メンタル病んでる事は判るが、歴史までは判らねぇよ!!

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第四章:世界まで含め変えたい願い。

35.消えない命を、私も決めたぞ!!

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いつもの様に朝食後、ふと私でも気付く。

んん?
桂さんが?
珍しいなぁ?

ありゃ、文ってのかぁ?

だが、微妙な顔だった。

「なぁ、桂さん?
どったぁ?
変な顔だが?」

私も言えば、桂さんは…
今度は、複雑な顔で…

「いや、春香?
急に、すまないのだが…
仏語ふつごは…
判るか?」

んん?
仏語だぁ?
確か…

「そりゃ、フランス語の事だよなぁ?
一応、んなら判るが?
どった、マジで…
桂さんから外国、いや、他国を!?
今まで、ねぇだろ!?」

素直に私も驚いた。

あの桂さんから!?
他国の話かよ!?
今まで、私の話を。
聞くだけなのにかぁ!?

そのまま桂さんも見てると…
微妙な顔になった。

「春香の方が、他国は…
やはり詳しいだろう?
どうも通訳の者か?
私には、言葉が?
判らないから余計にか?
気になる感覚しかない。
しかも、あの大久保へ?
通訳の者が、言うそうだ。
英国に騙されるなと?
騙す以前に最初から、この国でか?
幕府も含め信じてる筈も、ない。
何を、どう言う意味で?
わざわざ、通訳の者が…
私には、疑問しかない、だろう?」

その桂さんの言った事を。
私も考えるが…

何じゃ、そりゃ?
通訳に?
騙されんなと?

確かに…
んな、いきなり?

桂さんも、それだと…
フランスからじゃ、普通?
判んねぇだろ!?

つうか大久保さんへ、かよ!?

つまり、こりゃ、幕府へ。

だがなぁ…
急に、それだけってかぁ?
誰だって、んなの判んねぇぞぉ!!

一応、私でも納得した。

「桂さん以外でもだぞぉ?
意味すら判んねぇ通訳が!!
全部、悪りぃだろ!!
んなのなぁ、まさに!?
他国の勝手な都合だぁ…
桂さんへ、簡単に言うと?
英国には、負けたかねぇってなぁ?
フランス、いや、仏国にかぁ?
対抗意識みてぇなので、他国同士!!
単純に張り合ってんだよ!!
どっちも、この国へ、利用目的だが。
先に英国を、この国へ、忠告のみ?
話すら飛ばして通訳が、言ってっから!!
もう余計、訳判んねぇ状態へ!!
まんま言うぞ?
どっちも信じる必要なし!!
どっちも、この国を、何も考えてねぇし?
桂さんの疑問は、まさに正しいな!!
怪しいって、すぐだし?
もう通訳すら変じゃねぇかよ!!
何じゃ、そりゃって?
私すら思うからなぁ…」

頷きながら桂さんへ。
もう私でも、そのまま言うが…
通訳に呆れた。

あれかぁ?
どっちが、金儲け出来る方かと?
まさに、選別中ってかよ!!

しかも通訳の意味ねぇ…

少し桂さんも驚いた様子もしたが。
すぐ考える様子になると、そのままで…

「なるほど。
つまり、騙されるなと。
言った方も同じ事か…
だが、春香?
すぐ言葉は、まぁ、難しいとしても…
もし今後、話し合う時か?
一応、攻撃される前に話し合いたいと。
この国から先に言うならば…
春香だったら、他国へ。
最初、どう言う?」

何だとぉ!?

騙そうと?
してる他国へ!?

対話ってのかよ!?
んな考えすら桂さんらしいかぁ?

流石に私も考えた事もねぇし?
いや、普通、考えねぇだろ?

んなの誰も判んねぇぞぉ!?

どうにか私も考えるが。
少し溜息も出た。

尚更、そのまま正直に…

「桂さん?
私だったら、もう、まんま言うぞぉ?
この国を、先に騙そうと?
したのは、判ってるってなぁ!?
んでも、一応?
今から話し合いてぇと…
だから今後!!
嘘だけ言うなよって、言うのみ!!
んな嘘を言う相手なら一切!!
信じられねぇっつうの!!
そりゃ、当たり前だろ。
嘘も、言わねぇ国としか?
関わりたかねぇって、先にだぁ!!」

最後、まさに本音で、私も強く言う。
桂さんも驚いてたが、また先に高杉さんだった。
いきなり立ち上がる気配で、見ると…

「それだぁ!!
春香の言う通り!?
先に、この国を、騙そうとか!?
したのは、判ってるってなぁ!!
こっちから先に切り出せば、絶対だ!!
他国の方が、動揺するし?
話し合いも有利になるぞ!!
俺達の方を、既に?
騙してんのも他国だからなぁ!?
よし、小五郎!!
もう、そのまま大久保へ、だろ?
そのまま言ってやれ?
騙すんじゃねぇってなぁ!!」

大きく頷きながら桂さんへ。
言って笑い出したが。

「あはははははっ!!
まさに自業自得だろ?
そうやってかぁ?
騙すなら尚更、関わりたかねぇ!!
そのまま言っちまえ?
あははははっ!!
こりゃ、傑作だな、おい!!
馬鹿にすんじゃ、ねぇぞって!?
また先に、だぞ!?
あはははははっ!?
ケフッ…
クフッ…
いきなり…
笑い過ぎたぞ?
だが、やはり?
あははははは…
他国より先にかぁ?
宣告する上で?
最高の台詞!?
あははは…」

すぐ高杉さんも手を、胸へ。
その上で、反対の手も口元へ。

まさか…

今の咳は!?
病気が、進行してか!?

