メンタル病んでる事は判るが、歴史までは判らねぇよ!!

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第二章:僅かな兆しの中でも徐々に。

19.本当の死ぬ意味と、生き続ける意味を。

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桂さんに声が聞こえて、私は朝食の部屋へ。
移動するが、少し複雑な気分でもある。

ちっと高杉さんになぁ…
言い過ぎちまったし?
桂さんも知ってるっぽいが…
んなのに、やっぱ…

そう思いながら部屋にも一応、入るが。
高杉さんは普通に笑って…

「おぉ、春香!!
おはようってかぁ?
しっかり今日も飯だ!!
もっと春香は食えよ?
まだまだ少ねぇぞ!!」

そう言って普段通りなのも私は見た。
でも考えながら下を向いた。

「おはよ、高杉さん。
ちっと先に良いかぁ?
昨日は、私が、だろ?
つい言い過ぎちまったが。
んな私が、ここで飯とか…
桂さんにも世話ばっか。
二人共が、だろ?
何も役に立たねぇし?
なのに飯まで食うのも…」

どうにか考えながら私が言ってる時。
気配で高杉さんが近付いたのも察するが。
一応、動かないで、そのまま目も閉じた。

「春香が言った事は全て正しいだろ?
何も間違ってねぇぞ?
それで春香を?
俺が怒る事すら筋違いってなぁ。
すぐ俺も言った筈。
だが、その様子からすると…
全く春香は知らねぇらしい!!
しょうがねぇから先にだ!!
俺が教えてやる!!」

知らないと?
私が?
それを!?

少し驚きながら目を開けた。
それから高杉さんを見れば笑ってたが。

「良いかぁ!!
春香、良く覚えろよ?
これは人間だけじゃねぇぞ?
生きてるなら最後は、どうしたって死ぬ。
その死に方が、それぞれだとしてもだ!!
命が消えてもだぞ?
本当に死ぬ訳じゃねぇ。」

んん?
命が?
本当に死ぬ訳でも?

私は不思議に思いながら言ってくる高杉さんを。
見れば凄く嬉しそうに笑って…

「どんな命でも永遠じゃねぇだろ?
だからこそ、今だ!!
生きてる時こそ楽しむ!!
出来る事だって多いが、常に全力のみ!!
悔いが残らねぇ様にと生きるのみ!!
そして本当に死ぬって意味ならば…
それは誰からも俺が忘れられた瞬間!!
誰も俺の事すら覚えてねぇ時!!
そこが俺ならば本当に死ぬって事だ!!
俺の事を、今を、この姿を。
誰もが忘れた瞬間!!
その瞬間、それが本当に俺の死だぞ?
だがなぁ!!
俺が死んだ後、春香や小五郎がだ!!
絶対に俺を、忘れねぇだろ?
だったら単純、話す事が出来ねぇのみ!!
誰かの記憶に残る限り、本当の俺は死なねぇ!!
覚えてる者達が居る限り、ずっとだ!!
しかも春香が教えてくれたがなぁ?
俺の書いた詩が名言集まで未来に残ってんだろ?
もう俺は名だけでもねぇな!!
姿が見えねぇってだけかぁ?
それだって春香自身が前にだぞ?
俺の事は忘れねぇって言っただろ?
だったら簡単、春香が覚えてる限り!!
本当の俺は死んでねぇ!!
話せなくても春香が覚えてる限り!!
絶対に俺も存在し続けてるんだぞ?
もう単純だろ?
俺の姿が見えなくなるのみ!!」

そう言うと少し複雑な顔になった高杉さんを。
驚きながら私も見てた。

そんな高杉さんが…

「判り易く言えばだがなぁ。
春香の場合だったら…
今でも大切な祖母を、だろ?
その祖母を、春香が覚えてる限り。
祖母からは話せねぇが。
常に春香の中で存在してる。
ずっと覚えるだろ?
姿が見えねぇ、話せたりもしねぇ。
だが、春香は覚えてる。
だからこそ、祖母すら春香の中でと。
ずっと生き続けてる意味になる。
そして春香は…
大切な祖母を、忘れたりしねぇ。
だったら祖母すら本当に死んでねぇんだ。」

お婆ちゃんが!!

