24 / 49
第二章:僅かな兆しの中でも徐々に。
24.歴史も変わってる中、気付いた愛する者。
しおりを挟む
普段通り、私は…
朝食後の薬も飲んでから少し休憩中。
変な鐘も聞いた。
確か時間の為ってかぁ?
分すら判んねぇ鐘かよ!?
そう思ってると桂さんの気配に察した。
視線だけ私も向けると、なぜか…
複雑な顔もしながらだった。
「春香、今日は来客もあるが。
既に春香の知ってる者で…
一応、春香にと、会いたいそうだ。」
んん?
私の知ってる者だぁ?
しかも会いたいと?
不思議に思いながら私も一応、考えるが。
「そりゃ、坂本さん達かぁ?
知り合いって…
んな私には、居ねぇ筈だし?
んでも判んねぇが、桂さんまで?
どった、変な顔だがなぁ?」
「まぁ…
春香も会えば、多分?
判る筈だが、体調も大丈夫ならば…
このまま一緒に客間へ。
晋作も一緒だよ。」
そう言う桂さんは、やっぱ複雑な顔のまま…
更に私は、不思議でしかない。
余計、考えるが。
一応、体調も…
まぁ、大丈夫だがなぁ?
高杉さんも?
一緒でと?
すぐ私も察するが。
高杉さんも立ち上がって笑うと…
「よし!!
小五郎は、来客の方な。
春香もだが、俺も行くぞぉ!!
もう俺は、反応だけでも楽しみか?
あははははっ!!」
何じゃ、また?
確かに?
めっちゃ笑ってんが。
でも桂さんの判断なら…
一応、私も頷くのみ。
それから二人共と客間へ。
移動して入ると…
「この部屋に連れて来るから…
少しだけ春香も、そのまま待って欲しい。」
そう言ってから桂さんは、また部屋から出た。
私も素直に待ってると、すぐだった。
襖も開いて桂さんの後ろを、見た瞬間。
もう私は、完全に驚く。
「えぇ!!
な、んん?
いや、えぇ!?
か、桂さん!?
後ろに居るが。
ヤバいだろ!?
しかも、どうして…」
「おぅ、春香!!
久々だが、一応、薬も飲んでる様子だなぁ?
顔色も悪くねぇし?
飯も、ようやくかぁ?」
少し笑いながら言ってきたが。
もう私は、それどころじゃない。
「ちょっ、待てぇい!?
何だって!?
土方さんが!?
長州の…
いや、んん!?」
「春香さん、俺も居ますよ?
元気そうで良かった。
でも…
あはははははっ!!
凄く驚いた反応が…
また判り易い…」
すぐ私は、入ってきた沖田さんにも、だった。
更に、もう一人の男性が、居たのに私も気付くが。
でも知らない人は、関係ない。
「ちょい待てぇ!!
何だって新撰組の土方さんと?
沖田さんが!?
しかも桂さんと一緒!?
いや、高杉さんも居るし?
おかしいだろ!?
だって幕府側だろ?
んん!?」
もう私には、サッパリ判らない。
でも、すぐ察して警戒度を、一気に上げた。
そう…
二人と一緒に入ってきた知らない男性が、だった。
明らかに男性が、僅か動いた事に…
だから他すら一切、私も見ないまま…
知らない男性のみを、警戒度だけを、更に上げる。
全員、察した様子も気付く。
だが、土方さんだった。
僅かに腕だけを、私も見逃さず、動かしたのも見た。
それだけで、知らない男も止まった上に…
土方さんと沖田さんの間へ。
無言のまま、私も見てると…
「貴方が…
春香さんですか。
土方さんから聞いてました。
俺の名は、『斎藤一』です。
警戒度も下げて貰えませんか?」
少し笑って言ってきたが。
まさか!!
あの『斎藤一』かよ!?
有名だが?
一応、私は、警戒度も下げながら見ると…
武市さんとも目が…
ありゃ、違うのもあるが?
でも新撰組の!?
もう私すら動揺しながらしか…
「何だとぉ!?
マジでか!?
あの斎藤一かよ!?
いや、写真も知らねぇが。
私も名前ぐれぇ、知ってるぞ!?
んん!?
めっちゃ強いらしい人だろ、おい!?
こりゃ、ヤベェ!?
いや、でも…
土方さんよりマシっぽい?
すぐ名乗るし?
しかも目が、そうな?
既に沖田さんと同じだろ!?
普通に話ぐらい出来そうな雰囲気だが?」
驚きながら納得する感覚で言うと。
すぐ土方さんが、だった。
「ちょっと待てぇ、春香!!
また俺の最初と比較しやがったのかぁ!?
斎藤には、俺が!!
言ったからだぞ!?
全く、相変わらずだな!!
変わらねぇ上に…
判り易いから余計にだが。」
聞いてから私も考えるが。
「そりゃ、土方さんぐれぇ…
あっ、でも!?」
そこで私は、大久保さんも思い出して笑う。
「確かに土方さんは、マシだった!!
この時代だとなぁ?
今まで土方さんが、第一印象スゲェ悪かったが。
もっと横柄で、スゲェ我儘!!
しかも器が、まぁ?
大きいんだか、小さいんだかも判んねぇ。
薩摩の大久保さん!!
スゲェ最悪な印象どころじゃねぇな!!
最初に怒鳴っても変わらねぇ上にかぁ?
ずっと横柄で、傲慢そうな態度!!
それすら最後の最後まで?
私の中にある大久保利通!!
まさに印象と記録通り。
今でも変わってねぇよ!!」
言った瞬間。
土方さんも、沖田さん、斎藤さんもだった。
凄く驚いた顔へ。
高杉さんだけ笑ってるのも私は、見るが。
桂さんは、微妙な顔のまま…
そんな中で土方さんは、急に首を。
横に振ってから私も見て…
「春香に一つ、疑問だが。
薩摩の大久保利通へか?
印象と記録通りだと?
会ってないからこそ記録のみ。
だとしても…
その印象は、何だ?」
んん?
会ってないからと?
そりゃ、確かに…
納得もした私は、目を閉じた。
「土方さんの言う通り、疑問だよなぁ?
良いかぁ?
大久保さんにも言ったが。
まんま言うぞぉ?
子供の頃は好き勝手な我儘放題!!
更に漬物程度で不機嫌になる!!
茶すら煩い、めっちゃ我儘な印象!!
まだ薩摩なら西郷隆盛の方が好印象だ!!
まさに記録通り。
今すら納得したままだぁ!!」
言ってから私は、目を開けた。
土方さんは、驚いた顔もしたが。
急に笑い出した。
「くっ、ははははは!!
それを、あの大久保へ?
春香は?
直接、言ったのか!?
ははははは…
そりゃ、やっぱスゲェぞ!!
どんだけ…
しかも判ってねぇ…
今すらもかよ!?
くっ…
やっぱ、とんでもねぇ事してやがる!!
ははは…
耐えられねぇ…
どうせ高杉晋作の時も、同じで?
記録通りと、それで…」
んん?
記録通りだと高杉さんもだったかぁ?
その言葉で、私も複雑な気分で高杉さんを。
見ると察した様子で、驚くのも判るが。
思い出すからこそ…
私は、微妙な気分のまま…
笑ってる土方さんへ。
「あぁ、土方さんからすりゃ…
確かに知らねぇでも全く関係ねぇがなぁ?
そう、あの高杉さんは!!
スゲェ私は、違う意味で?
とんでもねぇ不倫男だったし?
ある意味、もう女の敵だろ!!」
「待ってくれぇ、春香!?
女の敵だと!?
更に俺の記録へ?
付加されてるのか!?
だから春香にもだぁ!!
弁解の機会も俺は、頼んだろぉ!?」
すぐ高杉さんの声も聞いたが、私は…
そのままスルーした。
一応、無言で頷くのみ。
そこで桂さんが、私にと近付くのも察した。
複雑な顔にも判る。
でも同じ様に頷きながら…
「まぁ、春香?
既に晋作は、どうでも良いか…
今日は、土方君達が、だろう。
幕府から独立組織になると…
もう春香の知ってる歴史とも違うのだよ。
一応、徐々に、だが…」
更に言った桂さんの言葉に私は、また…
信じられない感覚しかなかった。
んだと!?
幕府から独立だぁ!?
しかも歴史と違うって意味でかよ!?
すぐ土方さんも私が、見ると…
少しだけ笑った。
「春香が、言ったんだぞ。
俺達、新撰組を、幕府の利用だぁ?
そんな事、俺すら許さねぇよ。
だからこそ、俺は、仲間の為。
つまり、どこにも属さねぇってなぁ?
最初だけ面倒だが、俺が!!
皆の分もって言った筈。
尚更、俺が、だろ?
仲間も守りながらだ!!」
言った事にと私も考えるが。
判らないのもあって、そのまま言う。
「いや、ちっと待ったぁ!!
土方さん?
一応、独立の意味かぁ?
そりゃ、判るとしても…
んな簡単じゃねぇだろ!?
まして、あれだろ?
土方さんが、副長だし?
確か…
えっと、『近藤勇』だったかぁ!?
悪りぃが、まんま言うぞぉ?
めっちゃ馬鹿する筈!!
つうか、何だって土方さんが!?
副長だってぇの!!
そっちの方が、私にはサッパリだぞ!?」
言えば、土方さんだけでもなかった。
沖田さんと斎藤さんまで、同じ様に凄く驚いた顔へ。
だが、沖田さんだった。
「は、春香さん?
近藤さんも、知ってると?
今も説得中で…
既に足止め程度は、出来てますが…」
んん?
足止めって…
何じゃ、そりゃ!?
不思議に思いながら私も沖田さんへ。
「いや、沖田さんもかぁ!?
んな事してる場合かよ!!
