メンタル病んでる事は判るが、歴史までは判らねぇよ!!

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第三章:新たな歴史を歩む道。

29.新たな国としての一歩、世界にも宣告する。

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いつも夜は、桂さんと一緒が、最近だと余計…
安心する上に、優しいのも変わらない。

そんな桂さんの言う通り数日間。
坂本さんもだった。

少し出掛ける時もあるが、藩邸に居た。
私も坂本さんと他国の話で、面白いのもある。

だから、今日も朝食の時。
一緒に坂本さんと笑ってたら…

「んぁ!?
そうそう、春香さん。
ワシャ、三日後やけんど、帰るきな?
げに春香さんとや。
話しちゅうだけでもワシャ、えぇが。
大けな用事もあんぜよ。」

思い出した様子で、私へ。
言ってきたが、少し考える。

んん?
三日後に帰る?
いきなり、しかも用事だぁ!?

すぐ私は、嫌な予感もした。

「なぁ、坂本さん?
帰るって…
まさかの寺田屋か!?
いや、おう…」

すぐ私も失言に気付く。
慌てながら自分の口を、両手で塞いだ。
全員が、少し驚いた様子もしたが…

「わははははっ!!
残念じゃったな、春香さん?
ワシャ、寺田屋でもないがの?
やけんど…
やき判り易か!!
わははははっ!!
耐えられん。」

真っ先に坂本さんが、爆笑した。
更に桂さんや高杉さんまで、少し笑ってるのを。
私も見てると側に居た桂さんは…

「春香の心配も必要ないよ?
坂本君の場合、簡単に言えば…
仕事みたいな事だろう。」

んん!?
仕事と?
なら寺田屋じゃねぇのか!?

一応、私も口から手を、離すが。
歴史を、史実を、思い出そうする。

確か寺田屋事件だろ?
坂本さんが、新撰組から…

んん?
いや、待て?

あの土方さんと笑ってたぞぉ!?
有名な寺田屋とも違うってのかぁ!?

歴史も含めて?
今すら既に違うなら…

もう私には、サッパリ判らない。
だから、そのまま言う。

「マジで、判んねぇ…
んな江戸時代の仕事も?
私だと判んねぇがなぁ?
しかも坂本さんの仕事だぁ?
そりゃ、何を。」

少し坂本さんも複雑な顔になったが。
すぐ笑いながら…

「前にワシも言うたやろ?
カンパニーも、あるき!!
まぁ、春香さんに判り易いとしたら…
他国の物を、買うたり?
売ったり?
いろいろやけんど…
そがな事だけでも、なかと!!
他にも、あるきな!!」

その言葉で、私も坂本さんの売り買いする物を。
他国からの武器な事を、思い出す。

この時代じゃ…
仕方ねぇだろ?

まして坂本さんすらも…

一応、私も頷くのみ。

そんな中で、また坂本さんが、だった。
嬉しそうに笑うと…

「春香さん!!
ワシャ、カンパニーでもやき?
土方さんと同じにしたとよ!!
もう今すらやぞ?
武器は、要らん!!
やからピストルも捨てたきな?
わはははははっ!!
これからの未来にや!!
痛いだけの武器?
あんなん要らんやろ?
春香さんから学んだ事やぞ!!」

完全に私は、意表を突かれた。

んだとぉ!?
武器を?

捨て…
いや、要らねぇってか!?

だが、坂本さんなら…
歴史を、史実を、判るからこそ私すら焦る。

「ちっと待てぇ!!
坂本さんなら、まだ!?
早過ぎんだろ?
ヤベェんだぞ!!
んな危ねぇ中で!?
しかも武器すら持たねぇと?
余計、坂本さんなら…」

「ワシなら大丈夫じゃあ!!」

慌てながら言ってた私の声すら大きく坂本さんが。
遮った上に、また笑いながら…

「春香さんが、やぞ?
そがな事すら教えてくれたんちや?
ワシャ大丈夫やき。
まさに新たな新撰組が!!
やき土方さん達が、やろ?
ワシすら防衛の為、未来の為やと。
守ってくれると皆も変わっちょるんぜよ!!
やき未来も良うなるのみ!!
もっとワシャ、未来の為…
春香さんも、きっと笑う筈!!
そんで充分や!!
絶対ワシらが!!
必ず、良うしてみせるちや!!」

大きく言ってきた。
笑って言う坂本さんの姿も見てた私には…
その言葉に、もう何も言えなくなる。

すぐ目を閉じて私も考えるが。

また…
未来の為かよ?
どうして…

そんなに皆で…
しかも坂本さんだって…

ずっと騙されてか?
こんなに優しいのに!?
やっぱ桂さんと同じだぞ!!

しかも私には…
何も出来ねぇだろ?

「そがな顔も似合わんぞ、春香さん?
しかも桂さんまでや。
今すら心配しちょるぞ?
いつも春香さんの為、愛する者の為。
やから未来の為、春香さんへ、やろ?
安心して笑って欲しいんが、桂さんやろ?」

坂本さんの声で、私も目を開ける。
意味も判って、すぐ側に居る桂さんも見た。

察した様子で、桂さんも少し笑うと…

「あぁ、当然だよ、春香。
私は春香だけを、愛してる。
そして私も春香の為のみ。
既に言ってる事だろう?」

そう…
私でも聞いた言葉しか、ないのも判る。

いつも桂さんは、嘘も言わねぇが。
私も嘘だけは、言いたかねぇ…
やっぱ言葉も判んねぇ…

だからこそ私は、何も言わず、桂さんへ。
少し擦り寄るだけを。

「春香、また言葉が、だろう?
また判らないのだろう?
徐々に、だよ。
坂本君の事も心配ない。」

素直に一応、頷くだけ私が、した時。

「桂さんと高杉さんにやなぁ!!
まっこと世話になったけんど。
今すら春香さんと?
やっぱ桂さんやし!!
もう見るのも、いかん?
ワシャ寂しいだけかや?
もっとワシだって…
話したいき!!」

急に大きく叫ぶ様な坂本さんの声が。
聞こえて私でも驚きながら見れば…
今度は、なぜか頭すら抱えて蹲った。

んん!?
今度は、どった?

いや、私と話したり…
今も、してんのにかぁ?

不思議に私が、坂本さんを。
だが、高杉さんの気配に察した。

「あはははははっ!!
おい、坂本?
この程度でかよ?
俺からしたら既に愉快だぞ!!
あははははっ!!
もう俺は、慣れたな?
春香も無自覚。
しかも小五郎すら無自覚?
あはははははっ!!
俺すら笑いも耐えられねぇ…」

いきなり高杉さんは、爆笑した。
だが、坂本さんまで、急に高杉さんへ。

「笑うて言いゆう場合かぁ?
この不倫男がぁ!!
ワシャ、まだ高杉さんよりええ!!」

大きく言った様子まで、私も見てた。
そのまま高杉さんと坂本さんが、だった。
もうバトルモードへ。

おい、おい、マジかよ…

武器も持ってねぇが。

こりゃ…
また二人共が、もう…
とんでもねぇぞぉ!?

だが、また桂さんだけ、なぜか無言のまま私を。
抱き寄せてから観戦モードになった。

**************************

一方、大久保利通。

真っ先に世界も相手にすると…
決めた時に坂本へ。

更に新たな無自覚娘からの情報を。
長州の桂小五郎も含め出した答えを。
無血に関して全てを。

既に判る情報の精査する中、すぐ思い出す。

あの坂本も、あの様子ならば、本気だろう。
だからこそ次の会合ですら無血を。
しかも土方も含めた新撰組の動きまで、私へ。

だが…
それすら簡単な筈もない!!

どう考えても最低、数回以上だぞ!?
揉める筈にも関わらず…
その場で、だとぉ!?

いや、その前に無自覚娘の情報か?

あんな僅かでも…
もう意味すら多過ぎるだろうがぁ!!

「しかも、あんの無自覚娘が!?
漢字検定の二級、認定資格者だとぉ!!
認定ならば、正当な国の資格試験だろう?
その一つだけだとしてもか!?
約六万以上の約二割程度のみ。
もう未来ですら高過ぎる学なのも明確だぞ!!
それすらも無自覚だと?
いや、だからか!?
私の漢字すら即座に…
更に、あんなにも私の事を。
他にも多い者の記録すら簡単に言える筈だ!!
それ程の学だと?
だが、本当に桂は、判ってるのか?
もう想像以上に、高過ぎる学で…
知ってる上で、常に受け続ける苦痛など!!
どれ程の苦痛だと思ってる!!」

大きく声に出したのにも気付くが。
焦りも含め、そんな先にある未来すら浮んだ。
同時に春香の錯乱する様子も…

「にも関わらず…
ふざけるなぁ!!
春香にはだぁ!!
これ以上の傷など許せる筈もない!!」

怒鳴ってから余計、思う。

今の私が、否、今の私達が、だろう!?
それなのにか!?

どうにか怒りすら抑え付けながら…
一度だけ大きく息も吐き出す。

冷静にと春香の情報だけを、まず纏める為。
椅子に座ってから目を閉じる。
そして考える。

春香の場合、あの高過ぎる学だろう。

だが、未来でも正しい側の者!!

そう…
桂小五郎の判断だけでもない。
簡単だろうな、既に学だけでもない。

あの春香を、幼くても必死に学と行動で…
どうにか助けようとした『俊介しゅんすけ』と言う者!!

あんなにも酷過ぎる狂った未来にも居たのだぞ?

確かに学も高いが、予測だと検定だかの割合程度。
もしくは、それ以下だが、正しい者達に入る筈。

あれ程にも狂った国内を、どれだけ困難かも…

予測してしまえば、私すら息苦しい…

だが、今の私など比較にも、ならん!!

私も含めるが、愚かにも誤ったせいでと?
未来の正しい者達ならば、もっと苦しい筈!!
だからこそ、私も今を、そして私達が、だろう!?

息苦しさで、息を、それでもと考える。

必死に国を、どうにか正そうと足掻く者達ならば…
今以上の危機的状態を、苦しくても必死にだろう?

春香の様な者達を、保護を、外交を。
そんな中で、更に国内ならば…
限界になるのも当然だ!!

だが、その僅かに残った正しい者達の出した答え。
男女平等と武力放棄。

ならば、私も正しい者達が、あの春香が、だろう?

必死に考え出し選んだ選択を、その答えを。
未来の為、何よりも春香の為、全て正しい筈。

既に暗記してる春香の記録も思い出す。

『んなクズのせいで、更に争い続ける?
んなクズが、どんだけ殺す?
直接しねぇだけで、どんだけ他国から…』

無自覚で、桂へ。
坂本を、心配する理由と、他国からの狙いを。

更に春香は、あの土方へ、だぞ?

『結局、妥協もしねぇで、すぐだ。
簡単に攻撃ぐれぇ、してくんだよ。』

だとすれば、恐らく幕府の武力討伐後だろう。
この国は、他国とも争うのだ。

だが、春香の居た未来では、私も含めるが。
更に騙されてる事すら気付かないで…
ずっと武力での争いを、続けたのかぁ!!

どうしても湧き上がりそうになる。
怒りも抑え付けて必死に考える。

春香の言った意味を。

『また隠すだけだと?
また繰り返すだけだと?
また権力で、しかも結局、金って欲で!!』

重要な事の単語だけ出せば…
隠す、繰り返す、権力、金、欲。

つまり、この国が、だろう?

常に何かを、隠す事。
その為、一つに纏まってか。

最も重要な事は、繰り返す事だ!!

もう国内に限らず、世界と争いへ。

だが、そんな事も続ければ…
今度は、この国は、他国に負けるだけだろう?

その上に、武力までも取られるのみ。

どれだけ愚かな道を、繰り返した!!

単純に結果として技術ばかり。
纏まったとしても国内では、常に格差と欲のみ!!

根付いた幕府体制での武力思考。
同時にあるのが、乾と同じ自由思考だ!!

あんな酷過ぎる未来へ。
加速させた元凶も判るが。

更に騙してる他国からもだった筈!!

また春香の記録も思い出す。

『話し合いってのも絶対、無理!!
何度も言ってるが、人間の本質は欲。
んな馬鹿な連中はなぁ…
もう話し合いっつう騙し合いだぞ?』

だが、春香の言った事も、だろう?

武力すら残り続けるだけでもないと…
金や、権力と言う欲までか。

それすら全て学のみ!?

もし世界も含め考えるならば…
この国は、確実に負ける結果へ。

予測だが、負けた事で、だろう?
全ての武力放棄を。

それでも残り続ける思考…

そこで、だった。
僅かに閃く。

そうか!!

これならば、確かに春香の言う通りか!?
もう国から先にと、だろう?

幕府討伐と同時に世界へ。

武力すら放棄してるにも関わらず。
もし他国から攻め込まれたら…
攻め込んで来た他国の場合、国際的に!?

今度は、世界的にも非難の的へ。

そして私達が、だろう?

つまり、争いからも守る為。
避け続ける為、学のみ!!

今後の方針、未来へ。

常に他国と和平条約する中でも、だろう?

この国は、先に武力放棄してる理由でと。
条約内容に含めれば…
逆にと、この国を、他国から守らせる為のみ!!

その上で、国内でと残る武力に関してもか?
既に歴史も変わってるも事実だぞ?

新たな新撰組が、正しい治安として国民の全てを。
武力放棄の為、全てが、守る為のみ!!

結果として武力思考すら春香の言ってた資格を。
所持した正しい治安組織へ。
あの土方が、既に独立部隊へ。

常に補足修正や変更するとしても、だぞ!?
やはり今の春香が!!

思わず、少し笑う。

「あの無自覚娘が、本当に奇跡の光か?
だが、その春香自身も笑う未来へ。」

言いながらも頭の中で、浮かんだ答えすら明確へ。

あんな未来も避けられる筈。

国の平等な法も常に考えねば、不可能だろうが…
先に武力放棄の宣言も世界へ!!

情報としても他国が、既に繋がってるならば…
この国へ、安易に攻められん!!

守れる上に私も含め常に学のみ。

つまり、情報戦へ!!

だとしたら、次の会合でも…
未来の為、春香の為、私も参加するのみ。
説得方法も学のみ。

その場にだろう。
桂小五郎だけ絶対に出れないのも当然の事。

春香の為、桂小五郎が、出れないならば…
私が、してやる!!

そして、私すら命懸けなのも承知!!

まだ模索する必要もあるが、先に会合を。
幕府でも場所を知ってる者すら土方のみ!!

結論も出してから、情報共有の為。
真っ先に坂本経由でと長州側へ。
正確に言えば、桂小五郎へ。

世界を、未来を、この国を。

全ての希望になる春香の為。
改めて思いながら…
すぐ計算して情報も纏め出して動いた。

**************************

一方、桂小五郎。

夜に春香を、優しく抱いた後。
また安心して寝た事も確認する。

そんな姿を、嬉しく思う反面で、ふと思い出す。

確かに春香も言ってたが…
私も神や仏を、信じられないのもある。

初めて春香に出会った。
あの時すら坂本からだったな。

わざわざ祈願の為と、あれすら私自身…
散々、坂本の言ってた通り、強引にだが。
伏見稲荷大社へ。
まさか、祈願した後、いきなりか?

春香が、現れた上に…
ふと違う事も思い出して私は、少しだけと。
春香の左腕にある傷跡へ、触れる。

もう絶対に春香を!!

こんなにも愛しい春香を、どんな手段だろうが…
必ず私が、守り抜くのみ!!

それから起こさない様に素早く服も着る。
また春香の布団も整えて心の中でと言う。

春香?
私も本当に愛してるよ…

だからこそ、もう全てを。

そして普段から皆の集まってる大部屋へ。
向かいながら常に情報として纏める。

やはり次の会合の件も話し合ってるが。
更に、あの大久保も、どう動く?
会合の場では、私も動けない…

国内もあるが、今後は、他国対策だろう?
明確にしなければ…
すぐ皆も居る部屋の中へ。

入った時、すぐ気付く。
部屋の中は、多い紙も散らばってる有様で…

既に皆も居たが、全員が、だった。
考えてるのも判る上に…
しかも坂本も頭を、抱えてる様子も目に入る。

私の気配も察してただろう坂本が、そのままで…

「ワシの学は、この程度なのかや!?
桂さんや、大久保さんは、判る言いそうやし?
どいて、ワシは?
もう、ただの馬鹿かも知れん?
いや、それすら判らん…
やけんど、春香さんと?
話せんなるのも嫌なのも?
げに思うちゅうのにか!!
しかも桂さんには、怒られるろうが…
やけんど、いかんやろ!?
ワシだって命懸けも当然!!
げに、まさかの展開!?」

いきなり言うと、立ち上がって私を。
複雑な顔で、見てくると更に…

「桂さん、えらい事になっちゅうぞ?
簡単に言うと大久保さんが、ちや?
あの会合へ。
出たい言いゆうがぜよ。」

すぐ意味に気付いて私すら動揺したまま…

「な、何!?
まさか、大久保自身でか?
幕府討伐の会合へ。
自ら出るだとぉ!!」

思わず、言うと坂本は、頷きながら…

「そう、驚くろ?
会合場所だけなら問題ないがやけんど…
更に、とんでもない事まで!?
ワシにも言うてきたんやぞ!!
まさか会合の場でか!?
もうワシすら予測も出来んぜよ!?」

途中から叫ぶ様に言うと、再度、頭を。
抱えて蹲る様子へ。

とんでもない事だと!?
あの大久保が、会合の場で、だろうが…
一体、何を。

察した様子で、武市の気配に気付いて見る。
やはり複雑な顔で…

「龍馬も充分、馬鹿だがな?
私すら予測不可能なのだ。
桂さんも、だろう?
会合の場には、薩摩側へ。
未だに敵意すらある者も含まれる上に…
私も龍馬からだが?
聞いた時は、信じられない感覚のみ。
いや、恐らく、土方もだろうが。
あの大久保自身、命懸けでも会合に出ると。
更に言った事だ。
幕府討伐と同時に他国、全ての世界へ。
この国は、先に武力の放棄を、宣言したいと。
そして桂さんへ、だと私も思うがな?
春香さんの為、桂小五郎は、会合に出れない筈。
だからこそ、大久保自身が、出ると。
世界を、未来を、この国を。
全ての希望になる春香さんの為だと。
説得方法も学のみ、今後、全て情報戦になる筈。
だからこそ、その春香さん自身も笑う未来へ。
そう龍馬に言ったらしい。」

武市の言った事は、確かに信じられない感覚だった。

あの大久保が!?
つまり、私が、だろう?
会合に出れないからこそ…
大久保自身で、学のみ!?

あの春香も笑う未来へ!!
真っ先に世界へ!?

どうにか私も確認の為、一度、皆へ。
視線も向けた後、僅かに言う。

「全て学のみ…
世界と情報戦、つまり学のみ。
だからこそ、大久保自身が?
春香の為に、か?
だが、そうなれば…」

僅かに土方の動きに察して見れば…
己の刀を、畳の上に置いてからだった。

その場で、立って同じく皆へと視線を。
すぐ皆も察したが。

「桂も今の話を、聞けば充分、判るな?
あの大久保も命懸けな事ぐれぇ…
もう簡単だろ?
そうだ、大久保自身、坂本と同じ様にか?
丸腰で、会合に出るそうだ。
そして、大久保の言った続きもある。
既に俺も新たな新撰組を、防衛のみ。
全て先にと武力放棄してる事に対してだろう。
つまり自己防衛の為、未来の為、これから先を。
正しい治安として独立組織を、正しい形へ。
国民の全てを、真っ先に守る為のみ。
武力思考すら消す為、春香の言ってた資格を。
その資格所有者のみ。
新たな新撰組を、独立部隊から正しい治安組織へ。
他国には、学のみ。
国内では、治安維持のみ。」

そこで再度、視線だけを、皆へ。

「確かに今からならば…
幕府討伐と同時に実行可能だと。
その資格に関してもだろ?
未来の為、つまり平和の基盤へ。
酷過ぎる未来まで、予測したからこその答えだ。」

土方の言ってる意味は、私にも判る。

だが、あの大久保が、丸腰で!?
もう危険どころでもないだろう!?

しかも、そうなれば…

「待て、土方君!!
最悪、大久保は、その場で、だろう?
話し合う前に斬り殺されるぞ!!
未来の為と言うならば、学のみ。
にも関わらず。
もし、その場で!?
既に未来も変わってるのだ!!
もう何が、起きるかも判らない筈。」

どうにか土方へ。
だが、土方すら明らかに目を。
変えるのも見た。

「あぁ、最悪の場合、その場でだぞ?
そして本来ならば、俺が!!
大久保と会合にも出てか…
守るべきだが、会津すら動いてんなら…
せめて会合してる時は、幕府側を、俺が!!
どうにか動かせるって状況なのにかぁ?
春香の為って理由も納得する事。
あの春香は、すぐ俺にも判ったがなぁ?
坂本と一緒に四人が、一つずつ他国へ。
僅かな質問のみ!!
俺達が、他国の情報を、欲してるのを。
簡単に見抜ける程、高過ぎる学だぞ?
そんだけ学が、ある中でだと?
酷過ぎる未来で、何も悪くねぇにも関わらず。
ずっと痛みと苦しみを。
更に味わい続ける絶望のみ?
この場ですら誰も予測すら出来ねぇ…
しかも春香って希望、奇跡が!!
居たからこそ、今!!
この場に俺も居ねぇ筈。
誰も望んでねぇ未来が…
ようやくだ、あの春香も笑う未来へ!!
既に変わってるのにかよ!?
もし薩摩の大久保が、死ねば…
逆に悪化するだろうがぁ!?」

最後だけ怒鳴る様に言った土方の意味も充分。
私すら判ったが、すぐ春香の悲しい顔も浮かんだ。

目を閉じて春香の為、必死に考える。
だが、私には、更に春香の涙も思い出す。

咄嗟に、そのまま…

「駄目だぁ!!
あの春香ならば、また痛みを!?
苦しみを、更にかぁ!?
私しか見てない筈!!
あんなにも悲しい顔でも…
泣かない春香が!!
初めて見せた、涙の理由すら…
泣けば、殴られるからと?
言えば、更に痛いからと?
だからこそ、泣く事すら許されず?
味わい続ける痛みと苦しみ、絶望など…
ふざけるなぁ!!
あんな未来など、誰も望まないのにか!?
あれだけ優し過ぎる春香を?
どれだけ傷付ける!?
私には絶対、春香だけ…
これ以上の傷すら許せないぞ!!」

大きく言ってからも春香ばかり浮かぶ。

「小五郎!?
だからこそ冷静にだぞ!!
俺達が、だろうがぁ!?」

晋作の怒鳴る声も聞こえたが。
また私も…

「判ってる!!
晋作、最善を、だろう!?
だが、どれが…」

春香の為、何が…

確かに大久保の予測も全て間違ってない。
未来すら含め、必ず…
変わる筈でも危険度も高過ぎる!!

新たな新撰組として土方すら正しい治安部隊へ。
資格に関しても判る。

だが、幕府を、会津を、抑える為ならば…
もう土方しか不可能だ。

皆が、だろう?
命懸けすらも春香の為、未来の為になっても…

私は、あの春香が、笑う道を。
今ならば、尚更、春香の側から離れたら…
新たな傷も、だろう!?

どれが、春香の為、最善になる?

必死に考える中。

「桂さん!!
俺にさせて欲しい!!」

岡田の大きな声に驚きながら、私も目を開けた。
すぐ声の方も見ると、岡田も目を閉じたまま…

皆も驚いてる中、明らかに動揺しながら武市も…

「岡田!?
だが、会合には…」

「武市先生!!
また、そのまま言わせてくれ!!」

武市の声すら遮って岡田は、叫ぶ様も言った。
その事だけでも私は、驚くが、皆も同じ。

一切、目も開けないまま岡田は、己の刀を。
腰から抜いて、すぐ畳へ。
何も言わず、置いてから…

「もう俺でも我慢すら出来ない!!
武市先生も含めて、この場に居る皆へ。
俺にさせて欲しい!!
だから、そのまま言う!!
俺の命も使ってくれ!!」

岡田の怒鳴る様な大きな声に私は…
意味に気付いた。

だが、すぐ…

「桂さんは、春香さんの側に居ないと駄目だ。
春香さんも泣くだけ、未来の為でも関係ない。
そして春香さんの為なら俺が!!
必ず、大久保利通を、守ると断言する。
それに俺は…
今まで、ずっと未来の為、人も多く斬った。
俺には、学もない。
だから感だけでも判る事を。
春香さんが、光。
未来の為にある光。
その光も守るのは、桂さん。
更に未来の為なら、この場に居る皆も同じ。
必ず、未来の為、春香さんの為、光の為と。
これからの未来、希望になる光を、俺も守りたい。
その未来に必要なのは、刀じゃない。
力よりも学で、光を、更に春香さんも笑うだけ。
俺の力よりも守る為、未来の為、春香さんの為。
だったら、大久保利通の学だ。
やっと見えた光を、俺は、消したくない。
会合でも俺は、誰も傷付けない。
そして俺の命も使ってでも、絶対に光を、守りたい。
その為だけで、充分。
全て未来の為と?
俺は、違うと、感じるばかり。
だって俺は、春香さんの為が、良い。
あの優しい春香さんが、痛いと、苦しいと、泣くと?
もっと、おかしい!!
春香さんは、何も悪くない、やっと桂さんと。
それだけで、やっと春香さんが、安心して笑ってる。
産まれてから初めて今なのに?
俺は、壊したくない、だから桂さんは、春香さんと。
そんな春香さんが、笑う為に出来る方法も判らないと?
優しい春香さんが、安心する今も大事、未来も大事。
その光も守れる一番は、学。
だったら学のない俺が、一番、命懸け。
当たり前な事。」

岡田の言ってくる意味も判るが。
もし春香ならば…

すぐ私も目を閉じた。
冷静に考えながら言う。

「もう充分だよ、岡田君。
意味ならば、判ったのもある。
だから岡田君に大久保を、頼むとしても…
それでも、一つだけだ。
私からも言わせて欲しい。」

そう、春香ならば、きっと…

簡単に判るからこそ、私も目を開けると…
岡田も含め皆が、私を見てるのも判って続ける。

「岡田君も春香を、知ってるだろう?
あんなにも春香が、優しい事を。
まして岡田君の命を?
もし未来の為と、春香へ。
それだけで、春香も岡田君の事でだ。
泣くのも判る筈。
それだけを、忘れないでくれるな?
その上で、大久保の事を、岡田君へ…
頼みたいと。」

すぐ岡田も少し笑った。

「ははは…
桂さんは、難しい事を。
言います。
でも春香さんの為…
優しいのも判ります。
だから大久保の安全と同じ。
俺も頑張ります。」

そう言いながら嬉しそうだった。

そんな岡田の様子も見て私すら少し笑う。
皆も同じで、少し笑った事にも気付いて…

本当に春香は、凄いなぁ…

正直、思いながら再度、皆と会合の件を。
綿密に話し合う事も始める。

**************************

その後も会合に合わせながら…
それぞれ皆も、動き出す。

特に坂本と、土方、大久保。
常に僅かだろうが、綿密な情報共有を。
優先させた行動のみ。

常に未来の為、だが、春香の為と…

そして会合も含め、新たな国として始まる。
未来への一歩だった。
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