私が覚えてる限り!?
死んでないと!?

ただ、私と話せないから?
そして見えないだけ!?

「私が覚えてたら…
お婆ちゃんも?
高杉さんも、死なないと?
見えないだけ…」

どうにか私も言葉を探すが浮かばない。
必死に考えながら思い出す。

あの優しい、お婆ちゃんが!?
今も?
それに高杉さんも!?

また桂さんも優しく笑ってだった。

「そうだよ、春香?
今でも祖母が心配してると。
私が言っただろう?
ただ、話せないだけ。
見えないだけで、春香を。
ずっと今でも願ってるのだよ。
春香が『幸福』に笑ってだ。
愛する者と嬉しそうに暮らす様子を。
そんな祖母の事も…
絶対に春香は忘れないだろう?
春香が生き続ける限り。
忘れない限り。
ずっと祖母も生きるのだよ。」

桂さんまで!?
優しい、お婆ちゃんも!?

だったら…

「私が、お婆ちゃんを。
忘れる筈ねぇ…
んで心配も、させたかねぇ…
多分、生きるって意味に?
なると?
高杉さんも忘れねぇし。
それなら話せないだけと?」

桂さんも見ながら、どうにか私も言うが。
高杉さんも、桂さんも嬉しそうに笑ったのも見た。

「あぁ、春香!!
そうだよ。
大切な祖母だろう?
春香も生き続ければ、祖母すら同じなのだ。
そうやって命も、思いも、一緒に繋げてくのだよ。
だから春香は、徐々にでも良い。
祖母が唯一、春香の為、残した『思い』を。
今ならば春香も判るだろう?
祖母が残した願い、それすら春香の『幸福』を。
そうやって探しながら生き続けるのだ。」

桂さんが優しく笑って言った事に私も頷く。
すると高杉さんも凄く嬉しそうに…

「そうだ!!
春香は生きる為、足掻くってなぁ!?
既に言ったんだろ!?
必ず、祖母すら今ならば笑う筈!!
そして俺も、か!?
俺も忘れねぇって言ったのも再度、聞いたぞ!!
だったら俺も本当に死ぬ訳じゃねぇ!!
単純、話せねぇ、見えねぇのみ!!
だから、そんな顔かぁ?
もう、すんじゃねぇぞ!!
春香だったらなぁ?
今すら祖母が見てたらって思え!!
そんな祖母を、春香は悲しませねぇだろ?」

嬉しそうに笑いながら高杉さんが言ってくる。
だから私も納得して少し笑う。

「あはははは!!
んだなぁ。
私は絶対に、だぞ!!
勿論、お婆ちゃんもだが。
絶対に高杉さんもだ!!
忘れねぇよ!!」

凄く桂さんも嬉しそうに笑った。

「ははは…
春香がなぁ…
そうやって笑うのを、だよ。
祖母だけでもない。
もっと多いと、徐々にでも判る。
さて、朝餉にしようか。」

桂さんの言った事にも納得して私は嬉しくなる。

そして普段通り、食事を。
三人で笑いながら食べ始めた。

**************************

食後、私は薬もと出されたが。
我慢して、すぐ飲んだ。

どうしても後味に複雑な気分だったが。
二人共が凄く嬉しそうに笑うのを。
私は見て思う。

私が頑張るのは…
多分?
こっちかぁ?

生きて繋げる、かぁ…
でもなぁ…

私は飲み終わった薬の紙を見ながら少し考えるが。
そこで私は閃く。
思い出す為、目を閉じた。

この時代である食材?
んなの判断も?

いや、そもそも?
冷蔵庫すらねぇ!?

