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第二章:僅かな兆しの中でも徐々に。
22.幸福は欲でもない、願いと言う思いだ。
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いつもと同じ様に朝食後、出された薬を。
すぐ私は、飲んで首も振るが、毎日だった。
余計に思うばかりだが。
土方さんの新手…
マジでヤベェよ?
どんだけ?
「春香、もう私が、だろう?
言わなくても飲むのだからね。
徐々に良くなってるよ。」
桂さんの声で私も目を開けた。
でも薬の紙も見ながら、そのまま…
桂さんへと言う。
「もう、しゃあねぇし?
でも…
やっぱ土方さんもかよ!?
こんな新手!!
考えれんならだぞぉ?
他にも、あんだろってなぁ!?
どんだけ…」
言ってる途中で気付く。
待てよ?
私は見てねぇが。
やっぱ…
ずっと?
高杉さんも!?
だから、すぐ高杉さんを、見ながら私も考えるが。
すぐ気付いた様子で笑った。
「ん、あぁ、俺か?
一応、飲んでるが。
春香は、見てねぇからな。
でも薬程度、まぁ…
その場のみ!!
もう余裕だな!!」
少し私も驚いたが、そのまま高杉さんを。
見ながら考える。
慣れって言うぐれぇ…
飲んでも…
でも私が、だろ?
高杉さんを、忘れなきゃ良いと…
それで高杉さんも生き続けんだ!!
ずっと私の中で残り続け…
その時だった。
ふと思う。
また私は、高杉さんの記録も含めて全部を。
思い出そうとするが。
いや?
判んねぇかぁ?
でも残すってなら…
「どうしたのだ、春香?
晋作ばかり見てるが。
何か、考えてるのだろう?」
桂さんの声で見れば、不思議そうな顔でと。
私にも判ったが、また高杉さんも見る。
そんな高杉さんも同じ様子だった。
不思議そうな顔もしながら普通に、お茶も飲んでたが。
どうしても私には判らない。
一応、疑問だけ言う事にした。
「なぁ、高杉さん?
既に居る子供も無事なのかぁ?」
そう言った瞬間。
いきなり高杉さんは、お茶まで吹き出した。
更に咽せ込んだ様子へ。
桂さんまで凄く驚いた顔へ。
しかも片付け途中の皿まで落として…
盆の上にある皿すら割れた。
もう私は、二人共の反応に驚くだけでしかない。
そんな状態でも高杉さんが、だった。
凄く慌てる様子で、すぐ…
「ちょっ、けふっ…
ま、待てぇ!?
なぜ、俺の…
しかも春香が、急に!?
既に俺の子供が、だとぉ?
まさか…
小五郎に!?
余計な事でも聞いたのかぁ?
俺の趣味に女は、ねぇぞ!!」
んん?
めっちゃ焦ってんが…
桂さんに聞いたと?
どうにか私も考えながら…
「いや、桂さんに、かぁ?
何も聞いてねぇよ?
んでも高杉さんの場合は…
そりゃ、一応、趣味じゃねぇと。
私でも判ってっけどなぁ?
前にも残すって…
高杉さんが、言ってたろ?
勿論、私も高杉さんを、忘れねぇし?
んなの未来じゃ…
高杉さんに言った記録だけじゃねぇよ?
決まってる相手も居たし?
だから普通…
まぁ、私の場合だと?
普通かも全く判んねぇが。
でも私は、高杉さんの子供を。
一度も見てねぇし?
流石に子孫の記録だと、もう…
個人情報だから知らねぇがなぁ?
残すって言うなら多分、子孫だろ?
既に高杉さんは、子供が、居るから…
尚更、安心なのかと?」
言ってても具体的には、サッパリ私すら判らない。
でも急に高杉さんが、複雑な顔へ、なるのも見てた。
「一応、春香の意味は、判ったが。
春香は、今…
俺の、だろう?
しかも言った記録だけじゃねぇと?」
そう言われて私も、また高杉さんを、思い出す為。
目を閉じて、そのまま言い始める。
「えっと、高杉さんの場合だと…
普通に子供も居る筈だろ?
史実以外で記録も多いぞ!?
とにかく面白い事が、好きって詩ならかぁ?
本すら買わねぇでも有名だし?
確か、あれだろ?
めっちゃ美人らしい人と。
年までは、忘れたが、妻を。
んで既に家庭を、ってかぁ?
高杉さんも奥さんに怒らないっぽいと?
んん!?
今もだが、確かに?
普段から一緒にも居ねぇな!?
マジで高杉さんの記録通りかぁ?
でも、だとすると…
単純に高杉さんが、浮気して!?
それは、駄目だろ!!
下関の芸妓で『おうの』さんへ、だった筈!!
私も思い出したが。
ありゃ、完全にだったろ!?
未来じゃ、全部バレてんぞ、こらぁ!!
んん!?
そう考えると…
やっぱ高杉さんは、ただの女好きかぁ?
いや、既に結婚してたら、もう不倫だぞぉ!!
しかも…」
思い出した事もあって私は、目を開ける。
明らかに驚いてた高杉さんへ。
すぐ睨みながら続けた。
「もう女遊びじゃねぇだろ!?
完全な不倫だろうがぁ!!
しかも桂さんにかぁ!?
困り果てたから長崎へ?
あの奥さんへ、どんだけ不誠実な事を。
更に高杉さんは、今すら会ってねぇな?
どうせ贈り物と連絡のみ。
んで、また…
結局は、おうのさんを、かぁ!?
何も悪くねぇ奥さんと子供の事を。
高杉さんは、ずっと放置してんのかぁ!!」
想像した事でと私は、怒りまで湧き上がる。
もう完全に睨み付けて怒鳴る。
「ふざけんじゃねぇ!!
あの奥さんは、だろ?
結婚したくなかった筈だぞ!!
んなのに勝手な理由で?
高杉さんと決められてなのにかよ!!
それでも高杉さんの事を。
愛そうとしてんのにかぁ!!
なのに高杉さんは…
奥さんを、愛さねぇで他の女へ!?
んな事すら平気でしてんのかぁ!!」
「ま、待て、春香!?
どこまで俺を、知って…
いや、だが、違うぞ!?
俺だって、あの雅子は、大切で…
まして無下になど!?
今でも、おうのへ?
俺から会う気すら全く、ない!!
だから、春香も!?
落ち着いてくれ?
もう、しない上に…」
私が、怒鳴ると、すぐ高杉さんは…
完全に、だった。
慌てる様子にも判る。
そんな様子の高杉さんも見て…
私の中で決定的だと、判断して目を閉じた。
そして私の出した答えを、そのまま言う。
「なるほど。
これは、私もだろう。
完全に決まったなぁ…
高杉さんの場合、追記する事!!
奥さんからも逃げる不倫男!!
私の中で、そう高杉さんは、残るのみ。」
「何だとぉ!?
頼む、待ってくれ!?
春香ぁ!!
しかも俺の事へ、その追記でと?
逃げる不倫男とかぁ!?
それだけは…」
高杉さんの大きな声と動く気配を、私でも察した。
だから私もと目を、閉じたまま気配のみ。
集中して避けながら大きく言う。
「あの大久保さんとも違うがなぁ!?
長州の高杉晋作へ!!
んな不倫すらして逃げてだぁ?
まさに桂さんと真逆だろ!?
んな桂さんは、一切!!
女の記録すら出ねぇ!!」
「な、まっ、違う!?
小五郎は、別の意味が…
しかも俺の印象でと!?
それを、春香ぁ!!
頼むから待ってくれ!?
そんな記録へと…
絶対に俺は、されたくない!!
だから春香も…
一度、止まってくれ!?
小五郎も笑ってる場合か!!
春香、ちゃんと俺の話も聞いて…」
どうにか避ける程度、私でもギリだったが。
「悪りぃ、高杉さん。
私は、嘘が嫌いだぁ。
しかも今の言動すら本来なら…
奥さんへ!!
だろうがぁ!!
ちゃんと話を、するのが先に、だろ!!
どんだけ奥さんへと、不誠実を、続けんだぁ?
んな事すら判んねぇのかぁ!!」
更に怒鳴ると高杉さんの動きも止まった。
私も察して止まって目を開けると…
高杉さんは、逆に正座して目も閉じてたが。
首まで横に振ってから…
「春香の言う通りだぁ!!
だから俺からも妻へ。
それでも今は…
京都から離れらない!!
だが、必ず俺から先に詫びも含めて話を。
するのみ!!
もう俺は、しない!!
せめて春香ぁ!!
俺にも、その機会だけ欲しいと頼む!!」
叫ぶ様に言った言葉も含めて私は、少し冷静に考える。
そんな高杉さんも見ながら判断した。
「でもなぁ…
高杉さん?
本来なら奥さんだけじゃねぇだろ?
んな事すら気付かねぇのかぁ?」
そう言うと高杉さんは、目を開けた。
複雑な顔で…
「我が子へも、だろう?
俺も判って…」
「違う!!」
すぐ私は、高杉さんの声も大きく遮った。
驚いた顔になったのも見るが。
んな事だけじゃねぇ!!
やっぱか!!
だからこそ私は、高杉さんを。
また睨んでから怒鳴る。
「それだけでもねぇだろ!?
何で高杉さんは…
んな事にも気付かねぇのかぁ!!
奥さんへ、んな事すら当たり前!!
その子供すら当たり前だが。
おうのさんへも、だろうがぁ!!
もう愛したにも関わらず。
今すら判んねぇ中へ、した、おうのさんも!!
マジで高杉さんを、全てだった筈だぞ?
そして奥さんだって…
高杉さんの事だった筈なのにかぁ!?
どっちも同じだろ!?
なのに高杉さんは…」
言いながら私は、二人の事も考えれば…
尚更、抑える為に目を、閉じた。
ふざけんじゃねぇぞ…
どちらからも、だろう?
それだけ愛されてるのに!?
もう、そのままで私は、叫んだ。
「どんだけ愛されてると思ってんだぁ!!
それなのに気付かねぇだと!?
既に高杉さんを、だってのにかぁ!!
ずっと愛されてる事すら判んねぇだと?
愛されねぇ人だって多いにも関わらず。
なのに、どうして更に選ぶ!?
どうして一方のみ。
そして選ばれなかった者は、どうなる!?
勝つ者が居れば、負ける者が居ると。
だから変わらないって私も言ったぞ!?
どこに平等が、ある!?
どこに真意が、ある!?
どこに誠意が、ある!?
どこに本心が、ある!?
結局、全て繰り返すだけかぁ!!」
どうにもならない感覚が、だった。
私の中に広がるばかり。
「絶対に嫌だぞ…
結局は…
全て平等じゃねぇだろうがぁ!!
んな中で私が、だと?
既に言ったからこそ生きる事を。
んな私は…
何も、ねぇ!!
何も、判んねぇ!!
何も、貰えねぇ!!
何も、変わってねぇ!!
んなのに、何を、どう願う!?
どう祈れば良いってんだぁ!!
んなの最初から知らなければ…
何も、望まねぇ方が、ずっと…」
「待つんだ、春香ぁ!!
ならば、私が、教えるのみ!!」
そこで、いきなり桂さんの大声が、私にも聞こえた。
驚きながら私は、目を開けた。
すぐ声の方も見るが、複雑な顔で、だった。
更に桂さんは…
「今の春香が、出した事も違うのだ。
判らないと、知らないと、変わらないと。
言うのならば、全て私が!!
全て春香へ!!
教え続けるのみ。
そんな春香にも、絶対だと言える事を。
既に春香自身、言ってる事でもある。
ずっと繰り返すと。
その意味を、春香自身が、なのだ!!
大きく間違ってるのみ。
それだけの事、春香自身が!!
愛さなければ、誰も春香を、愛さない。
そして春香が!!
己自身まで愛するならば全てが、春香を!!
