした意味すら皆へ。
気付けと言ったんだ!!
だとしたら、冷帝へ。
同時に俺へ、仲間の皆へ。
フィンの言った意味に気付けと!!
だが、何を?
フィンが、あんなになってまで?
残した意味だと!?
そう…
帝国の事、冷帝の事を。
クリスタ王族の事を。
重要なクリスタ妃の事を。
その中でも…」

必死に俺も目すら開けず、そのまま考える。

あのフィンすら三回も言ったが。
全て冷帝へ?

『冷帝は知らないまま!?
だから尚更、今まで、ずっとか!?』

あの冷帝が、ずっと気付いてないからと?

『頭脳と魔力だけ高過ぎる。
12歳の子供が帝国皇帝へ。
なったからこそだろ!?
妹でもあるルカ以外、他にも居るんだ!!』

これは!!
つまり、妹以外、愛された事が?

いや、愛した事すらないままで、か?
もし、そうなれば…

ただ、頭脳と魔力だけの…
高過ぎる12歳の子供が、だろ?

最強とまで言われる実力で?
更にある頭脳だぞ!?

そして愛も知らないままの子供なのに…

最大の帝国皇帝へ?
だからこそ余計、判らないのか!?

すぐ冷帝すら言ったな?

『俺にはルカだけ』と!?

違うのに気付かないまま…
妹だけで、他は全て信じてない上に?
愛してない、愛さないから!!

だからフィンが、冷帝へ…

『奪うから狙われるにも気付け!!』

そう…
冷帝は奪ってる。

だが、その事すら気付いてないと!?

奪われた俺達も冷帝へ。
勝てないからこそ、クリスタ妃へ!?

だが、冷帝は最初から妹の為。
皇帝の座すら妹を、守る為だろ!!

『そして親から愛も欲しかったんだろ!?
8歳で母親すら居ねぇ!!
父親すら処刑も簡単だったなら…
ずっと頭脳と魔力だけかぁ!!』

愛して欲しい両親から冷帝が…
愛されてなかったのにか?

あのフィンは、すぐ気付いた!?

だから…

『唯一の妹しか皇帝でない、お前を。
見ない上に誰も教えてないからこそ…
お前は知らないんだぞ?』

冷帝のか!?

本当の姿を、誰も見てないと?
見れてるの、見せられるのも、妹だけ…

『そもそも…
妹の愛し方も間違ってるんだ!!』

本来ならば、親愛だが。

あんな忌み子として扱われ続けた…
妹すら助けたのは、あの冷帝だぞ?

全て、あの冷帝も妹のみ。
妹すら本当の姿を、常に見てるからこそ…
守り続けるのも冷帝。

つまり、皇帝ルイ!!

そこで、だった。
俺は確信して目を開けてから大きく…

「そう言う意味でかぁ、フィン!!
直接、会って判ったから俺にまで!?
気付けと伝えたのかぁ!!
本当の意味は冷帝じゃないと?
つまり、アルデバード帝国陛下ルイを?
ずっと誰も本当の姿を。
見てないと!?
当人すら全て気付いてないと?
たかが12歳の子供、いきなり帝国皇帝へ?
国同士なら騙し合い、探り合いも必須。
だが、愛すら何も知らない?
頭脳と魔力だけ?
強過ぎる12歳の子供なら悪化するだろ!!」

言いながら首すら横に振る。

だったら冷帝は尚更だろ?
命令して動かすのみ?

帝国皇帝として恐れられたら…
守れるだけの妹を、その為だけ…

だからこそ、最初から変わってないと!!
皇帝ルイも言ってた筈。

他すら誰も本当の姿を。
見せられるのも愛した妹だけと!!

フィンの意味と真実にだった。
もう俺すら判って…

「そして唯一か!!
皇帝ルイを、見てるのも妹だけ!!
だからこそ、実の妹にも関わらず…
本当に愛した結果。
狙われ続けながら愛する妹を。
今度は守る為だけ…
他すら誰も要らないと?
国だの、命だの、強過ぎる皇帝自身が?
何も奪う意味すら気付いてねぇと!?
だが、妹でもある今のクリスタ妃を。
忌み子扱いされた怒りを。
親でもあった皇族達へ!!
その後も常に全て愛した妹を。
常に助ける為、守り続ける為。
あの冷帝が!!
常に悪化させながら…
奪い合いを、繰り返した現状かぁ!?」

叫んだ事で、だった。
俺の周りに居た皆も驚いた様子へ。
意味も判るが、耐えられず。

「馬鹿野郎がぁ!!
フィンだったら俺にも、だぞ?
実の親以上、一緒に居たんだぁ!!
俺なら判る意味にフィンも気付けと?
こんなのは悪循環だろ?
奪われたから奪い返す?
常に繰り返すにも関わらず。
冷帝自身は妹以外、誰も愛してねぇ…
誰からも愛されなかったから…
余計、悪化するばかりへ。」

そう…
完全な悪循環だ。

それでも、やはり…
最大の難題は皇帝ルイ!!

気付いてない事を、誰が、どうやって…
可能性としては妹の『ルカ』だけか?

だが、恐らく…
妹も冷帝ルイの姿を、一切、見てねぇ筈。

それでもと思って俺は皆へ。

「フィンの意味も判った筈!!
もう世界も奪い返すのとも違う!!
世界の場合、元に戻す為。
どうにか冷帝…
アルデバード帝国陛下のルイへ!!
危険でも気付かせる事を。
そうしねぇと…
世界も、現状も、全てだぞ!?
何も変わらねぇ…
新たな策も再度、俺がだぁ!!」

大きく言った時、皆も目を。
明らかに変えた事で意味は伝わった。

そして捕縛された仲間達が公開処刑される中。
耐えながらだった。

今の現状を、あの冷帝を、変える為。
潜伏して模索すら始め出した。
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