メンタル病んでる事は判るが、歴史までは判らねぇよ!!

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第五章:新たな時代の幕開けを。

48.笑い合う未来の為に、いざ江戸へ。

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婚礼式が終わってからも小五郎さんは…
相変わらず、何も変わらないのだが。

「さて、春香?
大きな荷物は、運んで貰うしかないが。
普段の服装でも長旅には、向かないからなぁ…
旅支度の為に履き物や服一式。
既に揃えてある。
後は、もう江戸へ。
やはり数日は、かかるが…
体調も問題なければ、三日後。
出発しようか。」

またも一緒に朝食後。
お茶も飲みながら自然と言ってきた事にだった。

もう私は、飲んでた茶すら吹き出しそうになる。
どうにか飲み込んでから…

「んぐぅっ!?
ゲフッ…
ちょっ、ゲフッ。
ケフッ、こ、小五郎さ…
危うく茶すら吹き出しそうに…
なったろうがぁ!?
また、いきなりかぁ!?
しかも既に?
準備済みだとぉ!?
一体、何を。」

どうにか小五郎さんへ。
私も言うが…

「だ、大丈夫か、春香。
だが、私も江戸へ。
引っ越す事も事前に?
言ってただろう?
荷造りもしてたから…
旅支度も同時に進めただけだが?」

少し驚きながら私の背を、すぐ…
優しく撫でて小五郎さんも言ってくる。

そりゃ…
荷造りってのは、まぁ?
判るが。
もう首すら横に振った。

「つうかなぁ!?
小五郎さんは、全部いきなり過ぎんだよ!!
私が?
んな江戸時代の引っ越しとか?
判るかぁ!!
江戸への行き方すら判んねぇし?
しかも引越業者でも居るってのかぁ!?」

そのまま叫ぶと小五郎さんは…
なぜか、少し笑いながらだった。

「なるほど。
つまり春香は、江戸への行き方だな。
未来での場合を、逆に私が知らないから…
余計、驚かせた様だが。
事前に伝えた時、この時代だとか?
旅支度も同時が普通なのだ。
京都から江戸まで…
船や歩きで最低、数日かかるのだよ?
だから春香の旅支度もしなければ…
身体にも負担だろう?
でも急ぐ予定もないからね。」

一応、意味だけ判った私も驚く。

んだとぉ!?
つまり、何かぁ?

江戸時代じゃ、普通と!?

だから小五郎さんは、事前にって…
言ってから私の旅支度も!?

単純に?
言わなくても準備してただけっぽい!?

だが…
船と徒歩…

すぐ私は、目すら閉じた。

「小五郎さん?
ちっと悪りぃがなぁ?
まんま、言わせてくれ?
船ぐらい判る。
だが、歩いてだとぉ!!
めっちゃ江戸時代、ヤベェ!!
未来じゃ、ただ数時間、座ってるだけ?
勝手に運んでくれっからなぁ?
んな一日すらかからねぇぞぉ!!
江戸時代だと数日以上?
どんだけ!!
もう一言で充分っぽい?
めっちゃ江戸時代、ヤベェ!!」

大きく言ってから息も吐き出した。
そして私が目を、開ければ…
小五郎さんは、明らかに驚いてた。

「は、春香?
未来では、つまり…
一日も?
かからず、しかも座ってるだけで?
途轍もない技術だが…
私も、やはり春香の身体には、そう…
無理ない様に都度、籠も使おう。
大変なのも充分、理解した…」

んん?
籠だぁ?

私は未来で少し見た時代劇も思い出す。

んでも、ありゃ…
他の人に担がれてって感覚だろ?