愛するだけの事。
春香の場合は、逆だろう!?」
桂さんの言葉に私は、動揺する。
何だと!?
私が、私を!?
愛する事!?
すぐ桂さんが、私の前まで来るのも判る。
だが、動けなかった。
でも桂さんは、複雑な顔のまま…
また私へ。
「もう私は、言ってる筈だろう?
私は、春香だけを、愛してるのだよ?
そんな春香が、痛いと、苦しいと、その姿を。
私が、見れば同じ事。
私も痛いと、苦しいと、感じて思うのだ。
だからこそ春香には、笑って欲しいと。
春香の為に私は、願うのみ。
全て春香を、祈るのみ。
それの、どこが、欲になる?
愛した者が、苦しんで悲しむ姿など…
誰だって見たくない筈。
そして春香も、だろう?
私が、痛いと、苦しいと、その姿を。
もし春香が、私を。
見た時で構わないが、どう思う?
その為にする願い、祈り、全て『思い』だろう?
ただ、『思う』だけにも関わらず。
それが、なぜ欲になるのだ?
既に欲では、ないだろう?」
その言葉に私は、もう驚いた。
桂さんまで!?
痛いと?
苦しいと?
んなの事だけは!!
咄嗟に私も桂さんへ。
「違う!?
んなの駄目だ!!
どうして桂さんが?
痛くなるんだよ!!
苦しむ事すら違うのに、そ…」
「だからこそ春香と同じなのだ!!」
私の大きな声すら遮って桂さんが、だった。
大きく言ってきた。
だから何も言えないまま私は、桂さんを。
見るしか出来なくなる。
「そう、既に春香と私は、同じ事。
そして願いも、祈りも、己の『幸福』を。
そんなのは、欲でもない。
春香の中にある優しい『思い』、だろう?
その『思い』すらも春香の中にと生きてるのだよ?
ずっと信じた春香の祖母が、春香の為へ。
唯一、残した『思い』すらも同じ筈。
だからこそ春香へ、残した本当の願い、言った意味。
それこそが、祖母の『思い』であり、本当に祈った事。
それが、『春香の幸福』と、だろう?」
お婆ちゃんの!?
あの優しい願いすら私への『思い』だと?
だが、私が、だろ!?
忘れなければ…
お婆ちゃんだって!?
どうにか考えてる私にと桂さんが。
今度は、少し笑うのも見てた。
それからソッと優しく私の頬だけ触れると…
「あぁ、そうだろうなぁ。
私の願い、祈りも、だよ。
春香の祖母と同じ事を。
ただの優しい『思い』は、欲とも言わない。
あんなにも信じた春香の祖母と同じ事のみ。
私の思いも全て春香の為のみ。
その『思い』は、春香の『幸福』のみ。
そして私が、だろう?
必ず、春香を、守ってみせるのみ。
もう痛くない、もう苦しくない、もう恐くない。
だから春香も、だよ?
もう己の『幸福』を、願って良いのだ。」
言ってくる言葉が、全て私には…
ただ優しくて思うばかり。
そうだなぁ…
桂さんなら信じても…
でも言葉だけは、浮かばない。
だから、また私は、そのまま桂さんへ。
少し笑って擦り寄りながら、どうにか僅か言う。
「桂さんだけ…
そうか…
きっと私も…」
そう思うだけで、だった。
なぜか私は、眠くなる。
そのまま軽く桂さんが、私を。
抱き締めた事も判った。
「春香が、心配する事もさせたくない。
そして安心するならば…
そのまま少し眠って大丈夫だよ?
必ず、私が、春香を。
守ると、その思いだけは、欲とも違う。
願いと言う祈りなのだから…」
その桂さんが、言った言葉に私は…
素直に頷くだけしか出来ない。
安心かぁ…
桂さんだったら…
少し擦り寄ったまま私は、温かさの中で眠った。
桂さんなら大丈夫と思いながらだった。
**************************
一方、桂小五郎。
この反応は…
大久保の予測通りか。
今まで春香が、どれ程か…
すぐ湧き上がる感情も抑え付ける。
それでも今の春香が、だろう?
全ての言動すらも私を。
ならば、もう春香は、私のみを。
尚更、絶対に私が!!
軽く春香も抱き上げて見れば…
安心してる事すら簡単に判る。
そして晋作へ。
私は、怒りの目を、真っ先に向けた。
すぐ晋作も察した様子で、だった。
少し首を横に振りながら…
「すまない、小五郎。
俺も判ってる。
春香の言った意味も…
全て正しいのみ。
その上で俺は、春香の傷へ。
僅かに触れた事も自覚してる。」
そう…
あの時、春香が!!
した言動で充分、私にも判るのみ。
愛されたいと…
本来ならば、春香も、ずっと願ってた筈!!
まして幼子が、真っ先に求める事すら同じだ!!
にも関わらず。
春香へと、与えられたのは…
完全に愛では、ない!!
常に痛みと苦しみを。
どれだけ春香が、知る度に『絶望』を。
味わい続けたのだ!!
目も閉じて冷静にと怒りを。
抑え付けて私も言う。
「あぁ、その通りだろう。
それに晋作も一応、判ってるならば良い。
だが、次は、私も春香の為のみ。
例え晋作でも一切、容赦しないぞ?
もう春香は、痛みや苦しみだけでもない…
その上で常に味わう絶望を。
多くの幼子が、若者達が、耐えられず。
己の命すら断つ選択もする中で、だぞ?
想像しただけでも耐えられない筈。
それを、したのも大久保の言う通り…
直接でなくても私達が、誤ったからだ!!
そして春香は、何も悪くないのにか?」
「それすら想像すれば…
俺でも、耐えられる筈もない。
そして、そんな未来へ。
した俺達が、だろう?
どれだけ…
俺は、愚かなのだ。
簡単に春香から…
指摘されれば、その通りなのに…」
少し苦しみすらある晋作の声で私も思う。
私も耐えられないだろう。
そんな苦しみなど…
だが、私も目を開けた。
それから、また春香を、見ながら小さく言う。
「春香?
今までの無自覚すらも、だろう?
ずっと、その苦しみを。
味わいたくないと。
だからこそ、夢と?
知りたくないと、変わりたくないと…
それだけでも、どれ程、恐かったのだ。
変わって知る全てが、欲ばかり。
そして知る度に味わい続ける絶望ばかり。
既に学だけでもない。
優し過ぎるからこそ余計に痛いのだろう?
もう絶対に私が、全てから…」
安心して寝てる春香の姿だけでも私は…
今は、充分だろう?
私の前でだけ…
春香は、こんなにも安心するのだ。
今まで生き続けた日々の中。
ずっと受け続けた傷など…
既に命ではない!!
常に心が、だろう!?
これ以上、優しい春香に私が!!
絶対、傷など許さん!!
徐々にでも私が。
否、もう私自身の全て、だろう!?
どんな事でも全力で守り抜く!!
春香の傷も癒す為、その中でも知って笑う為。
私の願いは、何も変わってない!!
「俺から言える事でもねぇが。
本当に小五郎は、春香の為のみ。
それだけ、だろう?
だが、充分だろうな。」
普段より小さめな晋作の声に気付く。
春香の為も判るが、私も見れば、複雑な顔だった。
視線も合わせると少しだけ笑った。
「まぁ、だがな?
これだけは、言わせてくれるかぁ?
小五郎の記録、それが、ねぇのも判る。
全く、誰だ?
って感覚しか俺には、ねぇぞ?
春香自身も言ってたがなぁ。
あの大久保すらもだと?
最大の秘密も未来では、全部だぞ?
知られてるとしたら…
一体、どんな理由でか?
誰が、残しやがったんだよ!!
俺の記録だけでも、どんだけだ?」
その意味にも充分、判った事もあるが。
私でも笑ってしまう。
どうにか春香も起こさない様にするしか…
「ははは…
確かに、そう、疑問になる。
私が、春香に言う前で…
もう晋作は、完全に怒鳴られたが…
更に、か?
はははは…
しかも今度は、逃げる不倫男?
やはり私は、駄目だ。
耐えれない…
器の小さい男も笑ったが。
晋作すら動揺どころでもない。
ははは…
さっきの動き、私も見てたがな。
既に春香から読まれただろう?
避けられた上に慌て続ける晋作?
あの晋作が?
駄目だ、思い出すだけで私は…」
必死に笑いを、私も耐える。
複雑な顔で、また晋作も溜息してから私へ。
「だから今度は…
俺が、一切、笑えねぇ!!
小五郎とも真逆?
まぁ、それだけは、認めるがな。」
私の言った言葉まで使って晋作が?
そのまま少し笑いながら…
「それは、止めろ、晋作?
私でも笑いが、耐えられない。
ははは…
薬の苦味は、問題なくてもか?
もう春香に負けてるぞ?
散々、私を、笑ってきたのだ。
晋作には、ある意味、効果的だろう。
逃げる不倫男か…
ははは…
私も気を付けねば…
駄目だな。
絶対に残されたくない。」
「この…
それも、もう言うな、小五郎。
後、春香にも、だぞ?
これ以上、最悪な印象で残るだろ!?」
そんな微妙な顔で言ってくる晋作を。
私でも意味は、充分だった。
だが…
確かに、一体、誰が?
それだけの記録としてか?
わざわざ未来にまで残したのやら…
歴史にすら関係ない事ばかり。
私に関しては、ないのも、だろう?
不思議な感覚だがなぁ…
一度、視線のみ。
晋作へ向ければ、頷くのみ。
意味も判って、そのまま私も春香を。
抱き上げながら部屋から出て、いつも通り移動した。
**************************
一方、土方歳三。
幕府の黒、また大久保と接触後。
水面下で動く中、やはり違和感も感じて居た。
おかしい…
少なくとも仲間を。
利用し続けた幕府は、許せねぇ…
更に聞いた大久保からの未来だぞ?
確かに幕府討伐だけならば、あの薩摩側。
大久保の言動だ…
既に長州と土佐も含めて春香の保護を。
だから未来を、真っ先に動くのも判る。
もし幕府討伐が、実際にされても、だろ?
あそこまで酷過ぎる未来へ。
なる筈もねぇ。
史実も再度、見直しながら考えれば…
討幕後、だろうが。
その中に大久保も含めて、だぞ?
にも関わらず。
なぜ、あんな未来へ。
今すら春香の場合。
歴史に影響どころじゃねぇし?
それなら春香が、この時代へ。
正確に言えば桂小五郎との接触時。
歴史が、もう変わってるのに変化なし…
だとしたら、この先でも春香は無事だ。
つまり、春香の居た未来と今。
分岐した意味にもなる。
だが、史実通りになれば…
新たな未来も同じ道へ!!
今すら、あんな未来へ!!
それを、止めて変えれるのも俺達のみ。
「チッ。
俺達すら利用してる幕府に志も全くねぇ!!
しかも欲のみ。
尚更、俺は…
死んでった仲間達の志も知ってんだ!!
ふざけやがって!!
そんな幕府より俺は、絶対、仲間の志を。
優先すれば、当然…」
ふと春香の錯乱した姿を、思い出す。
あんな未来は、絶対、間違ってんだ!!
こんなの当然…
いや、あの大久保も言ったな?
『人として当然の答え』と。
その通りだろ!!
しかも俺には…
『見抜く際、常に忘れるな。
私も幕府側で、どうにか内部を』と。
だとしたら幕府が、だろう!?
また動くのも察して常に命懸けだぞ!?
幕府が、また俺達も利用しながら…
そう言う意味で、言った筈。
だったら動くのも明確!!
だが、幕府は、具体的に…
どう動き出す?
いや…
待て、既に、だろ?
今の京都見廻組としてる俺達を。
真っ先に京都へ。
新撰組として名も変えたが…
それすら単純に幕府側からしたら今を、だろ?