もう早くしねぇと、幕府だって…」
そこで私も失言に気付いた。
すぐ、また私も自分の口を、両手で塞いだが。
複雑な顔で土方さんが、また…
「なるほど、春香?
つまり、既に幕府が、だな?
もう動こうと。
準備すらしてるって意味だろう?」
そのまま私は、目を閉じる。
でも初めて斎藤さんが…
「ははは…
本当に、春香さんは、土方さんと。
沖田から聞いてた通りですね。
もう俺すら、こんなに?
判り易い上に…
ははは…
素直ですね。
嘘すら言わない理由で、でしょう?
そして俺も嘘は、嫌いです。」
斎藤さんも!?
嘘が、嫌いだと!!
驚いて私も目を開けた。
斎藤さんを見れば…
少し笑ってるのも気付く。
だが、そのままでと…
「騙してくる幕府にも属さない為。
春香さんが、笑う様な未来の為。
動きたいのですよ。」
幕府にも属さない理由も…
しかも未来の為とかぁ!!
斎藤さんも見れば、少し笑ってる様子だった。
だが、確か斎藤さんは…
そこで私は、史実も少し思い出す。
この三人で、唯一の生き残りへ?
やっぱ…
どうしても私は、我慢も出来ず、手を。
そして…
「斎藤さんも同じ理由かぁ!?
んな未来の為じゃねぇだろうがぁ!!
ふざけんじゃねぇ!!
土方さんも、桂さんも、他の全てが?
結局、皆が!!
同じ理由なのに…
どうしてだぁ!!
どうして同じ理由で殺し合うんだぁ!!
何が、国の為だぁ!?
何が、未来の為だぁ!!
んな事よりも今、だろうがぁ!!」
「春香!?
落ち着くんだ!!」
すぐ桂さんの声に気付くが。
僅かに察して私も距離を。
更に全員の驚く顔も見てから続ける。
「この場に居る全員が!!
同じ理由でも纏まらねぇくせに…
こんな国の、何が、どう良くなるか!?
どう変わるって言えんだぁ!!
んな具体的な策も、ねぇぐれぇなら…
せめて今を!!
力もあるなら大切な人だけを!!
どうして守る為、使わない!?
どうして武器を、人へ向ける!?
どうして簡単に、命すら奪う!?
根本的に間違ってんのにかぁ!!
そんな国の意味すら判んねぇ理由ばっか。
何もねぇ人は…
死に続けるだけなのにかぁ!!」
もう私は、未来を、更に先にある事を。
目を閉じて思い出す。
「良い加減にしやがれぇ!!
この国に限らねぇと私も言ったぞ!?
平和すら壊すのも常に繰り返すばかり。
もし、この国が!?
僅かに良くなっても他国が!!
そんな他国すら同じ欲のみ!!
全て欲で壊すのは、この国に限らねぇんだぞ!?
私の居た未来だったら…
この世界すら壊すのにかぁ!?
私の居た場所には、何も、ねぇぞ?
大地の土も、ねぇ!!
空すら青くも、ねぇ!!
当たり前な自然すら保護だと?
気分次第で簡単に欲ばかり。
全てが、機械と人工物しか、ねぇ!!
もう全てが、欲しかな…」
「春香ぁ!!
そんな未来へ、しない為だぁ!!
だからこその今だぁ!!」
桂さんの大声に私は、目を開けると。
複雑な顔で、判らない。
そんな桂さんが、素早く私も抱き寄せると…
「既に私も春香へ。
言った筈だろう?
私は、春香だけを!!
愛してるのだと!!
そして生きる意味すら簡単な事。
大切な者が、愛する者が。
つまり、愛する春香が!!
笑う為、望む為、だからこそ今だ!!
それが、未来の為!!
安心して笑って暮らせる未来の為のみ!!」
私を!?
愛してるから…
未来の為!?
だから桂さんが、今を!?
私には、どうしても言葉が、また浮かばない。
そこで少し桂さんも笑うと…
「そして春香に、これも私は、言った事だよ?
優しい思いだけは、欲でもないと。
私の思いも、願いも、祈りも、全て春香のみと。
愛してる春香が、望んでない未来へ。
絶対に私が、しない。」
んなの私は…
どうすりゃ…
やっぱ、それは…
**************************
何も言わないまま私が、目を閉じた時。
「なるほどな…
現状も判ったが、なら春香ぁ!!
俺も嘘は、一切、春香へ。
言わねぇと断言するのみ。
そして俺の質問にと、答えればだぁ!!
全ての答えまで、春香も判るぞ!?」
土方さんの大きな声に驚いた。
質問だと!?
嘘も言わねぇで…
そして答えれば!?
私も判るって…
すぐ目を開けて土方さんの方へ。
そして見ると少し笑ってるのも判った。
視線も含めて明らかに、私だけへ。
「ならば俺から春香のみ。
準備も良いなぁ?
春香へ、最初の質問だ!!
春香の生きる目的!!
忘れてねぇだろうなぁ?」
んん?
そりゃ、だって…
不思議に思いながら私も答える。
「いや、忘れてねぇよ?
んなの最初に言ったのも土方さんだろ?
『それは愛する者を探す事のみ』って…
『愛する者を探す為、生きて足掻け』と。
『その中に必ず幸福がある』と。
だから私も…
足掻いて探すって言った筈だが?」
土方さんは、なぜか目を閉じた。
そのまま私も見てると…
「そうだ、春香ぁ!!
勿論、俺も足掻くのみ。
春香の目的、今すら変わってねぇ筈!!
その時に俺も言った筈。
春香の事を、思うからこそ…
つまり愛するからこそ!!
決して春香を、傷付ける事すら一切しねぇと。」
大きく土方さんも言ってくる事も私は、考えながら…
確かに、そうな?
土方さんも?
言ってた事だな?
目を閉じたまま土方さんは…
「ならば、春香へ、次だぁ!!
俺からも判る事の補足すっと?
春香の場合!!
絶対に信じられると思う相手のみ!!
それが、『愛する者』の筈!!
まして信じられねぇ相手?
そんなの普通、愛せる筈もねぇ…
当然だろ?
それも春香は、判ってるのかぁ?」
んん!?
それは、高杉さんが!?
言った事だろ!!
んでも質問だし?
そりゃ、言われちまえばだが。
信じられねぇ相手を?
「そうだな。
土方さんの言う通り普通だろ?
愛せる筈ねぇ…
一応、判るが?
高杉さんも同じ事を、言ってたぞ?
まんま言えば…
『絶対に信じられると確信もする』と。
『その確信も出来た相手』だと?
『その者が春香を愛してる者』って…
確かに…」
納得しながら私も答るが、すぐだった。
土方さんは、目を開けるのも見てたが。
少し嬉しそうに笑った。
「ははははは!!
なるほど?
これは、高杉から春香へ。
既に言われてんのかよ!?
どんだけ気付かねぇんだぁ?
ははははは!!
もう俺すら笑うぞ!!
だが、次からが、更に本題!!
だから春香も良く考えろよ?
次の質問だが…
今の春香は、愛する者が、だろ?
判らねぇと、言うならだ。
すっ飛ばすが、愛した者と春香の子供!!
もし春香が、だぞ?
再度、言うが、春香も良く考えろよぉ?
愛する者の子を、春香が!!
産んだと想像しろ?
その子供へ。
春香は、どうするんだぁ?」
何だとぉ!!
もう私は、とにかく驚くが。
どうにか土方さんの言った事を。
いきなり子供を!?
えっと、いや、待て?
良く考えろって私が、だろ?
つまり、愛する者との子供?
私が、産んだ子供?
そして愛する者の子供!?
必死に私も考える中。
「その子供に春香は…
傷付けて泣かすのかぁ?」
複雑な顔で土方さんの言った事に私は…
「ふざけんじゃねぇ!!
んなクズ共と私を!?
一緒にすんじゃねぇぞぉ!!
どんな子供だって関係ねぇだろうがぁ!!
何も悪くねぇのに泣かすだと?
痛いから泣くだけじゃねぇんだ!!
判んねぇからこそ、泣くだけの子供へ。
だったら逆だろうがぁ!!
安心すりゃ泣かねぇ!!
大切にすりゃ泣かねぇ!!
そうしてりゃ、笑うだけだろうがぁ!!」
咄嗟に土方さんへ、怒鳴り付ける。
だが、土方さんは、すぐ笑い出した。
「はははははは!!
スゲェな、おい!!
充分、判ってんじゃねぇかよ!!
そうだぞ!!
春香ぁ!!
そんなクズ共と全く違うだろ?
春香なら産んだ己の子も愛せる筈。
ははははは!!
それすら当然に言うのが。
まさに正しいな!!
ならば、次の質問だぁ!!」
しかも大きく言った事にと、もう私は…
ただ土方さんを、見るしか…
「春香の産んだ己の子!!
そして愛してるからこそ!!
傷付けず、大切にして愛する事を。
それと同じで、春香の愛した者すら同じ事のみ。
春香の子供も同じ事のみ。
そんな春香を!!
絶対に信じるからこそ、だろ?
己の子も春香を、何だぞ?
ならば、春香の『愛する者』と同じ理由のみ。
もう本当なら重要だが、春香なら想像しろ?
長州の桂小五郎!!
春香は、その子供を、傷付けられるのか?
そして再度、言うぞ?
長州の桂小五郎もだぁ!!
春香は、傷付けられるのか?」
あの優しい桂さんを!?
私にすら桂さんは…
すぐ私は、想像した事で…
もう思ったまま大きく言う。
「また馬鹿言ってんじゃねぇぞ!?
あの桂さんだけ違う!!
逆に優し過ぎるって判るのにかぁ!!
んな事、私が出来る筈ねぇ!!
寧ろ傷すら私も許さねぇぞ、こらぁ!!