家電すら全滅かよ!?

んん?
待て?

金も、だろ?
今すらだし?

必死に考えてる時。

「春香?
何か考えてると思うが。
一体、何を?」

桂さんの声で目を開ける。
どうしても私は複雑な気分のまま…

「なぁ、桂さん?
この時代で、だがなぁ?
どうやって仕事を。
探すんだぁ?
まぁ、仕事内容すらサッパリだが。
働かねぇなら金も?
いや、金になる仕事かぁ?」

そう言った瞬間。
凄く桂さんは驚きながら…

「仕事だと!?
ま、待て、春香!?
なぜ、いきなり?
働き、いや、つまり金と?
何か欲しいならば、私が用意するが。
だが、春香は…
今までも、ずっとだろう?
店で私が何度も言って…
それでも春香は、いつもだろう?
欲しい物すら一度も言わないのに!?
春香は何が、欲しいのだ!?」

んん?
スゲェ驚いたが?

私は疑問だけしかなかった。

「どった、桂さん?
そりゃ、当たり前だろ?
私が欲しい物は、私の金で買うべき事だし?
んでも私の持ってる金。
この時代じゃ、使えねぇし?
なら稼ぐしかねぇよ?
今すら桂さんばっかだろ?
着物の値段は判んねぇが。
高そうだし?
んなのまで多分、桂さんだろ?
まぁ、高杉さんかも判んねぇし?
金がなきゃ、ねぇ筈。
逆に私も、まぁ、仕事内容も?
稼げば金は桂さんにも返したいがなぁ…
この時代じゃ、サッパリだ。
だから仕事で何か、ねぇかなぁと?
ここが長州藩邸なら高杉さんへ。
宿代程度も返すべきだろ?」

高杉さんまで驚きながらだった。

「何!?
宿代として、俺へ!?
待った!!
春香から金を?
俺まで、渡し、いや、返したいと!?
そんな金程度、気にする事もないだろ?
しかも春香からと?
俺は受け取れん!?」

んん?
受け取れない?

「高杉さんも、どした?
普通だろ?
ここは簡単に言えば?
高杉さんの家に近いんだろ?
家と呼ぶのも変だが。
宿泊代や食費だって…
つまり長州へ、だろ?
なら私へ、使った分は払わねぇと。
平等でもねぇし?
全部、高杉さんや桂さんの金になる?
だから二人へ、金を。
当たり前なのにかぁ?」

二人共が驚いた顔もしたが、考えてる様子になった。
一応、私は見てたが良く判らない。

でも桂さんが複雑な顔で…

「なるほど。
男女平等だけでなく、身分も…
春香?
つまり、未来では…
まぁ、具体的でなくてもだが。
女子が一人でも働けるのだろう?
前にも聞いたがな?
そして男女関係なく金は稼ぎながらと?」

私は前に言った事も思い出す。
だから素直に頷く。
それに未来の事を考えながら…

「そりゃ、確かに?
桂さんにも言ったろ?
片方ばっか負担してりゃ、変だろ?
どちらも同じだっつうの。
未来じゃ、まぁ…
簡単に言えば?
常に金が必要だからなぁ。
金がなきゃ、何も出来ねぇぞ?
住むだけでも税金、あ、えっと。
国へ、だな?
全て金だ。
払わなきゃ、どこでも住めねぇし?
逆にかぁ?
稼いでも生活に使える金は少ねぇからなぁ。
夫婦共働きとか当たり前だぞ?
余計に問題は更にあるが。
しゃあねぇな。
独身の方が楽だし?
金も稼ぎ易い上に、子育ては金ばかりだ。
んな苦労までなら…
独身、えっと結婚かぁ?
しねぇで、子供は尚更。
金も、時間も、大変だし?
そんな中じゃ、互いに協力しねぇと。
子供の面倒まで出来ねぇよ?」