また春香の言葉も浮かんだ。
『もう単純に利用されてんじゃねぇかよ。』
その意味すら判る事で、だった。
更に怒りばかり湧き上がる。
「ふざけんじゃねぇ!!
俺にと最初から春香も言ってる上に…
大久保すら僅かで更に未来まで見抜たのにかぁ!!
つまり幕府体制を、己の権力を、欲を。
ただ、それの為だけに…
ずっと俺達を、利用し続けてたのかぁ!!」
こんなのは、真っ黒どころじゃねぇ…
そんな下らねぇ理由で!?
どれだけ仲間が、死んだと思ってやがる!!
だが、次は…
俺達も利用されねぇ…
幕府も含めて策を、考えてる時。
すぐ気配も察した。
「総司と斎藤か。
入れ。」
素早く襖を、開けてから二人共が、だった。
警戒しながら室内へ。
斎藤が、先に警戒度も上げながら総司へ。
視線のみ。
意味も判って端的に聞く。
「斎藤、確認は?」
そんな斎藤は、警戒度も更に上げてから…
「はい、土方さんの予測通りでした。
薩摩藩邸で坂本の確認が、出来ました。
ですが、俺には、判りません。
あの坂本は、今でも見つかる危険すらある。
にも関わらず。
薩摩側へ、ならば大久保へ、でしょう?
かなり頻繁に、です。
坂本ばかり、なぜか…
それ程に多く出入りしてました。」
斎藤からの言葉を、俺も内心、驚くが。
確認の為にと…
「頻繁に、だと?
あの坂本が、薩摩…
つまり、大久保と接触してるんだな?」
斎藤は、頷くと警戒したまま…
「はい、そうです。
いくら幕府討伐の為でも多過ぎる程。
ですが、保護してる筈の春香さんは…
薩摩側に居ないのも判ってます。
なぜ、あんなにも…」
途中から考える様子になったのも見たが。
すぐ俺も考える。
それ程、頻繁に危険の中で坂本が。
その薩摩側に居る大久保も、俺へ。
言った事も思い出す。
『再度、言うが薩摩側は絶対にだ。
春香の保護を、真っ先に最優先する。』
考えながら一応、予測も俺には…
それから視線を、総司へ。
総司も察して警戒度を、上げた。
「はい、俺も坂本を。
土方さんに言われた通りでした。
確認しました。
ですが、丑の刻、坂本だけでは、ありません。
やはり武市、岡田も長州藩邸へ。
かなり頻繁に、でした。
全員が、実力者のみ。
見つからない様に外からしか不可能ですが。
確実に、でしょう。」
すぐ俺は、春香の存在も踏まえて考える。
今ならば…
春香の側には、常に桂小五郎が、だろう?
目を閉じて考えも纏めて二人共へ言う。
「なるほど、酷過ぎる未来へ。
しない為、だろうな。
薩摩の大久保は、春香と接触時、酷過ぎる未来を。
予測して俺のみ、既に命懸けで来た程だぞ?
恐らく長州の桂小五郎が、更に判断したか。
しかも薩摩側は、春香の保護を。
絶対するからこそ…
春香から新たに出る情報を、常に坂本が、だろう。
大久保へ、それで薩摩側も未来の為、最善を。
つまり情報の共有、武力より学でか。
常に最善も選ぶ為、動いてる証拠だな。
だが、春香の場合は…」
そこまで言った時。
すぐ俺も含め察した。
何も言わずに待ってると…
「土方さん!!
まだ内容まで判らねぇがなぁ?
近藤さんが、隊長全員と土方さん。
いつもの部屋へ、集まれって言ってんぞ!!」
襖越しに永倉の声が、聞こえた。
すぐ俺は、嫌な予感もするが。
「永倉!!
近藤さんが、隊長と俺だけにかぁ!?」
「おぅ、良く判らねぇがなぁ。
特に土方さんが、居なきゃ駄目っぽい?
感じだったぞ?」
「判った、永倉!!
すぐ行くと伝えとけ!!」
「了解っと。」
気配のみだが、素早く走り去った事も判る。
総司も、斎藤の視線も判るが。
「チッ。
やっぱ幕府が、動いたか。
だが、近藤さんの場合。
幕府側の思惑すら気付いてねぇ。
しかも隊長のみ。
二人は、何も言わねぇで良い。
まず俺が、確認する。
その中でも慎重に、だぞ?」
二人共が、頷くのみ。
それから三人で話し合いに使う部屋へ。
部屋に入った時。
「トシ!!
来たな!?
それに皆も良い知らせが、あるぞ!!
俺達の努力も実り始めてるな!!」
嬉しそうな近藤さんの大きな声を、聞いたが。
普段通りにと…
「近藤さん?
何だぁ、急にだが。
しかも…」
それから室内も見渡せば、俺達以外。
既に揃ってるのも判るが。
皆も不思議そうではある。
まだ内容は、聞かされてねぇな。
だが、良い知らせだと?
「まぁ、落ち着けよ、近藤さん。
後、総司も、斎藤も。
いつもの席に居ろ。」
そう言うと二人は、素早く普段通りの場所へ。
そんな中でも近藤さんは、皆の前で嬉しそうに笑う。
「これで全員だな!?
そしてトシ!!
俺には、嬉しい上に、だぞ!?
凄い話が、あるんだ。」
俺も普段の場所へ、座ってから一応…
「いや、だからなぁ?
近藤さん、それじゃ、全く判らねぇよ!!
何が、凄いって?」
言うと逆に近藤さんは、立ち上がった。
それから皆へ。
「トシの言う通りだろう!!
そう、判らんな、良いか?
普段から会津藩が、だっただろう?
いつも俺達にと助力を、多くして頂いてた事。
それも充分、皆も判ってる筈だな!?
そして京都で御所へ。
警護さえ任されたのみ。
まぁ…
皆も含め他にも大変だった事を、俺も判る。
だが、やっとだ!!
俺達の、新撰組の実力や志!!
全て含めて認められたのだぞ!?
松平公から幕府へ、助言してくださった。
だから幕府側のする諸藩すら招いた集会へ。
俺まで参加もする事になったのだ!!」
全員が、驚いたのも判った上に…
藤堂と武田が、真っ先にだった。
「そりゃ、本当か!!
近藤さん!!
俺達の事が?
幕府からすらも実力を。
認めたって意味か!?」
「何だと、近藤さんが!?
詳しく判らねぇとしても…
つまり、あれか?
幕府も含めて俺達、新撰組が!!
それに近藤まで参加してかよ!?」
すぐ俺は、察したが。
皆にと近藤さんも嬉しそうに…
「そうだぞ、藤堂、武田!!
俺達には、身分もないが。
もう、これで実力だけじゃないぞ!!
新撰組そのものが、だ!!
今まで頑張ってきた事も一切。
無駄では、なかった証拠だろう?
既に認められてるからこそ。
更に、だぞ?
もう俺すら嬉しいに決まってるだろ!?」
すぐ俺は、気付く。
チッ。
これは…
幕府が、俺達を。
利用し易い様にする為のみ!!
しかも近藤さんだけを、わざと!!
今度は、武田が。
立ち上がって嬉しそうにだった。
「スゲェな!!
俺達が!?
新撰組が!?
それを、近藤さんから更にか!!」
すぐ近藤さんは、笑った。
「勿論だ!!
その場では、俺が、他の諸藩へ。
俺達、新撰組の事を、絶対に伝えるのみ。
もっと認めて貰える機会を、だぞ!?
そうなれば、もう会津藩に限らん!!
諸藩にも俺達が、新撰組が!?
更に認めて貰える為、俺も頑張るからな!!」
確かに…
今までの俺なら素直に喜べただろうが。
この場に居る皆へ。
今は、何も説明すら俺だけでなら…
尚更、不可能か!!
少し溜息が、出た。
「トシ?
どうした?
トシが、一番だろう。
喜ぶ筈だが。」
察した様子で近藤さんが、不思議そうな顔を。
俺にも言うが、そのまま少し考える。
今は、説得も出来ない上に…
やっぱ気付いてねぇ。
だから、わざと大きく溜息も出してから…
近藤さんも見ながら言う。
「そりゃ、近藤さん?
新撰組が、俺達が、認められるのは…
スゲェ嬉しいが。
まだ、その集会やらも出てねぇだろ?
もし近藤さんが、だぞ?
その場でだ、僅かでも馬鹿したら…
完全に新撰組は?
皆も含めた馬鹿集団に?
なっちまうが。
そっちは、大丈夫なのかぁ?」
急に近藤さんは、凄く驚いた顔のまま…
「な、まさか、トシは…
そっちの心配を、真っ先に?
俺が、その場でとか!?
それは、一応、意味も判るがなぁ?
だが、そんな事、俺もだぞ!?
絶対に馬鹿しない!!」
確かに近藤さんらしいが。
少し笑いながら続ける。
「いや、近藤さんは、毎回だろ。
いざとなった時、大抵、馬鹿するし?
その馬鹿で俺達は…
今度は、ただの馬鹿集団と判断されんだぞ?
しかも今ですら…
ずっと興奮ばっか、それで俺が?
毎回、後始末するから余計に、だがなぁ…」
もう近藤さんは、凄く慌て出した。
「ま、待つんだ、トシ!?
だが、俺も、しっかりと?
必ず、その場でも、だぞ!?
絶対、馬鹿しない!!
こんな話を、興奮するのも?
普通だろう!?
しかもトシぐらいだぞ!!
驚くより先に…
私の馬鹿まで心配したのか!?
確かにトシは、学もあるが。
充分、俺も学んでるのだ!!」
俺は目を閉じて頷くのみ。
だが、違う事を、未来の事を。
俺は知ってるからこそ…
余計、近藤さんや皆を。
利用し続ける幕府が、許せなくもなるが。
ふと、そこでも春香の言葉が、浮かんだ。
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる。』
あぁ、確かに春香の言う通りか?
だがなぁ…
『そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる。』
それだけは…
違うだろうがぁ!!
例え俺でも認めねぇぞ、春香?
それから俺も目を開けた。
頷きながら考えて言う。
「判った、近藤さん。
なら俺の持ってる書物。
全部だな?
近藤さんも暗記すりゃ…
馬鹿しねぇよなぁ?」
「トシの書物全部だとぉ!?
どれだけか…
俺でも知ってるぞ!?
それを、全部、暗記しろと!!」
明らかに近藤さんは、驚いたまま固まった。
そんな様子に俺も笑うが。
その場に居た全員もだった。
爆笑したのも俺は、見てた。
更に近藤さんは、頭まで抱えながら…
「俺は!!
絶対に馬鹿しないのだぁ!!
だが、あんな暗記すら出来るトシが?
変なだけだぞぉ!?」
大きく叫んだが。
それに俺は、また春香も浮かんで笑って言う。
「当然だ!!
俺は、新撰組副長の土方歳三だぞ!?
尚更、馬鹿しねぇ。
常に仲間の為、そんな事も決まってんだよ!!
少しは、近藤さんもかぁ?
容赦なく頑張って貰うが。
それすら当然!!」
「トシは、鬼畜過ぎるだろう!?
俺だって頑張ってるぞぉ!!
だが、それすら当然?
確かに?
その通りか?
やっぱ俺は、馬鹿なのかぁ!?」
もう皆が、笑いすら耐えてるのも判る。
「まぁ、近藤さんの話は、充分だ。
まだ俺は、難題もあるからな?
もう部屋に戻るぞ。」
そう言うと同時。
総司も立ち上がり少し笑いながら…
「近藤さん?
俺も用事が、また終わってないので…
土方さんの書物は、俺が!!
しっかり届けますね?」
「そ、総司まで俺にと?
トシの書物全部!?
暗記しろとぉ!?」
斎藤も立ち上がると少し笑う。
「近藤さんも、新撰組局長です。
尚更、皆の為、でしょう?