誰よりも皆の為と変わらねぇ!!
しかも私にまで…
ずっと最初からだったんだぞ!!
どんだけ優しいかぐれぇ充分、判ってんだぁ!!
そして間違った事も、しねぇ。
嘘すら言わねぇ。
桂さんが正しい上に一番だ!!
私も絶対に信じられるのにかぁ!!」
そこで土方さんは、少し驚いた顔にもなったが。
すぐ嬉しそうに笑うと…
「春香が、今だぁ!!
無自覚だろうが、言ったなぁ?
つまり、春香が、だぞ!?
『絶対に信じられる』と思う者。
『その者が春香を愛してる者』な筈。
もう単純過ぎる答え!!
まだ気付かねぇのかぁ?
春香は、ただ『確信』って部分のみ!!
そこが、判らないのみ。
そして春香の愛する者すら簡単な筈だろ?
更に言えば、その者が!!
既に春香を、もう『愛してる』って…
今すら言ってんだろうがぁ!!」
大きな土方の言葉で、私も自分自身が、だった。
言った事に信じられない感覚になる。
更に私は、困惑しながら、もう…
考えたままを。
「んん!?
今の私は…
言ってる!?
私も絶対に信じられると?
えっ、んん?
そりゃ、桂さんを、信じてるなら…
いや、待て、高杉さんの言葉は…
『絶対に信じられると確信もする』と?
『その確信も出来た相手』と?
他にも、そう…
言われた言葉を、どうにか…
私かぁ!?
もう全部、思い出せ?
高杉さんは…
『その者が春香を、愛してる者だ』と?
『そして必ず春香も、その者を愛する』と?
しかも武市さんは補足して…
『傷付る事もせず、私の為』と。
『安心させる為、己よりも私の為』と。
『全力でする者』と…」
言いながら私は…
武市さんの言った言葉が、すぐ浮かんだ。
『そして、春香さんが見つけ難い原因。
春香さんに、心配させない為。
春香さんを、困らせない為。
だから、その姿は見せず、動くのだ。』
つまり…
『常に春香さんの為のみ。
どんな事があっても動くのだよ。
そう、どんな状態でも、春香さんの為。
何があっても、春香さんの為。
全て春香さんの為にと、動くのだ。』
桂さんが!?
だから私の為と!!
だから愛する者と!!
あの場で言ってた言葉の全てが!?
『桂さん』の事を!?
私の中で判らない感覚が、広がる。
それでもと…
私は、桂さんの方を、向いた。
**************************
桂さんも少し驚いてた顔だったが。
すぐ私に気付いた様子で、少し笑うと…
「あぁ、私も言ってる筈。
春香を、私は、愛してるとだ。
そして今の春香は…
無自覚で言った様子だったが。
私の事を、一番と。
絶対に信じられると言ったが?
恐らく、春香も愛を、知らない。
知らないからこそ…
だから、いつも言葉だけを。
更に判らないのだろう?」
その言葉に私は、また何も言えない。
でも、これが…
愛してるって意味か?
私は、桂さんを。
どうしても私も首すら横に振るばかり。
駄目だろ!?
もし桂さんが…
例え嘘も言わなくても!!
いつか消えたら…
「そして春香?
私が、だろう?
消える事が、恐いと。
だからこそ、私と同じだろう?」
優しい口調で桂さんの声を、私も聞こえて見る。
普段と同じで優しい笑顔で近付いてくると…
私の頭を、少し撫でながらだった。
「恐いと思うのは、私も同じ事。
春香が、消える事が…
私には、とても恐いのだ。
そして、春香を私は愛してる。
もし同じならば、言葉も要らない。
私から離れないで欲しい。
私から去らないで欲しい。
私が、春香も必ず、守り抜くのみ。
もう私は、春香だけを。
恐がらせたくもないのだよ。」
桂さんの言葉にと…
どう私は、答える!?
「春香、既に俺も言った筈だぞ?
『自分自身の気持ちにも素直になれ』と。
そして『言葉じゃねぇんだ』ともなぁ?」
そんな時すら土方さんの声に、意味にも気付く。
だからこそ、そのまま私は、桂さんへ。
抱き付いて笑った。
「あははは!!
そうか、この判んねぇ感覚が?
愛してるってかよ!!
そうだなぁ!!
初めてだし?
言葉も判んねぇし?
あははははは!!
でも桂さんだけだぞぉ!!」
「は、春香!?
前にも、だろう!?
私も、言った筈で…
安易に、いや、違うか!?
しかも…
この場で、だと!?
ま、待ってくれ!!
春香ぁ!?
駄目だと…
いや、私なら、良い、のか?
だが、待て?
いや、やはり今は…
違うか!?
そう、この場だけは!?
そうだな、違う筈!?
だから…」
んん?
この場では…
桂さんの凄く慌てる声と同時。
人前でと言われた事も私は、思い出す。
一応、私も離れて桂さんを、見ると…
前と同じで桂さんは、僅かに離れて目を閉じた。
また首も横に振りながら、そのまま…
「やはり春香?
また私が、先に言うとしても、これは…
一応、私も春香だけを。
愛してる事も伝わった様子だから?
嬉しいのも判る。
だが、尚更、人前では!?
駄目なのだぞ?
いや、そこだけでは、判らない可能性も…
それでも今は、特に!?
土方君達すら居るだろう?
だとすると、また私か?
そう、危ないのだ…」
んん?
危ないだと!?
疑問に思いながら土方さんの方を、私も見ると…
三人共が、少し驚いたまま止まってたが。
意味も私は、考えて確認も兼ねて三人共へ。
僅かに目だけ変えて言う。
「土方さん達は…
つまり、三人共が、桂さんへ。
攻撃する危険もあるのか?
やはり幕府側と?」
三人共が、更に驚いた顔へ。
だが、土方さんだった。
「違うぞ、春香!?
俺達は、独立組織へ!!
嘘も言わねぇが。
そっちの危険じゃねぇってんだよ!!」
んん?
そっちの?
でも私には、判らないが。
三人共の目も見れば…
確かに嘘じゃねぇ上に…
だが、何を。
急に土方さんだけ目を閉じた。
また、そのままで…
「なるほどな、春香の場合。
夜も含め何も知らないと…
そう言う意味なら尚更。」
そう言ってから土方さんは、目を開けたが。
他の二人も僅かに微妙な顔で頷くと…
土方さんだけ少し笑いながらだった。
「春香?
夢でもなく消えないで欲しいならだ。
もう毎日、夜に!!
だぞぉ?
これからは、桂と一緒に布団へ。
そのまま後は、桂を!!
常に信じてるのみ。
それだけで充分だからな?
そして春香が、知らなくても桂が!!
既に知ってるから全く問題ねぇ…」
僅かに私も意味だけ察するが、内容のみ。
サッパリ判らない中。
「土方君!!
まさか!?
そっちで今度は、また!?
全て私が、と…
だが、今は、まだ!!
春香は…
具体的にすら何も知らないのだぞ!!
しかも毎日だと!?」
いきなり桂さんの大声に私も驚く。
すぐ見るが、なぜか桂さんは…
凄く驚いた顔で私も見たのに気付くと。
急に慌てる様子で…
「は、春香は、そう…
私も徐々にで、充分な上…
何も心配ないが、だがな?
私は…
晋作と同じで土方君の様に、だぞ!?
趣味で女遊びする程でもない。
だからこそ、春香が!!
とても大事なのだよ?」
もう私すら驚く内容を、桂さんが、だった。
言った意味にも気付いた時。
「小五郎!!
また俺まで、とばっちりだろうがぁ!!
これ以上、記録に付加されたら…
どうすんだよ!?」
「な、何を。
また俺へ!?
長州の桂小五郎!!
言った筈だ、やっぱ嫉妬深い男だな!?
だが、俺も趣味じゃねぇぞ!!」
高杉さんと、土方さんが、どちらも大きく言うのは…
私にも充分、聞こえてた上に…
桂さんが?
嫉妬深い!?
引っかかった部分を、言った土方さんへ。
私は向いてから疑問のみ。
「んん?
土方さん?
桂さんが、嫉妬と?
でも桂さんは、今まで…
んな事、私も見てねぇって言うより…
どうしてか記録だろうな。
史実以外、殆ど未来に残ってねぇし?
ずっと私も疑問だけど、土方さんは…
知ってるのかぁ?
つうか、土方さんも女遊び…
だったら記録とか残ってるっぽい?」
そう言っても土方さんすら微妙な顔へ。
何も言わず、首だけ横に振るのも私も見るが。
新撰組の史実以外だけを、思い出す為。
私も目を閉じた。
そのままで私も思い出しながら言う…
「えっと、そもそも、だろ?
名前だけ新撰組は、有名でも史実以外じゃ…
確か隊長数人とか副長、局長だけぐれぇ…
まぁ、僅かにあったかぁ?
流石に全員まで無理でも?
剣術に関してなら、やっぱ…
沖田総司、斎藤一!!
この二人は、真っ先に、だろ。
残った実力だろうなぁ。
沖田は猛者の剣、斎藤は無敵の剣!!
まぁ、私が、実際に見た事ねぇが…
確かに?
全部の実力まで見抜けねぇが、ヤベェだろ!?
隊長でも『永倉新八』かぁ?
『藤堂平助』も有名だが…
新撰組の中だと、三人には勝てねぇ筈。
だが、新撰組副長の土方歳三!!
やっぱ実力が、ダントツっぽい上に…
趣味は、確か…
『和歌』と、『俳諧』を、嗜むと?
どっちもオッサンっぽい印象しかない趣味だったが?
私には、サッパリ判んねぇし?
他にも良く判んねぇ記録もあったかぁ?
子供の頃は、裸のまま家の柱で相撲の稽古?