また二人共が驚いた顔になるが。
高杉さんが複雑な顔でだった。

「春香に一つか?
未来の仕組みでも…
国に金を?
支払わなければ住めないだと?
それは民全員と?」

もう私には全く判らない。
そのまま私には疑問を言う。

「んん?
高杉さんの質問は未来…
今の仕組みはサッパリ判んねぇが。
まぁ、そうだなぁ。
国民全員だろ。
働けない子供の分は親が払ってるし?
更に親は自分自身の分。
単純に計算すりゃ子供が金を?
稼げるまで最低でも16年は無理だし?
その間は絶対、親が、だろうなぁ。
私の場合は保護されてからは…
俊介の親経由だし?
クズ共とは一切、関わらない条件もあっから…
んな普通の家庭も知らん。
ただ、まぁ、大抵は大学へ。
えっと、高杉さんに判り易くだと…
6歳から15歳までは、この時代だと…
学舎になる?
判んねぇが、まぁ、つまり勉強のみ。
16歳からは一応、働けるがなぁ。
大抵は更に進学、単純に勉強かぁ?
もし大学までなら…
22歳までは働くよりは勉強だな?
私も会社、いや、金だけはあるし?
働く必要はねぇから…
普通の家庭でも、多分?
それまでは親が、子育てしながら常に金を。
稼ぎながら国にまで払う感じだろ。
私には普通が判んねぇが。
俊介とかの周りには…
そうだった筈。
だから余計、俊介の親にはなぁ。
迷惑かけたかねぇんだが…」

ふと私は俊介も思い出した。

**************************

まぁ、あの俊介なら…
問題ねぇな。

少し私は外を眺めて言う。

「俊介も責任感がスゲェからなぁ。
変わらねぇのもあるが。
親まで含めてだし?
私にはサッパリでも?
間違えずに愛する者ぐれぇ余計だろ。
散々、私の面倒ばっかで苦労させたし?
かなり経ったから無事に就職も大丈夫だろ。
そんでも苦労しそうだなぁ、おい!!
他国の方が楽かぁ?
そっちでの就職でも問題ねぇな!!」

「春香…
その俊介に関して聞いても良いか?」

そこで桂さんの声で見ると複雑な顔で判らない。
私も、そのまま頷く。

「俊介と言う者が優秀なのも判るが。
この国での就職と?
つまり、他国の方で働くと?」

もう私は桂さんの質問に納得して笑う。

「あはははは!!
そりゃ、疑問だよなぁ!!
でも未来じゃ、働く場所は国内に限らねぇだろ?
知らねぇからの疑問だから納得すんぞ!!
んでも未来じゃ、選べるし?
この国は問題ばっか!!
悪りぃが他国に行く程度、普通だろ!!
あははは!!
私も他国の人達と話すのは楽しいし?
言葉が判るなら揉め事にもならねぇよ!!
将来は他国を。
そう考える人すら増えるに決まってらぁ!!
んなの当たり前だっつうの。
わざわざ暮らし難い国にかぁ?
居る必要すらねぇだろ?
他国はスゲェ多いが、日本は世界的にも?
長く住みたかねぇかも?
あははは!!」

凄く桂さんは、また驚きながら…

「な、待った、春香?
世界と、今、普通に言ったが?
他国からも、か?
しかも長くと?」

私は少し思い出して考える。

桂さんは…
この国を。
だから余計に…

私は目を閉じた。

「悪りぃなぁ。
桂さん?
聞かねぇ方が…
知らねぇ方が良い。
きっと悲しむからなぁ…」

「また春香は、私を。
だが、知る事でだ。
良くなる可能性も、だろう?
必ず、ある筈。」

桂さんの声で、私も冷静に考える。

可能性かぁ?
確かに選択はあるが。

繰り返すのは…

「ならば、桂さんに質問だな?
その解答次第!!
んなら多少は言うが?」

「春香からの質問を?
判った…
それは?」

「ならば、桂さんへ!!
問題。
いきなり他国から攻撃をされました。
そして、この国は対抗しました。
そして、この国は勝てました。
次にする事は?」

「他国からの攻撃と?
そして…
この国は勝ったと?
その勝った後。
つまり…
この国へ。
攻撃してきた他国へ。
その後か?」

私は冷静に考えながら言う。

「そう。
理由も判らない。
いきなり、この国は攻撃された。
その為での防衛もあった。
だから対抗した。
そして、いきなり攻撃してきた他国!!
その他国へ。
勝った後、真っ先にする事だ!!」

そのまま歴史も考えながら私も少し待つと。

「もし私ならば…
いきなり他国からの攻撃だ。
だからこそ、対抗したのも判る。
その他国へ。
私は理由を。
なぜ、いきなり攻撃したのか。
その理由によるが。
まずは対話だろう。
言葉が判れば、対話も可能。
判らなくても原因の確認だ。」

何だと!?
対話を!?

驚きながら私は目を開けた。
すぐ桂さんは少し笑った。

「春香?
私は既に言った事だよ。
言葉が判るならば、まずは対話、会話を。
優先させると。
そして他国が、いきなり。
ならば原因を。
そうしなければ違う他国とも争うのみ。
それが私の答えだ。」

「桂さんなら…
その選択を?
それを。」

こりゃ…
桂さんらしいっちゃ…
そうだなぁ。

嬉しくて笑いながら私は桂さんへ。

「正解!!
本来、桂さんの選択が正しい!!
そして、桂さんらしいってなぁ。
どんだけだぁ!?
あはははは!!
だが、そう。
いきなりの武力。
自己防衛は仕方がない!!
だけど相手側の言い分を。
まず知らないと繰り返すのみ!!
スゲェな、おい!!
あははは、確かに対話なぁ。
私の時も?
納得したぞ!!」

少し桂さんも見るが。
私は未来も思い出す。
さっき止めた話を。
目を閉じて続けた。

「なら桂さんに言った通り。
この国は世界的に長く住みたかねぇ理由かぁ?
まず一つ。
この国は常に偏見が根強く残り続ける。
その影響もあるから、余計に厄介なのは…
やっぱ言葉。
つまり、言語だな?
まぁ、桂さんは判らないかもだが。
他国の言葉と、この国だと。
致命的な違いがある。
そのせいで他国側からしたら、この国。
日本語の習得は難し過ぎる原因。
逆に他国の言語習得、私も含め簡単。
理由も出すなら、この国は言葉の意味合い。
場に合わせ真逆な事を言うからだ。
単純に、この国は謙遜として返答でも同じ。
白黒ハッキリしねぇ。
他国側からしたら曖昧で理解も不可能。
逆に意味を間違え易い。
だが、他国は全て。
はい、と、いいえ。
肯定と否定だな。
英語ならYESとNOだ。
明確にハッキリしてる。
でも、この国は相手側との探り合いが常!!
本当か、嘘か、探り合いのみ!!
他国側からしてみろ?
国が違うから価値観も違うんだぞ?
んで曖昧な事しか言わねぇなら判んねぇし?
言葉すら間違える。
んで更に、この国は相手側を。
また勝手に決め付けるのみ!!
他国側の方が理解に困るのみ!!
だから厄介で面倒な国な印象しかねぇ…」