やはり常に最善の為にもなります。
学ならば多くても困りません。
俺にも、やる事が、ありますから…
この場は、皆に任せます。」
「斎藤までか!?
もっと俺には、学だと!?
確かに新撰組の皆を。
俺だし?
そうなるのか!?」
他の皆は、爆笑する中で俺は…
二人も連れて自室へ戻る。
また俺は、溜息も出した。
気配すら探れば、二人以外、居ないのも判る。
だが、湧き上がる怒りを、抑えてながら言う。
「さっき近藤さんの話は…
もう二人共、気付いたな。
会津藩から幕府へ?
そんな幕府の話し合いならば…
明らかに、あの近藤さんすら騙しながら…
やはり常に新撰組を、利用し易い方へ。
今の俺達が、知らなければ…
更に史実通り進むだけだったか!?
こんなだと幕府は、また…」
察した様子で、斎藤が…
やはり怒りも抑えながら…
「俺でも知った事で、変な動きに…
すぐ気付きました。
新撰組では、今ならば近藤さんのみ。
それから動かし易くする為のみ。
やはり幕府は、完全に、でしょう。
どれ程の仲間が、利用されて…」
総司まで殺気も出したが、目を閉じた。
「俺は…
もう許せないどころじゃないです。
あんなにも近藤さんは、喜んでたのを。
更に、ですよ?
皆すら信じてるにも関わらず。
それなのに!?
死んだ仲間達も、今すら俺達も、騙し続けると?
確かに俺は、ずっと近藤さんや土方さん。
皆の志、学もない俺は、だからこそ剣へ。
その為のみ。
選びましたが、その振るう剣の先が。
良くなる未来でもない上に…
大切な仲間の為に、こそ!!
そんな幕府が、一番、俺達を?
使い捨てるならば、絶対に許せません!!」
二人の意味には、充分、判るが。
これでは…
「総司、落ち着け…
斎藤もだ。
俺達が、だと言った筈。
俺だってなぁ…
近藤さんの望む夢ぐれぇ判ってんだ。
だが、それすら利用してる幕府を。
許せる訳も、ねぇだろ。」
二人共が、俺も見た事に判って続ける。
「良いか?
春香の事で、俺達が、だぞ?
あの何も悪くねぇ春香が、ずっと?
あんなにも痛みと苦しみを。
させ続けた最悪な未来へ。
俺達は、利用されてる事に気付かず。
進めたからこそ!!
俺達すら直接じゃなくてもなぁ…
加担した結果の未来へ!?
ふざけんじゃねぇ…
そうなったならば、尚更、今だ!!
俺達は、気付いた。
それに長州、薩摩、土佐、全てが。
気付いたからこそ、更に動いてんだ。
そして俺達は、幕府側を。
唯一の接触ならば、俺と総司だが。
既に斎藤も判ってる。
変えられるのも俺達のみ。
幕府に根付いた考えは、捨てねぇと…
あの春香と同じ様にか?
ずっと幼子が、泣き叫ぶ国へ、なるのみ。
俺達も常に最善を、選び続けるしかねぇんだ。」
二人共が、複雑な顔もしながら頷くだけだった。
それでも判ってる事に俺も考える為、目を閉じた。
恐らく近藤さんの場合…
幕府から利用され続けても…
剣は、捨てられねぇな。
まして武士ならば、尚更、剣を。
だが、幕府討伐の皆は、逆に…
剣では、ない未来を、だから変わるのも判るが。
それでも…
しかも薩摩と長州、常に情報まで合わせながら…
進めてる筈。
土佐でも坂本だが。
ふと気付く。
「まさか…
いや、判らねぇか?」
もしかしたら…
幕府討伐の中に要因、更に元凶が!?
だから未来すら酷過ぎる結果へ!?
だが、今の俺達に出来る事すら少ねぇ!!
「チッ。
もう、こうなりゃ…
俺自身の命懸けかぁ?
その上で確率も判らねぇ賭けのみ。」
そこで俺は、目を開けた。
そのまま二人共も見れば、僅かに驚いてたが。
「俺が、直接だぁ。
再度、薩摩の大久保と接触を。
必要ならば長州へ。
もう単独、一度、情報の為、動く。
更に、出来れば…
坂本達ともだろう。」
二人共が、凄く驚いた顔になるのも見た。
それでも、すぐ続ける。
「いくら予測しても情報が、足りねぇ。
そして俺の予測だがなぁ。
幕府討伐の中にだぞ?
最大の元凶もある筈。
春香の為、動く者達ならば、常に情報までしてる。
必死に共有して未来の為、動く中にも関わらず。
誰かが、裏に隠れてやがる。
そんな最大の元凶が、俺にも判らねぇが。
薩摩と長州は、坂本が、だろう?
常に命懸けで、ずっと動いてる。
もう簡単だぞ?
薩摩は、大久保利通が。
長州は、桂小五郎が。
どちらも学は、かなりある。
だからこそ同じ選択を、選び未来の為のみ。
だったら、どちらも元凶に気付いてる筈。
更に大久保は、幕府内でも動く事すら言ってた。
それすら危険なのも、すぐ判るのにか?
今の俺達も下手したら幕府に、利用され続けるのみ。」
また目を閉じて薩摩と長州も含め考える。
そのまま…
「俺の予測だが、武力討伐を、だろう。
避ける筈、そうしなければ…
未来には、常に力ばかり、欲すら残り続ける。
その残り続けながら進んだ未来は…
常に力を、常に権力を。
だから女すらも欲のみ。
高過ぎる学が、あるにも関わらず。
春香の痛みや苦しみを、判って居ても…
助けないのも、だろう?
己自身、つまり保身のみ。
言い換えれば、己の欲だ。
恐らく幕府が、今してる事すら欲のみ。
元凶の幕府討伐後、残り続けた未来の結果。
更に悪化させた元凶が、倒幕側に居る。」
それなのに、俺達は!!
目を開けて二人共に怒りすら抑えず。
もう俺は、完全に殺気立つ。
「俺は、その元凶を、始末してぇ…
もう裏切る以上だろうがぁ!!
ソイツが、原点ならば尚更だぁ!!
許せる筈も、ねぇぞぉ!!
倒幕側に居る者すら騙して、更に!?
今まで死んでった仲間達の命すら全てが!?
必死に未来の為、動いてる中でかぁ!?
ふざけんじゃねぇ!!」
完全に怒鳴った時。
斎藤が、複雑な顔で、すぐだった。
「ひ、土方さん。
せめて殺気を。
そして今の話ならば、薩摩も、長州も!!
違う選択でしょう!?」
その言葉に俺は、驚くが。
更に斎藤は、首まで振りながら…
「武力討伐しないと!!
つまり、学のみ。
どちらも選んでます!!
もし俺達が、剣を、使えば…
やはり武力は、常に未来へ!!
残ってしまう!!」
叫ぶ様に言った言葉を、聞いて俺は…
その意味に俺も気付いて…
な、それは!?
俺まで誤ちへ!?
また俺も冷静にと、再度、目を閉じた。
もう、そのまま言う。
「確かに斎藤の言う通りだな。
今のは、俺が、悪かった。
学のみ、武力は…
使えないならば、何が。
最善かを。」
言いながら閃く。
だから目を開けた。
慌てながら、すぐ言う。
「それだ、斎藤!?
つまり、防衛のみ!!
その為以外、武力は、全て捨てる道を。
その中でも自己防衛は、仕方ねぇ。
だが、他の武力放棄!!
先にすりゃ、全てが、自己防衛のみ。
相手から、やられた時のみ。
相手は、自業自得のみ。
だとすると…
やはり情報と、学のみ。
最初は、スゲェ難しくもなるがなぁ!?
今ならば、近藤さんの足止めを。
もし幕府と接触すれば、余計、酷くなるばかり。
そして新撰組は、幕府とも別組織へ。
そうなりゃ、もう二度と!!
幕府からの利用すらねぇぞ!!
そんな新撰組は、今でもある誠の信念を。
一応、武力も最小限にしか無理でもだが。
誤ちも消せる上に、未来へ、だぞ?
常に俺達、新撰組が、だろう!?
歴史でも、史実でも、常に正しいと!!
ずっと残り続けて未来すら良くなるのみ!!」
二人共が、驚いた顔になるのも見た。
それでも俺は、続けた。
「良いか?
俺も春香から言われたが。
未来での新撰組の事を、だぞ?
そのまま俺から言う。
『名前は有名だが。
危険人物の集団ってなぁ!!』
って春香は、すぐだった。
つまり、今の俺達も、だろ?
このまま利用され続けた結果。
志すら何もない単純、危険人物の集団と!?
春香も新撰組の名前は、知ってるが。
常に幕府から利用され続けるからだ!!
そのまま歴史、史実まで、新撰組の事を。
俺達の事も常に、そう残され続ける?
そんな事は、死んだ仲間達の志も、だぞ!!
俺達の今すら絶対、望んでねぇ!!
もう判るな?
新たに新撰組は、別組織としてだ。
幕府から離れる事を。
正しい未来の為に振るう剣へ。
不幸にならない未来の為へ。
その為のみ!!
近藤さんも含めて俺も説得するが。
完全な独立組織へ。
薩摩、長州、土佐、幕府?
全てに所属しない!!
未来の為、新たな新撰組として動くのみ!!」
どうにか俺が、言うと完全に総司は、困惑してた。
「武力の放棄?
でも自己防衛のみ?
新撰組を、幕府からも別組織へ?
未来の為に振るう剣と?
でも志すら消えず、歴史すら…
土方さん?
えっ、俺は、どう?
動けば…」
斎藤も同じだった。
「別組織へ?
独立と?
土方さんが、それでも志すら含め…
死んだ仲間のも?
常に未来へ。
ずっと残せると?」
もう俺すら笑った。
「くっ、ははは…
そう、まさに新たな未来の為!!
未来に繋げる力のみ!!
それが、新たな新撰組!!
完全に独立組織として動くのみ!!
はははは…
その資金関係は、薩摩も含めて可能。
未来の為、防衛力になる俺達だぞ?
尚更、正しい上に…
新たな幕府討伐後ならば…
新たな新撰組ならば、交渉も簡単になるのみ。
そうすれば、死んだ仲間達もだ!!
未来へと、願って、祈って、思い続けた志も!!
ずっと忘れる事もなく、常に生き続けるのみ。
絶対、俺が、薩摩と長州へ!!
情報も含め接触を、してやるぞ。
まぁ、確かに命懸けだが。
そんな事は、普段と変わらん!!」
二人共、同じく少し驚いたが、すぐ笑い出した。
真っ先に斎藤も理解した様子で俺へ。
「ははは…
確かに、それは…
土方さん。
俺達の志も、死んだ仲間の志も…
全て含まれてる上に、未来の為のみ。
その為、今の俺達が、唯一の剣へ。
ははは…
俺でも納得しました。
する事も困難でしょうが。
俺も、皆も、史実の中ですら常に生き続ける。
安心して笑う未来の為にもなる。
やはり最善でしょう?」
総司まで笑い出した。
「あははは!!
考えた事もなかったですよ。
流石は、土方さん。
しかも俺達が?
未来も良くなれば、春香さんみたいに…
あんな痛くも、苦しくも、ない未来へ。
そんな未来の中でも?
俺達の志も、一緒に生き続けると!?
あははははは!!
凄いな、まさに、一番です。
そして俺が、剣だろうと…
全て未来の為へ。
その為だけに、ある剣へ!!
あはははは!!」
二人が、笑って言うのも俺は…
見てた事もあって尚更。
俺が、だぞ?
新たに見つけた道すら春香かよ?
完全に、螺子じゃねぇだろうが!!
この国を、まさに変える為、唯一の奇跡だろ!?