何じゃ、そりゃってなぁ。
マジで思ったから覚えてるが。
何で相撲してんだってぇの!!
後、そうだった。
通行人へ、鳥の卵を?
んな投げて遊ぶのは、止めろって!!
もう食料すら勿体ねぇだろうが!!
でも嘘も言わねぇ桂さんが?
女って言ったが…
んん!?
あれか!?
モテたって記録もあった上に多い!?
確か真っ先に年上女性と秘密でか!!
付き合ってるだとぉ?
しかも17歳で、子供まで?
妊娠させておいて…
結局、金で、別れたのみ!?
んで、お琴さんは、放置して!!
更に遊女と散々、今すら京都なら尚更…」
もう私は高杉さん以上、土方さんへ。
思い出して怒りも湧き上がる。
だから目を開けた。
すぐ土方さんを、睨みながら私も見ると…
明らかに動揺してるのも判った。
「土方さんの方が!!
もう完全に女遊びどころじゃねぇだろうがぁ!!
しかも高杉さんより最低だろ!!
高杉さんは、一応、結婚相手との子供だし?
一人と明確な不倫だが。
土方さんは、女に子供を。
しかも金だけで縁すら切ってかぁ!!
他にも、どんだけ女遊びしてんだぁ!!」
「まさか…
奉公先に居た女の!?
そんな記録までだとぉ!?
待て、春香!!
俺も説得したが、家族すら全員反対で…
しかも俺は、金だけじゃねぇぞ!!
相手先の家族も含めて一応…」
完全に焦り出した土方さんも私は、冷静に見る。
もう大きな溜息すら出た。
「この時代でもマジで…
この国は最低だよなぁ…
そもそも遊女?
生活苦で、しゃあねぇと?
女だったら売り買いしてる時点で最低だ!!
にも関わらず…
結局、その場での、一夜の、お遊び程度!?
んで終わらせる最低のクズばっか、なのかぁ?
まさか土方さんまで…
他の女にも子供を!!
だろうがぁ!!」
最後だけを、強調して言うと…
もう土方さんは驚いてだった。
「まさか君菊の…
だが、あれすら金だけでもねぇ上に!?
どうにか薬や、他も!!
放置だけは、してねぇぞ!!
まして、お琴へ、俺だって常に文も。」
まさに高杉さんとも似た反応も見て…
私自身で、もう決定的だと、判断して目を閉じた。
そして私の出した答えを、そのまま言う。
「いくら剣術だの強くても…
また完全に決まったなぁ…
土方さんの場合、追記する事!!
女癖が悪い男!!
私の中では、常に残るのみ。」
「何ぃ!!
待った、春香、ちょっ!!
違うぞ、常に俺も責任すら取るのにか!!
俺の場合、女癖が、悪いだと!?
せめて違う事もある筈!!
にも関わらず、そっちだけ…」
違う事だぁ?
散々、女遊び以上して…
「またかぁ!!
せめて、だと?
つまり、結局、物事よりも常に!!
女すら見下してんじゃねぇかぁ!!」
また怒りで、私も目を開けて土方さんへ。
大きく怒鳴って更にと…
「ただの欲求不満でかぁ?
んで女遊びでもしてんのかよ!!
もう女癖どころじゃねぇだろうがぁ!!
更に追記だぁ!!
新撰組副長の土方歳三!!
淫行で女癖の悪い男!!」
「淫行と!?
な、何だと、違うぞ!?
春香、待て、俺すら絶対、嫌だからな!!」
すぐ私も室内で素早く行動する中…
真っ先にと、床の間に置かれてある花と置物を。
土方さんへ、投げ付ける。
「ま、春香!?
しかも俺だけ狙ってるだろ!!
話も聞いて…」
土方さんも簡単に避けるのも私には、判る。
だから最近、持ち歩いてる遊び道具の手よりゴマを。
野球と似たカーブの変化球として数個を。
同じ要領でと土方さんへだが、わざと逸らして高杉さんへ。
投げ付ける。
「な、俺まで!?
ん、おぉ!?
曲がったぞ?
スゲェな、春香は…」
「な、これは、回転でか!?
また狙いすら俺のみだろ!!
だから待て、春香!?」
避ける間にと落ちた手よりゴマも拾いながら…
ただ私は、無言で動くのみ。
既に全員が、驚いてる顔も見たが。
全て避ける様子も分析した。
それから私も土方さん以外の全員へ。
四人同時へ、変化もさせて手よりゴマを。
投げ付けると、全員も僅かに反応したが。
「春香さん?
俺まで!?
あ、土方さんですね…」
「これも…
やはり土方さんのみ?
凄い技です。」
沖田さんと、斎藤さんが、冷静に感想を。
「は、春香!?
また俺もじゃ…
って曲がったが、土方だな。
計算してたらスゲェな、おい!!」
「春香、少し落ち着き…
これも確かに…
全て土方君のみ。
取り敢えず、春香!?
落ち着いてくれ…」
高杉さんが、笑いながら感想を。
桂さんが、複雑な顔で感想を。
ターゲットの土方さんも、冷静に刀の鞘で素早く弾いたが。
「全部、やっぱ俺のみ!?
全て春香が、変化させたのかぁ!!
確かにスゲェが、まず落ち着いてくれ?
そ、それに…
俺達の新たな新撰組!!
独立組織の決まりもある!!」
んん?
決まりだぁ!?
床に落ちた手よりゴマも持ったまま少し私も土方さんを。
見てると持ってた刀を部屋の隅へ、投げ捨てた。
「俺達は、先に武力放棄するのみ!!
全てが、自己防衛のみ。
相手から、やられた時のみ。
相手は、自業自得のみ。
俺達は、防衛のみ。
それ以外、全ての武力放棄を。
俺が、出した答えだぁ!!」
その内容に私は、本当に驚いた。
先に…
武力放棄しただと!?
自己防衛のみ!?
だから刀を。
すぐ理解して私も持ってた手よりゴマを。
土方さんが、投げ捨てた刀の方へ。
一体、どうなってんだぁ!?
でも…
少し笑いながら私も言う。
「正解だぁ!!
高杉さんと桂さんは、驚くだけだったが。
土方さんは…
あははははは!!
スゲェ新撰組の副長としての男かぁ?
それとも、ただの女癖すら悪い男か?
どっちだっつうの!!
あははははは!!
まさか江戸時代で、防衛のみ!?
その選択まで…
なかなか出来ねぇ筈だが。
大久保さんも、そうな?
どっちか判んねぇし?
んで土方さんもかよ!!」
すぐ桂さんが、動いたのも察した。
軽く私を、抱き寄せると笑いながら…
「もう歴史が、変わってる証拠だろう?
春香だけを、私は愛してる。
そして春香の為だけに…
これからも常に私が、最善を。
それに、もう土方君の事も、だろうな?
もし春香ならば土方君を。
恋愛対象に思えるか?」
「それだけは、絶対ねぇ!!」
桂さんの質問へ、私は、速攻で大きく答えた。
だが、桂さんは、頷きながら凄く嬉しそうに…
「なるほど。
春香?
もう充分過ぎる程。
また私には、清々しい返答だよ。
土方君は、もう無理だろうな。
そして私が、春香の側に居るから大丈夫だ。」
んん?
また清々しいだぁ?
何のこった?
そこで桂さんが、軽く抱き締めてきた事で…
声しか聞こえなかったが。
「チッ。
また俺へ、当て付けか!?
やっぱ嫉妬深いだろ?
長州の桂小五郎?
だが、それより疑問も言うかぁ?
一体、誰だってんだよ!!
下らねぇ俺の記録まで残した奴!!」
土方さんの叫んだ事は、私も納得した。
確かになぁ…
土方さんに限らねぇが。
あんだけ多いんだぞぉ!?
未来ではバレてるって…
結局、一体…
一応、考えてると急に…
「あはははは!!
土方さんが?
もう俺は…
斎藤さん?
あの土方さんが!!
完全に春香さんには…
でしょう?
話した通りで、俺は…
笑いも耐えられない!!
あはははははっ!!」
沖田さんが、爆笑したのも判る。
更に斉藤さんまでだった。
「沖田、確かに…
もう俺すら耐えられない。
はははは…
最初は、俺も焦りましたが。
その対処すら見てた上に…
やはり春香さんには…
桂小五郎のみ。
そして正しい筈。
しかも、あんな土方さんを。
俺は…
はははは…
初めて見ました。」
「総司と斉藤まで、笑ってる場合か!!
俺は、絶対!!
あんなの認めねぇぞ!?」
いや、土方さん?
スゲェのか、ただの女好きかも?
大久保さんと同じかぁ?
全く判んねぇぞ!!
**************************
その後。
新撰組の三人も少し話し合いもしてから藩邸から去った。
でも私の中に残る判らない感覚が、だった。
もし愛だとしても…
もし夢だとしても…
どちらにしても既に歴史が、変わってるなら尚更。
判らないだけになった。
だから夜、いつも桂さんと一緒だが。
不安になる時、私から桂さんへ、擦り寄ると…
その時だけ、桂さんもだった。
私の事も抱き締め返して一緒に、布団の中へ。
寝付くまで居てくれる様になった。
具体的にも判らないが。
桂さんなら信じられる事も大きかった。
初めて私が、思った事は、一つ。
二人だと布団の中すら、もっと温かいんだなぁ…
それでも常に桂さんは、何も変わらず。
徐々に、二人で寝る事も増えたのもあるが。
常に桂さんは、やっぱり優しいまま…
そして徐々に私は、桂さんにならと。
触れられる事も全てが、何も恐くなかった。
逆に、いつも私が、安心すら出来る事もあって…
いつも先にと眠るばかりだった。
朝食後の薬も飲んでから少し休憩中。
変な鐘も聞いた。
確か時間の為ってかぁ?