すぐ私も高杉さんへ、近付いた。

「高杉さん!?
薬もだろ?
飲んでるよなぁ!?
だが、やっぱ…」

笑っててもだろ!?
やっぱ、無理して…

でも高杉さんは、驚いた顔もしたが。
少し笑って…

「薬は、飲んでるが。
春香も俺を、忘れねぇだろ?
だったら、俺も死なねぇんだぞ!!
話せなくなるだけの事。
当然、それに…」

「やっぱ嫌だぞ!!」

咄嗟に私も大きく言う。

意味は、充分、私でも判るが。
高杉さんも驚いたまま、無言だった。

やっぱ、そんなの…

もう首も横に振る。
私は、そのまま大きく高杉さんへ。

「だって高杉さんとかよ!!
もう話せねぇんだろ?
また私には、見えねぇと?
あの、お婆ちゃんと同じで…
何度、呼んでもかぁ!!
何も聞こえねぇんだろ?
んなの私は、嫌だぞ!!
しかも未来だったら…
既に薬だって、あるのに!!」

言ってから私も気付く。

そうだよ!!

薬だけでも、症状を!?
全く、この時代と違うだろ!!

未来なら高杉さんの薬も…

だが、私も未来へ?
そもそも?
何も判んねぇのにかぁ!?

私も考えた時。
急に高杉さんの目が…
明らかに変わったのに気付いた。

「待つんだ、春香!!
俺の事で、今か!?
何、考えたんだぁ!?
もう未来すら春香へ、関係ねぇぞ!!
既に俺も言った筈。
どんな命も永遠だけは、ねぇ…
だからこそ、今だと!!
そして、春香と小五郎が、居るからこそ…
俺も本当には、死なねぇんだってなぁ?
まして、今すぐ死ぬ訳でも、ねぇよ?」

高杉さんの言ってる意味を。
私でも判るが…

どうしても迷ってる時。
急に桂さんから私も抱き寄せられた。

驚いたが、すぐ桂さんも見れば…
複雑な顔だった上に、様子も違うのに気付く。
だから何も言えなかった。

でも、また桂さんも…

「春香?
晋作の事を、心配するのも判る。
勿論、私も晋作の事を。
忘れたり、しないのも当然。
そんな晋作すら私と春香の中で…
ずっと一緒に生きる。
そして、春香も未来よりも、今を!!
春香も私と同じなのだ!!
それに、私も言っただろう?
私は、春香を、だと…
春香だけ、私も愛してるのだよ?
その春香が、見えなくなると?
話せなくなると?
考えるだけでも、私も同じ事。
恐いからこそ…
常に春香の為、笑う為。
春香の『幸福』だけを、願い、祈るのだ。
その事を、春香?
忘れないで、欲しい…」

痛みにも似てる桂さんの声を。
聞いてた私すら判った。
だからこそ、言う。

「あぁ、桂さんの方が…
辛いのになぁ?
悪りぃ…」

そのまま桂さんへ、私も触れるが。
一度、桂さんの腕から抜け出て…
複雑な顔も、してた高杉さんの側へ。

高杉さんは…
もっとだろ?

初めて、特に私から高杉さんへ。
服越しだが、触れると…
明らかに驚いた様子も判った。

動かないままの高杉さんも…

「えっ?
春香が…
えっと、これは…」

驚きながら言っても動かなかった。

だが、私の手から高杉さんの温かさも…
同時に心臓の動きも、私へ。
伝わってくるのも判った。

そこで、私も目を閉じる。

これが、高杉さんの…
命だ!!

「なぁ、高杉さん?
この温かさを、心臓の音を。
そして命を!!
絶対に私も忘れねぇ!!」

言った後に目を開ける。
私は、再度、驚いてる高杉さんへ。

「もう私の中でだぁ!!
生き続けるだけじゃねぇ…
私も死んだ後すら高杉さんを。
必ず、マジで!!
何も死なせねぇよ?
もう記録だけじゃねぇ…
私の子孫まで、全部だぁ!!
必ず、伝え続けてやる!!
そうして、ずっとだぞ?
絶対、高杉さんを。
死なせねぇからなぁ!!」

大きく言うのと同時に高杉さんも見れば…
凄く驚いた顔だったが。
すぐ判った様子で、嬉しそうに笑った。

「そうだぞ!?
あははははっ!!
春香も嘘は、一切、言わねぇ!!
俺すら充分、知ってるからなぁ?
もう俺も死なねぇ…
スゲェな、俺!?
だが、もし春香?
俺の事で、僅かに恐いならかぁ?
小五郎と一緒、二人で!!
だぞぉ?
俺の話でも、してりゃ良いんだよ!!
二人だからこそ!!
俺の事も話すのは、大歓迎だから許す!!
もう、そうして二人共、笑ってろぉ?
あははははっ!!」

そう言いながら笑う高杉さんを。
私も見て、しっかりと覚える。

これが、命かぁ…
もう高杉さんの命も、だろ!!