そして今度は、水面下でも動きながら…
接触の機会を、薩摩と長州へ。
それでも慎重に動き始めた。
すぐ私は、飲んで首も振るが、毎日だった。
余計に思うばかりだが。
土方さんの新手…
マジでヤベェよ?
どんだけ?
「春香、もう私が、だろう?
言わなくても飲むのだからね。
徐々に良くなってるよ。」
桂さんの声で私も目を開けた。
でも薬の紙も見ながら、そのまま…
桂さんへと言う。
「もう、しゃあねぇし?
でも…
やっぱ土方さんもかよ!?
こんな新手!!
考えれんならだぞぉ?
他にも、あんだろってなぁ!?
どんだけ…」
言ってる途中で気付く。
待てよ?
私は見てねぇが。
やっぱ…
ずっと?
高杉さんも!?
だから、すぐ高杉さんを、見ながら私も考えるが。
すぐ気付いた様子で笑った。
「ん、あぁ、俺か?
一応、飲んでるが。
春香は、見てねぇからな。
でも薬程度、まぁ…
その場のみ!!
もう余裕だな!!」
少し私も驚いたが、そのまま高杉さんを。
見ながら考える。
慣れって言うぐれぇ…
飲んでも…
でも私が、だろ?
高杉さんを、忘れなきゃ良いと…
それで高杉さんも生き続けんだ!!
ずっと私の中で残り続け…
その時だった。
ふと思う。
また私は、高杉さんの記録も含めて全部を。
思い出そうとするが。
いや?
判んねぇかぁ?
でも残すってなら…
「どうしたのだ、春香?
晋作ばかり見てるが。
何か、考えてるのだろう?」
桂さんの声で見れば、不思議そうな顔でと。
私にも判ったが、また高杉さんも見る。
そんな高杉さんも同じ様子だった。
不思議そうな顔もしながら普通に、お茶も飲んでたが。
どうしても私には判らない。
一応、疑問だけ言う事にした。
「なぁ、高杉さん?
既に居る子供も無事なのかぁ?」
そう言った瞬間。
いきなり高杉さんは、お茶まで吹き出した。
更に咽せ込んだ様子へ。
桂さんまで凄く驚いた顔へ。
しかも片付け途中の皿まで落として…
盆の上にある皿すら割れた。
もう私は、二人共の反応に驚くだけでしかない。
そんな状態でも高杉さんが、だった。
凄く慌てる様子で、すぐ…
「ちょっ、けふっ…
ま、待てぇ!?
なぜ、俺の…
しかも春香が、急に!?
既に俺の子供が、だとぉ?
まさか…
小五郎に!?
余計な事でも聞いたのかぁ?
俺の趣味に女は、ねぇぞ!!」
んん?
めっちゃ焦ってんが…
桂さんに聞いたと?
どうにか私も考えながら…
「いや、桂さんに、かぁ?
何も聞いてねぇよ?
んでも高杉さんの場合は…
そりゃ、一応、趣味じゃねぇと。
私でも判ってっけどなぁ?
前にも残すって…
高杉さんが、言ってたろ?
勿論、私も高杉さんを、忘れねぇし?
んなの未来じゃ…
高杉さんに言った記録だけじゃねぇよ?
決まってる相手も居たし?
だから普通…
まぁ、私の場合だと?
普通かも全く判んねぇが。
でも私は、高杉さんの子供を。
一度も見てねぇし?
流石に子孫の記録だと、もう…
個人情報だから知らねぇがなぁ?
残すって言うなら多分、子孫だろ?
既に高杉さんは、子供が、居るから…
尚更、安心なのかと?」
言ってても具体的には、サッパリ私すら判らない。
でも急に高杉さんが、複雑な顔へ、なるのも見てた。
「一応、春香の意味は、判ったが。
春香は、今…
俺の、だろう?
しかも言った記録だけじゃねぇと?」
そう言われて私も、また高杉さんを、思い出す為。
目を閉じて、そのまま言い始める。
「えっと、高杉さんの場合だと…
普通に子供も居る筈だろ?
史実以外で記録も多いぞ!?
とにかく面白い事が、好きって詩ならかぁ?
本すら買わねぇでも有名だし?
確か、あれだろ?
めっちゃ美人らしい人と。
年までは、忘れたが、妻を。
んで既に家庭を、ってかぁ?
高杉さんも奥さんに怒らないっぽいと?
んん!?
今もだが、確かに?
普段から一緒にも居ねぇな!?
マジで高杉さんの記録通りかぁ?
でも、だとすると…
単純に高杉さんが、浮気して!?
それは、駄目だろ!!
下関の芸妓で『おうの』さんへ、だった筈!!
私も思い出したが。
ありゃ、完全にだったろ!?
未来じゃ、全部バレてんぞ、こらぁ!!
んん!?
そう考えると…
やっぱ高杉さんは、ただの女好きかぁ?
いや、既に結婚してたら、もう不倫だぞぉ!!
しかも…」
思い出した事もあって私は、目を開ける。
明らかに驚いてた高杉さんへ。
すぐ睨みながら続けた。
「もう女遊びじゃねぇだろ!?
完全な不倫だろうがぁ!!
しかも桂さんにかぁ!?
困り果てたから長崎へ?
あの奥さんへ、どんだけ不誠実な事を。
更に高杉さんは、今すら会ってねぇな?
どうせ贈り物と連絡のみ。
んで、また…
結局は、おうのさんを、かぁ!?
何も悪くねぇ奥さんと子供の事を。
高杉さんは、ずっと放置してんのかぁ!!」
想像した事でと私は、怒りまで湧き上がる。
もう完全に睨み付けて怒鳴る。
「ふざけんじゃねぇ!!
あの奥さんは、だろ?
結婚したくなかった筈だぞ!!
んなのに勝手な理由で?
高杉さんと決められてなのにかよ!!
それでも高杉さんの事を。
愛そうとしてんのにかぁ!!
なのに高杉さんは…
奥さんを、愛さねぇで他の女へ!?
んな事すら平気でしてんのかぁ!!」
「ま、待て、春香!?
どこまで俺を、知って…
いや、だが、違うぞ!?
俺だって、あの雅子は、大切で…
まして無下になど!?
今でも、おうのへ?
俺から会う気すら全く、ない!!
だから、春香も!?
落ち着いてくれ?
もう、しない上に…」
私が、怒鳴ると、すぐ高杉さんは…
完全に、だった。
慌てる様子にも判る。
そんな様子の高杉さんも見て…
私の中で決定的だと、判断して目を閉じた。
そして私の出した答えを、そのまま言う。
「なるほど。
これは、私もだろう。
完全に決まったなぁ…
高杉さんの場合、追記する事!!
奥さんからも逃げる不倫男!!
私の中で、そう高杉さんは、残るのみ。」
「何だとぉ!?
頼む、待ってくれ!?
春香ぁ!!
しかも俺の事へ、その追記でと?
逃げる不倫男とかぁ!?
それだけは…」
高杉さんの大きな声と動く気配を、私でも察した。
だから私もと目を、閉じたまま気配のみ。
集中して避けながら大きく言う。
「あの大久保さんとも違うがなぁ!?
長州の高杉晋作へ!!
んな不倫すらして逃げてだぁ?
まさに桂さんと真逆だろ!?
んな桂さんは、一切!!
女の記録すら出ねぇ!!」
「な、まっ、違う!?
小五郎は、別の意味が…
しかも俺の印象でと!?
それを、春香ぁ!!
頼むから待ってくれ!?
そんな記録へと…
絶対に俺は、されたくない!!
だから春香も…
一度、止まってくれ!?
小五郎も笑ってる場合か!!
春香、ちゃんと俺の話も聞いて…」
どうにか避ける程度、私でもギリだったが。
「悪りぃ、高杉さん。
私は、嘘が嫌いだぁ。
しかも今の言動すら本来なら…
奥さんへ!!
だろうがぁ!!
ちゃんと話を、するのが先に、だろ!!
どんだけ奥さんへと、不誠実を、続けんだぁ?
んな事すら判んねぇのかぁ!!」
更に怒鳴ると高杉さんの動きも止まった。
私も察して止まって目を開けると…
高杉さんは、逆に正座して目も閉じてたが。
首まで横に振ってから…
「春香の言う通りだぁ!!
だから俺からも妻へ。
それでも今は…
京都から離れらない!!
だが、必ず俺から先に詫びも含めて話を。
するのみ!!
もう俺は、しない!!
せめて春香ぁ!!
俺にも、その機会だけ欲しいと頼む!!」
叫ぶ様に言った言葉も含めて私は、少し冷静に考える。
そんな高杉さんも見ながら判断した。
「でもなぁ…
高杉さん?
本来なら奥さんだけじゃねぇだろ?
んな事すら気付かねぇのかぁ?」
そう言うと高杉さんは、目を開けた。
複雑な顔で…
「我が子へも、だろう?
俺も判って…」
「違う!!」
すぐ私は、高杉さんの声も大きく遮った。
驚いた顔になったのも見るが。
んな事だけじゃねぇ!!
やっぱか!!
だからこそ私は、高杉さんを。
また睨んでから怒鳴る。
「それだけでもねぇだろ!?
何で高杉さんは…
んな事にも気付かねぇのかぁ!!
奥さんへ、んな事すら当たり前!!
その子供すら当たり前だが。
おうのさんへも、だろうがぁ!!
もう愛したにも関わらず。
今すら判んねぇ中へ、した、おうのさんも!!
マジで高杉さんを、全てだった筈だぞ?
そして奥さんだって…
高杉さんの事だった筈なのにかぁ!?
どっちも同じだろ!?
なのに高杉さんは…」
言いながら私は、二人の事も考えれば…
尚更、抑える為に目を、閉じた。
ふざけんじゃねぇぞ…
どちらからも、だろう?
それだけ愛されてるのに!?
もう、そのままで私は、叫んだ。
「どんだけ愛されてると思ってんだぁ!!
それなのに気付かねぇだと!?
既に高杉さんを、だってのにかぁ!!
ずっと愛されてる事すら判んねぇだと?
愛されねぇ人だって多いにも関わらず。
なのに、どうして更に選ぶ!?
どうして一方のみ。
そして選ばれなかった者は、どうなる!?
勝つ者が居れば、負ける者が居ると。
だから変わらないって私も言ったぞ!?
どこに平等が、ある!?
どこに真意が、ある!?
どこに誠意が、ある!?
どこに本心が、ある!?
結局、全て繰り返すだけかぁ!!」
どうにもならない感覚が、だった。
私の中に広がるばかり。
「絶対に嫌だぞ…
結局は…
全て平等じゃねぇだろうがぁ!!
んな中で私が、だと?
既に言ったからこそ生きる事を。
んな私は…
何も、ねぇ!!
何も、判んねぇ!!
何も、貰えねぇ!!
何も、変わってねぇ!!
んなのに、何を、どう願う!?
どう祈れば良いってんだぁ!!
んなの最初から知らなければ…
何も、望まねぇ方が、ずっと…」
「待つんだ、春香ぁ!!
ならば、私が、教えるのみ!!」
そこで、いきなり桂さんの大声が、私にも聞こえた。
驚きながら私は、目を開けた。
すぐ声の方も見るが、複雑な顔で、だった。
更に桂さんは…
「今の春香が、出した事も違うのだ。
判らないと、知らないと、変わらないと。
言うのならば、全て私が!!
全て春香へ!!
教え続けるのみ。
そんな春香にも、絶対だと言える事を。
既に春香自身、言ってる事でもある。
ずっと繰り返すと。
その意味を、春香自身が、なのだ!!
大きく間違ってるのみ。
それだけの事、春香自身が!!
愛さなければ、誰も春香を、愛さない。
そして春香が!!
己自身まで愛するならば全てが、春香を!!
愛するだけの事。
春香の場合は、逆だろう!?」
桂さんの言葉に私は、動揺する。
何だと!?