思い出せば尚更だった。
私は目を閉じたまま気配で僅かに二人から距離を。
でも、どうにか続ける。

「そして次…
最初とも似てるが。
この国は偏見が根強い。
その理由もハッキリ言うぞ?
結局は強い権力に誰も逆らえん。
んな馬鹿を続けて結果。
先進国の仲間入りしてもだ。
国内ではどこで働いても上からの命令。
従うしか出来ない。
そんな立場が低い人達は仕事の為。
金を稼がなきゃ生きてけねぇんだぞ?
身分がなくなって平等だろうが関係ねぇ…
貧富の差すら欲のみ。
格差は広がるばかり。
んで逆らえない皆は常に我慢しながら?
金を稼ぐしかねぇからと?
ずっと続けてりゃ…
その我慢、捌け口を探すのみ。
んでも世間体やら厄介に纏わり付く。
なら簡単だぁ。
隠れて、見えない場所で…
常に弱い者へ。
気分転換のみ。
んな、この国は…
もっと欲まみ。
国からは金は取られ…
働いても貧富の格差は変わねぇ。
当たり前だぁ。
贅沢な生活してぇ欲しかねぇ…
他の多くは生活すら楽じゃねぇのに…
さっきも言ったが、皆がなぁ?
ずっと勉強しちまえば…
皆も当たり前に…
世界も含め、全てを。
知るばかり…
一応、表向き、世間体だけなら…
治安は良い国へ。
んでもだ…
生きてく先行きすら見えない若者。
もっと判らない子供。
未来へ。
将来へ。
絶望する。
んで、選ぶのが自殺のみ。
年配ばかり増えるだけ…
支えるべき若者は減るのみ。
もっと負荷を。
安易に自殺されたら…
場合によれば賠償金。
やっぱ金のみ。
余計、徹底的に隠すのみ。
なら死ぬ事すら許されねぇ…
世界人口約70億。
数えられねぇ程の他国がある中。
この国は…
自殺死亡率は、確か6位と…
治安が良い、技術も良い。
そっちも他国より上にも関わらず。
未来へ、絶望する自殺率も…」

思い出すばかりの未来…
余計に私は息が苦しくなってきた時だった。

「春香ぁ!!」

大きな桂さんの声に気付いた。
そのまま動けない私を。
抱き締める感覚に目を開けたが。

「もう良い。
春香は気付てないのか?
既に痛い筈!!
私は言っただろう?
春香を。
痛くしたくない。
苦しませたくない。
だからこそ!!
無理に言う必要はない。
私の質問で正解しようと春香が…
私ではない!!
春香が!!
苦しいと、痛いと、思うならば…
言う事はないのだ。」

桂さんの顔は見えないが。
声だけは私は聞こえてた。

あぁ…
本当になぁ?
桂さんは…

何となく私は桂さんに擦り寄ってから…

「やっぱ、優し過ぎんなぁ。
桂さん?
んなじゃ…
私が居た時代だとヤベェぞ?
まだ私は保護されたんだ。
お婆ちゃんが…
してくれたんだって…
マジで思った。
それに…
今だって、あり得ねぇよ?」

桂さんが腕を緩めて私を見て少し笑った。

「なら春香?
こんな不可思議な現象すらもだよ?
もしかしたら春香の唯一。
信じた祖母かも知れないな。」

そんな桂さんが言った事に私は少し笑う。
もう思ったまま言う。

「あはは…
お婆ちゃんが?
流石に、そりゃ…
あはははっ!!
どんだけ…
でも不思議だし?
判んねぇかぁ?
何じゃ、そりゃ!!」

「あぁ、そうして春香が、だよ?
笑う事を、私もだが。
祖母も喜ぶ。」

少し笑って言ってくる桂さんを見ながら…
ふと思い出す。

「なぁ、桂さん?
一つ、私からだが。
お願いして、良いかぁ?」

「お願い?
春香の、か?」

少し不思議そうな桂さんへ。
私は笑って言う。

「私が夜。
これから眠るまでで、良い…
側に居てくれないかぁ?」

そう言った時。
桂さんは驚いた顔のまま無言に。
でも少し桂さんの後に居た高杉さんがだった。

「何だとぉ!!
小五郎にと!?
それを?
春香から!?
本当に良いのか?
いや、これは判ってねぇか?
だが、一応、本当に春香ぁ!!
俺は再度だぁ!!
もう確認するぞ?
まさかだが、毎夜?
小五郎だけかぁ?
色々、意味深にもなるが…
まだ、それは判らなくても良い!!
つまり、小五郎ならだぞ?
春香は毎夜、寝る時に小五郎を。
側に居て欲しいと、かぁ?」

凄く慌てる様子で叫んだ。

判らなくても良いと?
寝る時?
意味深と?

私は高杉さんの言葉で一応、意味には気付いたが。
桂さんは無言のまま困惑気味にも見えた。

その意味と様子で私は、もう笑う。

「あはははははっ!!
んだなぁ?
ちっと子供過ぎたかも?
もう、まんま言うぞ!!
桂さんなら嘘も言わねぇし?
いつも不思議な感覚しかねぇが。
あははははっ!!
既に桂さんは聞いてるがなぁ?
私は具体的な事も?
全く知らん!!
でも桂さんは大丈夫だろ?
一応、そう!!
高杉さんは駄目なぁ!!
確かに女遊びはしてねぇっぽいし?
でも趣味に女ってかぁ?
あんな趣味の記録もあったし?
趣味じゃなくても、だろ!?
どうせ高杉さんがなぁ?
エロい店にでも?
行ったんじゃねぇのかぁ?」

また高杉さんが凄く驚いた顔も私は見たが。

「春香ぁ!!
待て、そんな理由で!?
いや、だが。
小五郎も?
行ったかも?
知れないだろ!?」

んん?
桂さんも?

不思議に思いながら桂さんを。
私が見た瞬間。

「待て、春香!?
私は行かん!!
晋作とは違う!!」

すぐ、そう言って後。
顔だけ高杉さんへ向いた。

「晋作!!
馬鹿な事を。
私の趣味に女は、ない!!
晋作と一緒にするな!!
春香に誤解されるだろう!!
晋作みたいな馬鹿も…
私は一切、しない!!」

もう大きな完全否定を桂さんはしたのも。
見てたが、桂さんは複雑な顔でまた私へ。

「春香?
一応、私は男なのは…
判ってるか?
だが、私はだ。
晋作みたいな馬鹿も、しない。
そして春香が、寝付くまでだけ。
それが、お願いと?
毎夜、寝付くまでと?」

少し私も考えるが。

桂さんは…
多分?
逆に誤解も、かぁ?

「いんや!!
気にすんなぁ!!
やっぱ私がだろ?
子供過ぎたな。
大丈夫だぞ!!
いつも一人で寝てたし?
特に変わんねぇ!!
それに…」

少し思い出す。
だから私は桂さんに少し触れるが。
そのまま離れながら言う。

「今が夢…
そう考えてる方が多分なぁ。
この感覚もだろ。
目が覚めた時、楽な気もする。
もう私の中にだぁ。
お婆ちゃんが居るのを。
知っただけで充分だろ。
人間の欲を、出してたらキリがねぇ。
探す目的はあっても私はなぁ。
神だの、仏だの、全く信じてねぇよ。」

そっから驚いたままの高杉さんに笑って言う。

「高杉さんも忘れねぇぞ!!
だから安心しろ!!
そうすりゃ私の中でも生き続けんだ!!
私は願わねぇ。
んだな、今でも充分だろ?
これ以上は望まねぇし?
さっきのは…」

「待て、春香!!」

遮る様に桂さんの声を。
私は聞いて不思議に思いながら見ると。
桂さんは複雑な顔もしてた。

「春香が言った事。
夜に春香が寝付くまで…
私がだ。
春香の側に居る。」

複雑な顔の桂さんは私には判らない。

「んん?
いや、桂さんが誤解されるだろ?
んな気にすんな。
別に私は変わんねぇし。」

そう言うと桂さんは首を横に振ってから…
少し息を吐き出した。
不思議に私も見てると…
桂さんは少し笑った。

「春香が、だろう?
初めて私へ。
言った、お願い。
そんな些細な願いなど…
既に欲とも言わないよ?」

欲とも!?

「んん?
いや、欲ってか…
何となくだし?
マジで桂さんが気にする事もねぇよ?」

でも桂さんは首を横に振って…
私に近付くと頭を撫でながら…

「私は春香?
今がだ。
夢だとは思って欲しくない。
私も今、春香が…
居なくなる方が恐い。
だから春香。
私が側に居させてくれないか?」

桂さんが?
恐いと?

また私は不思議な判らない感覚になるが。
どうにか頷く。

「そうか。
ならば春香も、私も、だよ。
二人共が同じ。
安心だろう?」

同じと!?

私には言葉が判らない。
でも少し笑う。

「んだな!!
同じが一番だろ?」

桂さんは少し笑ってるぐらい判る。
それを見ながら私は目を閉じて言う。

「What does not kill me, makes me stronger.」

これは今…
二人の事かぁ?

目を開けた私は桂さんを。
たま高杉さんを。
二人共が少し驚いた顔には私でも判った。
だから笑って言う。

「あははははは!!
今、言った言葉なぁ?
他国の哲学者、ニーチェって人の言葉!!
意味ならだ!!
『私を殺さぬものは、私を強くする。』ってなぁ!!
まさに二人の事かもなぁ?
土方さんにも言ったが。
生きて足掻けとかぁ?
だから私もギリギリまで足掻いてやるってなぁ!!
まぁ、やっぱ?
徐々にかも?
んでも目的も既に判ってんたぞぉ!!
桂さんとの約束もあっけどなぁ?
それでも私が、だぞ!!
命ってのが、ちっと判ったからなぁ?
もう私は足掻くのみ!!
私の中には既にだ!!
お婆ちゃんも、高杉さんも、ずっと生き続けんだ。
これは、もう桂さんだって当たり前だろ?
私の中で生き続けるなら尚更だな!!
最後まで私も足掻いて生きてやる!!」

二人共、凄く驚いた顔になったが。
すぐ嬉しそうに笑った。

「よし!!
春香が生きる限りだぁ!!
俺も生き続ける!!
そして春香も、だな?
春香の命も、同じ事!!
そうやって命を。
本当の生きる意味を。
忘れんじゃねぇぞ!!」

すぐ高杉さんが大きく言ってきた。
桂さんは私に近付くと急に抱き上げて…

「そう、春香!!
それが大切な命なのだよ。
もう私すら嬉しいだけか?
はははは…
あの春香が自ら生きる事を!!
そして春香の祖母も喜ぶのだ。
徐々にでも充分だろう?
頑張ってる春香も私には判る。
ははは…
私も徐々にだが。
必ず、春香を。
大丈夫だ、私が守るのみ。」

私も嬉しくなって笑いながら思う。

お婆ちゃんも笑う。
高杉さんも、忘れない。

そんな桂さんも、だぞぉ!!

その後からは夜。
私が寝付くまで…
桂さんは優しく笑いながら側に居る様になった。

**************************

一方、桂小五郎。

春香の言葉で幕府も含め…
これは至急、皆へ。

それでも今の春香から…
一切、私は離れられない。

特に今の春香は祖母の時と、いや。
もっと最悪だろう!?

すぐ時刻を。
日数も含め予測してから文を出す。

必ず、深夜のみ。
情報が多過ぎる。

話し合う場も必須でも…

更に、だろう?
今は私達だけでは、ない!!

薩摩側にも、坂本のみ。
もし、あの大久保が、見抜き…
既に動くとしたら新撰組だろう?

冷静にと目を閉じて考える。

文は危険だろうが。
あの時点でだ。

既に見抜くならば…

大久保すら直に、か?
薩摩側は、真っ先に春香を。
幕府内でも動くだろう。

それでも相当な危険を。

また春香が浮かんだ。

あぁ…
確かに無自覚でも、だろう?

最初から…
この時代も、未来も、私は春香の為!!

既に全員が、命懸けなのだ。
私の学で足りなくても最善を。

そう思いながら…
春香に合わせながら動くのみだった。
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