分すら判んねぇ鐘かよ!?
そう思ってると桂さんの気配に察した。
視線だけ私も向けると、なぜか…
複雑な顔もしながらだった。
「春香、今日は来客もあるが。
既に春香の知ってる者で…
一応、春香にと、会いたいそうだ。」
んん?
私の知ってる者だぁ?
しかも会いたいと?
不思議に思いながら私も一応、考えるが。
「そりゃ、坂本さん達かぁ?
知り合いって…
んな私には、居ねぇ筈だし?
んでも判んねぇが、桂さんまで?
どった、変な顔だがなぁ?」
「まぁ…
春香も会えば、多分?
判る筈だが、体調も大丈夫ならば…
このまま一緒に客間へ。
晋作も一緒だよ。」
そう言う桂さんは、やっぱ複雑な顔のまま…
更に私は、不思議でしかない。
余計、考えるが。
一応、体調も…
まぁ、大丈夫だがなぁ?
高杉さんも?
一緒でと?
すぐ私も察するが。
高杉さんも立ち上がって笑うと…
「よし!!
小五郎は、来客の方な。
春香もだが、俺も行くぞぉ!!
もう俺は、反応だけでも楽しみか?
あははははっ!!」
何じゃ、また?
確かに?
めっちゃ笑ってんが。
でも桂さんの判断なら…
一応、私も頷くのみ。
それから二人共と客間へ。
移動して入ると…
「この部屋に連れて来るから…
少しだけ春香も、そのまま待って欲しい。」
そう言ってから桂さんは、また部屋から出た。
私も素直に待ってると、すぐだった。
襖も開いて桂さんの後ろを、見た瞬間。
もう私は、完全に驚く。
「えぇ!!
な、んん?
いや、えぇ!?
か、桂さん!?
後ろに居るが。
ヤバいだろ!?
しかも、どうして…」
「おぅ、春香!!
久々だが、一応、薬も飲んでる様子だなぁ?
顔色も悪くねぇし?
飯も、ようやくかぁ?」
少し笑いながら言ってきたが。
もう私は、それどころじゃない。
「ちょっ、待てぇい!?
何だって!?
土方さんが!?
長州の…
いや、んん!?」
「春香さん、俺も居ますよ?
元気そうで良かった。
でも…
あはははははっ!!
凄く驚いた反応が…
また判り易い…」
すぐ私は、入ってきた沖田さんにも、だった。
更に、もう一人の男性が、居たのに私も気付くが。
でも知らない人は、関係ない。
「ちょい待てぇ!!
何だって新撰組の土方さんと?
沖田さんが!?
しかも桂さんと一緒!?
いや、高杉さんも居るし?
おかしいだろ!?
だって幕府側だろ?
んん!?」
もう私には、サッパリ判らない。
でも、すぐ察して警戒度を、一気に上げた。
そう…
二人と一緒に入ってきた知らない男性が、だった。
明らかに男性が、僅か動いた事に…
だから他すら一切、私も見ないまま…
知らない男性のみを、警戒度だけを、更に上げる。
全員、察した様子も気付く。
だが、土方さんだった。
僅かに腕だけを、私も見逃さず、動かしたのも見た。
それだけで、知らない男も止まった上に…
土方さんと沖田さんの間へ。
無言のまま、私も見てると…
「貴方が…
春香さんですか。
土方さんから聞いてました。
俺の名は、『斎藤一』です。
警戒度も下げて貰えませんか?」
少し笑って言ってきたが。
まさか!!
あの『斎藤一』かよ!?
有名だが?
一応、私は、警戒度も下げながら見ると…
武市さんとも目が…
ありゃ、違うのもあるが?
でも新撰組の!?
もう私すら動揺しながらしか…
「何だとぉ!?
マジでか!?
あの斎藤一かよ!?
いや、写真も知らねぇが。
私も名前ぐれぇ、知ってるぞ!?
んん!?
めっちゃ強いらしい人だろ、おい!?
こりゃ、ヤベェ!?
いや、でも…
土方さんよりマシっぽい?
すぐ名乗るし?
しかも目が、そうな?
既に沖田さんと同じだろ!?
普通に話ぐらい出来そうな雰囲気だが?」
驚きながら納得する感覚で言うと。
すぐ土方さんが、だった。
「ちょっと待てぇ、春香!!
また俺の最初と比較しやがったのかぁ!?
斎藤には、俺が!!
言ったからだぞ!?
全く、相変わらずだな!!
変わらねぇ上に…
判り易いから余計にだが。」
聞いてから私も考えるが。
「そりゃ、土方さんぐれぇ…
あっ、でも!?」
そこで私は、大久保さんも思い出して笑う。
「確かに土方さんは、マシだった!!
この時代だとなぁ?
今まで土方さんが、第一印象スゲェ悪かったが。
もっと横柄で、スゲェ我儘!!
しかも器が、まぁ?
大きいんだか、小さいんだかも判んねぇ。
薩摩の大久保さん!!
スゲェ最悪な印象どころじゃねぇな!!
最初に怒鳴っても変わらねぇ上にかぁ?
ずっと横柄で、傲慢そうな態度!!
それすら最後の最後まで?
私の中にある大久保利通!!
まさに印象と記録通り。
今でも変わってねぇよ!!」
言った瞬間。
土方さんも、沖田さん、斎藤さんもだった。
凄く驚いた顔へ。
高杉さんだけ笑ってるのも私は、見るが。
桂さんは、微妙な顔のまま…
そんな中で土方さんは、急に首を。
横に振ってから私も見て…
「春香に一つ、疑問だが。
薩摩の大久保利通へか?
印象と記録通りだと?
会ってないからこそ記録のみ。
だとしても…
その印象は、何だ?」
んん?
会ってないからと?
そりゃ、確かに…
納得もした私は、目を閉じた。
「土方さんの言う通り、疑問だよなぁ?
良いかぁ?
大久保さんにも言ったが。
まんま言うぞぉ?
子供の頃は好き勝手な我儘放題!!
更に漬物程度で不機嫌になる!!
茶すら煩い、めっちゃ我儘な印象!!
まだ薩摩なら西郷隆盛の方が好印象だ!!
まさに記録通り。
今すら納得したままだぁ!!」
言ってから私は、目を開けた。
土方さんは、驚いた顔もしたが。
急に笑い出した。
「くっ、ははははは!!
それを、あの大久保へ?
春香は?
直接、言ったのか!?
ははははは…
そりゃ、やっぱスゲェぞ!!
どんだけ…
しかも判ってねぇ…
今すらもかよ!?
くっ…
やっぱ、とんでもねぇ事してやがる!!
ははは…
耐えられねぇ…
どうせ高杉晋作の時も、同じで?
記録通りと、それで…」
んん?
記録通りだと高杉さんもだったかぁ?
その言葉で、私も複雑な気分で高杉さんを。
見ると察した様子で、驚くのも判るが。
思い出すからこそ…
私は、微妙な気分のまま…
笑ってる土方さんへ。
「あぁ、土方さんからすりゃ…
確かに知らねぇでも全く関係ねぇがなぁ?
そう、あの高杉さんは!!
スゲェ私は、違う意味で?
とんでもねぇ不倫男だったし?
ある意味、もう女の敵だろ!!」
「待ってくれぇ、春香!?
女の敵だと!?
更に俺の記録へ?
付加されてるのか!?
だから春香にもだぁ!!
弁解の機会も俺は、頼んだろぉ!?」
すぐ高杉さんの声も聞いたが、私は…
そのままスルーした。
一応、無言で頷くのみ。
そこで桂さんが、私にと近付くのも察した。
複雑な顔にも判る。
でも同じ様に頷きながら…
「まぁ、春香?
既に晋作は、どうでも良いか…
今日は、土方君達が、だろう。
幕府から独立組織になると…
もう春香の知ってる歴史とも違うのだよ。
一応、徐々に、だが…」
更に言った桂さんの言葉に私は、また…
信じられない感覚しかなかった。
んだと!?
幕府から独立だぁ!?
しかも歴史と違うって意味でかよ!?
すぐ土方さんも私が、見ると…
少しだけ笑った。
「春香が、言ったんだぞ。
俺達、新撰組を、幕府の利用だぁ?
そんな事、俺すら許さねぇよ。
だからこそ、俺は、仲間の為。
つまり、どこにも属さねぇってなぁ?
最初だけ面倒だが、俺が!!
皆の分もって言った筈。
尚更、俺が、だろ?
仲間も守りながらだ!!」
言った事にと私も考えるが。
判らないのもあって、そのまま言う。
「いや、ちっと待ったぁ!!
土方さん?
一応、独立の意味かぁ?
そりゃ、判るとしても…
んな簡単じゃねぇだろ!?
まして、あれだろ?
土方さんが、副長だし?
確か…
えっと、『近藤勇』だったかぁ!?
悪りぃが、まんま言うぞぉ?
めっちゃ馬鹿する筈!!
つうか、何だって土方さんが!?
副長だってぇの!!
そっちの方が、私にはサッパリだぞ!?」
言えば、土方さんだけでもなかった。
沖田さんと斎藤さんまで、同じ様に凄く驚いた顔へ。
だが、沖田さんだった。
「は、春香さん?
近藤さんも、知ってると?
今も説得中で…
既に足止め程度は、出来てますが…」
んん?
足止めって…
何じゃ、そりゃ!?
不思議に思いながら私も沖田さんへ。
「いや、沖田さんもかぁ!?
んな事してる場合かよ!!
もう早くしねぇと、幕府だって…」
そこで私も失言に気付いた。
すぐ、また私も自分の口を、両手で塞いだが。
複雑な顔で土方さんが、また…
「なるほど、春香?
つまり、既に幕府が、だな?