私が、私を!?
愛する事!?
すぐ桂さんが、私の前まで来るのも判る。
だが、動けなかった。
でも桂さんは、複雑な顔のまま…
また私へ。
「もう私は、言ってる筈だろう?
私は、春香だけを、愛してるのだよ?
そんな春香が、痛いと、苦しいと、その姿を。
私が、見れば同じ事。
私も痛いと、苦しいと、感じて思うのだ。
だからこそ春香には、笑って欲しいと。
春香の為に私は、願うのみ。
全て春香を、祈るのみ。
それの、どこが、欲になる?
愛した者が、苦しんで悲しむ姿など…
誰だって見たくない筈。
そして春香も、だろう?
私が、痛いと、苦しいと、その姿を。
もし春香が、私を。
見た時で構わないが、どう思う?
その為にする願い、祈り、全て『思い』だろう?
ただ、『思う』だけにも関わらず。
それが、なぜ欲になるのだ?
既に欲では、ないだろう?」
その言葉に私は、もう驚いた。
桂さんまで!?
痛いと?
苦しいと?
んなの事だけは!!
咄嗟に私も桂さんへ。
「違う!?
んなの駄目だ!!
どうして桂さんが?
痛くなるんだよ!!
苦しむ事すら違うのに、そ…」
「だからこそ春香と同じなのだ!!」
私の大きな声すら遮って桂さんが、だった。
大きく言ってきた。
だから何も言えないまま私は、桂さんを。
見るしか出来なくなる。
「そう、既に春香と私は、同じ事。
そして願いも、祈りも、己の『幸福』を。
そんなのは、欲でもない。
春香の中にある優しい『思い』、だろう?
その『思い』すらも春香の中にと生きてるのだよ?
ずっと信じた春香の祖母が、春香の為へ。
唯一、残した『思い』すらも同じ筈。
だからこそ春香へ、残した本当の願い、言った意味。
それこそが、祖母の『思い』であり、本当に祈った事。
それが、『春香の幸福』と、だろう?」
お婆ちゃんの!?
あの優しい願いすら私への『思い』だと?
だが、私が、だろ!?
忘れなければ…
お婆ちゃんだって!?
どうにか考えてる私にと桂さんが。
今度は、少し笑うのも見てた。
それからソッと優しく私の頬だけ触れると…
「あぁ、そうだろうなぁ。
私の願い、祈りも、だよ。
春香の祖母と同じ事を。
ただの優しい『思い』は、欲とも言わない。
あんなにも信じた春香の祖母と同じ事のみ。
私の思いも全て春香の為のみ。
その『思い』は、春香の『幸福』のみ。
そして私が、だろう?
必ず、春香を、守ってみせるのみ。
もう痛くない、もう苦しくない、もう恐くない。
だから春香も、だよ?
もう己の『幸福』を、願って良いのだ。」
言ってくる言葉が、全て私には…
ただ優しくて思うばかり。
そうだなぁ…
桂さんなら信じても…
でも言葉だけは、浮かばない。
だから、また私は、そのまま桂さんへ。
少し笑って擦り寄りながら、どうにか僅か言う。
「桂さんだけ…
そうか…
きっと私も…」
そう思うだけで、だった。
なぜか私は、眠くなる。
そのまま軽く桂さんが、私を。
抱き締めた事も判った。
「春香が、心配する事もさせたくない。
そして安心するならば…
そのまま少し眠って大丈夫だよ?
必ず、私が、春香を。
守ると、その思いだけは、欲とも違う。
願いと言う祈りなのだから…」
その桂さんが、言った言葉に私は…
素直に頷くだけしか出来ない。
安心かぁ…
桂さんだったら…
少し擦り寄ったまま私は、温かさの中で眠った。
桂さんなら大丈夫と思いながらだった。
**************************
一方、桂小五郎。
この反応は…
大久保の予測通りか。
今まで春香が、どれ程か…
すぐ湧き上がる感情も抑え付ける。
それでも今の春香が、だろう?
全ての言動すらも私を。
ならば、もう春香は、私のみを。
尚更、絶対に私が!!
軽く春香も抱き上げて見れば…
安心してる事すら簡単に判る。
そして晋作へ。
私は、怒りの目を、真っ先に向けた。
すぐ晋作も察した様子で、だった。
少し首を横に振りながら…
「すまない、小五郎。
俺も判ってる。
春香の言った意味も…
全て正しいのみ。
その上で俺は、春香の傷へ。
僅かに触れた事も自覚してる。」
そう…
あの時、春香が!!
した言動で充分、私にも判るのみ。
愛されたいと…
本来ならば、春香も、ずっと願ってた筈!!
まして幼子が、真っ先に求める事すら同じだ!!
にも関わらず。
春香へと、与えられたのは…
完全に愛では、ない!!
常に痛みと苦しみを。
どれだけ春香が、知る度に『絶望』を。
味わい続けたのだ!!
目も閉じて冷静にと怒りを。
抑え付けて私も言う。
「あぁ、その通りだろう。
それに晋作も一応、判ってるならば良い。
だが、次は、私も春香の為のみ。
例え晋作でも一切、容赦しないぞ?
もう春香は、痛みや苦しみだけでもない…
その上で常に味わう絶望を。
多くの幼子が、若者達が、耐えられず。
己の命すら断つ選択もする中で、だぞ?
想像しただけでも耐えられない筈。
それを、したのも大久保の言う通り…
直接でなくても私達が、誤ったからだ!!
そして春香は、何も悪くないのにか?」
「それすら想像すれば…
俺でも、耐えられる筈もない。
そして、そんな未来へ。
した俺達が、だろう?
どれだけ…
俺は、愚かなのだ。
簡単に春香から…
指摘されれば、その通りなのに…」
少し苦しみすらある晋作の声で私も思う。
私も耐えられないだろう。
そんな苦しみなど…
だが、私も目を開けた。
それから、また春香を、見ながら小さく言う。
「春香?
今までの無自覚すらも、だろう?
ずっと、その苦しみを。
味わいたくないと。
だからこそ、夢と?
知りたくないと、変わりたくないと…
それだけでも、どれ程、恐かったのだ。
変わって知る全てが、欲ばかり。
そして知る度に味わい続ける絶望ばかり。
既に学だけでもない。
優し過ぎるからこそ余計に痛いのだろう?
もう絶対に私が、全てから…」
安心して寝てる春香の姿だけでも私は…
今は、充分だろう?
私の前でだけ…
春香は、こんなにも安心するのだ。
今まで生き続けた日々の中。
ずっと受け続けた傷など…
既に命ではない!!
常に心が、だろう!?
これ以上、優しい春香に私が!!
絶対、傷など許さん!!
徐々にでも私が。
否、もう私自身の全て、だろう!?
どんな事でも全力で守り抜く!!
春香の傷も癒す為、その中でも知って笑う為。
私の願いは、何も変わってない!!
「俺から言える事でもねぇが。
本当に小五郎は、春香の為のみ。
それだけ、だろう?
だが、充分だろうな。」
普段より小さめな晋作の声に気付く。
春香の為も判るが、私も見れば、複雑な顔だった。
視線も合わせると少しだけ笑った。
「まぁ、だがな?
これだけは、言わせてくれるかぁ?
小五郎の記録、それが、ねぇのも判る。
全く、誰だ?
って感覚しか俺には、ねぇぞ?
春香自身も言ってたがなぁ。
あの大久保すらもだと?
最大の秘密も未来では、全部だぞ?
知られてるとしたら…
一体、どんな理由でか?
誰が、残しやがったんだよ!!
俺の記録だけでも、どんだけだ?」
その意味にも充分、判った事もあるが。
私でも笑ってしまう。
どうにか春香も起こさない様にするしか…
「ははは…
確かに、そう、疑問になる。
私が、春香に言う前で…
もう晋作は、完全に怒鳴られたが…
更に、か?
はははは…
しかも今度は、逃げる不倫男?
やはり私は、駄目だ。
耐えれない…
器の小さい男も笑ったが。
晋作すら動揺どころでもない。
ははは…
さっきの動き、私も見てたがな。
既に春香から読まれただろう?
避けられた上に慌て続ける晋作?
あの晋作が?
駄目だ、思い出すだけで私は…」
必死に笑いを、私も耐える。
複雑な顔で、また晋作も溜息してから私へ。
「だから今度は…
俺が、一切、笑えねぇ!!
小五郎とも真逆?
まぁ、それだけは、認めるがな。」
私の言った言葉まで使って晋作が?
そのまま少し笑いながら…
「それは、止めろ、晋作?
私でも笑いが、耐えられない。
ははは…
薬の苦味は、問題なくてもか?
もう春香に負けてるぞ?
散々、私を、笑ってきたのだ。
晋作には、ある意味、効果的だろう。
逃げる不倫男か…
ははは…
私も気を付けねば…
駄目だな。
絶対に残されたくない。」
「この…
それも、もう言うな、小五郎。
後、春香にも、だぞ?
これ以上、最悪な印象で残るだろ!?」
そんな微妙な顔で言ってくる晋作を。
私でも意味は、充分だった。
だが…
確かに、一体、誰が?
それだけの記録としてか?
わざわざ未来にまで残したのやら…
歴史にすら関係ない事ばかり。
私に関しては、ないのも、だろう?
不思議な感覚だがなぁ…
一度、視線のみ。
晋作へ向ければ、頷くのみ。
意味も判って、そのまま私も春香を。
抱き上げながら部屋から出て、いつも通り移動した。
**************************
一方、土方歳三。
幕府の黒、また大久保と接触後。
水面下で動く中、やはり違和感も感じて居た。
おかしい…
少なくとも仲間を。
利用し続けた幕府は、許せねぇ…
更に聞いた大久保からの未来だぞ?
確かに幕府討伐だけならば、あの薩摩側。
大久保の言動だ…
既に長州と土佐も含めて春香の保護を。
だから未来を、真っ先に動くのも判る。
もし幕府討伐が、実際にされても、だろ?
あそこまで酷過ぎる未来へ。
なる筈もねぇ。
史実も再度、見直しながら考えれば…
討幕後、だろうが。
その中に大久保も含めて、だぞ?
にも関わらず。
なぜ、あんな未来へ。
今すら春香の場合。
歴史に影響どころじゃねぇし?
それなら春香が、この時代へ。
正確に言えば桂小五郎との接触時。
歴史が、もう変わってるのに変化なし…
だとしたら、この先でも春香は無事だ。
つまり、春香の居た未来と今。
分岐した意味にもなる。
だが、史実通りになれば…
新たな未来も同じ道へ!!
今すら、あんな未来へ!!
それを、止めて変えれるのも俺達のみ。
「チッ。
俺達すら利用してる幕府に志も全くねぇ!!
しかも欲のみ。
尚更、俺は…
死んでった仲間達の志も知ってんだ!!
ふざけやがって!!
そんな幕府より俺は、絶対、仲間の志を。
優先すれば、当然…」
ふと春香の錯乱した姿を、思い出す。
あんな未来は、絶対、間違ってんだ!!
こんなの当然…
いや、あの大久保も言ったな?
『人として当然の答え』と。
その通りだろ!!
しかも俺には…
『見抜く際、常に忘れるな。
私も幕府側で、どうにか内部を』と。
だとしたら幕府が、だろう!?
また動くのも察して常に命懸けだぞ!?
幕府が、また俺達も利用しながら…
そう言う意味で、言った筈。
だったら動くのも明確!!
だが、幕府は、具体的に…
どう動き出す?
いや…
待て、既に、だろ?
今の京都見廻組としてる俺達を。
真っ先に京都へ。
新撰組として名も変えたが…
それすら単純に幕府側からしたら今を、だろ?