だから私も、すぐ首を横に振った。

「いんや、籠は無しだな!!
んな人に運ばせて?
私は歩かねぇとか…
お偉いさんでもねぇし?
そりゃ、駄目だろ。
ちゃんと私も歩けるぞ!!
んな誰かに?
運ばせる手段は選ばねぇよ。
取り敢えず、小五郎さんにかぁ?
着いて行きゃ問題ねぇだろ!?」

「え、いや、だが…
春香は一応、移動の長旅か?
した事が、ないのだろう?
余計、春香の身体には…」

言ったら小五郎さんまで考える様子でだった。
すぐ私へ。

んん?
そりゃ、江戸時代の長旅も知らん。

まぁ、でもなぁ…

「確かに?
した事ねぇが、小五郎さんだけ?
歩かせたりもしねぇよ!!
一応、武術習得でもスタミナ、あ、えっと?
体力か?
私でも大丈夫だったし?
あの下駄みてぇな歩き難いのじゃ、なきゃ…
私だって問題ねぇぞ!!」

そのまま私も小五郎さんへ。
笑って言うと、なぜか複雑な顔になるのも見た。

ありゃ?
どったん?

「いや、これは…
やはり、春香?
籠に関しても、まぁ…
一応、理由も含め判ったが。
ならば、なるべく、ゆっくり歩こう。
武術の習得での体力とだ。
単純に移動とも違うだろう?」

小五郎さんに言われて私も考える。

確かに…
そりゃ、そうなる?
私の場合、初めてだし?

んな大変なのかぁ?

不思議に思いながら小五郎さんを。
見てると少し笑った。

「春香は私も含め皆を。
平等に考えるのも判ってる。
だが、いくら平等にしたくてもか?
身体に関しては男女差で仕方ない上に…
特に女性の方が身体もいたわるべき事。
体力に関して無理を、春香がすれば…
やはり大切な身体が、だろう?
江戸でも私は春香と一緒になぁ?
また安心して暮らしたいのだ。」

言ってきた事に、また驚く。

私と一緒に!?
つまり、江戸でも?
安心してぇから小五郎さんが!?

でも、そうな?
肉体労働でも女じゃ…
やり難いのが多いのすら事実。

平等にしたくてもって…
小五郎さんは当たり前にかよ。

納得もする上に私は嬉しくて笑う。

「あはははははっ!!
やっぱ、マジで!?
小五郎さんは、スゲェな、おい!!
まさか江戸時代で?
当たり前みてぇに平等へ。
んな事も、なかなか居ねぇだろ!?
あははは…
もう、どんだけだぁ?
私も納得どころじゃねぇな!!
逆に小五郎さんに嬉しくなるぞぉ!!
んだな、初めての長旅だし?
行き方もサッパリだが。
小五郎さんに全部、任せられんよ!!」

言えば、小五郎さんも優しく笑う。

「そうか?
春香が、そうしてなぁ…
笑ってるだけで私には嬉しいよ。
長旅になるが、心配ない。」

そう言ってから私の頭を、撫でてくる。
だから余計、思う。

どんだけ優し過ぎんだよ…
小五郎さん。

また初めてな感覚だなぁ…

そんなこんなで旅支度の道具を。
一緒、私も確認する。

って草履かよ!?
更に荷物も担ぐ一式かぁ…

確かに下駄っぽいのより?
スゲェ旅っぽいな?

手に取って考える時。

「あぁ、そうだ、春香?
また今日も私へ。
教えてくれないか?
やはり習得する為、でもなぁ…
春香から学ぶのが判り易いのだよ。」

すぐ私でも小五郎さんの言った事が判った。

そう…
最近の小五郎さんは私から英語を、だった。
言語習得の為に学びたいと言ってきたのだ。

他国の話も好きな私が今までの話も混ぜると尚更。
楽しそうに学んでた。

だから私も嬉しくて笑って言う。

「んな手伝いでもねぇが。
私には、そんぐれぇ当たり前だろ!!
最初は驚いたが、マジで頑張ってるしなぁ…
んでも小五郎さんはだ。
めっちゃ覚えるの早いんだぞぉ?」

少し小五郎さんも優しく笑うと…

「春香の教え方が上手なのだよ。
私も様々、知る事で楽しいから…
余計、覚えるのだろう。
対話する上で言語は不可欠だが。
学べるのも嬉しい事だ。」

言ってきた事にも私は嬉しくなる。

んでも、小五郎さんは…
今から他国との話し合いすら考えてとか…

どんだけ!!
スゲェんだよ、おい!!

そして二人で江戸に行くまでは英語を。
楽しい勉学の時間として多くもあったが。

この時代に関して、同時に私も学ぶのだった。

**************************

一方、桂小五郎。

常に春香より先手も考えながら事前準備も済ます中。
江戸へ行く前にと長州藩邸、最後の集まりもだった。

春香も寝てる深夜だが。
いつも通り同じく春香と布団へ。

どうにか自制心!!

それだけ魅惑的な春香を。
優しく抱き…
更に欲情すら抑え付けるが同じく…

またもや自制心!!

それのみ。
春香も寝たのを、確認してもだった。

やはり見惚れる上に…
江戸の長旅前にと、己自身へ。
言い聞かせて布団から出た。

いつも通り物音も立てず。
素早く着替えと春香の布団を。
整えてから皆の集まる大部屋へ。

そして向かいながら切り替える。

やはり春香の体力も考えれば…
江戸まで日数は、かかるだろう。
その間は連絡も不可能になる。

尚更、今夜の話し合いでは、その事もだな。
それに新たな政府と未来の為、新たな法を。

だが、俊介は更にか?
既に男女平等もある中、どれ程の困難だ!!
気になる事すらある。

『だから、そっちの歴史では…
間違わない様に、春香も頼みます。』

あの俊介が、そう私へ言ってたのならば…
今すら私達が危険も見逃す可能性を、だろう?

間違わない様にと…
俊介の学で、だぞ?

『俺は、春香より歴史に詳しいから…
この場に居る全員の名前も知ってますよ!!』

『皆さんとも分岐してるだろう未来だが。』

更に俊介の学で見抜いて…
私達の未来と異なるからこそ!!

『この国でも必死に足掻いてみせると。
諦めないと、この場で約束します。』

だからこそ春香を、特に私へ。

『どうか春香を、絶対に幸福へ。』

この国を、この世界を、これ以上!!
絶対に狂わせない!!

私も含め皆で再度、見直さねば…

それから皆の居る大部屋の襖を。
素早く開けて室内へ。

既に気配でだろう。
判ってた様子の皆が室内に居た中で…
すぐ気付くが、今夜は沖田と斎藤も居た。

また土方の気配も察すれば…

「桂。
もう春香の事で遅いのは、良いが。
今夜に総司と斎藤が居るのも簡単だぁ…
あんな不可思議な現象だぞ?
見てるのは婚礼に出てた俺達のみ。
今後の為、未来の為、だったら尚更。
情報も含めりゃ…
多い学に困らねぇからな?」

言ってきた意味も判って私も頷く。

あんな不可思議な現象を、だぞ?
実際に見てるのと、見てないのでは違う!!

「あぁ、土方君、判ってる。
あんな現象にだぞ?
もう全員の情報は不可欠だろう。
尚更、私達の場合、特にだ…」

そう言った時。
いつもの位置に全員が揃ってたが。
私も同じく、皆の方へ。

座ってから一度、視線だけ皆へ。
すぐ頷くのも見てから…

「話す事は多いが、まず先に今夜。
皆にも言うべき事を先に言わせて貰いたい。
前から言ってたが、私と春香は一緒に江戸へ。
三日後、京都から離れて今後、江戸になる。
ただ春香の事も考えれば…
やはり予定より日数もかかるだろう。
その間は私も皆と、こうした話し合いすら不可能。
それに関しても伝えておきたい。」

皆も不思議そうな顔になったが。
大久保が察した様子でだった。

「なるほど。
春香の場合、未来の技術力だ…
途轍もない上に想像すら出来んが。
長旅も初めてと?
だから尚更、だろう?」

素直に私も頷きながら言う。

「大久保君の考えた通り。
春香も言ってたが、私には想像すら出来ない。
そんな春香の言った事。
『未来じゃ、ただ数時間、座ってるだけ?
勝手に運んでくれっからなぁ?
んな一日すらかからねぇぞぉ!!』と。
つまり、春香の場合。
正確に言えば未来の場合では、だろうが。
数刻、座ってるだけで、だぞ?
京都から江戸まで…
運んでくれる途轍もない機械。
常にあったとの意味。
一日もかからず簡単にか?
いくら春香に武術の習得などがあっても…
長旅は完全に初めてになる。
しかも平等思考から尚更、籠も使わないと。
春香は断言してたからな?
私も春香の状態だけ気を付けながら江戸へ。
慎重にしておいた方が良い。」

全員が明らかに驚いたが。
意味には理解した様ではあった。

そんな中、今度は土方だった。
少し考えてる様子で…

「もう春香の居た、未来の技術力か?
どう考えても俺には…
充分、途轍もないのも判るが。
正直、想像すら出来ねぇな。
江戸までの距離も数刻?
座ってるだけでかよ…」

感想の様に言ってきたが。

すぐ私は、今の春香も浮かんだ。

納得する事もある中、補足として言う。

「土方君は春香の持って居た機械。
電話、連絡に使うと言ってた機械だけは…
既に見てるだろう?
正直、私すら信じられん。
あんな小さな話す機械だと?
更に何でも可能とか?
そんな機械に溢れた未来からだ。
春香の場合、この時代にある様々な物事。
どうにか逆に今は、特に覚え様としてるが…
簡単でもない筈。
当然だ、時代も全て違うのだからな。」

だが、土方は少し笑った。

「そりゃ、一応な。
桂の言う意味も判るが。
だが、春香も嫌々じゃねぇだろ?
既に婚儀も済ませたからなぁ…
正式な夫婦ってか?
にしても俺すら忘れてねぇよ。
春香の白無垢姿!!
話さないで立ってるだけだったらか?
スゲェ俺すら驚いたぞ!!

相変わらず、春香は無自覚だし?
くっ、真っ先に桂も?
慌てた様子すら俺達は見てたからなぁ!!」

言ってきた事で私も思い出す。

あぁ、確かに?
あんなにも美しい春香が、だろう!?

ずっと私の妻として、これからも?
もう見惚れる程、言葉すら浮かばないぞ!?

そんな事も考えてる時。

「確かに春香の白無垢姿か。
土方の言う通り立ってるだけならば、だろう。
全く否定はしないがな。
そして同じく先に言っておくか。
私も妻子を含め近々、江戸へ。
移住すら考えている。
我が妻に春香の事もだ。
私から話せば、まぁ…
何も問題ない。
少しは江戸の生活が馴染み易くなる。」

いきなり大久保の発言にと私は驚くが。
もう全員だった。

そんな中、相変わらず…
平然と大久保は…

「元々、桂の引っ越しに合わせる予定だった。
今後は江戸だ。
拠点も変わるならば、尚更だろう?
私も多忙だが、妻子も無下にする気はない。
こんな事すら当然だ。
まして我が妻も理解してる。
春香の場合、人間関係も限定されるが。
恐らく春香の招き猫が壊れた時点。
この時代の者へ。
春香の為、支える為、動く筈だ。」

言ってくる意味には判るが。

確かに春香の今後に最善か!?
だが、すぐ坂本だった。

「何じゃと、大久保さんまで!?
妻子と共にかや?
今後、江戸になるんは判るがの。
えぇっ!!
さ、妻子まで呼びよると?
いや、春香さんも、そう。
既に桂さんの…
ワシは、どいてやぁ!!
あがな天女の様な春香さん?
ワシャ忘れられんき!!」