もう動こうと。
準備すらしてるって意味だろう?」
そのまま私は、目を閉じる。
でも初めて斎藤さんが…
「ははは…
本当に、春香さんは、土方さんと。
沖田から聞いてた通りですね。
もう俺すら、こんなに?
判り易い上に…
ははは…
素直ですね。
嘘すら言わない理由で、でしょう?
そして俺も嘘は、嫌いです。」
斎藤さんも!?
嘘が、嫌いだと!!
驚いて私も目を開けた。
斎藤さんを見れば…
少し笑ってるのも気付く。
だが、そのままでと…
「騙してくる幕府にも属さない為。
春香さんが、笑う様な未来の為。
動きたいのですよ。」
幕府にも属さない理由も…
しかも未来の為とかぁ!!
斎藤さんも見れば、少し笑ってる様子だった。
だが、確か斎藤さんは…
そこで私は、史実も少し思い出す。
この三人で、唯一の生き残りへ?
やっぱ…
どうしても私は、我慢も出来ず、手を。
そして…
「斎藤さんも同じ理由かぁ!?
んな未来の為じゃねぇだろうがぁ!!
ふざけんじゃねぇ!!
土方さんも、桂さんも、他の全てが?
結局、皆が!!
同じ理由なのに…
どうしてだぁ!!
どうして同じ理由で殺し合うんだぁ!!
何が、国の為だぁ!?
何が、未来の為だぁ!!
んな事よりも今、だろうがぁ!!」
「春香!?
落ち着くんだ!!」
すぐ桂さんの声に気付くが。
僅かに察して私も距離を。
更に全員の驚く顔も見てから続ける。
「この場に居る全員が!!
同じ理由でも纏まらねぇくせに…
こんな国の、何が、どう良くなるか!?
どう変わるって言えんだぁ!!
んな具体的な策も、ねぇぐれぇなら…
せめて今を!!
力もあるなら大切な人だけを!!
どうして守る為、使わない!?
どうして武器を、人へ向ける!?
どうして簡単に、命すら奪う!?
根本的に間違ってんのにかぁ!!
そんな国の意味すら判んねぇ理由ばっか。
何もねぇ人は…
死に続けるだけなのにかぁ!!」
もう私は、未来を、更に先にある事を。
目を閉じて思い出す。
「良い加減にしやがれぇ!!
この国に限らねぇと私も言ったぞ!?
平和すら壊すのも常に繰り返すばかり。
もし、この国が!?
僅かに良くなっても他国が!!
そんな他国すら同じ欲のみ!!
全て欲で壊すのは、この国に限らねぇんだぞ!?
私の居た未来だったら…
この世界すら壊すのにかぁ!?
私の居た場所には、何も、ねぇぞ?
大地の土も、ねぇ!!
空すら青くも、ねぇ!!
当たり前な自然すら保護だと?
気分次第で簡単に欲ばかり。
全てが、機械と人工物しか、ねぇ!!
もう全てが、欲しかな…」
「春香ぁ!!
そんな未来へ、しない為だぁ!!
だからこその今だぁ!!」
桂さんの大声に私は、目を開けると。
複雑な顔で、判らない。
そんな桂さんが、素早く私も抱き寄せると…
「既に私も春香へ。
言った筈だろう?
私は、春香だけを!!
愛してるのだと!!
そして生きる意味すら簡単な事。
大切な者が、愛する者が。
つまり、愛する春香が!!
笑う為、望む為、だからこそ今だ!!
それが、未来の為!!
安心して笑って暮らせる未来の為のみ!!」
私を!?
愛してるから…
未来の為!?
だから桂さんが、今を!?
私には、どうしても言葉が、また浮かばない。
そこで少し桂さんも笑うと…
「そして春香に、これも私は、言った事だよ?
優しい思いだけは、欲でもないと。
私の思いも、願いも、祈りも、全て春香のみと。
愛してる春香が、望んでない未来へ。
絶対に私が、しない。」
んなの私は…
どうすりゃ…
やっぱ、それは…
**************************
何も言わないまま私が、目を閉じた時。
「なるほどな…
現状も判ったが、なら春香ぁ!!
俺も嘘は、一切、春香へ。
言わねぇと断言するのみ。
そして俺の質問にと、答えればだぁ!!
全ての答えまで、春香も判るぞ!?」
土方さんの大きな声に驚いた。
質問だと!?
嘘も言わねぇで…
そして答えれば!?
私も判るって…
すぐ目を開けて土方さんの方へ。
そして見ると少し笑ってるのも判った。
視線も含めて明らかに、私だけへ。
「ならば俺から春香のみ。
準備も良いなぁ?
春香へ、最初の質問だ!!
春香の生きる目的!!
忘れてねぇだろうなぁ?」
んん?
そりゃ、だって…
不思議に思いながら私も答える。
「いや、忘れてねぇよ?
んなの最初に言ったのも土方さんだろ?
『それは愛する者を探す事のみ』って…
『愛する者を探す為、生きて足掻け』と。
『その中に必ず幸福がある』と。
だから私も…
足掻いて探すって言った筈だが?」
土方さんは、なぜか目を閉じた。
そのまま私も見てると…
「そうだ、春香ぁ!!
勿論、俺も足掻くのみ。
春香の目的、今すら変わってねぇ筈!!
その時に俺も言った筈。
春香の事を、思うからこそ…
つまり愛するからこそ!!
決して春香を、傷付ける事すら一切しねぇと。」
大きく土方さんも言ってくる事も私は、考えながら…
確かに、そうな?
土方さんも?
言ってた事だな?
目を閉じたまま土方さんは…
「ならば、春香へ、次だぁ!!
俺からも判る事の補足すっと?
春香の場合!!
絶対に信じられると思う相手のみ!!
それが、『愛する者』の筈!!
まして信じられねぇ相手?
そんなの普通、愛せる筈もねぇ…
当然だろ?
それも春香は、判ってるのかぁ?」
んん!?
それは、高杉さんが!?
言った事だろ!!
んでも質問だし?
そりゃ、言われちまえばだが。
信じられねぇ相手を?
「そうだな。
土方さんの言う通り普通だろ?
愛せる筈ねぇ…
一応、判るが?
高杉さんも同じ事を、言ってたぞ?
まんま言えば…
『絶対に信じられると確信もする』と。
『その確信も出来た相手』だと?
『その者が春香を愛してる者』って…
確かに…」
納得しながら私も答るが、すぐだった。
土方さんは、目を開けるのも見てたが。
少し嬉しそうに笑った。
「ははははは!!
なるほど?
これは、高杉から春香へ。
既に言われてんのかよ!?
どんだけ気付かねぇんだぁ?
ははははは!!
もう俺すら笑うぞ!!
だが、次からが、更に本題!!
だから春香も良く考えろよ?
次の質問だが…
今の春香は、愛する者が、だろ?
判らねぇと、言うならだ。
すっ飛ばすが、愛した者と春香の子供!!
もし春香が、だぞ?
再度、言うが、春香も良く考えろよぉ?
愛する者の子を、春香が!!
産んだと想像しろ?
その子供へ。
春香は、どうするんだぁ?」
何だとぉ!!
もう私は、とにかく驚くが。
どうにか土方さんの言った事を。
いきなり子供を!?
えっと、いや、待て?
良く考えろって私が、だろ?
つまり、愛する者との子供?
私が、産んだ子供?
そして愛する者の子供!?
必死に私も考える中。
「その子供に春香は…
傷付けて泣かすのかぁ?」
複雑な顔で土方さんの言った事に私は…
「ふざけんじゃねぇ!!
んなクズ共と私を!?
一緒にすんじゃねぇぞぉ!!
どんな子供だって関係ねぇだろうがぁ!!
何も悪くねぇのに泣かすだと?
痛いから泣くだけじゃねぇんだ!!
判んねぇからこそ、泣くだけの子供へ。
だったら逆だろうがぁ!!
安心すりゃ泣かねぇ!!
大切にすりゃ泣かねぇ!!
そうしてりゃ、笑うだけだろうがぁ!!」
咄嗟に土方さんへ、怒鳴り付ける。
だが、土方さんは、すぐ笑い出した。
「はははははは!!
スゲェな、おい!!
充分、判ってんじゃねぇかよ!!
そうだぞ!!
春香ぁ!!
そんなクズ共と全く違うだろ?
春香なら産んだ己の子も愛せる筈。
ははははは!!
それすら当然に言うのが。
まさに正しいな!!
ならば、次の質問だぁ!!」
しかも大きく言った事にと、もう私は…
ただ土方さんを、見るしか…
「春香の産んだ己の子!!
そして愛してるからこそ!!
傷付けず、大切にして愛する事を。
それと同じで、春香の愛した者すら同じ事のみ。
春香の子供も同じ事のみ。
そんな春香を!!
絶対に信じるからこそ、だろ?
己の子も春香を、何だぞ?
ならば、春香の『愛する者』と同じ理由のみ。
もう本当なら重要だが、春香なら想像しろ?
長州の桂小五郎!!
春香は、その子供を、傷付けられるのか?
そして再度、言うぞ?
長州の桂小五郎もだぁ!!
春香は、傷付けられるのか?」
あの優しい桂さんを!?
私にすら桂さんは…
すぐ私は、想像した事で…
もう思ったまま大きく言う。
「また馬鹿言ってんじゃねぇぞ!?
あの桂さんだけ違う!!
逆に優し過ぎるって判るのにかぁ!!
んな事、私が出来る筈ねぇ!!
寧ろ傷すら私も許さねぇぞ、こらぁ!!
誰よりも皆の為と変わらねぇ!!
しかも私にまで…
ずっと最初からだったんだぞ!!
どんだけ優しいかぐれぇ充分、判ってんだぁ!!