また春香の言葉も浮かんだ。
『もう単純に利用されてんじゃねぇかよ。』
その意味すら判る事で、だった。
更に怒りばかり湧き上がる。
「ふざけんじゃねぇ!!
俺にと最初から春香も言ってる上に…
大久保すら僅かで更に未来まで見抜たのにかぁ!!
つまり幕府体制を、己の権力を、欲を。
ただ、それの為だけに…
ずっと俺達を、利用し続けてたのかぁ!!」
こんなのは、真っ黒どころじゃねぇ…
そんな下らねぇ理由で!?
どれだけ仲間が、死んだと思ってやがる!!
だが、次は…
俺達も利用されねぇ…
幕府も含めて策を、考えてる時。
すぐ気配も察した。
「総司と斎藤か。
入れ。」
素早く襖を、開けてから二人共が、だった。
警戒しながら室内へ。
斎藤が、先に警戒度も上げながら総司へ。
視線のみ。
意味も判って端的に聞く。
「斎藤、確認は?」
そんな斎藤は、警戒度も更に上げてから…
「はい、土方さんの予測通りでした。
薩摩藩邸で坂本の確認が、出来ました。
ですが、俺には、判りません。
あの坂本は、今でも見つかる危険すらある。
にも関わらず。
薩摩側へ、ならば大久保へ、でしょう?
かなり頻繁に、です。
坂本ばかり、なぜか…
それ程に多く出入りしてました。」
斎藤からの言葉を、俺も内心、驚くが。
確認の為にと…
「頻繁に、だと?
あの坂本が、薩摩…
つまり、大久保と接触してるんだな?」
斎藤は、頷くと警戒したまま…
「はい、そうです。
いくら幕府討伐の為でも多過ぎる程。
ですが、保護してる筈の春香さんは…
薩摩側に居ないのも判ってます。
なぜ、あんなにも…」
途中から考える様子になったのも見たが。
すぐ俺も考える。
それ程、頻繁に危険の中で坂本が。
その薩摩側に居る大久保も、俺へ。
言った事も思い出す。
『再度、言うが薩摩側は絶対にだ。
春香の保護を、真っ先に最優先する。』
考えながら一応、予測も俺には…
それから視線を、総司へ。
総司も察して警戒度を、上げた。
「はい、俺も坂本を。
土方さんに言われた通りでした。
確認しました。
ですが、丑の刻、坂本だけでは、ありません。
やはり武市、岡田も長州藩邸へ。
かなり頻繁に、でした。
全員が、実力者のみ。
見つからない様に外からしか不可能ですが。
確実に、でしょう。」
すぐ俺は、春香の存在も踏まえて考える。
今ならば…
春香の側には、常に桂小五郎が、だろう?
目を閉じて考えも纏めて二人共へ言う。
「なるほど、酷過ぎる未来へ。
しない為、だろうな。
薩摩の大久保は、春香と接触時、酷過ぎる未来を。
予測して俺のみ、既に命懸けで来た程だぞ?
恐らく長州の桂小五郎が、更に判断したか。
しかも薩摩側は、春香の保護を。
絶対するからこそ…
春香から新たに出る情報を、常に坂本が、だろう。
大久保へ、それで薩摩側も未来の為、最善を。
つまり情報の共有、武力より学でか。
常に最善も選ぶ為、動いてる証拠だな。
だが、春香の場合は…」
そこまで言った時。
すぐ俺も含め察した。
何も言わずに待ってると…
「土方さん!!
まだ内容まで判らねぇがなぁ?
近藤さんが、隊長全員と土方さん。
いつもの部屋へ、集まれって言ってんぞ!!」
襖越しに永倉の声が、聞こえた。
すぐ俺は、嫌な予感もするが。
「永倉!!
近藤さんが、隊長と俺だけにかぁ!?」
「おぅ、良く判らねぇがなぁ。
特に土方さんが、居なきゃ駄目っぽい?
感じだったぞ?」
「判った、永倉!!
すぐ行くと伝えとけ!!」
「了解っと。」
気配のみだが、素早く走り去った事も判る。
総司も、斎藤の視線も判るが。
「チッ。
やっぱ幕府が、動いたか。
だが、近藤さんの場合。
幕府側の思惑すら気付いてねぇ。
しかも隊長のみ。
二人は、何も言わねぇで良い。
まず俺が、確認する。
その中でも慎重に、だぞ?」
二人共が、頷くのみ。
それから三人で話し合いに使う部屋へ。
部屋に入った時。
「トシ!!
来たな!?
それに皆も良い知らせが、あるぞ!!
俺達の努力も実り始めてるな!!」
嬉しそうな近藤さんの大きな声を、聞いたが。
普段通りにと…
「近藤さん?
何だぁ、急にだが。
しかも…」
それから室内も見渡せば、俺達以外。
既に揃ってるのも判るが。
皆も不思議そうではある。
まだ内容は、聞かされてねぇな。
だが、良い知らせだと?
「まぁ、落ち着けよ、近藤さん。
後、総司も、斎藤も。
いつもの席に居ろ。」
そう言うと二人は、素早く普段通りの場所へ。
そんな中でも近藤さんは、皆の前で嬉しそうに笑う。
「これで全員だな!?
そしてトシ!!
俺には、嬉しい上に、だぞ!?
凄い話が、あるんだ。」
俺も普段の場所へ、座ってから一応…
「いや、だからなぁ?
近藤さん、それじゃ、全く判らねぇよ!!
何が、凄いって?」
言うと逆に近藤さんは、立ち上がった。
それから皆へ。
「トシの言う通りだろう!!
そう、判らんな、良いか?
普段から会津藩が、だっただろう?
いつも俺達にと助力を、多くして頂いてた事。
それも充分、皆も判ってる筈だな!?
そして京都で御所へ。
警護さえ任されたのみ。
まぁ…
皆も含め他にも大変だった事を、俺も判る。
だが、やっとだ!!
俺達の、新撰組の実力や志!!
全て含めて認められたのだぞ!?
松平公から幕府へ、助言してくださった。
だから幕府側のする諸藩すら招いた集会へ。
俺まで参加もする事になったのだ!!」
全員が、驚いたのも判った上に…
藤堂と武田が、真っ先にだった。
「そりゃ、本当か!!
近藤さん!!
俺達の事が?
幕府からすらも実力を。
認めたって意味か!?」
「何だと、近藤さんが!?
詳しく判らねぇとしても…
つまり、あれか?
幕府も含めて俺達、新撰組が!!
それに近藤まで参加してかよ!?」
すぐ俺は、察したが。
皆にと近藤さんも嬉しそうに…
「そうだぞ、藤堂、武田!!
俺達には、身分もないが。
もう、これで実力だけじゃないぞ!!
新撰組そのものが、だ!!
今まで頑張ってきた事も一切。
無駄では、なかった証拠だろう?
既に認められてるからこそ。
更に、だぞ?
もう俺すら嬉しいに決まってるだろ!?」
すぐ俺は、気付く。
チッ。
これは…
幕府が、俺達を。
利用し易い様にする為のみ!!
しかも近藤さんだけを、わざと!!
今度は、武田が。
立ち上がって嬉しそうにだった。
「スゲェな!!
俺達が!?
新撰組が!?
それを、近藤さんから更にか!!」
すぐ近藤さんは、笑った。
「勿論だ!!
その場では、俺が、他の諸藩へ。
俺達、新撰組の事を、絶対に伝えるのみ。
もっと認めて貰える機会を、だぞ!?
そうなれば、もう会津藩に限らん!!
諸藩にも俺達が、新撰組が!?
更に認めて貰える為、俺も頑張るからな!!」
確かに…
今までの俺なら素直に喜べただろうが。
この場に居る皆へ。
今は、何も説明すら俺だけでなら…
尚更、不可能か!!
少し溜息が、出た。
「トシ?
どうした?
トシが、一番だろう。
喜ぶ筈だが。」
察した様子で近藤さんが、不思議そうな顔を。
俺にも言うが、そのまま少し考える。
今は、説得も出来ない上に…
やっぱ気付いてねぇ。
だから、わざと大きく溜息も出してから…
近藤さんも見ながら言う。
「そりゃ、近藤さん?
新撰組が、俺達が、認められるのは…
スゲェ嬉しいが。
まだ、その集会やらも出てねぇだろ?
もし近藤さんが、だぞ?
その場でだ、僅かでも馬鹿したら…
完全に新撰組は?
皆も含めた馬鹿集団に?
なっちまうが。
そっちは、大丈夫なのかぁ?」
急に近藤さんは、凄く驚いた顔のまま…
「な、まさか、トシは…
そっちの心配を、真っ先に?
俺が、その場でとか!?
それは、一応、意味も判るがなぁ?
だが、そんな事、俺もだぞ!?
絶対に馬鹿しない!!」
確かに近藤さんらしいが。
少し笑いながら続ける。
「いや、近藤さんは、毎回だろ。
いざとなった時、大抵、馬鹿するし?
その馬鹿で俺達は…
今度は、ただの馬鹿集団と判断されんだぞ?
しかも今ですら…
ずっと興奮ばっか、それで俺が?
毎回、後始末するから余計に、だがなぁ…」
もう近藤さんは、凄く慌て出した。
「ま、待つんだ、トシ!?
だが、俺も、しっかりと?
必ず、その場でも、だぞ!?
絶対、馬鹿しない!!
こんな話を、興奮するのも?
普通だろう!?
しかもトシぐらいだぞ!!
驚くより先に…
私の馬鹿まで心配したのか!?
確かにトシは、学もあるが。
充分、俺も学んでるのだ!!」
俺は目を閉じて頷くのみ。
だが、違う事を、未来の事を。
俺は知ってるからこそ…
余計、近藤さんや皆を。
利用し続ける幕府が、許せなくもなるが。
ふと、そこでも春香の言葉が、浮かんだ。
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる。』
あぁ、確かに春香の言う通りか?
だがなぁ…
『そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる。』
それだけは…
違うだろうがぁ!!
例え俺でも認めねぇぞ、春香?
それから俺も目を開けた。
頷きながら考えて言う。
「判った、近藤さん。
なら俺の持ってる書物。
全部だな?
近藤さんも暗記すりゃ…
馬鹿しねぇよなぁ?」
「トシの書物全部だとぉ!?
どれだけか…
俺でも知ってるぞ!?
それを、全部、暗記しろと!!」
明らかに近藤さんは、驚いたまま固まった。
そんな様子に俺も笑うが。
その場に居た全員もだった。
爆笑したのも俺は、見てた。
更に近藤さんは、頭まで抱えながら…
「俺は!!
絶対に馬鹿しないのだぁ!!
だが、あんな暗記すら出来るトシが?
変なだけだぞぉ!?」
大きく叫んだが。
それに俺は、また春香も浮かんで笑って言う。
「当然だ!!
俺は、新撰組副長の土方歳三だぞ!?
尚更、馬鹿しねぇ。
常に仲間の為、そんな事も決まってんだよ!!
少しは、近藤さんもかぁ?
容赦なく頑張って貰うが。
それすら当然!!」
「トシは、鬼畜過ぎるだろう!?
俺だって頑張ってるぞぉ!!
だが、それすら当然?
確かに?
その通りか?
やっぱ俺は、馬鹿なのかぁ!?」
もう皆が、笑いすら耐えてるのも判る。
「まぁ、近藤さんの話は、充分だ。
まだ俺は、難題もあるからな?
もう部屋に戻るぞ。」
そう言うと同時。
総司も立ち上がり少し笑いながら…
「近藤さん?
俺も用事が、また終わってないので…
土方さんの書物は、俺が!!
しっかり届けますね?」
「そ、総司まで俺にと?
トシの書物全部!?
暗記しろとぉ!?」
斎藤も立ち上がると少し笑う。
「近藤さんも、新撰組局長です。
尚更、皆の為、でしょう?