目すら閉じて頭も抱え叫んだ。
全く、それにも動じず大久保が。

「坂本?
そんな言動ばかりだと…
土方の二の舞だぞ?
既に私も春香から聞いてるが…
原因は女遊びばかりしてるからだ。
ちなみに高杉は汚名返上してるからな?」

冷静な指摘さえする状態でもある。
また坂本が驚いた顔もしたが、首も横に振ると…

「お、大久保さん!?
ワ、ワシャ、違うき!!
女子は好きじゃが。
皆、ワシよりもって…
なぜかワシャ、女子とか?
それに土方さん程、遊んじょらん!!」

「坂本ぉ!!
黙って聞いてれば、俺をか!?
どんだけ馬鹿にしてんだ、こらぁ!!
江戸に移ったら俺も婚儀する予定だからな?
高杉だけ汚名返上にさせねぇ…
すぐ拠点だって変えてぇが。
まだ京都でも新撰組の隊長は動いてる。
落ち着いたら屯所も含め全て江戸だぁ…」

坂本の大声に反応した土方もだった。
だが、言った内容にも内心、驚く。

「土方君も?
お琴さんと婚儀を…」

思わず、言えば…

「当然だぁ!!
俺だって責任は取る男だ…
桂に言われるまでもねぇ!!」

すぐ叫んだ上に、その場に居た全員が土方へ。
視線と共に少し驚いてるのも判る。

そんな中、武市が真っ先に少し笑うと…

「これは春香さんの影響か?
はははは…
高杉さんも確か最後は…
しっかり責任も取れる男か。
それで土方も決心を?
くっ…
笑ってる場合でもないのだが。
これは耐える方が厳しい…」

言った意味にも判るが、私には驚く事ばかり。

大久保の場合は…
妻子も連れて私と同じく江戸へ?

更に土方まで婚儀を!?

それで坂本は完全に項垂れた。
他の皆も少し笑いすら耐えてた。

だが、大久保の言う通り春香には…
今後、江戸では尚更だろう。
最善でもあるが、そこまで考えて…

「大久保君は流石だな。
私の場合、どうにか春香より先手でする程度。
逆に今では春香から学んでる事すら多いか。
そして土方君の事も春香へ、だろう?
お琴さんにも祝辞をと言ってきそうだ。」

大久保は頷くのみ。
土方は少し笑ったが、すぐ頷くのみ。

そんな中、また武市の視線に気付く。
私も意味に判って目を変えてから一度、頷く。
だから話も本題へ。

「まぁ、驚く事も多いが。
本題だ、俊介の件、あの婚儀に起きた事象。
あんな不可思議な事について…
知ってるのは、この場に居る者のみ。
あくまで予測しか出来ないが。
俊介の場合、言った言葉、僅かでもだろう?
高過ぎる学だけでもない。
幼い頃、どうにか春香の事すら助けた者だと。
納得する程だった。
恐らく春香も学が高いが…
俊介は更に高いかも知れない。
既に皆も気付いてただろう?」

やはり大久保が真っ先に視線も皆へ。
すぐ気付くが。

「あぁ、桂の言う通りだな。
あの僅かで見抜いたのだぞ?
春香の場合、戻れないからと?
だから真っ先に春香を、心配した上に…
『皆さんとも分岐してるだろう未来だが』と。
あんな酷過ぎる未来でも足掻くと。
そして春香を、『幸福』へ。
特に桂へ、託したが私達も同じ事。
恐らく武市と岡田、更に新撰組が居た事。
その時点で歴史も変わってると。
すぐ判断した。
春香以上の学、それこそ、とんでもないが。
正しき者達の中、纏めてみせるとか?
私達にまで意思表明した様な事。
まだ私達は俊介に比べれば…
大した事でもない筈!!
また私達にと警告も含まれていた…
間違わない様にと。
つまり、他国の外交だけでもない。
国内も今が、何より重要だ。」

言ってきた事も私は考える。

確かに…
身分や男女平等、簡単でもない。

だが、今ならば武力思考も、だろう?

本来の歴史より消えてる筈。
だとしたら…

「大久保君の懸念は…
権力か?」

それにと大久保も私を、明らかに見た。

「そうだ、桂の想像した通り。
確かに幕府討伐に武力は使ってない。
最小限にした形ではある。
だが、天皇に権力を、返上した形のみ。
ならば、つまり…
歴史と同じで、また繰り返す可能性だ。
今すら土方の新撰組が、小規模でも鎮圧する状態。
もっと国内は荒れる筈。
その時に他国からは防げるが…
今度は国内の方、だろう?」

言われてしまえば、その通りとしか…
私も思えなかった。

だが、斎藤の視線に察して見れば…

「土方さん、また他の皆さんもですが。
少し俺からも良いでしょうか。」

普段から冷静でもある上に珍しく斎藤だった。
すぐ土方も考えながら…

「斎藤、言え。
この場すら平等思考じゃねぇと…
未来も変えられねぇぞ?」

内心、少し驚いたが、すぐ目も閉じると。
冷静な口調で…

「はい、土方さんの言う通りでしょう。
俺も思いますが、皆さんの方が学も高い。
だからこそ…
俺から言わせて欲しい事も多々あります。
俺も含め、そもそも新撰組に居る仲間達。
皆が身分も低い者達です。
これは春香さんの持論にもなる可能性。
『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事』と。
更に土方さんからも聞いてますが。
身分にすら当て嵌まる事。
つまり、身分のない者達が裏。
闇の中に居るんです。
この場では当然、この国の為、皆がです。
命懸けなのは充分、判りますが。
学の高い者達程、身分もあるからでしょう?
つまり、光の中に居る者達になる。
ですが、これも春香さんが言ってます。
『だから余計、光は光と気付かねぇ』と?
『光の中に居続ければ、光すら判んねぇ』と?
今の俺達が見逃してるのは…
いえ、正確に言えば、見えてない問題点。
既に春香さんの言ってる通り。
『逆に闇は常に光を、知った上に居る』と。
『だが、光は闇を、知らねぇ中に居る』と。
だとしたら身分すらなく、学もなかった者達。
その者達に関して判ってない様に思います。」

斎藤の言った事に衝撃的だった。

何だと!!

つまり、私達自身、光側で?
それに慣れて…

己自身が光側だと?
判ってないとか!!

だとしたら、春香の言う裏と闇は…
今すら変わってないのでは!?

流石に皆も驚いてるのが判るが。
真っ先に土方だった。

「斎藤、まさに!?
その通りだな、おい!!

くっ…
そういや乾対策でもかぁ?
学があっても、この場ですら悩んでたなぁ…
あんな簡単なのも気付かねぇし?
もう俺すら笑っちまうぞ。
こんなの簡単だぁ。
この国は既に平等じゃねぇが。
平等にしようとする者達!!
身分の低い者達を、裏や闇側をだ。
全く判ってない中、決めようとするからこそ…
何度も誤ちすら繰り返すって事か。
くっ、はははははは…
だったら更に簡単だろ!!
身分制度の廃止と同時にだ!!
春香から教わった学校の設立と?
国として義務教育の開始。
そして身分すら関係ねぇ…
新たな世代からは全て学ぶ。
更に平等思考すら始まるぞ?」

笑いながら言ってきた意味も判るが。
どうにか私も…

「土方君、それに斎藤君?
一応、言った意味も判るが…
だとしても、すぐは不可能だろう?
それに権力に関しても…
平等の中、どう…」

言ってる途中でも困惑する。
にも関わらず、また土方は笑った。

「何だぁ、桂は既に?
混乱してんのかよ。
く、ははははははは…
権力だぁ?
だったら権力も全部、新しい未来の為かぁ?
もう全部、民へ、平等世代へ。
そこまで俺達も常に春香を、模範にすりゃ…
新たな国の法や外交も守れば、問題ねぇだろ?
そして新たな世代から代表者でも選ばせりゃ…
常に国の為、皆の為、そうやって纏まる筈。
そんな中、新たな世代もだが。
学校で歴史も含めるが、倫理と道徳を。
同時に学ぶんだぞ?
歴史の誤ちにも気付くからこそ。
絶対に繰り返さねぇ…」

「まさか…
俊介の言った、あれか?
確か『総理大臣』と言ってたが…
国民から選ばれる指導者の事か!?
そして、この国を?
だからこそ、だろう?
あの俊介が国も変えてやると言った時だ。
真っ先に言った理由か!!」

驚きながら大久保も大きく言った。
もう土方以外、驚くしかない。

だが…
大久保の言う事も?
土方の言う事も?

つまり、同時に纏めて未来へ!!

春香の笑う姿も浮かんで私は…

「それだろう!!
土方君と大久保君!!
今の案を、同時にするんだ!!」

大きく言ってから、すぐ私も目を閉じた。
そのまま…

「そう、春香が模範になるのだぞ?
新たな命も含め学校で平等として学を。
歴史と同時に倫理、道徳も教えながら…
徐々に平等思考が根付く筈。
そして権力は全て平等な国民へ。
俊介の様に常に皆で選べば…
国の指導者も常にだろう?
今ある権力も全て分散させて平等へ。
また、その新たな世代が、だろう?
成長するまで私達が他国すら外交でも…
国内でも皆を、守り抜くのだ!!

既に武力放棄してる、この国ならば…
私や大久保君、この場も含め学のみ。
和平交渉も平等なのだ。」

そう…
春香ならば、身分すら関係ない!!

常に平等に皆へ。
ならば…

「もし更に判らない事でも、だぞ?
春香が模範になるのならば…
春香の言う事は間違ってないのだ。
勉強会として私達も聞ける上に…
他国の事が好きな春香だ。
もう他国の良い事だけを。
新たな法として組み込むのみ!!」

言ってから目を開けると全員、驚いたまま…
無言だったが、どうにか大久保だった。

「か、桂の意味も判るが?
つまり、同時にか…
しかも権力すら平等で国民へ?
平等思考も根付く最善になる。
だが…
どれ程、模範になる春香だけ考えた?
まぁ、桂らしいが…」

言ってきた事に私自身、未来が明るく見え始める。
だからこそ、少し笑う。

「春香は判り易いからなぁ…
外交も和平として平等だ。
そして新たな世代から笑って平和へ。
繰り返さない為にと学ばせるのだ。
尚更、この国で春香も笑うだろう?
それを守るのが私達ではないか。」

言えば全員、驚いたが。
すぐ少し笑う様子になる中。
気配で判って岡田も見れば…
今度は更に珍しく岡田まで嬉しそうにだった。

「やっぱり春香さんが光です。
でも、きっと皆が笑う未来になります!!
皆も光に、そして光も増えてく?
なら俺は、もっと頑張れます!!」

そんな様子に武市も笑って…

「あぁ、岡田の言う通りだな?
私まで嬉しくなるぞ?
こうやって…
まさに光の連鎖を、だろう。
桂さん?」

言ってきた事で思い出す。
だからこそ…

「あぁ、そうだな、武市君も岡田君。
すぐには無理でも、これもか?
徐々に、そうやって光の連鎖へ。
そうすれば、この国から世界も巻き込んで…
やはり、これから変える為、未来の為、世界の為。
私達が、だろう?」

笑って言うと皆も一斉に笑った。

そんな様子を、春香だけ知らないが…
私すら嬉しくなるだけだった。

**************************

長州藩邸、最後の話し合いも終わったが。

次は江戸で話し合うまでは…
しばらく大久保と土方へ。
他国と外交も任せる形になった。

三日後、私と春香は江戸へ。

更に江戸に到着してからは私自身。
他国とも交渉も考え動く事も大久保と決めた。

その為、斎藤だけ私の護衛に決まって先に動く。
同時に坂本達も土佐藩の解体させた。

そして新たな組織として権力の分散の為。
大久保も含めながら学のみ。
防衛のみで動き回る事になった。
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