そして間違った事も、しねぇ。
嘘すら言わねぇ。
桂さんが正しい上に一番だ!!
私も絶対に信じられるのにかぁ!!」
そこで土方さんは、少し驚いた顔にもなったが。
すぐ嬉しそうに笑うと…
「春香が、今だぁ!!
無自覚だろうが、言ったなぁ?
つまり、春香が、だぞ!?
『絶対に信じられる』と思う者。
『その者が春香を愛してる者』な筈。
もう単純過ぎる答え!!
まだ気付かねぇのかぁ?
春香は、ただ『確信』って部分のみ!!
そこが、判らないのみ。
そして春香の愛する者すら簡単な筈だろ?
更に言えば、その者が!!
既に春香を、もう『愛してる』って…
今すら言ってんだろうがぁ!!」
大きな土方の言葉で、私も自分自身が、だった。
言った事に信じられない感覚になる。
更に私は、困惑しながら、もう…
考えたままを。
「んん!?
今の私は…
言ってる!?
私も絶対に信じられると?
えっ、んん?
そりゃ、桂さんを、信じてるなら…
いや、待て、高杉さんの言葉は…
『絶対に信じられると確信もする』と?
『その確信も出来た相手』と?
他にも、そう…
言われた言葉を、どうにか…
私かぁ!?
もう全部、思い出せ?
高杉さんは…
『その者が春香を、愛してる者だ』と?
『そして必ず春香も、その者を愛する』と?
しかも武市さんは補足して…
『傷付る事もせず、私の為』と。
『安心させる為、己よりも私の為』と。
『全力でする者』と…」
言いながら私は…
武市さんの言った言葉が、すぐ浮かんだ。
『そして、春香さんが見つけ難い原因。
春香さんに、心配させない為。
春香さんを、困らせない為。
だから、その姿は見せず、動くのだ。』
つまり…
『常に春香さんの為のみ。
どんな事があっても動くのだよ。
そう、どんな状態でも、春香さんの為。
何があっても、春香さんの為。
全て春香さんの為にと、動くのだ。』
桂さんが!?
だから私の為と!!
だから愛する者と!!
あの場で言ってた言葉の全てが!?
『桂さん』の事を!?
私の中で判らない感覚が、広がる。
それでもと…
私は、桂さんの方を、向いた。
**************************
桂さんも少し驚いてた顔だったが。
すぐ私に気付いた様子で、少し笑うと…
「あぁ、私も言ってる筈。
春香を、私は、愛してるとだ。
そして今の春香は…
無自覚で言った様子だったが。
私の事を、一番と。
絶対に信じられると言ったが?
恐らく、春香も愛を、知らない。
知らないからこそ…
だから、いつも言葉だけを。
更に判らないのだろう?」
その言葉に私は、また何も言えない。
でも、これが…
愛してるって意味か?
私は、桂さんを。
どうしても私も首すら横に振るばかり。
駄目だろ!?
もし桂さんが…
例え嘘も言わなくても!!
いつか消えたら…
「そして春香?
私が、だろう?
消える事が、恐いと。
だからこそ、私と同じだろう?」
優しい口調で桂さんの声を、私も聞こえて見る。
普段と同じで優しい笑顔で近付いてくると…
私の頭を、少し撫でながらだった。
「恐いと思うのは、私も同じ事。
春香が、消える事が…
私には、とても恐いのだ。
そして、春香を私は愛してる。
もし同じならば、言葉も要らない。
私から離れないで欲しい。
私から去らないで欲しい。
私が、春香も必ず、守り抜くのみ。
もう私は、春香だけを。
恐がらせたくもないのだよ。」
桂さんの言葉にと…
どう私は、答える!?
「春香、既に俺も言った筈だぞ?
『自分自身の気持ちにも素直になれ』と。
そして『言葉じゃねぇんだ』ともなぁ?」
そんな時すら土方さんの声に、意味にも気付く。
だからこそ、そのまま私は、桂さんへ。
抱き付いて笑った。
「あははは!!
そうか、この判んねぇ感覚が?
愛してるってかよ!!
そうだなぁ!!
初めてだし?
言葉も判んねぇし?
あははははは!!
でも桂さんだけだぞぉ!!」
「は、春香!?
前にも、だろう!?
私も、言った筈で…
安易に、いや、違うか!?
しかも…
この場で、だと!?
ま、待ってくれ!!
春香ぁ!?
駄目だと…
いや、私なら、良い、のか?
だが、待て?
いや、やはり今は…
違うか!?
そう、この場だけは!?
そうだな、違う筈!?
だから…」
んん?
この場では…
桂さんの凄く慌てる声と同時。
人前でと言われた事も私は、思い出す。
一応、私も離れて桂さんを、見ると…
前と同じで桂さんは、僅かに離れて目を閉じた。
また首も横に振りながら、そのまま…
「やはり春香?
また私が、先に言うとしても、これは…
一応、私も春香だけを。
愛してる事も伝わった様子だから?
嬉しいのも判る。
だが、尚更、人前では!?
駄目なのだぞ?
いや、そこだけでは、判らない可能性も…
それでも今は、特に!?
土方君達すら居るだろう?
だとすると、また私か?
そう、危ないのだ…」
んん?
危ないだと!?
疑問に思いながら土方さんの方を、私も見ると…
三人共が、少し驚いたまま止まってたが。
意味も私は、考えて確認も兼ねて三人共へ。
僅かに目だけ変えて言う。
「土方さん達は…
つまり、三人共が、桂さんへ。
攻撃する危険もあるのか?
やはり幕府側と?」
三人共が、更に驚いた顔へ。
だが、土方さんだった。
「違うぞ、春香!?
俺達は、独立組織へ!!
嘘も言わねぇが。
そっちの危険じゃねぇってんだよ!!」
んん?
そっちの?
でも私には、判らないが。
三人共の目も見れば…
確かに嘘じゃねぇ上に…
だが、何を。
急に土方さんだけ目を閉じた。
また、そのままで…
「なるほどな、春香の場合。
夜も含め何も知らないと…
そう言う意味なら尚更。」
そう言ってから土方さんは、目を開けたが。
他の二人も僅かに微妙な顔で頷くと…
土方さんだけ少し笑いながらだった。
「春香?
夢でもなく消えないで欲しいならだ。
もう毎日、夜に!!
だぞぉ?
これからは、桂と一緒に布団へ。
そのまま後は、桂を!!
常に信じてるのみ。
それだけで充分だからな?
そして春香が、知らなくても桂が!!
既に知ってるから全く問題ねぇ…」
僅かに私も意味だけ察するが、内容のみ。
サッパリ判らない中。
「土方君!!
まさか!?
そっちで今度は、また!?
全て私が、と…
だが、今は、まだ!!
春香は…
具体的にすら何も知らないのだぞ!!
しかも毎日だと!?」
いきなり桂さんの大声に私も驚く。
すぐ見るが、なぜか桂さんは…
凄く驚いた顔で私も見たのに気付くと。
急に慌てる様子で…
「は、春香は、そう…
私も徐々にで、充分な上…
何も心配ないが、だがな?
私は…
晋作と同じで土方君の様に、だぞ!?
趣味で女遊びする程でもない。
だからこそ、春香が!!
とても大事なのだよ?」
もう私すら驚く内容を、桂さんが、だった。
言った意味にも気付いた時。
「小五郎!!
また俺まで、とばっちりだろうがぁ!!
これ以上、記録に付加されたら…
どうすんだよ!?」
「な、何を。
また俺へ!?
長州の桂小五郎!!
言った筈だ、やっぱ嫉妬深い男だな!?
だが、俺も趣味じゃねぇぞ!!」
高杉さんと、土方さんが、どちらも大きく言うのは…
私にも充分、聞こえてた上に…
桂さんが?
嫉妬深い!?
引っかかった部分を、言った土方さんへ。
私は向いてから疑問のみ。
「んん?
土方さん?
桂さんが、嫉妬と?
でも桂さんは、今まで…
んな事、私も見てねぇって言うより…
どうしてか記録だろうな。
史実以外、殆ど未来に残ってねぇし?
ずっと私も疑問だけど、土方さんは…
知ってるのかぁ?
つうか、土方さんも女遊び…
だったら記録とか残ってるっぽい?」
そう言っても土方さんすら微妙な顔へ。
何も言わず、首だけ横に振るのも私も見るが。
新撰組の史実以外だけを、思い出す為。
私も目を閉じた。
そのままで私も思い出しながら言う…
「えっと、そもそも、だろ?
名前だけ新撰組は、有名でも史実以外じゃ…
確か隊長数人とか副長、局長だけぐれぇ…
まぁ、僅かにあったかぁ?
流石に全員まで無理でも?
剣術に関してなら、やっぱ…
沖田総司、斎藤一!!
この二人は、真っ先に、だろ。
残った実力だろうなぁ。
沖田は猛者の剣、斎藤は無敵の剣!!
まぁ、私が、実際に見た事ねぇが…
確かに?
全部の実力まで見抜けねぇが、ヤベェだろ!?
隊長でも『永倉新八』かぁ?
『藤堂平助』も有名だが…
新撰組の中だと、三人には勝てねぇ筈。
だが、新撰組副長の土方歳三!!
やっぱ実力が、ダントツっぽい上に…
趣味は、確か…
『和歌』と、『俳諧』を、嗜むと?
どっちもオッサンっぽい印象しかない趣味だったが?
私には、サッパリ判んねぇし?
他にも良く判んねぇ記録もあったかぁ?
子供の頃は、裸のまま家の柱で相撲の稽古?
何じゃ、そりゃってなぁ。
マジで思ったから覚えてるが。
何で相撲してんだってぇの!!
後、そうだった。
通行人へ、鳥の卵を?
んな投げて遊ぶのは、止めろって!!