やはり常に最善の為にもなります。
学ならば多くても困りません。
俺にも、やる事が、ありますから…
この場は、皆に任せます。」
「斎藤までか!?
もっと俺には、学だと!?
確かに新撰組の皆を。
俺だし?
そうなるのか!?」
他の皆は、爆笑する中で俺は…
二人も連れて自室へ戻る。
また俺は、溜息も出した。
気配すら探れば、二人以外、居ないのも判る。
だが、湧き上がる怒りを、抑えてながら言う。
「さっき近藤さんの話は…
もう二人共、気付いたな。
会津藩から幕府へ?
そんな幕府の話し合いならば…
明らかに、あの近藤さんすら騙しながら…
やはり常に新撰組を、利用し易い方へ。
今の俺達が、知らなければ…
更に史実通り進むだけだったか!?
こんなだと幕府は、また…」
察した様子で、斎藤が…
やはり怒りも抑えながら…
「俺でも知った事で、変な動きに…
すぐ気付きました。
新撰組では、今ならば近藤さんのみ。
それから動かし易くする為のみ。
やはり幕府は、完全に、でしょう。
どれ程の仲間が、利用されて…」
総司まで殺気も出したが、目を閉じた。
「俺は…
もう許せないどころじゃないです。
あんなにも近藤さんは、喜んでたのを。
更に、ですよ?
皆すら信じてるにも関わらず。
それなのに!?
死んだ仲間達も、今すら俺達も、騙し続けると?
確かに俺は、ずっと近藤さんや土方さん。
皆の志、学もない俺は、だからこそ剣へ。
その為のみ。
選びましたが、その振るう剣の先が。
良くなる未来でもない上に…
大切な仲間の為に、こそ!!
そんな幕府が、一番、俺達を?
使い捨てるならば、絶対に許せません!!」
二人の意味には、充分、判るが。
これでは…
「総司、落ち着け…
斎藤もだ。
俺達が、だと言った筈。
俺だってなぁ…
近藤さんの望む夢ぐれぇ判ってんだ。
だが、それすら利用してる幕府を。
許せる訳も、ねぇだろ。」
二人共が、俺も見た事に判って続ける。
「良いか?
春香の事で、俺達が、だぞ?
あの何も悪くねぇ春香が、ずっと?
あんなにも痛みと苦しみを。
させ続けた最悪な未来へ。
俺達は、利用されてる事に気付かず。
進めたからこそ!!
俺達すら直接じゃなくてもなぁ…
加担した結果の未来へ!?
ふざけんじゃねぇ…
そうなったならば、尚更、今だ!!
俺達は、気付いた。
それに長州、薩摩、土佐、全てが。
気付いたからこそ、更に動いてんだ。
そして俺達は、幕府側を。
唯一の接触ならば、俺と総司だが。
既に斎藤も判ってる。
変えられるのも俺達のみ。
幕府に根付いた考えは、捨てねぇと…
あの春香と同じ様にか?
ずっと幼子が、泣き叫ぶ国へ、なるのみ。
俺達も常に最善を、選び続けるしかねぇんだ。」
二人共が、複雑な顔もしながら頷くだけだった。
それでも判ってる事に俺も考える為、目を閉じた。
恐らく近藤さんの場合…
幕府から利用され続けても…
剣は、捨てられねぇな。
まして武士ならば、尚更、剣を。
だが、幕府討伐の皆は、逆に…
剣では、ない未来を、だから変わるのも判るが。
それでも…
しかも薩摩と長州、常に情報まで合わせながら…
進めてる筈。
土佐でも坂本だが。
ふと気付く。
「まさか…
いや、判らねぇか?」
もしかしたら…
幕府討伐の中に要因、更に元凶が!?
だから未来すら酷過ぎる結果へ!?
だが、今の俺達に出来る事すら少ねぇ!!
「チッ。
もう、こうなりゃ…
俺自身の命懸けかぁ?
その上で確率も判らねぇ賭けのみ。」
そこで俺は、目を開けた。
そのまま二人共も見れば、僅かに驚いてたが。
「俺が、直接だぁ。
再度、薩摩の大久保と接触を。
必要ならば長州へ。
もう単独、一度、情報の為、動く。
更に、出来れば…
坂本達ともだろう。」
二人共が、凄く驚いた顔になるのも見た。
それでも、すぐ続ける。
「いくら予測しても情報が、足りねぇ。
そして俺の予測だがなぁ。
幕府討伐の中にだぞ?
最大の元凶もある筈。
春香の為、動く者達ならば、常に情報までしてる。
必死に共有して未来の為、動く中にも関わらず。
誰かが、裏に隠れてやがる。
そんな最大の元凶が、俺にも判らねぇが。
薩摩と長州は、坂本が、だろう?
常に命懸けで、ずっと動いてる。
もう簡単だぞ?
薩摩は、大久保利通が。
長州は、桂小五郎が。
どちらも学は、かなりある。
だからこそ同じ選択を、選び未来の為のみ。
だったら、どちらも元凶に気付いてる筈。
更に大久保は、幕府内でも動く事すら言ってた。
それすら危険なのも、すぐ判るのにか?
今の俺達も下手したら幕府に、利用され続けるのみ。」
また目を閉じて薩摩と長州も含め考える。
そのまま…
「俺の予測だが、武力討伐を、だろう。
避ける筈、そうしなければ…
未来には、常に力ばかり、欲すら残り続ける。
その残り続けながら進んだ未来は…
常に力を、常に権力を。
だから女すらも欲のみ。
高過ぎる学が、あるにも関わらず。
春香の痛みや苦しみを、判って居ても…
助けないのも、だろう?
己自身、つまり保身のみ。
言い換えれば、己の欲だ。
恐らく幕府が、今してる事すら欲のみ。
元凶の幕府討伐後、残り続けた未来の結果。
更に悪化させた元凶が、倒幕側に居る。」
それなのに、俺達は!!
目を開けて二人共に怒りすら抑えず。
もう俺は、完全に殺気立つ。
「俺は、その元凶を、始末してぇ…
もう裏切る以上だろうがぁ!!
ソイツが、原点ならば尚更だぁ!!
許せる筈も、ねぇぞぉ!!
倒幕側に居る者すら騙して、更に!?
今まで死んでった仲間達の命すら全てが!?
必死に未来の為、動いてる中でかぁ!?
ふざけんじゃねぇ!!」
完全に怒鳴った時。
斎藤が、複雑な顔で、すぐだった。
「ひ、土方さん。
せめて殺気を。
そして今の話ならば、薩摩も、長州も!!
違う選択でしょう!?」
その言葉に俺は、驚くが。
更に斎藤は、首まで振りながら…
「武力討伐しないと!!
つまり、学のみ。
どちらも選んでます!!
もし俺達が、剣を、使えば…
やはり武力は、常に未来へ!!
残ってしまう!!」
叫ぶ様に言った言葉を、聞いて俺は…
その意味に俺も気付いて…
な、それは!?
俺まで誤ちへ!?
また俺も冷静にと、再度、目を閉じた。
もう、そのまま言う。
「確かに斎藤の言う通りだな。
今のは、俺が、悪かった。
学のみ、武力は…
使えないならば、何が。
最善かを。」
言いながら閃く。
だから目を開けた。
慌てながら、すぐ言う。
「それだ、斎藤!?
つまり、防衛のみ!!
その為以外、武力は、全て捨てる道を。
その中でも自己防衛は、仕方ねぇ。
だが、他の武力放棄!!
先にすりゃ、全てが、自己防衛のみ。
相手から、やられた時のみ。
相手は、自業自得のみ。
だとすると…
やはり情報と、学のみ。
最初は、スゲェ難しくもなるがなぁ!?
今ならば、近藤さんの足止めを。
もし幕府と接触すれば、余計、酷くなるばかり。
そして新撰組は、幕府とも別組織へ。
そうなりゃ、もう二度と!!
幕府からの利用すらねぇぞ!!
そんな新撰組は、今でもある誠の信念を。
一応、武力も最小限にしか無理でもだが。
誤ちも消せる上に、未来へ、だぞ?
常に俺達、新撰組が、だろう!?
歴史でも、史実でも、常に正しいと!!
ずっと残り続けて未来すら良くなるのみ!!」
二人共が、驚いた顔になるのも見た。
それでも俺は、続けた。
「良いか?
俺も春香から言われたが。
未来での新撰組の事を、だぞ?
そのまま俺から言う。
『名前は有名だが。
危険人物の集団ってなぁ!!』
って春香は、すぐだった。
つまり、今の俺達も、だろ?
このまま利用され続けた結果。
志すら何もない単純、危険人物の集団と!?
春香も新撰組の名前は、知ってるが。
常に幕府から利用され続けるからだ!!
そのまま歴史、史実まで、新撰組の事を。
俺達の事も常に、そう残され続ける?
そんな事は、死んだ仲間達の志も、だぞ!!
俺達の今すら絶対、望んでねぇ!!
もう判るな?
新たに新撰組は、別組織としてだ。
幕府から離れる事を。
正しい未来の為に振るう剣へ。
不幸にならない未来の為へ。
その為のみ!!
近藤さんも含めて俺も説得するが。
完全な独立組織へ。
薩摩、長州、土佐、幕府?
全てに所属しない!!
未来の為、新たな新撰組として動くのみ!!」
どうにか俺が、言うと完全に総司は、困惑してた。
「武力の放棄?
でも自己防衛のみ?
新撰組を、幕府からも別組織へ?
未来の為に振るう剣と?
でも志すら消えず、歴史すら…
土方さん?
えっ、俺は、どう?
動けば…」
斎藤も同じだった。
「別組織へ?
独立と?
土方さんが、それでも志すら含め…
死んだ仲間のも?
常に未来へ。
ずっと残せると?」
もう俺すら笑った。
「くっ、ははは…
そう、まさに新たな未来の為!!
未来に繋げる力のみ!!
それが、新たな新撰組!!
完全に独立組織として動くのみ!!
はははは…
その資金関係は、薩摩も含めて可能。
未来の為、防衛力になる俺達だぞ?
尚更、正しい上に…
新たな幕府討伐後ならば…
新たな新撰組ならば、交渉も簡単になるのみ。
そうすれば、死んだ仲間達もだ!!
未来へと、願って、祈って、思い続けた志も!!
ずっと忘れる事もなく、常に生き続けるのみ。
絶対、俺が、薩摩と長州へ!!
情報も含め接触を、してやるぞ。
まぁ、確かに命懸けだが。
そんな事は、普段と変わらん!!」
二人共、同じく少し驚いたが、すぐ笑い出した。
真っ先に斎藤も理解した様子で俺へ。
「ははは…
確かに、それは…
土方さん。
俺達の志も、死んだ仲間の志も…
全て含まれてる上に、未来の為のみ。
その為、今の俺達が、唯一の剣へ。
ははは…
俺でも納得しました。
する事も困難でしょうが。
俺も、皆も、史実の中ですら常に生き続ける。
安心して笑う未来の為にもなる。
やはり最善でしょう?」
総司まで笑い出した。
「あははは!!
考えた事もなかったですよ。
流石は、土方さん。
しかも俺達が?
未来も良くなれば、春香さんみたいに…
あんな痛くも、苦しくも、ない未来へ。
そんな未来の中でも?
俺達の志も、一緒に生き続けると!?
あははははは!!
凄いな、まさに、一番です。
そして俺が、剣だろうと…
全て未来の為へ。
その為だけに、ある剣へ!!
あはははは!!」
二人が、笑って言うのも俺は…
見てた事もあって尚更。
俺が、だぞ?
新たに見つけた道すら春香かよ?
完全に、螺子じゃねぇだろうが!!
この国を、まさに変える為、唯一の奇跡だろ!?
そして今度は、水面下でも動きながら…
接触の機会を、薩摩と長州へ。
それでも慎重に動き始めた。
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