私だってなぁ?
歴史も変えてやるってかぁ?

言ったんだぞ!?

全部、無理でも…
マシになる程度。

足掻いてやらぁ!!

**************************

それから改めて、桂さんの方へ。
私も向けば、複雑な顔だったが。

「桂さん!!
この時代じゃ、尚更だが!?
私も決めたぞぉ!!」

大きく言った時。
桂さんは、少し驚く様子もしたが。
私も続けて大きく言う。

「結婚だかも?
マジで、サッパリ判んねぇ私だ!!
んでも、桂さんとの子供を!!
私も産みたい!!」

「なん…
春香が!?
いや、意味を?
判って…
んっ!?」

ハッキリと私が、言った瞬間。
もう桂さんは…
初めて見る程の慌てる様子へ。

「まっ、いや?
え、な、多分、春香が?
意味ならば、わか…
いや、違うか!?
どう、私が?
違う、いや、違わない?
は、春香の意味!?
そう、私は?
判ってると?
望んでるが…
だが、いや、春香は?
私の子と…
待っ、いや、春香が!?
だろう!?
判ってないか?
すぐ、無理でも?
また私か!!
そうだな、私だろう!?
取り敢えず?
落ち着いてくれ、春香も?」

そんな桂さんを。
見ながら、私も素直に思う。

スゲェ慌ててんな、おい!?
やっぱ、簡単じゃねぇっぽい?

一応、未来の常識もかぁ?
んなのもサッパリ?
私には、判んねぇが。

多分…
大抵、聞いた話だと?
難しいって事ぐれぇ?

んでも、今まで…

一応、私も納得した。
頷きながら、再度、桂さんへ。

「私も多分?
理由かぁ?
やっぱ、具体的には…
判らねぇが。
いつも桂さんなら間違えねぇし?
そして、桂さんなら信じられるぞぉ!!
それに、私も?
んだな、桂さんの子供ならだ!!
余計、安心すら出来るだろ?
問題ねぇな!!」

言った瞬間、桂さんは、なぜか。
すぐ目を閉じた。
そのままで…

「春香の理由すら私か!?
だが、やはり具体的に?
知らないと…
ならば、せめて!?」

言うと桂さんは、目を開けたが。
首も横に振ってから私を、明らかに見て…
更に深呼吸まで、した。

それから私へ。

「春香?
これだけは、私からだ…
先に言わせて欲しい!!
春香との子供は、私も嬉しい。
だが、先に婚儀を!!
私から春香へ。
申し入れたい!!」

大きく言った意味も私は、考えれば…
簡単だったが。

んん?
えっと?
つまり、婚儀って…

だが、少し桂さんも笑った。

「一応、春香?
未来の予測でもか?
男女平等も私は、理解済みでも…
子供の前に、私から春香へ。
春香の場合、恐らく…
順序すら逆だろう?
私も変わらず、春香の為のみ。
そして、その後に続く先へ。
それが、一番だろう?」

もう桂さんの意味にもだった。
判って、私も笑う。

「あははははっ!!
そりゃ、そうだなぁ?
順序すら私が?
ちっと間違えたっぽい。
だが、桂さんは、やっぱ!?
間違えてねぇだろ!!
あはははははっ!!
スゲェな、おい!?
焦って私も、いきなり過ぎたかぁ!?
悪りぃな?
だが、私も決めたし?
問題ねぇよ!!
あははははっ!!」

私も納得して笑ってる時。

「何だとぉ!?
しかも小五郎の子供を!!
どんだけ急展開だぁ、春香ぁ!?
いや、もう小五郎の方が、これは…
あははははははっ!!
まさか、女子からかよ!?
更に、スゲェな、おい!?
こんなの見た事も?
聞いた事も、ねぇ?
あはははははははっ!!
春香から小五郎へ?
婚儀すっ飛ばして、子供!?
あはははは…
こりゃ、とんでもねぇぞ!!」

急に爆笑した高杉さんは…
更にだった。
もう腹まで、抱えながら…

「あははははっ!!
こんな立ち会いする俺!?
それだけで、もう笑うのにかぁ?
小五郎すら完全に?
慌てるどころじゃねぇ!!
あははははは…
また春香の無自覚?
そんで、小五郎すら初めて見る程?
あんな慌て方?
だが、この場なら、俺も?
だったら、よし、判ったぁ!!
なら俺が!?
承認したって、だぞぉ?
署名でも、何でも?
全部、残しておくからなぁ!!
婚儀の際でも、どんな時でも良いが。
もう春香が、好きに使え?
そして、小五郎の妻へ?
あははははははは…
しかも先手が、春香で?
出遅れた小五郎?
俺は、笑いの方で?
死にそう…
あはははははは…」

んん?
高杉さんの署名だぁ?

んな江戸時代にも…
婚姻届みてぇなのが?
必要なのかぁ!?

判んねぇが、そもそも…
知らねぇっつうの!!

だが、高杉さんは…
畳の上に転がってまでの大爆笑状態へ。

もう私でも、何も言えない程。
見てるしか出来ないが…

「良い加減にしろ、晋作!!
私だけ、笑えないのだぞ!?
もう充分、意味も判るだろう!?
私自身も判ってる。
だが、こんな事、予想外以上過ぎて…
晋作に私のか?
今の心境など、判る筈もない!!
そして、今も言ったな?
更に立ち会ったのも晋作か!?
だったら、もう晋作の署名すら全て!!
春香へ、書き残すのみ!!
もう私すら常に本気も…
何も変わらないのだぁ!!
春香以外、一切、考えられん!!」

そんな大きな桂さんの声で、私も見れば…
また目も閉じてた。

更に高杉さんも畳に転がる様子も察したが。

「まさに!!
あははははははは…
その通りだな、小五郎?
俺には、全く判らんが、やっぱ署名?
つまり、春香の為?
だからこそ、書き残せとかぁ?
あはははは!!
もう止めろ?
こんな状態だと俺も…
耐えらんねぇだろ!?
だが、意味なら充分?
判ったからなぁ?
そう、俺が!?
立ち会ったし?
署名だろうが、何でも残すぞぉ!!
本気で、もう駄目だ、俺…
あははは…」

私も聞いてた事で、再度、高杉さんも見る。
既に広過ぎる部屋にも関わらず…
壁まで、転がった様子だった。

更に笑い過ぎた様子で、目も閉じてたが。

「小五郎と春香の子供かぁ…
だったら、もう俺すら安心だなぁ?
俺も笑いながら、ずっと『幸福』な二人を。
確かに、見守るだけでも充分?
くっ、あはは…
だが、絶対にスゲェ、子供へ!?
それすら小五郎も、また?
やっぱ、とんでもねぇ…」

その言葉も私には、衝撃的だった。

あの高杉さんも!?
私と桂さんの子供でかぁ!!

安心して、笑って?
私だって、忘れねぇし?
ずっと…

お婆ちゃんも、そうかぁ!?
いつも優しいだけじゃねぇだろ!!

私の為に、あんな頑張って…

ふと、優しい祖母の残した言葉も。
私の頭に浮かぶ。

『幸福が来るように招き猫だよ』と。
『どんな時も強くね』と。
『頑張る者には必ず幸福が来る』と。

前に聞いた、桂さんの言葉も思い出す。

『一番、伝えたい本当の願いは…
それは春香が幸福になる事を』と。

あの場ですら桂さんは…

『そして幸福の中で春香が笑う事を』と。
『幸福の為、強く頑張るべき事』と。

だから?
お婆ちゃんも、ずっと…
私の『幸福』を、笑う事を。
本当に願ってたんじゃねぇのかよ!?

確かに頑張る事は、私も間違ったが…
んでも、あの土方さんまで!?

同じ事も言っただろうがぁ!!

『春香が足掻くのは、強さや力じゃねぇ』と。
『愛する者を探す為、生きて足掻け』と。
『その中に必ず幸福がある』と。

そして、答えまでか?
土方さんも笑いながら…

『本当に大切な者。
愛した者達に、なるか?
そう言う者へ願う事。
いつでも変わんねぇんだよ!!
それは幸福だ。』

だからこそ、だろ?
私の頑張る事は、武力じゃねぇ!!

愛する感覚が、まだ具体的に判んねぇが。
んでも絶対に、私が、だぞ!?
信じてる者と、それが、愛する者の筈。

だったら、私へ!!
いつも変わらねぇ…
いつも優し過ぎるぐれぇで…
最初から今すら嘘も言わねぇ!!

私の愛する者は、桂さんだぁ!!

そして、確信した時でもあった。

その桂さんも『幸福』へ。
そう思いながら『桂さん』へ。

常に夜は、私も全てを、委ねた。

擦り寄ると私へ。
桂さんが、優しいのも変わらないまま…
安心して寝てしまうばかりだった。

**************************

一方、桂小五郎。

春香の…
とんでもない発言から尚更。
夜は、もう…
自制心、己自身との勝負だった。

余りにも春香が、全てを。

委ねた事も充分過ぎる上に…
必死で、そんな中でも思うばかり。

私も春香との子ならば…

いや、まだ、早いだろう!?
しっかりと、私が!!

まずは、自制心だぞ!!

その結果、どうにか夜も同じ様に…
春香と接して居たが。

安心して眠ったのも確認すると…
必ず、春香を。
起こさない様にと軽く触れながら…

同時に春香ばかり考える。

こんなにも美しい姿も…
誰よりも、何よりも、優しい春香。
素直で、純粋な美しい心も…

私だけを、全てか?

信じてると、愛してると、だから私へ。
全て委ねるとか?

やはり私も春香と!!
我が子に関しても春香だけと!!

もっと春香と…

そこで、己自身、すぐ気付く。
また自制心で、振り払った。

だが…
春香の身体を、だろう!?
何よりも、まず栄養を、春香へ。

既に一度、聞いてるが。
常に変化すると、適切な対応もと。
母体である春香へ。

今でも春香自身、食事すら徐々に…
ずっと頑張ってるのも充分、判るが。

それでも、まだ少ない方だ。
にも関わらず…
もし出産になれば、春香の場合。
尚更、慎重にするべき事。

危うくなるのも、春香なのだぞ!?
それを、私が!?

絶対、春香の為、私だぞ!!
徐々にでも常に最善へ。

そのままで、少し春香の身体も見れば…
もう充分、目を奪われそうになる。

食事の効果すら判る上に…
女性らしい曲線美だけでもなかった。

色白で、滑らかな肌艶も…
今だけ閉じられた瞳でも、判る程。
整った顔立ちに残る幼さも…
更に魅惑を。
否、妖艶な色香すら醸し出す姿へ。

思わず、また春香に見惚れる。

ふと、気付いて、すぐにと…
私も振り払う為、目を閉じた。

どうしても離れたくない心境へ。

だが、春香の為!!

そして、起こさない様にと注意しながら…
布団からも素早く出る。

いつもと同じ事を。
すぐ服も着て、春香の布団も整えてから…
皆の集まってる大部屋へ。

一応、急足で、向かいながらも…
考える事すら同じで、変わらない。

春香の為、何が、どう最善かを。
そのまま情報も纏める事を。

まだ、幕府ならば、あの大久保が!!
あれ程に動き、馬鹿将軍まで…

だが、なぜ…
急に馬鹿将軍も動きを、止めたのか?

しかも今度は、他国から…
わざわざ、あの大久保が、だぞ?

仏国の事を、文へ。

いくら暗号でも、あれは…
恐らく、春香の反応を。

だから、私も春香へ。

春香の理由も英国と張り合うか…

ならば、もう幕府側と比較してるとか!?
また、この国を!!
利用価値を、その為だけに!?

やはり、怒りも湧くが、今は…
幕府討伐後、私達が、だろう!!

既に歴史も違うのだぞ?

春香の存在で、この国を。
否、世界すら変えるからこそ…
あんなにも皆が、命懸け!!

ふと、そこで、思い出す。

待て?
春香は、世界の崩壊まで…
あの時だ、春香は…

『私の居た未来だったら…
この世界すら壊すのにかぁ!?』

あんな悲鳴にも似てる声で…
叫んだ言葉を、もう私すら忘れられない。

だが、更に春香は…

『大地の土も、ねぇ!!
空すら青くも、ねぇ!!
当たり前な自然すら保護だと?
気分次第で簡単に欲ばかり。
全てが、機械と人工物しか、ねぇ!!』

大地もないと?
空も青くないと?
自然すら保護しなければ、無理だと?

つまり、全てが、機械と人工物のみ。

それでも、だろう?
どう考えても違和感が、残る。

これも技術力が、だろう?
だが、いくら発展しても…
崩壊する理由には、ならない筈。

なぜ、春香自身、当然と言いながら…
いや、判ってる筈なのにか?

この国も否定しながら…
常に世界ばかりを。

何度も私は、思い出すが。

そう…
春香は、常に世界と言う。

知ってるからこその世界になるが。
だとしたら…
恐らく、世界人口70億の一人では…
変えられないからこそ、出した春香の答えへ。

何が、どう、闇へ。
否、光が、だろう?

まさか…
春香の中でも答えが?
出た時に消えたのか!?

春香の持ち物にあった電話と言う機械も…
確かに、とんでもない代物だったな。
あんな物が、溢れた世界へ。

だが…
所詮、機械は、機械だぞ?

なぜ、世界すらと言う?
機械すら話す程の発展、世界の中で、だろう?
だから余計、己自身も螺子と。
最初から春香は…

いや、これは、春香もか!?
人の話すらも、して居ない?

学も高過ぎるならば、春香は…
まさか、世界が、闇へ。
なぜかを、知ってるのでは?

いや、春香の性格だ。
つまり、判らないと…

複雑になるが、斎藤へ、相談した時。
春香の場合、欲と簡単に纏めるのも判った。

だが、本来ならば…
願いとは、個々の欲になるのだぞ?

願いと言う名の欲ならば…
誰もが、持ってる事。

その点も、だろう?

持ってるにも関わらず。
判ってるにも関わらず。

一度、私も予測した事に立ち止まる。

春香の理由、恐らく、これは…
今まで、願った事が、一度も!?
叶った事すらないまま…
この時代で!!
今の皆も含め春香は、知ったのか!?

僅かな痛みが、想像するだけで…
私の中にもだった。

更に、もし今の春香が、あんな未来へ。
戻ったら、この痛みすら比較にならない筈!!
そして、完全に壊れるのみ!!

春香の学、到底、私すら敵わない。
その中で、唯一。
知らなかった感情を、願いを。

無自覚でも、春香は…
この時代で、知ったのだぞ!?

愛される事を、愛する事を。
だが、そんな願いや思いは、誰だって…
普通に求める事、思う筈だろう!?

だとしたら、春香自身、全て学のみ。
知識としては、あっても知らないからこそ…
あんな酷過ぎる未来でも、どうにか耐えた理由へ。

これ程の痛み以上、もっと酷くならば…
尚更、春香も未来へ。
戻ってしまった時、味わう絶望など…
想像すら不可能だ!!

そんな事だけは、私も決して!!

どうにか湧き上がる感情も抑え付ける。
息も吐き出す。

あぁ…
そうだ、私も春香だけを、愛してる。

愛してる春香を、失うぐらいならば…
どんな手段すら私は、厭わない!!

それでも今は、この国へ、糸口へ。
なりかけても、まだ…
世界の糸口でも、ないのだ!!

そして、私でも気付くならば、あの大久保もか?
同じだとしたら、糸口すら探してる中でと…
まだ判ってない状態でもと動いてる筈。

あの大久保すらも本気な事が、伝わってくる。

だが、あんなに啀み合ってた薩摩とか…
そう考えると、春香の存在が。
どれ程、大きいかも判る。

こんなのは、余計、奇跡の光だろう?

少し感傷もしたが、首を振ってから切り替える。
私も再度、春香だけを、考える。

あんなにも優しい春香の為、僅かにでも良い…
やはり私も、いや、私達で、新たな世界へ!!

『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。
常に最善を。』

あぁ、そうだろう?
私も春香と言う光で、連鎖させる為…

常に変わる歴史、世界の中でも必ず!!
そして、それが、優し過ぎる春香の為!!

もう全ての世界に生きる希望だろう?

闇だけ、絶望だけでもない光を。
私は、春香を、最後にして変える未来へ。

そこで、また歩き出す。

皆と集まってる大部屋へ。
入ってから、すぐ気付くが…
一体、どう言う現状かも私には、判らない。

既に皆も私を、気配も含め気付いてたのも判るが。
それより室内も視線のみ、すぐ確認する。

この大部屋ならば、約30人程度。
居ても余裕な広さの中。
私も含め六人しか居ないにも関わらず。
大小様々な木箱が、室内すら埋め尽くしてた。

全く現状も判らないまま…
一応、皆も見れば、全員が、少し笑った。

真っ先に、また坂本だった。
狭くなった大部屋の中、座ってたが。
跳び上がる様に立ち上がると、すぐ…

「待っちょったぞぉ、桂さん!!
もう遅い言うがぜよ!?
待っちゅうワシらは、もう、どんだけや?
まぁ、あの春香さんとやし?
一応、仕方ない理由やけんど…
じゃが、もう驚いちゅうやろう?
わはははははは!!
驚かせるのも大成功やろ、こりゃ!?
全く、気付かせざった事にもワシ。
もう笑えるだけやぞ!!」

言った事で、私でも判るのは…
驚かせたかったと?
だが…

「坂本君?
いや、この…
大量の箱か?
一体、何だと言うのだ?」

どうにか私も言うと今度は、土方が…

「くっ、はははは…
俺も耐えられねぇ!!
何も気付かなかった上に…
やっぱ、春香にも似てっかぁ?
だが、春香との件で、だぞぉ?
すぐ高杉から連絡もあったからな。
まぁ、だから子作りも?
今ならば、頑張って良いが。
ははははは…
ただの甲斐性無しで?
更に嫉妬深い男め!!
そんな事で、本当に春香と?
いや、その前に…
くっ、はははははははは!!
まさか、あの春香が、先手かよ!?
しかも桂の子供だとぉ!?
全部、すっ飛ばして桂へ?
あの春香から?
今の現状すら判ってねぇし?
ははははは!!
まぁ、流石に予測不可能な展開かぁ?
その点だけ、仕方ねぇとしても…
どんだけだぁ、おい!?」

爆笑する様子で、言った内容に察するが。
すぐ晋作も見れば、同じく笑うと…

「あはははは!!
悪りぃな、小五郎?
もう、あんな場に居合わせた俺!?
小五郎すら真っ先にかぁ?
婚儀を、だがなぁ?
それより先に春香へ!!
あんだろうがぁ!?
だから俺から真っ先に皆へ。
知らせた結果。
まさに、この現状だぞ?
あの大久保すら驚いたらしい。
確かに、そうだよなぁ…
スゲェ事だった!!
ははは…
思い出しても笑える…
くっ…」

言い終わると、また壁へ。
打つかる勢いで、笑い転げた。

気配に察して武市も見れば…
やはり少し笑ってるが。

「桂さん?
一応、経緯は、まぁ…
予想外な展開でもか?
私からも春香さんへ。
改めて二人共を、祝う場にも出たいのだが?
真っ先に高杉さんからの連絡を。
それでも、まさか、これ程の数に…
いや、中も更にだろう。
薩摩藩邸から運ぶのも大変だったのだよ?
もう龍馬など、どれ程、買い漁る気でと…
馬鹿の拍車が、とんでもなかった。」

私でも武市の意味に気付くが、信じられなかった。
そのまま慌てながら…

「まさか!?
これは、婚儀前にとのか!?
だが、これ程の量など…」

「それちや、それ!!
まさに、そうやぞ、桂さん!!」

すぐ坂本の大きな声に私も見れば…
また笑うと言うより興奮しながら…

「春香さんとの事ぞ!?
すぐ高杉さんから知ったんやけど?
まさかの春香さんが!!
げに、桂さんへ?
もう信じられん展開やし?
ワシャ、すぐや!!
真っ先に薩摩藩邸の大久保さんへ。
やけんど!?
もっと凄い事になったんちや!!
多分、こがなの見れば、桂さんも?
絶対、驚くどころやないぞ!!」

大きく言った上に…
狭くなる程、多い箱の中からだった。
何やら大きめな桐箱を、すぐ出すと…
更に嬉しそうに笑うのも私は、見てた。

「桂さんもやぞ?
春香さんに似合う思うきな!!
ワシも早う見たいのもあるか!?
やけんど、とんでもなかぁ!?」

そう言って、開けた桐箱の中も見て…
もう私は、動揺すら隠せない。

「さ、坂本君!?
こ、この白無垢は、一体!?
いや、もう一式か!!
しかも『御簾檜扇模様振袖みすひおうぎもようふりそで』まで!?
だが、そんな事よりも…」

そう、私でも判る程、上質な代物どころでもない!?
白無垢と一緒にある品々の中。
末広の扇子へ。

朝廷ちょうてい』の家紋入り!?
更に『長州藩ちょうしゅうはん』の家紋だとぉ!?

まさか…

「ちょっ!?
待ってくれぇ、長州の家紋ならば?
判る!!
だが、なぜ、朝廷家紋だとぉ!?」

一体、何が!!
春香の場合、なぜ!?
天皇の家紋まで!?

もう私すら何も考えられなくなる。
皆が笑う中、また坂本が…

「わははははは!!
やっぱ、桂さんも驚いたろ?
こがなの見て、ワシもやった!?
大久保さんからも聞いちゅうやろ?
あの孝明天皇も、やけんど。
もう真っ先に和宮様ちや!!
春香さんの為ぞ?
婚儀の事も認めるだけでもないと?
言いよったにかあらんぜよ!?
大久保さんから聞いちゅうきやろ?
名前も知らなくてもと?
そがな春香さんの事だけ案じたんちや!!」

言ってきた意味に私も察した。

「つまり、春香の事を!!
あの和宮様が、それ程に!?
案じてと!?」

すぐ坂本も頷きながらだった。

「そうやぞ!!
もう春香さんは、この時代でもやろ?
この国でも絶対、安心させたいと!!
和宮様は、春香さんの事を。
孝明天皇にまでやぞ?
説得してくださったんちや!!
ようやく、愛した者と笑いゆうのにと!?
そがな、やり取りも大久保さんから聞いたぞ?
もし何かあっても、こん扇子だけでもか?
言うて事前に作らしちょったらしいがよぞ!!
僅かでも役に立つ筈とか?
確かに、この家紋だけでもやろ!?
もう春香さんに何かすりゃ…
一切、許さんって意味ぞ?」

孝明天皇にまで、説得を!?
和宮様の理由も!!

意味にも判った事で、私も嬉しくなるが。
そのまま白無垢一式と扇子も見ながら…

「春香の為、それ程に!!
確かに今ならば、この家紋入りを。
春香が、持ち歩くだけで…
だが、やはり?
ははは…
春香は、とんでもないな!!」

正直に私は、思う。

そう、本来ならば…
あんな優しい春香を、傷付ける方が!!
どうかしてるのだ!!

逆に愛されるべきだろう?

だが、武市も私へ。
視線に気付いて見れば、少し笑いながら…

「桂さん、嬉しい気持ちもだ。
私でも判るがな?
もっと頑張らねば…
その大切な春香さんを、だろう?
大久保すら本気かも知れんぞ?」

いきなり大久保の名も出た上に…
その意味にも気付いて、私も驚いた時。
言う前にだった。

武市も持ってた桐箱を。
私にも見える様に向けて開けた。

「そ、それは、まさか…
大久保から春香へ!?
だが、なぜ大久保まで!!」

確認する様に私も武市へ。
察した様子で、武市も少し笑いながら…

「そう、大久保から春香さんへ。
薩摩でも有名な『大島紬おおしまつむぎ』の着物を。
わざわざ、取り寄せてたのだ。」

何だとぉ!?
あの大久保が、なぜ春香へ!!

「な、だが、なぜ大久保が!?
それに、春香も?」

言葉も浮かばない私へ。
今度は、武市も微妙な顔で…

「今回の婚儀前、桂さんの話でか?
あの大久保すら怒ったと…
既に龍馬からも聞いてるが、確かに?
私からも、桂さんの場合。
また気付いてない様子だな?
もう春香さんの為、私からも言うが。
今の桂さんのまま、ならば…
大久保の言う通り。
全力で、私すら春香さんへ?
相応しい者を、探そうか?」

な、武市まで!?
何を!!

すぐ武市も頷きながら続けた。

「私すら春香さんへ。
一度も嘘を、言ってないのだよ、桂さん?
きっと春香さんの場合。
斎藤よりもか?
私の話も冷静に考えてくれるだろう?」

もう咄嗟に私は…

「待ってくれ、武市君!?
何を、春香へ!!
それに私も春香の為ならば!!
すぐ買いたいのだぞ!?」

言った時。
土方の動きに察して見れば…
やはり微妙な顔へ。

「まだ気付かねぇのかよ!?
確かに、あの春香なら?
高価な着物だって判れば、避ける先手だろ?
俺も一度、用意して充分、判ったぞぉ!?
学の高い春香でも着物に関して…
全く知らねぇだろ!!
普段から桂の用意してるだろう着物!!
上物ってぐれぇ、俺でも、すぐだ。
だが、気付いてねぇし?
恐らく、未来じゃ…
着物すら着てねぇからこそ。
判らねぇ…
だったら、単純!!
大久保からのも着物の価値?
言わなきゃ、良いのみ!!
そうすりゃ、普通に春香も着るんだよ!!」

言われてしまえば、確かに?

春香の場合。
着物に関して詳しくないと…
前に私も聞いてたか!!

だが、贈り物すら受け取らないと…

「こんの大馬鹿がぁ!!
まだ小五郎も気付かねぇのか!?
俺すら春香より小五郎が!!
心配だぞ?
そんなで、どうすんだよ、おい!!」

晋作の声で、慌てて見るが。
すぐ私も…

「いや、晋作!?
一緒に、あの場にも居ただろう?
春香の場合。
店巡りでも、やはり…
受け取って貰えないのだぞ!?
あの後も春香は、何も…」

どうにか言うと、晋作は、驚いた顔へ。
すぐ目も閉じたのも見てたが。

「確かに?
あの場だったらかぁ?
俺が、また小五郎が、だろ!?
店中を、買い占めるってなぁ…
先に春香へ、言っちまったからこそ!!
春香の狙い通り、俺も含め先手まで、受けた。
だが、あの理由すら俺達へ。
単純だ、散財させない為のみ!!
しかも、あの日以外ならば?
あの言った言葉すら全て、無効になるだろ?
春香も言ってた筈。
『今日の店巡りも、成立しねぇなぁ』と?
だったら、あの提案は、あの場のみ!!
既に無効だぞ!!
そして、その後すら小五郎も春香へ!!
店巡りして買おうとしても…
必ず、聞くから余計、春香もだぞ?
すぐ春香から買うのも止められるのみ!?
残った答えも簡単!!
何も言わず、買って春香へ。
ただ、贈るしか手段が、何もねぇってのに…
全部、春香からの先手で、かよ!?
既に買っちまった物でかぁ?
渡しても春香の場合、今度は?
せめて大切にと受け取った後。
使うに決まってるだろうがぁ!!」

怒鳴る様に言われた事でも意味は、判る。
すぐ私も思い出す。

そう、私も春香へ。
店巡り中でも聞いてしまえば、毎回…
同じ提案を、その場で!!

だから春香も毎回!?
同じ先手を!!

そのまま晋作も見てると、目を開けた。
微妙な顔になった上に…

「ちなみに、小五郎?
ここにある数々の贈り物だが…
単純に春香が!!
好きそうなのも予測した品々ばっか。
この場に居る皆からもあれば…
薩摩だったら大久保や、西郷まで?
まさかの和宮様や朝廷から!?
一応、土佐でも中岡から!!
奇兵隊の馬鹿共すら僅かでもと?
全て春香の為のみ!!
そして、既に、こんなに多ければ…
余計、もう春香には、判らん。
尚更、大切に使うってのに…
普段から使ってる春香の部屋も?
俺すら判ってるから気付いたが。
いつも春香の使ってるのは、私物!!
他は、一切、増えてねぇぞ!?
どんだけ甲斐性無しだってなぁ!!」

すぐ意味も含め私も気付く。

言われてしまえば、春香の部屋は…
最初から何も増えてない!?

一番、私が?
何も春香へ?

流石に判れば、項垂れる気分のみ。
一応、皆にも視線のみ。

一度だけと思いながら、視線も向ければ…
それぞれ皆が、気付いて、すぐだった。
何個かの箱も、すぐ開ける。

確かに見れば…
全て春香の好みそうな品々ばかり…

こんなにも多く?
既に皆が?
春香の為にも関わらず。

私は、一体、何を?

**************************

その後。
変わらず、情報共有すれば…
坂本から幕府側の大久保の件。

やはり、世界に関して同じだった。

この国は、既に歴史も変わってる上に…
馬鹿将軍に関しても孝明天皇を。
無視した強行手段で、長州へ。

僅かに言ったと。
そして動かそうとした反感も大きく…
幕府内でも、更に動けなくなったとの事。

だが、同時に他国からの接触も増えた事。

常に大久保も含め学のみ。

土佐でも要注意人物の山内と後藤を。
除外した事も大きかった。

その為、常に坂本達を中心に纏める部分へ。

そんな中、どうにか世界に関してのみ。
春香からの情報不足と判断した事で、だった。

一緒に居る時、誰もが、春香の言動へ。
全ての希望へ、光へ。

僅かでもと…
その為に動く理由も共通認識となった。

だが、春香の持論も大きかった…

『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。
常に最善を。』

全て変える事も不可能。

だが、全てを、闇にしない為!!
今からならば、特に未来の為!!

常に命懸けすら変わらなかった。
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