もう食料すら勿体ねぇだろうが!!
でも嘘も言わねぇ桂さんが?
女って言ったが…
んん!?
あれか!?
モテたって記録もあった上に多い!?
確か真っ先に年上女性と秘密でか!!
付き合ってるだとぉ?
しかも17歳で、子供まで?
妊娠させておいて…
結局、金で、別れたのみ!?
んで、お琴さんは、放置して!!
更に遊女と散々、今すら京都なら尚更…」
もう私は高杉さん以上、土方さんへ。
思い出して怒りも湧き上がる。
だから目を開けた。
すぐ土方さんを、睨みながら私も見ると…
明らかに動揺してるのも判った。
「土方さんの方が!!
もう完全に女遊びどころじゃねぇだろうがぁ!!
しかも高杉さんより最低だろ!!
高杉さんは、一応、結婚相手との子供だし?
一人と明確な不倫だが。
土方さんは、女に子供を。
しかも金だけで縁すら切ってかぁ!!
他にも、どんだけ女遊びしてんだぁ!!」
「まさか…
奉公先に居た女の!?
そんな記録までだとぉ!?
待て、春香!!
俺も説得したが、家族すら全員反対で…
しかも俺は、金だけじゃねぇぞ!!
相手先の家族も含めて一応…」
完全に焦り出した土方さんも私は、冷静に見る。
もう大きな溜息すら出た。
「この時代でもマジで…
この国は最低だよなぁ…
そもそも遊女?
生活苦で、しゃあねぇと?
女だったら売り買いしてる時点で最低だ!!
にも関わらず…
結局、その場での、一夜の、お遊び程度!?
んで終わらせる最低のクズばっか、なのかぁ?
まさか土方さんまで…
他の女にも子供を!!
だろうがぁ!!」
最後だけを、強調して言うと…
もう土方さんは驚いてだった。
「まさか君菊の…
だが、あれすら金だけでもねぇ上に!?
どうにか薬や、他も!!
放置だけは、してねぇぞ!!
まして、お琴へ、俺だって常に文も。」
まさに高杉さんとも似た反応も見て…
私自身で、もう決定的だと、判断して目を閉じた。
そして私の出した答えを、そのまま言う。
「いくら剣術だの強くても…
また完全に決まったなぁ…
土方さんの場合、追記する事!!
女癖が悪い男!!
私の中では、常に残るのみ。」
「何ぃ!!
待った、春香、ちょっ!!
違うぞ、常に俺も責任すら取るのにか!!
俺の場合、女癖が、悪いだと!?
せめて違う事もある筈!!
にも関わらず、そっちだけ…」
違う事だぁ?
散々、女遊び以上して…
「またかぁ!!
せめて、だと?
つまり、結局、物事よりも常に!!
女すら見下してんじゃねぇかぁ!!」
また怒りで、私も目を開けて土方さんへ。
大きく怒鳴って更にと…
「ただの欲求不満でかぁ?
んで女遊びでもしてんのかよ!!
もう女癖どころじゃねぇだろうがぁ!!
更に追記だぁ!!
新撰組副長の土方歳三!!
淫行で女癖の悪い男!!」
「淫行と!?
な、何だと、違うぞ!?
春香、待て、俺すら絶対、嫌だからな!!」
すぐ私も室内で素早く行動する中…
真っ先にと、床の間に置かれてある花と置物を。
土方さんへ、投げ付ける。
「ま、春香!?
しかも俺だけ狙ってるだろ!!
話も聞いて…」
土方さんも簡単に避けるのも私には、判る。
だから最近、持ち歩いてる遊び道具の手よりゴマを。
野球と似たカーブの変化球として数個を。
同じ要領でと土方さんへだが、わざと逸らして高杉さんへ。
投げ付ける。
「な、俺まで!?
ん、おぉ!?
曲がったぞ?
スゲェな、春香は…」
「な、これは、回転でか!?
また狙いすら俺のみだろ!!
だから待て、春香!?」
避ける間にと落ちた手よりゴマも拾いながら…
ただ私は、無言で動くのみ。
既に全員が、驚いてる顔も見たが。
全て避ける様子も分析した。
それから私も土方さん以外の全員へ。
四人同時へ、変化もさせて手よりゴマを。
投げ付けると、全員も僅かに反応したが。
「春香さん?
俺まで!?
あ、土方さんですね…」
「これも…
やはり土方さんのみ?
凄い技です。」
沖田さんと、斎藤さんが、冷静に感想を。
「は、春香!?
また俺もじゃ…
って曲がったが、土方だな。
計算してたらスゲェな、おい!!」
「春香、少し落ち着き…
これも確かに…
全て土方君のみ。
取り敢えず、春香!?
落ち着いてくれ…」
高杉さんが、笑いながら感想を。
桂さんが、複雑な顔で感想を。
ターゲットの土方さんも、冷静に刀の鞘で素早く弾いたが。
「全部、やっぱ俺のみ!?
全て春香が、変化させたのかぁ!!
確かにスゲェが、まず落ち着いてくれ?
そ、それに…
俺達の新たな新撰組!!
独立組織の決まりもある!!」
んん?
決まりだぁ!?
床に落ちた手よりゴマも持ったまま少し私も土方さんを。
見てると持ってた刀を部屋の隅へ、投げ捨てた。
「俺達は、先に武力放棄するのみ!!
全てが、自己防衛のみ。
相手から、やられた時のみ。
相手は、自業自得のみ。
俺達は、防衛のみ。
それ以外、全ての武力放棄を。
俺が、出した答えだぁ!!」
その内容に私は、本当に驚いた。
先に…
武力放棄しただと!?
自己防衛のみ!?
だから刀を。
すぐ理解して私も持ってた手よりゴマを。
土方さんが、投げ捨てた刀の方へ。
一体、どうなってんだぁ!?
でも…
少し笑いながら私も言う。
「正解だぁ!!
高杉さんと桂さんは、驚くだけだったが。
土方さんは…
あははははは!!
スゲェ新撰組の副長としての男かぁ?
それとも、ただの女癖すら悪い男か?
どっちだっつうの!!
あははははは!!
まさか江戸時代で、防衛のみ!?
その選択まで…
なかなか出来ねぇ筈だが。
大久保さんも、そうな?
どっちか判んねぇし?
んで土方さんもかよ!!」
すぐ桂さんが、動いたのも察した。
軽く私を、抱き寄せると笑いながら…
「もう歴史が、変わってる証拠だろう?
春香だけを、私は愛してる。
そして春香の為だけに…
これからも常に私が、最善を。
それに、もう土方君の事も、だろうな?
もし春香ならば土方君を。
恋愛対象に思えるか?」
「それだけは、絶対ねぇ!!」
桂さんの質問へ、私は、速攻で大きく答えた。
だが、桂さんは、頷きながら凄く嬉しそうに…
「なるほど。
春香?
もう充分過ぎる程。
また私には、清々しい返答だよ。
土方君は、もう無理だろうな。
そして私が、春香の側に居るから大丈夫だ。」
んん?
また清々しいだぁ?
何のこった?
そこで桂さんが、軽く抱き締めてきた事で…
声しか聞こえなかったが。
「チッ。
また俺へ、当て付けか!?
やっぱ嫉妬深いだろ?
長州の桂小五郎?
だが、それより疑問も言うかぁ?
一体、誰だってんだよ!!
下らねぇ俺の記録まで残した奴!!」
土方さんの叫んだ事は、私も納得した。
確かになぁ…
土方さんに限らねぇが。
あんだけ多いんだぞぉ!?
未来ではバレてるって…
結局、一体…
一応、考えてると急に…
「あはははは!!
土方さんが?
もう俺は…
斎藤さん?
あの土方さんが!!
完全に春香さんには…
でしょう?
話した通りで、俺は…
笑いも耐えられない!!
あはははははっ!!」
沖田さんが、爆笑したのも判る。
更に斉藤さんまでだった。
「沖田、確かに…
もう俺すら耐えられない。
はははは…
最初は、俺も焦りましたが。
その対処すら見てた上に…
やはり春香さんには…
桂小五郎のみ。
そして正しい筈。
しかも、あんな土方さんを。
俺は…
はははは…
初めて見ました。」
「総司と斉藤まで、笑ってる場合か!!
俺は、絶対!!
あんなの認めねぇぞ!?」
いや、土方さん?
スゲェのか、ただの女好きかも?
大久保さんと同じかぁ?
全く判んねぇぞ!!
**************************
その後。
新撰組の三人も少し話し合いもしてから藩邸から去った。
でも私の中に残る判らない感覚が、だった。
もし愛だとしても…
もし夢だとしても…
どちらにしても既に歴史が、変わってるなら尚更。
判らないだけになった。
だから夜、いつも桂さんと一緒だが。
不安になる時、私から桂さんへ、擦り寄ると…
その時だけ、桂さんもだった。
私の事も抱き締め返して一緒に、布団の中へ。
寝付くまで居てくれる様になった。
具体的にも判らないが。
桂さんなら信じられる事も大きかった。
初めて私が、思った事は、一つ。
二人だと布団の中すら、もっと温かいんだなぁ…
それでも常に桂さんは、何も変わらず。
徐々に、二人で寝る事も増えたのもあるが。
常に桂さんは、やっぱり優しいまま…
そして徐々に私は、桂さんにならと。
触れられる事も全てが、何も恐くなかった。
逆に、いつも私が、安心すら出来る事もあって…
いつも先にと眠るばかりだった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
クールな生徒会長のオンとオフが違いすぎるっ!?
ブレイブ
恋愛
政治家、資産家の子供だけが通える高校。上流高校がある。上流高校の一年生にして生徒会長。神童燐は普段は冷静に動き、正確な指示を出すが、家族と、恋人、新の前では
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる