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第二章:僅かな兆しの中でも徐々に。
18.安心すら守る為、徐々に水面下で。
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ふと目を覚ました時。
「あぁ、起きた様だね。
春香、おはよう。」
すぐ桂さんの声に気付くが。
更に私を抱き寄せたままだった。
優しく笑って言ってきた事に。
私は動揺したまま…
「えっ、んん?
あれ?
何が!?
いや、待ったぁ!?
私だな、そう?
まずは、私だろ?」
そう思って改めて見れば…
普段、私が使ってる部屋なのも判る。
そして壁を背に桂さん。
毛布も私にはある上に服も、そのまま…
徐々に私も思い出す。
あぁ、確か…
なぜか私は眠くなって…
だから、桂さんが?
あのまま、ここへ?
それに高杉さんへも。
そして桂さんの言った事も思い出す。
だから目の前に居る桂さんを。
改めて私は見るが、いつもと同じで…
優しく笑いながら言ってきた。
「春香が心配する事もない。
既に私も言ってるだろう?
徐々にで良いと。
春香も落ち着いた様子だ。
そして私には、春香のみを。
唯一、愛する者だが。
春香を、私は傷付けたくない。
だから春香…
判らないと。
知らないと。
その間、私はだよ?
ただ私は、春香を、待つのみ。
そして、それすらも春香は常に自由だ。」
一応、私でも意味は判るが。
どうにか必死に考える。
待つって…
桂さんが!?
だが、時代が?
他にもって…
違うっつうの!?
そもそも…
「えっと、桂さん?
だが、本来の相手だって?
いや、んん?
私を?
それだと変わっちまうだろ!?
何がキッカケになるかも…」
どうにか言っても私は困惑どころでもない。
何も考えられなくなる。
それなのに桂さんは笑った。
「ははは…
春香は判り易いから。
もう私も余計になぁ…
ならば、春香?
質問するからね?
それを考えて答えれば判るだろう。」
んん?
質問だぁ?
んで、私が判ると?
「良いかい、春香?
この時代で私を含めるが…
今まで史実に残った多くの者達。
長州、薩摩、土佐、新撰組、更にだ。
既に春香の存在を、知ってる。
つまり、既に歴史へと影響を。
与えてるにも関わらず。
今すら春香は、ここで生きて居る事。
既に歴史が変わってる筈なのだよ?
それでも春香は無事、ならば他の者。
歴史は変わる中でも未来の者達へ。
良い影響のみで存在は影響されないだろう?」
それは…
私も冷静に考える。
確かに?
歴史が既に変わってたら…
なぜ、私も?
変わらずに、ここに居る?
しかも桂さんの言う通りなら…
「未来の…
皆は無事だと?
だが、桂さんには本来の相手だって。
その人は、どうなる?
今だって僅かに変わる保証も…
ねぇだろ?」
それにも桂さんは同じで少し笑いながら…
「ならば春香へ。
再度、聞こうか?
私の本来の相手が居たとしてもだ。
歴史が既に変わってる。
だとすれば、その者は新たに、だろう?
私ではない者と。
そして、ここからが重要だよ?
春香と私が、出会って、だろう?
私の場合、史実以外。
他の記録が、一切、春香は知らない。
あの大久保や晋作を、簡単に言えるが。
春香は私だけ、知らないのだろう?
だとすれば答えも簡単。
既に私自身、春香と出会った時点。
そこから歴史へ、影響して残らない。
だから、何も知らないのだよ。
私が愛した者、それは春香のみ。
春香を愛する私が、他の者すら選ばない。
だから記録すら残らない。」
何だと!?
桂さんが他を!?
選ばねぇからと?
だから残らねぇ!?
だから知らねぇ!?
一応、理屈は…
間違ってねぇ?
でも…
「いや、桂さん?
ちっと待て?
もう一つ!?
ヤベェ事に判ってんかぁ?」
そこで少し桂さんは驚いた顔も、私は見た。
だから最大の事を。
「まぁ、もう正直に私は言う。
具体的にはサッパリ、何も知らん。
だが、土方さんにも?
言われてっからな?
だから私の目的!!
どうにか判ってるし?
桂さんも知ってるだろ?
それすらサッパリ判んねぇが。
もし私が、だぞ?
愛する者を探し出したとして…
どうなる!?
私の存在が未来なのに?
いや、今の時代?
もう判んねぇが。
そうだな、土方さんも?
高杉さんも言ってたが。
どの時代でも同じだと?
いや、ちょっと違うだろ!!
今の時代で存在しねぇのにかぁ?
もし私が、具体的に判らなくても?
子供とか産んだら!?
完全に歴史どころじゃねぇぞ!!
再度、正直に言うぞ?
私には具体的には全く判んねぇ…
そもそも、考えた事すらねぇ!!
んなのに、何かぁ?
もう完全にだろ?
何があるかすら全く判んねぇぞ?」
そう言って少し考える様子もした桂さんだったが。
すぐ優しく笑ったのも見てた。
「なるほど。
充分、私も理解したが。
それすら全く問題ないだろう?
さっきも言ったが、既に歴史は変わってるのだよ?
例え春香が愛した者の子供を、産んだとしよう。
一応、これも例として出すが。
私が本来の相手が判り易い。
その本来だった者は、私以外の愛する者との子を。
そこで新たに産まれる筈。
そうやって時代の流れの中。
春香の産む子供が居ても、何も不思議すらない。
そんな中でも未来は、常に良くなるのみ。
新たに産まれる子供達も愛されて良くなるのみ。
己の子を愛するのは当然の事。
更に、この国すら良くなるのみ、だろう?」
な、何だとぉ!?
いや、んん!?
歴史は変わって…
いや、でも良くなるのみ?
どうにか頷きながら…
「そりゃ…
桂さん?
言った意味は判るがな?
既に歴史が変わって…
んん?
んでも良くなるのみ?
間違えては…
ねぇが、本来、いや違う。
既に変わっるなら?
それでもだぁ?」
もう私にはサッパリ判らない。
目を閉じて良く考えるが。
「春香は知らないみたいだが…
産んだ己の子を愛さないなど。
それが全て間違えてるのだよ。
こんな事は私に限らない。
春香の場合でもだ。
本当に愛した者の子を、だよ?
春香は傷付けられないだろう?」
私が!?
すぐ目を開けて叫ぶ。
「ふざけんじゃねぇ!!
私はクズ共みてぇな事はしねぇ!!
産まれたばかりなら尚更だろうがぁ!!
何の罪があるってんだぁ!!
んなの人間に限らねぇんだぁ!!」
「そう、春香。
それが正解だろう?」
すぐ桂さんが嬉しそうに笑って言った。
そんな桂さんを見ながら…
「春香には私は既に言ってる筈だよ?
春香は何も悪くないと。
大人側、親側が、間違えてるのだ。
なぜ、春香がと。
だからこそ、春香は何も悪くないのだ。
そんな春香は間違えず、己の子を。
大切に愛せる、それこそが正しいだろう?」
そう私は言われて、また思い出す。
既に桂さんの言葉は…
私も聞いてた言葉だった。
だから…
「桂さんは…
どうして…
私みてぇなのを?
愛すると、言える?」
「春香は美しいだけではない。
春香は誰よりも優しいからだよ。
いつも春香は己より周りを。
他の皆へすら無自覚でも、必ず相手を考える。
嘘も言わず、騙す事もなく純粋で優し過ぎる程。
見た目よりも心が美しい。
春香は気付いてないが。
春香は凄く優しいのだよ。
そんな優しい春香を、私は唯一。
愛せる理由だ。」
私の質問へ。
桂さんは、すぐだった。
私が優しいから!?
外見でもねぇ…
私の心が、だと!?
だから桂さんが!!
一応、私も考えるが、そのまま言う。
「んなの私より桂さんが、だぞ?
桂さんが優し過ぎんだよ。
私は…
んな桂さんがだ。
泣くのは見たくねぇ…
辛いのも見たくねぇ…
きっと…」
桂さんは複雑な顔をするのも私は見た。
でも、そのままでだった。
「春香も知ってるのだろう?
晋作の事を。
だがな、命は誰でも必ず、最後。
皆が変わらない。
永遠に生き続ける者は居ない。
晋作に限らず、それが命なのだよ。
だからこそ、生きてる今が大切。
それを恐れて、悲しむのは春香?
私に限らない、皆が同じで恐いのだ。
そして私は春香?
春香を失うのが一番、恐いのだよ。
愛する者が消える、それは春香の場合。
まだ幼く判らない中。
あの大切な祖母を、失った時と同じ事。
皆が同じで恐いからこそ、命は大切なのだ。」
お婆ちゃんの!!
すぐ私は思い出す。
だから慌てながら桂さんにと抱き付いた。
目も閉じて、どうにか言う。
「桂さんまで…
消えないで…
もう誰も居ないのは…」
初めて桂さんから、そのまま私は…
抱き締められて優しい声を聞いた。
「春香、大丈夫だよ。
私は消えない。
春香を、もう一人にはしない。
そして、もう痛くない。
私が守り抜くのみ。
安心しなさい。」
あぁ…
桂さんは嘘を。
マジで言わねぇんだなぁ。
しばらく一緒に居たが。
まだ夜中だから桂さんに休む事もと。
起きた時も大丈夫だと。
また私は安心して素直に寝た。
**************************
一方、桂小五郎。
どうにか引き留める為。
だったが、やはり今すら無自覚か?
安心した様子で寝てしまった春香を。
軽く抱き上げながら…
春香の言葉は、つまり祖母の時。
寝てたから余計に、だろう。
『お願いだから…
桂さん…
消えないで…』
春香の意味が判る事もあって…
尚更、思う。
私が必ず春香を!!
だが、さっきの言葉だけでも、だろうな。
糸口も殆どが見えたが。
一応、晋作も見れば…
既に殺気だけではなかった。
「晋作…
気持ちは判るが。
今は皆と、晋作も、だろう?
常に未来の為、既に動いてる事。
急ぎ文も出す。
どうしても今夜だけは無理だがな。
春香が起きた時。
私が居なければ恐らく最悪だ。」
そこで晋作は目も開けず、殺気だけは抑えたが。
「あぁ…
小五郎、春香の意味も判ってる。
皆へも、早急に、それもだがなぁ…
小五郎は春香を、だぞ。
そして俺は、今だ。
己自身が、これ程、許せないと思ったのは…
産まれてから初めてだ。
春香からの指摘へ、俺は全て…
何も言い返せる筈もない。
史実と、過去の歴史を、俺も学んでるのだぞ?
にも関わらず。
他国の思惑ではない。
この国の歴史、全てへ。
完全に当て嵌まる。
繰り返す争い、同じ国内、同じ理由。
言葉が判るのにと。
常に学ではなく、常に武力思考で動いた結果。
今の時代も含め…
しかも、この時代が始まった時から常に?
幕府の欲のみで、だぞ?
どれだけの仲間達が殺されたと…」
また僅かに殺気が漏れたが。
私すら溜息は出た。
「晋作、私も同じ事だぞ。
やはり幕府討伐は必ず、だが。
学でも勝つ手段、勿論、私もな。
模索するとしても…
全て回避は出来なくて最小限へ。
そして晋作も気付いた、だろう?
春香は、恐らく…
既に晋作の事も心配したのだ。
春香自身も薬を飲んで、すぐだぞ?
晋作も…
薬は飲んでるだろうが。
春香は見てないから余計に、か。
だから私が、だろう。
悲しむと言った意味にすら繋がる。」
そこで晋作は殺気を消した。
目を開けたのも見るが。
「だろうな。
俺が長くねぇと、春香は記録。
または史実で、だろう?
一応、薬は飲んでるが。
春香は見てないからなぁ…
こんな俺の心配までかよ。
俺より春香の方が、ずっと長いのだぞ?
どれ程の苦しみと痛みかなど…
しかも大久保も言ったが、あれだけの学だ。
既に春香の言った事も、さっきの機械だけでも。
情報として纏めても恐らく…
理解すら出来る者は少ない。
あれだけ愚かな事もした俺でも、未来を。
春香も必ず、変える為のみ。
最善は皆とが、一番な筈だ。」
そう言うと少し晋作は近付いてきて春香を。
私が抱き上げてるが見るとだった。
「くっ。
完全に安心してるが、これは…
無自覚と言うよりも本当に幼子だな?
全く小五郎に関してだぞ?
未来の糸口よりも難しいか?
そう思うと少し…
あはは…
大変だな、小五郎も。」
それを聞いて私も春香を。
また見るが…
さっきの様子からだと。
愛する者と言うか…
ふと、また思い出す。
『桂さん…
消えないで…』
私の名を。
既に言ってるが先に確認も、か?
そこで晋作を見て複雑な気分で…
「晋作?
正直に言うがな。
私は未来の糸口よりもか?
春香に関しての方が難題な気がするのだが。」
晋作も視線だけで見た事には気付く。
だが、少し笑ってだった。
「俺も全く判らんな。
まぁ、小五郎も、だろう?
徐々にってか?
春香の難題は誰も無理だぞ。
くっ。
あはは…
意味も充分、判るが。」
やはり笑いを耐える様子でもある。
それには無言で私は頷くのみ。
少し溜息をしてから春香を。
普段、使ってる部屋へ。
起きた時も考えながら春香の側で待った。
**************************
一方、大久保利通。
長州との同盟後。
真っ先に確認の為。
ひたすら書類関係の記録を漁る中。
やはり私の予測では幕府が、また…
だが、薩摩藩の問題ではない。
ふと、春香も思い出す。
それと同時だった。
あんな未来など…
完全に駄目だ!!
「ふざけるな!!
あの僅か…
あの言動だと!?
しかも学すら明確。
高過ぎるにも関わらず。
こんな事、続ければ…
命も危ないが…
もう坂本経由からの情報以上だぞ!?
あれでは春香に限らない!!
未来が狂うだけでは済まないだろう!?」
思わず口に出した事に気付く。
そして目を閉じて冷静に考える。
あの取り決めだけでと。
散々、私へ、まで…
まぁ、確かに?
見目が良くても台無しは本当だが。
あれだけ、私を。
馬鹿にしておいて、更に助言だと!?
だが、長州の桂小五郎か?
どちらも無自覚?
あれだけ学が、どちらも…
やはり想像でも充分、笑える。
ふと、そこでだった。
待て!?
長州が、あれだけ…
ならば坂本経由も…
つまり、桂小五郎が、だろう?
判断してる事も知ってたが。
更に春香の幕府側?
ならば、この時代でか!!
既に僅かな接触のみ。
すぐ目を開けた。
坂本経由から纏めた事。
更に幕府でも…
つまり、新撰組のみ!!
だが、あの新撰組でも…
二日程度。
しかも監禁なども…
春香へ、致命的な事すら一切しなかった!?
いくら春香が判り易くても、だろう?
恐らく、すぐ見抜ける程の学と実力者!?
もう一人のみ!!
副長の土方歳三か!!
確かに新撰組の中でも…
相当な危険まで…
だが、全てではなくとも賢明な判断を。
かなり的確にしている。
先に動かす方が良い!!
すぐ至急として文を。
いや、何かあっては物証になる。
やはり私が直接の方が良い…
それでも危険な橋に…
再度、目を閉じて考える。
春香の助言を再度だろう?
あれは未来で史実を。
更に他国の史実を。
もっと多く意味すら含まれてる!!
少なくとも二度、私へと、続けた…
ならば私も…
判断すら間違えた未来だぞ!!
尚更、許せる筈もない!!
春香の言葉のみ。
思い出す事へ、集中する。
『見えてる物事だけを、見るな。
判ってるつもりでも、判ってねぇ。』
これは、この時代に関して…
更に続く持論。
『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。』
全ての時代に関して…
だからこそ、未来まで見抜けた事に続く。
『常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ…』
あんの大馬鹿娘が!!
『それでもだ。
溢れたのには気付かねぇ方が良いぞ?』
だと!!
『そして知らない方が…
皆が得られる、願える、祈れる。』
ふざけるなぁ!!
つまり春香が己自身を!!
無自覚なのは恐らく…
性格のみでは、ない!!
幼過ぎた事も…
どれだけ幼過ぎる頃から…
あれだけ痛め付けた!!
しかも己の子をかぁ!!
失敗作だと?
気分次第でだと?
不要だと?
春香の存在自体を。
命すら何だと思ってるのだぁ!!
更に狂う以上!?
標的が代わるのみ…
単純に弱い者だけを。
その上に完全な保身のみ!?
判る学が、ありながら…
皆も春香だけは助けないだと!?
狂うより最悪な国へ!!
産まれた事だけで不幸になる国へ!!
にも関わらず…
『んな平和すらもあんだよ。
それだって壊しちゃ駄目だぞ?』
あんの…
大馬鹿娘がぁ!!
無自覚でも…
そんな保身のみ、する者達を!?
そんな者達が溢れてる筈!!
世界人口が70億だぞ?
いくら、この国が島国でも…
この国にすら人口が多過ぎる筈。
全ての標的まで受け続けるなど。
自殺行為以上に…
そんな事は自我まで崩壊するだろうがぁ!!
あの僅か、その錯乱で、すぐ判る!!
それなのに…
なぜ、春香自身だけ!?
なぜ、常に受け続ける!!
本来の性格ならば…
あんな事を、され続けても尚。
やはり大馬鹿娘がぁ!!
どれ程。
予測しても今すら危ういのに無自覚?
だが、無自覚でも明確。
長州の桂小五郎のみ!!
既に接触してる上に、私も含め多い筈。
もし、そのまま…
変わらぬ未来へ戻った時。
耐えられる筈がない!!
既に春香の存在で歴史へ。
影響してるが、問題がないならば…
時間軸すら違う理論。
歴史は良くなるのみ。
一度、息を吐き出して怒りもと。
抑え付ける。
仕方がない…
もう私自身、命懸けだ!!
そして日数も計算しながら行動を進めた。
**************************
一方、土方歳三。
新撰組内部は勿論だったが。
春香と接触してからは、ずっと記録も含め。
特に幕府の過去を。
更に歴史の記録全てを洗い出しながら考える。
春香が言ったならだ!!
幕府が既に黒!!
明確だったが…
その春香が言ってた嘘と…
しかも新撰組の利用。
だとしたら、これは…
「クソがぁ!!
つまり幕府体制、そのものかぁ!!
だとしたら、今の幕府側すら全てだ!!
常に都合良く、勝手に誤魔化し続けた今!!
だから余計、誰も気付かねぇ…
にも関わらず。
進み続けた結果かぁ!!」
あんな未来へ…
つまり俺達すらも利用されながら…
すぐ春香の錯乱した姿が浮かんだ。
「ふざけんじゃねぇ!!
今まで、どんだけ仲間が死んだ!!
死んでった仲間達まで…
騙され続けたままかぁ!!
しかもアイツらを利用だと!?
今すらなら尚更。
そんな事も続けた先にある未来が…
あんなかぁ!!
命すら判らねぇ…
己の子すら簡単にと、そんな先など…
誰が許すかぁ!!」
だが、長州だぞ?
下手をしたら…
また幕府は動く可能性も!?
いや、薩摩も?
それでも幕府側が圧倒的に人数が…
長州へ?
すぐ気配を察して言う。
「総司か、入って良い。」
「はい。」
視線だけ向けるが、すぐだった。
また周りへと警戒だけでもなく…
すぐ俺でも気付くが。
な、何!?
総司と一緒に部屋に入ってきた者。
僅かに変装してても判る。
「名乗る事もない筈だが。
一応、言うぞ。
薩摩藩の大久保利通だ。
そして新撰組副長、土方歳三だな?」
まさか…
薩摩の大久保が!?
なぜ、わざわざ?
屯所へ来る必要すらねぇ筈。
だが…
「そうです。
俺は新撰組副長、土方歳三です。
端的にで構いません。」
そう言うと、すぐだった。
視線のみだが総司へ。
「この場でならば危険もある。
今ならば沖田。
常に警戒しろ。」
「はい。」
総司も警戒度は高めたが。
俺も考える中で真っ先に春香が浮かんだ。
そして大久保も複雑な顔で見てきた事も判る。
「土方、確認するぞ?
既に春香と、だろう?
私の予測でも学と実力を含め土方のみ。
だが、正しい選択もしてる。」
流石に動揺だけ隠すが。
「やはり春香ですか。
はい、俺が対応しました。」
俺も警戒度も高めるが。
学は敵わないとしても実力ならば…
俺すら勝てるにも関わらず。
この場でも明らかに武器すら一切、持ってない。
冷静に考えながら見てると。
先に大久保が察した様子で…
「そうだ、今の私は何も持ってない。
だからこそ、命懸けの意味でもある。
長くは無理だ、本題へ。
恐らく私の予測。
春香を見た時点でだったが…
もう完全に狂うどころでもない。
最悪な方へ進むのみ。
しかも春香が無自覚でもだ。
あんな事を続ければ…
命ではない。
心、精神が崩壊するのみ。
更に高過ぎる学も判ってる。
今の春香すら、どうにか自我を保ってるが…
既に限界どころでもない。
薩摩側は春香の保護は当然。
そして歴史でも一切、望まない。」
すぐ理解はするが…
「俺達を利用しながら?
既に薩摩すら記録で判ってるが…」
怒りで殺気が漏れたが。
大久保は目を閉じたのを見る。
「私からは否定しない。
そして個人だけならば謝罪もしよう。
既に危険も承知で来てる。
だが、あんな未来だけは…
絶対に許されない!!
土方は接触もしてるだろうが。
私は春香から助言まで受けた程。
知ってるならば判るだろう?
まぁ、確かに見目は良くてもか?
台無しも良いところだがな。」
その言葉で簡単に俺は春香がだった。
薩摩の大久保相手にも怒鳴る姿も浮かんだ。
殺気を消して、どうにか言う。
「それは簡単に判りますが…
しかも助言と?
怒鳴ってですか?」
そこで大久保が目を開けた。
すぐ微妙な顔になるのも俺は見てたのだが…
「あんの…
失礼どころでもない大馬鹿娘かぁ?
怒鳴ったどころでもないぞ!!
どれだけ私へ、無礼な事だけでもなかった。
とんでもない大馬鹿娘だ!!
しかも無自覚だと?
更に私まで記録で覚えてるとだ!!
脅してきた程だった!!
私の場合、未来の記録へ!?
追記してやるとだ!?
しかも器の小さい男として、だぞ!?
散々、私を、馬鹿にしておきながら…
更に他国の言葉ならば判らないと?
嘘は言わない理由で意味を。
他国の言葉まで使って私へ!!
向かって言ってきたが…
既に私も知ってる事すら驚くだと?
どこまで馬鹿にする気だ!!
そして私の秘密を。
言わないだけで私には勝てるだと?
もう、あんな大馬鹿娘を。
思い出すだけでだ!!
私は頭が痛くなる。
まぁ、言い出してたらキリがないぞ?」
どうにか俺も考えながら聞いてたが…
すぐ春香の姿と、意味も判った。
あの大久保相手に春香は!?
最初、怒鳴った上に…
しかも器が小さい男と!!
追記するだぁ!?
更に秘密で脅すだとぉ!!
だが、必死に笑いを耐える。
「そ、そう、ですか…
あの春香ならば、確かに…
記録で、しかも追記、それを?」
確かに!?
ここまでだと…
もうスゲェな!!
とんでもねぇ事してやがる!?
想像しただけでも、すぐだった。
余計に春香の姿も簡単に浮かんで…
正直、笑いを耐える方が厳しくもなる。
どうにか耐えるのみ。
ヤベェ…
俺すら何も言えねぇ…
だが、やはり…
もう俺は?
笑うしかねぇが!?
そんな大久保が大きな溜息を出した。
視線にも気付く。
「土方?
あの大馬鹿娘は判り易い…
既に土方すら想像のみ!!
確かに笑うのも判る。
だが、接触は二日程度。
ならば全ての理解は出来てない筈。
私の予測だ。
土方、良く聞け?
今の考えてる以上。
酷過ぎる未来だ。
私から再度、言うぞ。」
その言葉で、だった。
俺すら動揺する。
何だと!?
俺の予測以上!?
だが、薩摩の大久保は学に関して…
群を抜いてるどころでもない!!
春香と接触時か!?
つまり…
新たに気付いたのか!?
そのまま見てると大久保は懐からだった。
出した紙を見ながら…
「私が判る限りは書いた記録だ。
これすら危険過ぎるが…
だが、あんな未来だけは…」
そう言うと俺へと、視線も戻したが。
大久保の目に明らかな怒りすら気付く。
それから差し出す様子で意味も判った。
春香からの予測でも…
あの大久保がだぞ!?
今すら危険な筈。
どれだけ!!
受け取ると同時。
「まだ今は読むな。
怒りが抑えられない。
私が去ってからだ。
読めば判る。」
な、まさか…
渡してから大久保が再度。
俺を見たのにも気付いて頷く。
だが、大久保は目を閉じた。
そのままで、また…
「土方…
読んだら、すぐだ。
燃やせ。
そして春香からの助言は…
土方にも当て嵌まる。
だから、そのまま先にと。
春香の持論も含め私からも伝えるぞ?
『見えてる物事だけを、見るな。
判ってるつもりでも、判ってねぇ。』
これが私へ、だったが…
続けた春香の言葉を、良く考えろ。
『これは私の持論。
表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。
常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ』と。
更にだ!!
『それでもだ。
溢れたのには気付かねぇ方が良いぞ?』と。
もっと意味を。
あの大馬鹿娘は続けた!!
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる。
そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる。
んな平和すらもあんだよ。』
すぐ私ならば意味も判る!!
そして私は土方の学も認めてる。
もう意味も判るな?
つまり…
弱い者が常に標的へ。
され続けるだけ!!
そして標的が代わるのみ。
既に春香のみでは済まない!!」
どうにか意味は判っても…
俺すら認めたくない感覚になった。
そんな未来だと!?
弱い者が常に、ならば…
あれだけ春香が!?
力に拘る意味も、だろ!?
しかも標的が代わるのみ!?
そこで大久保は目を開けたが。
「充分、判るな?
土方…
私は誤ちを、必ず変えるのみ。
この国でならば狂うだけではない!!
この国に産まれただけで不幸になる未来…
そんな国、あってはならない!!
今からならば、私も含め…
どうにか変えられる可能性のみを。
理解したならば…
幕命を常に疑え。
春香の言葉ならば、欲!!
幕府側は多過ぎる上に…
愚かにも根付いた部分は消えん。
再度、言うが薩摩側は絶対にだ。
春香の保護を、真っ先に最優先する。
こんな事は、もう…
幕府だの、薩摩だの、関係ない!!
人として当然の答え。
見抜く際、常に忘れるな。
私も幕府側で、どうにか内部を。
更に動かすが全部は不可能。
先に望む未来を、間違えるなよ?」
薩摩側は絶対に、春香を!!
だが、確かに…
既に幕府は騙してる。
幕府側では数も、春香の言う欲のみ!!
だからこそ、大久保は危険でも俺のみ。
ならば…
俺は目だけを変えてから…
「充分、判りました。」
すぐ去る様子に察して総司へ。
総司も無言で頷いて、そのまま去った。
文を読んで内容にと。
もう、すぐ怒りが湧き上がる。
「ふざけんじゃねぇぞ!!
どれだけ!!
狂うだけでもねぇ!!
こんな事は誰も望まねぇ!!」
そのまま普段から使ってる台所へ。
火付け石でと釜戸に火を、すぐ文も燃やす。
燃えてる文を、見ながらでもだった。
更にと怒りばかり。
ずっと、あの春香を!!
男まで常にだと!!
もっと学すらある春香ならば…
続けるクズ共が、だろうがぁ!!
燃えてる文を見てた時。
すぐ気配に気付いて言う。
「総司、それと斎藤か。」
「はい。
土方さん。
最近も、今も、ですが…
沖田と、でしょう?」
もう俺すら溜息を出してから振り向くと。
斎藤が複雑な顔で居たが。
総司の視線にも判った。
総司へ、視線のみ先に…
「判ってる、総司。
今は斎藤と話す。
他は警戒しとけ。」
すぐ総司も複雑な顔で頷くのを見たが。
また溜息をしてから誰にでもなく…
「もうなぁ…
ただ…
俺が、かぁ?
絶対、許せねぇんだよ!!
ふざけやがって!!
今まで仲間が!!
どんだけ死んだ!!
どんだけ必死にと!!
それにも関わらず、かぁ!!」
途中から俺は怒りが抑えられなかった。
殺気すら抑えられない。
そのまま斎藤を。
見れば明らかに驚いてたが。
どうにか目だけ閉じた。
「ひ、土方さん?
一体、何が。」
抑え付けながら、もう思ったまま…
「斎藤…
俺が、だろ?
ずっと調べてる際も、だったな?
気付いてる様子にも判ってた。
だが、俺は今、知ってかぁ?
それでも判らねぇ事を。
斎藤も学が、あるぐれぇ…
知ってるから教えてくれるかぁ?」
そう言うと察した様子に気付いて俺は続けた。
「斎藤、先に言うぞ。
任務でも、何の命令でもねぇ。
それを大前提にとして、だぞ?
産まれたばっかの赤子…
ちなみに言うが、女子へ!!
殺さねぇで、だぞぉ!?
刀で傷付けられっかぁ?」
「土方さん!?
な…
しかも殺さない、ならば…
更に意味なく刀は…」
動揺してる斎藤の声も聞いたが。
目すら閉じたまま俺は続ける。
「刀は危ねぇなら斎藤。
素手でも良いぞ?
言葉も完全には判らねぇ…
単純に泣くだけの!!
幼過ぎる女子へ!!
死なねぇ様にと、だぁ!?
それが斎藤には出来るかぁ?」
「ま、待って下さい!?
土方さん?
なぜ…
任務でもないと言った上に…
更に死なない様にと!?
その幼子へ?
理由が…」
それを聞いて…
「斎藤!!
出来るか、出来ないか、のみ!!
理由は何もねぇ…
その女子へ!!
その幼子へ!!
斎藤なら出来るのかぁ?」
「土方さん!!
何も理由すらなく、そんな事…
俺は出来ない!!
当然でしょう!?
なぜ、するかも判りません!!」
その返答を聞いて俺は目も開けると。
明らかに斎藤は困惑してたが。
「斎藤、そうだ。
俺にも絶対、出来ねぇ…
だから余計にかぁ?」
そこで文の内容も思い出して怒りが、また…
「俺は許せねぇんだよ!!
そんな事すら平気に?
しかも、わざと死なねぇ様にだけ!?
何も悪くない、更に知らない幼子へ!?
生かし続けながらだぞ?
それを、ずっとだぁ?
続けるクズ共がなぁ!!」
どうにか怒りだけと息を吐き出すが。
それでも俺は我慢も出来ない。
斎藤を睨みながら…
「俺には全く判らねぇぞ!!
そんなクズ共が!!
何を、どう、考えてんのか…
斎藤なら判るってのかぁ!?
直接、その幼子へ。
してなくても…
既に新撰組が!!
幕府が!!
全く判らねぇクズ共に…
利用だと?
騙すだと?
誤魔化すだぁ?
今まで死んでった仲間達が!!
僅かでも願う筈ねぇ!!」
俺は怒鳴っても、すぐ浮かんだ。
春香の錯乱した姿も…
死んでく仲間達の姿も…
どっちも許せる筈ねぇ!!
「俺達が…
利用と?
土方さん、まさか…
調べてたのは、それを。」
複雑な顔で僅かに斎藤が言うのも。
見てたが、もう俺は目を閉じた。
「あぁ…
斎藤の予測以上。
最悪だってかぁ?
俺と総司は、直で!!
見てんだよ…
最初は信じられねぇと。
疑惑だったがなぁ?
もう確信した!!
俺が、真っ先に幕府も調べ始めた。
その結果だ!!
完全な黒どころじゃねぇ!!
にも関わらず。
今すら俺達を?
新撰組を?
嘘で誤魔化して利用だと…
許せる筈ねぇだろうがぁ!!」
「俺達を?
幕府が…
土方さんと、沖田は…
見たと?
それで…」
どうにか斎藤が言う様子も判る俺は…
「斎藤の予測通りだな。
だからこそ!!
常に俺達、新撰組すら利用だぁ?
さっき俺にと直接、来た者すら既に命懸け…
危険過ぎるって事ぐれぇ判ってた筈。
それでも、した理由だぁ…
もう尚更、俺には許せる筈ねぇだろ?」
「土方さんが、それだけ…
ならば、今の者以外にも?
幼子へ…」
斎藤の声で俺は目を開けた。
明らかに動揺してるのも判るが。
睨み付けた。
「そんな幼子に限らねぇんだよ!!
もう総司すら見られねぇと…
俺すら見てられねぇぐれぇになぁ!!
酷過ぎるからだぁ!!
そんなのに俺達は、だぞ?
ずっと利用されてんのにかぁ!?」
完全に殺気すら抑えず怒鳴ると。
複雑な顔で斎藤は、すぐ目を閉じた。
そのままでと…
「土方さん。
せめて殺気を。
そして見たと…
知ったからこそ。
ならば俺も、です。
現状を。」
冷静に言ってきた斎藤も見た。
だから俺もと…
少し首を横に振って殺気も抑えるが。
「悪りぃな、斎藤。
怒りだけは無理だが…
先に言う事は…
俺と総司。
更に他も含め既に接触してる。
俺達に限らず、例え志が違くてもだ…
誰もが望まねぇ未来!!
そんな未来からの女が居る。
あり得ねぇと真っ先に疑ったがなぁ?
本当だった上に…
今ならば別の場所で、この時代でも保護してる。
その女から聞いた話すら信じられねぇ未来を。
未来からなら当たり前だろ?
既に俺達、新撰組の事。
江戸時代、幕府、薩摩、長州、土佐。
他国も含め全ての歴史も、だぞ?
未来から来たからこそ知ってた。
そして更に判ったからこそだ!!
そんな未来だけは誰も望まねぇと!!
その為だけに動きすら変えてるのも事実!!
無自覚でも言った言葉があった。
俺は気付いたから幕府側を。
真っ先に調べたがなぁ。
やはり黒だ!!
単純に俺達は利用されてるのみ!!
もう絶対、俺すら望まねぇ先へ。
余りにも酷過ぎた!!」
そこまで言ってから、また春香が浮かぶ。
泣き叫ぶどころじゃねぇだろ!?
判らねぇ上に、あんなのは…
斎藤が目を開けたが。
複雑な顔のまま…
「俺は普段の土方さんも知ってます。
その土方さんが、です。
そこまで言う上に…
しかも、さっき土方さんの殺気。
更に言動で嘘など、俺でもないと判ります。
つまり、未来からの女は居る事。
そこから知った未来の為。
既に多くが動いてるならば…
俺も含め知る必要があります。
いくら学があると言っても…
俺は土方さん程ありません。
今のまま先は…
俺も覚悟を。」
そんな斎藤を見てだった。
また俺は目を閉じる。
あんな事すら言いたくねぇが。
だが、俺と総司だけでは…
「斎藤の意味は判ってる。
それでも、あんな未来になるぐれぇなら…
新撰組の中でも斎藤ならば動ける筈。
だから言うがなぁ…
さっきも言ったが。
既に俺と総司は、直でだ。
見て判ってんだよ。
今日の情報でと俺の予測以上、酷過ぎた…
その女は、春香と言う名だ。
隊長以外には勝てる武力も一応あるが。
力ばかり拘る理由も今日で明確。
良いか?
春香は何も悪くねぇ。
ただ、この国に産まれたってだけの事。
そんな春香は命の意味すら判ってねぇ…
だが、当然の事。
父親は不要として春香を、殴るのみ。
母親は失敗作として春香を、見捨てるのみ。
兄達も含め全てがだ。
春香自身の存在を、否定し続けるのみ。
そんなクズ共は、気分転換のみ。
全ての的として春香を、痛め付けるのみ。
その春香が、他の誰かへ。
泣き叫びながら僅かでも助けを。
誰かに言えば監禁され、悪化するのみ!!
ずっと常に春香は、痛みと苦しみのみ!!
その言わない春香に察した、唯一の祖母もだ。
僅かでもと懸命に、守ろうとした中で事故死。
幼過ぎたからこそ春香には命も判らん。
単純に消えた喪失感のみ!!
更に、そんな中で変わらず。
何も判らない春香へ!!
ずっと続けられた事で己自身でだぞ?
自ら腕も傷付け、その痛みで苦しみを。
紛らわす方法のみ!!
だからこそ春香の出した答えだ…
そのまま言うぞ?
己自身は螺子であり、変わらないと。
生きる意味すらないと。
死ぬ意味すらないと。
何も価値すらないと。
だから誰も信じないと。
だから誰も愛さないと。
もう一人で生きれると。
更に言った言葉だ!!
死ぬ方が、ずっと楽だと。
死ぬ事すら許されてないと。
もう判ったか?
こんな事を、ずっと続けられたら…
春香は何も判らないのみ!!
その春香は一切、何も悪くねぇのにだぞ?」
息を吐き出して俺は目を開ける。
そして斎藤も見れば己の刀を。
震える程、強く握り締めながら目も閉じてた。
「土方さん…
そんな事を。
するなど人間とも…
俺は思えません。
しかも未来でならば…
今の俺すら己自身!!
許せません。」
意味には俺も判るが。
「斎藤、俺も同じだった。
だから予測して調べた。
ここからは今日でだ。
話は終わってねぇ…
もっと最悪になる。」
そう言うと斎藤は驚きながら目を開けた。
「な…
土方さん?
もっと酷いと!?」
そんな様子を怒りまで抑えて…
総司も見れば既に泣きそうな顔だったが。
同じで驚いた様子も俺は見てた。
「総司。
既に辛そうだろうがなぁ?
あの春香は…
もっと、だぞ!!
更にある痛みと苦しみ。
それなのに…
何にも悪くない春香を!!
未来の為にと変えるのは…
常に俺達のみ!!
今からでも、どうにか出来るのは…
未来からすれば過去である今!!
この時代に居る俺達しか出来ねぇんだ!!」
俺が総司に向かって怒鳴ると。
総司も複雑な顔で一応、頷くが。
「はい、土方さん。
もう俺は、あんな春香さんを。
あんなのは…
痛々しいどころでもない!!
俺すら僅かな言葉で判るのに…
痛いと、苦しいと、助けてと…
誰かと、あの時すら言って…
春香さんは、何も悪くないのに!?
なぜ、ごめんなさいと?
許してと?
あの春香さんが、謝る事すら絶対に違う!!
あんなにも泣き叫ぶのに…
暗いと、見えないと、寒いと、恐いと…
どれだけ、ずっと!!
俺だって絶対に、嫌です!!」
途中から総司は首を横に振りながら叫んだ…
「総司!!
落ち着け!!
その春香も、未来も、俺達が、だろう?
どうにか助けられるかも知れねぇ時。
それで良いのかぁ!!
もう判ってんだろう!!」
再度、俺も総司へ。
怒鳴ると、無言で頷いて俺を見たのも判るが。
視線のみ斎藤も見れば目を変えた。
「斎藤も判ったな?
どれだけ春香が…
既に受け続けた痛みと苦しみか…」
「はい、土方さん。
沖田の言動で充分、判りました。
そして俺も、そんな未来など。
決して望む筈もありません。」
斎藤の覚悟を俺も見た。
やはり…
斎藤もだがなぁ…
あんなのすら言いたかねぇが。
俺だって、あんな未来へ!!
絶対に!!
落ち着く為にと目を閉じる。
頭の中で整理してから目を開けた。
二人共を俺は見ながら…
「さっき得た情報。
更に俺が調べた事で判った。
俺も許せねぇが。
春香が言った事でもある。
人間の本質は欲のみ、と。
まさに、その通り。
今だけでもなく、過去の歴史を。
俺は調べた上に…
さっきの情報は今以上に悪化し続けた結果だ。
補足するが、そのまま進み続けた場合。
さっきの者が言ったがなぁ。
この国は狂うだけじゃねぇ!!
この国に産まれただけで不幸になる未来へ…
そんな国に、して良い訳ねぇ。
今から話す事すら春香の助言。
そのまま先に言うぞ?
『見えてる物事だけを、見るな。
判ってるつもりでも、判ってねぇ。』
これは今、この時代だ。
見えてねぇと。
判ってねぇと。
春香は判断したから言った筈。
ならば単純、俺達すら真実は隠されてる。
嘘と誤魔化しで、だろう?
ここで俺の調べた事にも繋がる。
幕府側の嘘、真っ黒だがなぁ…
この幕府が、始まった時へ。
歴史も遡れば判る。
幕府は真っ先に都合の良い仕組みへ。
幕府体制として、この国へ。
俺達が産まれる前から、ずっと変わらず。
全て騙して欲のみ!!
都合の良い様に動くのみ。
だから新撰組は常に幕府から利用され続ける。
俺達の志すら全く無視だ。
都合が悪くなれば、新撰組は切り捨てる。
都合が悪くなれば、新撰組に限らず。
簡単に手の平を変えての利益、欲しか考えない。
それに徳川は長い…
余計、根付いた事ばかり。
尚更、幕府側は欲で周りの利用しか考えねぇ…
次だ、最も重要になる。
春香は持論も言った。
そのまま言えば…
『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。』
これは全ての時代になる。
ならば未来も含まれる事。
更に春香の言葉で明確。
『常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ』と。
もう一つある。
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる。
そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる』と。
春香は知らない方が良いと。
言った理由が重要だ。
再度、言うぞ?
『その逆も同じ事』と。
つまり、春香を、だ。
春香の様な痛みと苦しみを。
春香自身が受けなければ…
気分次第で痛め付けたクズ共は的のみ!!
代えて別の者へ。
常に逆へ、なるんだぞ?
春香は何も悪くねぇのに…
なぜ、春香が的かも簡単。
幼子が絶対、大人も含めて一番、弱いからと。
弱い者が、真っ先に標的へ。
的にされて春香と同じで痛め付けるのみ!!
だが、春香の場合。
高過ぎる学で、真実を。
歴史も含めて他国まで知った事。
だから春香は、自ら己を。
他の者が、的にならねぇ様に、全て諦めたんだ。
しかも春香は…
既に言ってるだろう!?
『知らない方が皆が得られる、願える、祈れる』だと!?
ならば春香に気付かず、知らないなら皆が。
願える、祈れると。
その春香は、何も変わらねぇ…
だったら春香が、必死に泣け叫んで助けを。
今度は求めても気付いた者達は、だ!!
的にされたかねぇ保身のみ!!
春香の痛みや苦しみは、既に学で知ってる筈。
にも関わらず…
春香って生贄、春香を、常に犠牲にして!!
わざと助けねぇ!!
わざと無視し続けて的の対象は春香へ!!
こんなのは、もう春香に限らねぇんだ。
俺には全く判らねぇクズ共は…
増え続けるのみ!!
その中で気付いても己の保身のみ!!
そんなクズ共ばかりが増え続けるのみ!!
そのまま、この国が進めば、だぞ?
この国で産まれた赤子…
幼子達は常に、泣き叫び続けるのみ!!
助けても貰えねぇ…
そんな国を。
今まで死んでった仲間達の…
誰が望むってんだぁ!!」
言ってる途中から怒りが湧き上がる。
叫ぶ様に言えば二人共が、だった。
驚きながら僅か首を横に振る。
だが、まだ必死に怒りを抑えて言う。
「二人共が判ったみてぇだがなぁ…
他国は更にある。
この国へと、利用目的のみ!!
同じで、欲のみ!!
この国も騙しながら友好的に近付いてるのみ。
それなのに、この国は国内さえ纏ってねぇ…
他国は見逃して高みの見物だぁ?
既に幕府すら完全に騙されてんのも気付いてねぇ…
そんな他国と、この国で一番!!
致命点は男が、常に女を!!
無下にしてる事すら誰も気付いてねぇ…
つまり、同じく力だぞ?
そんな欲まみれの未来では容姿。
見目の良い女を。
常に力で、ねじ伏せて…
また欲のみ!!
そして春香も女だぞ?
しかも黙ってりゃ見目が良い…
一度も会話しねぇ男共が群がる。
今度は団体に囲まれても、また春香自身!!
どうにか武術の習得する理由になる。
常に力ばかり拘る事すら自己防衛だぁ?
どんだけクズ共が溢れてやがる?
もう春香に限らねぇ…
見目の良い女は全て。
真っ先に、男の欲で狙われるのみ!?
今すら春香が、他国の方が良いってかよ。
言われても当然だぁ…
この国に産まれただけで不孝だと?
終わった方が良いと…
言われても反論すら出来ねぇぞ!!」
二人共が目を閉じた。
斎藤が、すぐ…
「そんな国には絶対に駄目です!!
土方さん。
情報先は知らなくても…
俺には関係ありません。
そして…」
斎藤が目を開けて俺へ。
「俺が出来る全て最善を!!
土方さんから、俺にも指示をください。
俺より学だけでは、ありません。
更に今ならば全て土方さんが、でしょう?
一番、理解も含め、してる筈です。
志も含まれる上に、未来の為。
今まで利用されて死んだ仲間達の分も!!
絶対に俺も、します。
そんな未来は誰も、望んでません。」
総司の気配にも気付く。
目を開けた総司も…
「俺もです、土方さん。
春香さんも、俺は知ってます。
嘘はない事も判ります。
俺では学すら無理ですが…
土方さんの指示で、必ず、動いてみせます。」
二人共が目も変えて言うのも俺は見てた。
少し笑う。
「斎藤、総司もだ。
俺もだがなぁ…
全員が命懸け。
判ってんな?」
「「はい!!」」
二人共がした決意の目を。
俺は見ながら、また春香も思い出す。
何が、ちっぽけな螺子だぁ?
既に長州、薩摩、土佐。
そして幕府側の新撰組すらだぞ?
どんだけだってなぁ…
不思議な感覚にもなるが。
一つだけは変わらねぇ…
「あぁ、そうだな。
やっぱ仲間と一緒にが良い。
俺も未来の為、すぐ安易には動けねぇが。
必ず、未来を!!
俺達、新撰組でもだ!!
絶対に変えるぞ!!」
二人共が頷いたのも見た。
新撰組も纏めながら常に水面下。
徐々に幕府へ。
疑いながらも慎重にと動き出した。
「あぁ、起きた様だね。
春香、おはよう。」
すぐ桂さんの声に気付くが。
更に私を抱き寄せたままだった。
優しく笑って言ってきた事に。
私は動揺したまま…
「えっ、んん?
あれ?
何が!?
いや、待ったぁ!?
私だな、そう?
まずは、私だろ?」
そう思って改めて見れば…
普段、私が使ってる部屋なのも判る。
そして壁を背に桂さん。
毛布も私にはある上に服も、そのまま…
徐々に私も思い出す。
あぁ、確か…
なぜか私は眠くなって…
だから、桂さんが?
あのまま、ここへ?
それに高杉さんへも。
そして桂さんの言った事も思い出す。
だから目の前に居る桂さんを。
改めて私は見るが、いつもと同じで…
優しく笑いながら言ってきた。
「春香が心配する事もない。
既に私も言ってるだろう?
徐々にで良いと。
春香も落ち着いた様子だ。
そして私には、春香のみを。
唯一、愛する者だが。
春香を、私は傷付けたくない。
だから春香…
判らないと。
知らないと。
その間、私はだよ?
ただ私は、春香を、待つのみ。
そして、それすらも春香は常に自由だ。」
一応、私でも意味は判るが。
どうにか必死に考える。
待つって…
桂さんが!?
だが、時代が?
他にもって…
違うっつうの!?
そもそも…
「えっと、桂さん?
だが、本来の相手だって?
いや、んん?
私を?
それだと変わっちまうだろ!?
何がキッカケになるかも…」
どうにか言っても私は困惑どころでもない。
何も考えられなくなる。
それなのに桂さんは笑った。
「ははは…
春香は判り易いから。
もう私も余計になぁ…
ならば、春香?
質問するからね?
それを考えて答えれば判るだろう。」
んん?
質問だぁ?
んで、私が判ると?
「良いかい、春香?
この時代で私を含めるが…
今まで史実に残った多くの者達。
長州、薩摩、土佐、新撰組、更にだ。
既に春香の存在を、知ってる。
つまり、既に歴史へと影響を。
与えてるにも関わらず。
今すら春香は、ここで生きて居る事。
既に歴史が変わってる筈なのだよ?
それでも春香は無事、ならば他の者。
歴史は変わる中でも未来の者達へ。
良い影響のみで存在は影響されないだろう?」
それは…
私も冷静に考える。
確かに?
歴史が既に変わってたら…
なぜ、私も?
変わらずに、ここに居る?
しかも桂さんの言う通りなら…
「未来の…
皆は無事だと?
だが、桂さんには本来の相手だって。
その人は、どうなる?
今だって僅かに変わる保証も…
ねぇだろ?」
それにも桂さんは同じで少し笑いながら…
「ならば春香へ。
再度、聞こうか?
私の本来の相手が居たとしてもだ。
歴史が既に変わってる。
だとすれば、その者は新たに、だろう?
私ではない者と。
そして、ここからが重要だよ?
春香と私が、出会って、だろう?
私の場合、史実以外。
他の記録が、一切、春香は知らない。
あの大久保や晋作を、簡単に言えるが。
春香は私だけ、知らないのだろう?
だとすれば答えも簡単。
既に私自身、春香と出会った時点。
そこから歴史へ、影響して残らない。
だから、何も知らないのだよ。
私が愛した者、それは春香のみ。
春香を愛する私が、他の者すら選ばない。
だから記録すら残らない。」
何だと!?
桂さんが他を!?
選ばねぇからと?
だから残らねぇ!?
だから知らねぇ!?
一応、理屈は…
間違ってねぇ?
でも…
「いや、桂さん?
ちっと待て?
もう一つ!?
ヤベェ事に判ってんかぁ?」
そこで少し桂さんは驚いた顔も、私は見た。
だから最大の事を。
「まぁ、もう正直に私は言う。
具体的にはサッパリ、何も知らん。
だが、土方さんにも?
言われてっからな?
だから私の目的!!
どうにか判ってるし?
桂さんも知ってるだろ?
それすらサッパリ判んねぇが。
もし私が、だぞ?
愛する者を探し出したとして…
どうなる!?
私の存在が未来なのに?
いや、今の時代?
もう判んねぇが。
そうだな、土方さんも?
高杉さんも言ってたが。
どの時代でも同じだと?
いや、ちょっと違うだろ!!
今の時代で存在しねぇのにかぁ?
もし私が、具体的に判らなくても?
子供とか産んだら!?
完全に歴史どころじゃねぇぞ!!
再度、正直に言うぞ?
私には具体的には全く判んねぇ…
そもそも、考えた事すらねぇ!!
んなのに、何かぁ?
もう完全にだろ?
何があるかすら全く判んねぇぞ?」
そう言って少し考える様子もした桂さんだったが。
すぐ優しく笑ったのも見てた。
「なるほど。
充分、私も理解したが。
それすら全く問題ないだろう?
さっきも言ったが、既に歴史は変わってるのだよ?
例え春香が愛した者の子供を、産んだとしよう。
一応、これも例として出すが。
私が本来の相手が判り易い。
その本来だった者は、私以外の愛する者との子を。
そこで新たに産まれる筈。
そうやって時代の流れの中。
春香の産む子供が居ても、何も不思議すらない。
そんな中でも未来は、常に良くなるのみ。
新たに産まれる子供達も愛されて良くなるのみ。
己の子を愛するのは当然の事。
更に、この国すら良くなるのみ、だろう?」
な、何だとぉ!?
いや、んん!?
歴史は変わって…
いや、でも良くなるのみ?
どうにか頷きながら…
「そりゃ…
桂さん?
言った意味は判るがな?
既に歴史が変わって…
んん?
んでも良くなるのみ?
間違えては…
ねぇが、本来、いや違う。
既に変わっるなら?
それでもだぁ?」
もう私にはサッパリ判らない。
目を閉じて良く考えるが。
「春香は知らないみたいだが…
産んだ己の子を愛さないなど。
それが全て間違えてるのだよ。
こんな事は私に限らない。
春香の場合でもだ。
本当に愛した者の子を、だよ?
春香は傷付けられないだろう?」
私が!?
すぐ目を開けて叫ぶ。
「ふざけんじゃねぇ!!
私はクズ共みてぇな事はしねぇ!!
産まれたばかりなら尚更だろうがぁ!!
何の罪があるってんだぁ!!
んなの人間に限らねぇんだぁ!!」
「そう、春香。
それが正解だろう?」
すぐ桂さんが嬉しそうに笑って言った。
そんな桂さんを見ながら…
「春香には私は既に言ってる筈だよ?
春香は何も悪くないと。
大人側、親側が、間違えてるのだ。
なぜ、春香がと。
だからこそ、春香は何も悪くないのだ。
そんな春香は間違えず、己の子を。
大切に愛せる、それこそが正しいだろう?」
そう私は言われて、また思い出す。
既に桂さんの言葉は…
私も聞いてた言葉だった。
だから…
「桂さんは…
どうして…
私みてぇなのを?
愛すると、言える?」
「春香は美しいだけではない。
春香は誰よりも優しいからだよ。
いつも春香は己より周りを。
他の皆へすら無自覚でも、必ず相手を考える。
嘘も言わず、騙す事もなく純粋で優し過ぎる程。
見た目よりも心が美しい。
春香は気付いてないが。
春香は凄く優しいのだよ。
そんな優しい春香を、私は唯一。
愛せる理由だ。」
私の質問へ。
桂さんは、すぐだった。
私が優しいから!?
外見でもねぇ…
私の心が、だと!?
だから桂さんが!!
一応、私も考えるが、そのまま言う。
「んなの私より桂さんが、だぞ?
桂さんが優し過ぎんだよ。
私は…
んな桂さんがだ。
泣くのは見たくねぇ…
辛いのも見たくねぇ…
きっと…」
桂さんは複雑な顔をするのも私は見た。
でも、そのままでだった。
「春香も知ってるのだろう?
晋作の事を。
だがな、命は誰でも必ず、最後。
皆が変わらない。
永遠に生き続ける者は居ない。
晋作に限らず、それが命なのだよ。
だからこそ、生きてる今が大切。
それを恐れて、悲しむのは春香?
私に限らない、皆が同じで恐いのだ。
そして私は春香?
春香を失うのが一番、恐いのだよ。
愛する者が消える、それは春香の場合。
まだ幼く判らない中。
あの大切な祖母を、失った時と同じ事。
皆が同じで恐いからこそ、命は大切なのだ。」
お婆ちゃんの!!
すぐ私は思い出す。
だから慌てながら桂さんにと抱き付いた。
目も閉じて、どうにか言う。
「桂さんまで…
消えないで…
もう誰も居ないのは…」
初めて桂さんから、そのまま私は…
抱き締められて優しい声を聞いた。
「春香、大丈夫だよ。
私は消えない。
春香を、もう一人にはしない。
そして、もう痛くない。
私が守り抜くのみ。
安心しなさい。」
あぁ…
桂さんは嘘を。
マジで言わねぇんだなぁ。
しばらく一緒に居たが。
まだ夜中だから桂さんに休む事もと。
起きた時も大丈夫だと。
また私は安心して素直に寝た。
**************************
一方、桂小五郎。
どうにか引き留める為。
だったが、やはり今すら無自覚か?
安心した様子で寝てしまった春香を。
軽く抱き上げながら…
春香の言葉は、つまり祖母の時。
寝てたから余計に、だろう。
『お願いだから…
桂さん…
消えないで…』
春香の意味が判る事もあって…
尚更、思う。
私が必ず春香を!!
だが、さっきの言葉だけでも、だろうな。
糸口も殆どが見えたが。
一応、晋作も見れば…
既に殺気だけではなかった。
「晋作…
気持ちは判るが。
今は皆と、晋作も、だろう?
常に未来の為、既に動いてる事。
急ぎ文も出す。
どうしても今夜だけは無理だがな。
春香が起きた時。
私が居なければ恐らく最悪だ。」
そこで晋作は目も開けず、殺気だけは抑えたが。
「あぁ…
小五郎、春香の意味も判ってる。
皆へも、早急に、それもだがなぁ…
小五郎は春香を、だぞ。
そして俺は、今だ。
己自身が、これ程、許せないと思ったのは…
産まれてから初めてだ。
春香からの指摘へ、俺は全て…
何も言い返せる筈もない。
史実と、過去の歴史を、俺も学んでるのだぞ?
にも関わらず。
他国の思惑ではない。
この国の歴史、全てへ。
完全に当て嵌まる。
繰り返す争い、同じ国内、同じ理由。
言葉が判るのにと。
常に学ではなく、常に武力思考で動いた結果。
今の時代も含め…
しかも、この時代が始まった時から常に?
幕府の欲のみで、だぞ?
どれだけの仲間達が殺されたと…」
また僅かに殺気が漏れたが。
私すら溜息は出た。
「晋作、私も同じ事だぞ。
やはり幕府討伐は必ず、だが。
学でも勝つ手段、勿論、私もな。
模索するとしても…
全て回避は出来なくて最小限へ。
そして晋作も気付いた、だろう?
春香は、恐らく…
既に晋作の事も心配したのだ。
春香自身も薬を飲んで、すぐだぞ?
晋作も…
薬は飲んでるだろうが。
春香は見てないから余計に、か。
だから私が、だろう。
悲しむと言った意味にすら繋がる。」
そこで晋作は殺気を消した。
目を開けたのも見るが。
「だろうな。
俺が長くねぇと、春香は記録。
または史実で、だろう?
一応、薬は飲んでるが。
春香は見てないからなぁ…
こんな俺の心配までかよ。
俺より春香の方が、ずっと長いのだぞ?
どれ程の苦しみと痛みかなど…
しかも大久保も言ったが、あれだけの学だ。
既に春香の言った事も、さっきの機械だけでも。
情報として纏めても恐らく…
理解すら出来る者は少ない。
あれだけ愚かな事もした俺でも、未来を。
春香も必ず、変える為のみ。
最善は皆とが、一番な筈だ。」
そう言うと少し晋作は近付いてきて春香を。
私が抱き上げてるが見るとだった。
「くっ。
完全に安心してるが、これは…
無自覚と言うよりも本当に幼子だな?
全く小五郎に関してだぞ?
未来の糸口よりも難しいか?
そう思うと少し…
あはは…
大変だな、小五郎も。」
それを聞いて私も春香を。
また見るが…
さっきの様子からだと。
愛する者と言うか…
ふと、また思い出す。
『桂さん…
消えないで…』
私の名を。
既に言ってるが先に確認も、か?
そこで晋作を見て複雑な気分で…
「晋作?
正直に言うがな。
私は未来の糸口よりもか?
春香に関しての方が難題な気がするのだが。」
晋作も視線だけで見た事には気付く。
だが、少し笑ってだった。
「俺も全く判らんな。
まぁ、小五郎も、だろう?
徐々にってか?
春香の難題は誰も無理だぞ。
くっ。
あはは…
意味も充分、判るが。」
やはり笑いを耐える様子でもある。
それには無言で私は頷くのみ。
少し溜息をしてから春香を。
普段、使ってる部屋へ。
起きた時も考えながら春香の側で待った。
**************************
一方、大久保利通。
長州との同盟後。
真っ先に確認の為。
ひたすら書類関係の記録を漁る中。
やはり私の予測では幕府が、また…
だが、薩摩藩の問題ではない。
ふと、春香も思い出す。
それと同時だった。
あんな未来など…
完全に駄目だ!!
「ふざけるな!!
あの僅か…
あの言動だと!?
しかも学すら明確。
高過ぎるにも関わらず。
こんな事、続ければ…
命も危ないが…
もう坂本経由からの情報以上だぞ!?
あれでは春香に限らない!!
未来が狂うだけでは済まないだろう!?」
思わず口に出した事に気付く。
そして目を閉じて冷静に考える。
あの取り決めだけでと。
散々、私へ、まで…
まぁ、確かに?
見目が良くても台無しは本当だが。
あれだけ、私を。
馬鹿にしておいて、更に助言だと!?
だが、長州の桂小五郎か?
どちらも無自覚?
あれだけ学が、どちらも…
やはり想像でも充分、笑える。
ふと、そこでだった。
待て!?
長州が、あれだけ…
ならば坂本経由も…
つまり、桂小五郎が、だろう?
判断してる事も知ってたが。
更に春香の幕府側?
ならば、この時代でか!!
既に僅かな接触のみ。
すぐ目を開けた。
坂本経由から纏めた事。
更に幕府でも…
つまり、新撰組のみ!!
だが、あの新撰組でも…
二日程度。
しかも監禁なども…
春香へ、致命的な事すら一切しなかった!?
いくら春香が判り易くても、だろう?
恐らく、すぐ見抜ける程の学と実力者!?
もう一人のみ!!
副長の土方歳三か!!
確かに新撰組の中でも…
相当な危険まで…
だが、全てではなくとも賢明な判断を。
かなり的確にしている。
先に動かす方が良い!!
すぐ至急として文を。
いや、何かあっては物証になる。
やはり私が直接の方が良い…
それでも危険な橋に…
再度、目を閉じて考える。
春香の助言を再度だろう?
あれは未来で史実を。
更に他国の史実を。
もっと多く意味すら含まれてる!!
少なくとも二度、私へと、続けた…
ならば私も…
判断すら間違えた未来だぞ!!
尚更、許せる筈もない!!
春香の言葉のみ。
思い出す事へ、集中する。
『見えてる物事だけを、見るな。
判ってるつもりでも、判ってねぇ。』
これは、この時代に関して…
更に続く持論。
『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。』
全ての時代に関して…
だからこそ、未来まで見抜けた事に続く。
『常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ…』
あんの大馬鹿娘が!!
『それでもだ。
溢れたのには気付かねぇ方が良いぞ?』
だと!!
『そして知らない方が…
皆が得られる、願える、祈れる。』
ふざけるなぁ!!
つまり春香が己自身を!!
無自覚なのは恐らく…
性格のみでは、ない!!
幼過ぎた事も…
どれだけ幼過ぎる頃から…
あれだけ痛め付けた!!
しかも己の子をかぁ!!
失敗作だと?
気分次第でだと?
不要だと?
春香の存在自体を。
命すら何だと思ってるのだぁ!!
更に狂う以上!?
標的が代わるのみ…
単純に弱い者だけを。
その上に完全な保身のみ!?
判る学が、ありながら…
皆も春香だけは助けないだと!?
狂うより最悪な国へ!!
産まれた事だけで不幸になる国へ!!
にも関わらず…
『んな平和すらもあんだよ。
それだって壊しちゃ駄目だぞ?』
あんの…
大馬鹿娘がぁ!!
無自覚でも…
そんな保身のみ、する者達を!?
そんな者達が溢れてる筈!!
世界人口が70億だぞ?
いくら、この国が島国でも…
この国にすら人口が多過ぎる筈。
全ての標的まで受け続けるなど。
自殺行為以上に…
そんな事は自我まで崩壊するだろうがぁ!!
あの僅か、その錯乱で、すぐ判る!!
それなのに…
なぜ、春香自身だけ!?
なぜ、常に受け続ける!!
本来の性格ならば…
あんな事を、され続けても尚。
やはり大馬鹿娘がぁ!!
どれ程。
予測しても今すら危ういのに無自覚?
だが、無自覚でも明確。
長州の桂小五郎のみ!!
既に接触してる上に、私も含め多い筈。
もし、そのまま…
変わらぬ未来へ戻った時。
耐えられる筈がない!!
既に春香の存在で歴史へ。
影響してるが、問題がないならば…
時間軸すら違う理論。
歴史は良くなるのみ。
一度、息を吐き出して怒りもと。
抑え付ける。
仕方がない…
もう私自身、命懸けだ!!
そして日数も計算しながら行動を進めた。
**************************
一方、土方歳三。
新撰組内部は勿論だったが。
春香と接触してからは、ずっと記録も含め。
特に幕府の過去を。
更に歴史の記録全てを洗い出しながら考える。
春香が言ったならだ!!
幕府が既に黒!!
明確だったが…
その春香が言ってた嘘と…
しかも新撰組の利用。
だとしたら、これは…
「クソがぁ!!
つまり幕府体制、そのものかぁ!!
だとしたら、今の幕府側すら全てだ!!
常に都合良く、勝手に誤魔化し続けた今!!
だから余計、誰も気付かねぇ…
にも関わらず。
進み続けた結果かぁ!!」
あんな未来へ…
つまり俺達すらも利用されながら…
すぐ春香の錯乱した姿が浮かんだ。
「ふざけんじゃねぇ!!
今まで、どんだけ仲間が死んだ!!
死んでった仲間達まで…
騙され続けたままかぁ!!
しかもアイツらを利用だと!?
今すらなら尚更。
そんな事も続けた先にある未来が…
あんなかぁ!!
命すら判らねぇ…
己の子すら簡単にと、そんな先など…
誰が許すかぁ!!」
だが、長州だぞ?
下手をしたら…
また幕府は動く可能性も!?
いや、薩摩も?
それでも幕府側が圧倒的に人数が…
長州へ?
すぐ気配を察して言う。
「総司か、入って良い。」
「はい。」
視線だけ向けるが、すぐだった。
また周りへと警戒だけでもなく…
すぐ俺でも気付くが。
な、何!?
総司と一緒に部屋に入ってきた者。
僅かに変装してても判る。
「名乗る事もない筈だが。
一応、言うぞ。
薩摩藩の大久保利通だ。
そして新撰組副長、土方歳三だな?」
まさか…
薩摩の大久保が!?
なぜ、わざわざ?
屯所へ来る必要すらねぇ筈。
だが…
「そうです。
俺は新撰組副長、土方歳三です。
端的にで構いません。」
そう言うと、すぐだった。
視線のみだが総司へ。
「この場でならば危険もある。
今ならば沖田。
常に警戒しろ。」
「はい。」
総司も警戒度は高めたが。
俺も考える中で真っ先に春香が浮かんだ。
そして大久保も複雑な顔で見てきた事も判る。
「土方、確認するぞ?
既に春香と、だろう?
私の予測でも学と実力を含め土方のみ。
だが、正しい選択もしてる。」
流石に動揺だけ隠すが。
「やはり春香ですか。
はい、俺が対応しました。」
俺も警戒度も高めるが。
学は敵わないとしても実力ならば…
俺すら勝てるにも関わらず。
この場でも明らかに武器すら一切、持ってない。
冷静に考えながら見てると。
先に大久保が察した様子で…
「そうだ、今の私は何も持ってない。
だからこそ、命懸けの意味でもある。
長くは無理だ、本題へ。
恐らく私の予測。
春香を見た時点でだったが…
もう完全に狂うどころでもない。
最悪な方へ進むのみ。
しかも春香が無自覚でもだ。
あんな事を続ければ…
命ではない。
心、精神が崩壊するのみ。
更に高過ぎる学も判ってる。
今の春香すら、どうにか自我を保ってるが…
既に限界どころでもない。
薩摩側は春香の保護は当然。
そして歴史でも一切、望まない。」
すぐ理解はするが…
「俺達を利用しながら?
既に薩摩すら記録で判ってるが…」
怒りで殺気が漏れたが。
大久保は目を閉じたのを見る。
「私からは否定しない。
そして個人だけならば謝罪もしよう。
既に危険も承知で来てる。
だが、あんな未来だけは…
絶対に許されない!!
土方は接触もしてるだろうが。
私は春香から助言まで受けた程。
知ってるならば判るだろう?
まぁ、確かに見目は良くてもか?
台無しも良いところだがな。」
その言葉で簡単に俺は春香がだった。
薩摩の大久保相手にも怒鳴る姿も浮かんだ。
殺気を消して、どうにか言う。
「それは簡単に判りますが…
しかも助言と?
怒鳴ってですか?」
そこで大久保が目を開けた。
すぐ微妙な顔になるのも俺は見てたのだが…
「あんの…
失礼どころでもない大馬鹿娘かぁ?
怒鳴ったどころでもないぞ!!
どれだけ私へ、無礼な事だけでもなかった。
とんでもない大馬鹿娘だ!!
しかも無自覚だと?
更に私まで記録で覚えてるとだ!!
脅してきた程だった!!
私の場合、未来の記録へ!?
追記してやるとだ!?
しかも器の小さい男として、だぞ!?
散々、私を、馬鹿にしておきながら…
更に他国の言葉ならば判らないと?
嘘は言わない理由で意味を。
他国の言葉まで使って私へ!!
向かって言ってきたが…
既に私も知ってる事すら驚くだと?
どこまで馬鹿にする気だ!!
そして私の秘密を。
言わないだけで私には勝てるだと?
もう、あんな大馬鹿娘を。
思い出すだけでだ!!
私は頭が痛くなる。
まぁ、言い出してたらキリがないぞ?」
どうにか俺も考えながら聞いてたが…
すぐ春香の姿と、意味も判った。
あの大久保相手に春香は!?
最初、怒鳴った上に…
しかも器が小さい男と!!
追記するだぁ!?
更に秘密で脅すだとぉ!!
だが、必死に笑いを耐える。
「そ、そう、ですか…
あの春香ならば、確かに…
記録で、しかも追記、それを?」
確かに!?
ここまでだと…
もうスゲェな!!
とんでもねぇ事してやがる!?
想像しただけでも、すぐだった。
余計に春香の姿も簡単に浮かんで…
正直、笑いを耐える方が厳しくもなる。
どうにか耐えるのみ。
ヤベェ…
俺すら何も言えねぇ…
だが、やはり…
もう俺は?
笑うしかねぇが!?
そんな大久保が大きな溜息を出した。
視線にも気付く。
「土方?
あの大馬鹿娘は判り易い…
既に土方すら想像のみ!!
確かに笑うのも判る。
だが、接触は二日程度。
ならば全ての理解は出来てない筈。
私の予測だ。
土方、良く聞け?
今の考えてる以上。
酷過ぎる未来だ。
私から再度、言うぞ。」
その言葉で、だった。
俺すら動揺する。
何だと!?
俺の予測以上!?
だが、薩摩の大久保は学に関して…
群を抜いてるどころでもない!!
春香と接触時か!?
つまり…
新たに気付いたのか!?
そのまま見てると大久保は懐からだった。
出した紙を見ながら…
「私が判る限りは書いた記録だ。
これすら危険過ぎるが…
だが、あんな未来だけは…」
そう言うと俺へと、視線も戻したが。
大久保の目に明らかな怒りすら気付く。
それから差し出す様子で意味も判った。
春香からの予測でも…
あの大久保がだぞ!?
今すら危険な筈。
どれだけ!!
受け取ると同時。
「まだ今は読むな。
怒りが抑えられない。
私が去ってからだ。
読めば判る。」
な、まさか…
渡してから大久保が再度。
俺を見たのにも気付いて頷く。
だが、大久保は目を閉じた。
そのままで、また…
「土方…
読んだら、すぐだ。
燃やせ。
そして春香からの助言は…
土方にも当て嵌まる。
だから、そのまま先にと。
春香の持論も含め私からも伝えるぞ?
『見えてる物事だけを、見るな。
判ってるつもりでも、判ってねぇ。』
これが私へ、だったが…
続けた春香の言葉を、良く考えろ。
『これは私の持論。
表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。
常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ』と。
更にだ!!
『それでもだ。
溢れたのには気付かねぇ方が良いぞ?』と。
もっと意味を。
あの大馬鹿娘は続けた!!
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる。
そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる。
んな平和すらもあんだよ。』
すぐ私ならば意味も判る!!
そして私は土方の学も認めてる。
もう意味も判るな?
つまり…
弱い者が常に標的へ。
され続けるだけ!!
そして標的が代わるのみ。
既に春香のみでは済まない!!」
どうにか意味は判っても…
俺すら認めたくない感覚になった。
そんな未来だと!?
弱い者が常に、ならば…
あれだけ春香が!?
力に拘る意味も、だろ!?
しかも標的が代わるのみ!?
そこで大久保は目を開けたが。
「充分、判るな?
土方…
私は誤ちを、必ず変えるのみ。
この国でならば狂うだけではない!!
この国に産まれただけで不幸になる未来…
そんな国、あってはならない!!
今からならば、私も含め…
どうにか変えられる可能性のみを。
理解したならば…
幕命を常に疑え。
春香の言葉ならば、欲!!
幕府側は多過ぎる上に…
愚かにも根付いた部分は消えん。
再度、言うが薩摩側は絶対にだ。
春香の保護を、真っ先に最優先する。
こんな事は、もう…
幕府だの、薩摩だの、関係ない!!
人として当然の答え。
見抜く際、常に忘れるな。
私も幕府側で、どうにか内部を。
更に動かすが全部は不可能。
先に望む未来を、間違えるなよ?」
薩摩側は絶対に、春香を!!
だが、確かに…
既に幕府は騙してる。
幕府側では数も、春香の言う欲のみ!!
だからこそ、大久保は危険でも俺のみ。
ならば…
俺は目だけを変えてから…
「充分、判りました。」
すぐ去る様子に察して総司へ。
総司も無言で頷いて、そのまま去った。
文を読んで内容にと。
もう、すぐ怒りが湧き上がる。
「ふざけんじゃねぇぞ!!
どれだけ!!
狂うだけでもねぇ!!
こんな事は誰も望まねぇ!!」
そのまま普段から使ってる台所へ。
火付け石でと釜戸に火を、すぐ文も燃やす。
燃えてる文を、見ながらでもだった。
更にと怒りばかり。
ずっと、あの春香を!!
男まで常にだと!!
もっと学すらある春香ならば…
続けるクズ共が、だろうがぁ!!
燃えてる文を見てた時。
すぐ気配に気付いて言う。
「総司、それと斎藤か。」
「はい。
土方さん。
最近も、今も、ですが…
沖田と、でしょう?」
もう俺すら溜息を出してから振り向くと。
斎藤が複雑な顔で居たが。
総司の視線にも判った。
総司へ、視線のみ先に…
「判ってる、総司。
今は斎藤と話す。
他は警戒しとけ。」
すぐ総司も複雑な顔で頷くのを見たが。
また溜息をしてから誰にでもなく…
「もうなぁ…
ただ…
俺が、かぁ?
絶対、許せねぇんだよ!!
ふざけやがって!!
今まで仲間が!!
どんだけ死んだ!!
どんだけ必死にと!!
それにも関わらず、かぁ!!」
途中から俺は怒りが抑えられなかった。
殺気すら抑えられない。
そのまま斎藤を。
見れば明らかに驚いてたが。
どうにか目だけ閉じた。
「ひ、土方さん?
一体、何が。」
抑え付けながら、もう思ったまま…
「斎藤…
俺が、だろ?
ずっと調べてる際も、だったな?
気付いてる様子にも判ってた。
だが、俺は今、知ってかぁ?
それでも判らねぇ事を。
斎藤も学が、あるぐれぇ…
知ってるから教えてくれるかぁ?」
そう言うと察した様子に気付いて俺は続けた。
「斎藤、先に言うぞ。
任務でも、何の命令でもねぇ。
それを大前提にとして、だぞ?
産まれたばっかの赤子…
ちなみに言うが、女子へ!!
殺さねぇで、だぞぉ!?
刀で傷付けられっかぁ?」
「土方さん!?
な…
しかも殺さない、ならば…
更に意味なく刀は…」
動揺してる斎藤の声も聞いたが。
目すら閉じたまま俺は続ける。
「刀は危ねぇなら斎藤。
素手でも良いぞ?
言葉も完全には判らねぇ…
単純に泣くだけの!!
幼過ぎる女子へ!!
死なねぇ様にと、だぁ!?
それが斎藤には出来るかぁ?」
「ま、待って下さい!?
土方さん?
なぜ…
任務でもないと言った上に…
更に死なない様にと!?
その幼子へ?
理由が…」
それを聞いて…
「斎藤!!
出来るか、出来ないか、のみ!!
理由は何もねぇ…
その女子へ!!
その幼子へ!!
斎藤なら出来るのかぁ?」
「土方さん!!
何も理由すらなく、そんな事…
俺は出来ない!!
当然でしょう!?
なぜ、するかも判りません!!」
その返答を聞いて俺は目も開けると。
明らかに斎藤は困惑してたが。
「斎藤、そうだ。
俺にも絶対、出来ねぇ…
だから余計にかぁ?」
そこで文の内容も思い出して怒りが、また…
「俺は許せねぇんだよ!!
そんな事すら平気に?
しかも、わざと死なねぇ様にだけ!?
何も悪くない、更に知らない幼子へ!?
生かし続けながらだぞ?
それを、ずっとだぁ?
続けるクズ共がなぁ!!」
どうにか怒りだけと息を吐き出すが。
それでも俺は我慢も出来ない。
斎藤を睨みながら…
「俺には全く判らねぇぞ!!
そんなクズ共が!!
何を、どう、考えてんのか…
斎藤なら判るってのかぁ!?
直接、その幼子へ。
してなくても…
既に新撰組が!!
幕府が!!
全く判らねぇクズ共に…
利用だと?
騙すだと?
誤魔化すだぁ?
今まで死んでった仲間達が!!
僅かでも願う筈ねぇ!!」
俺は怒鳴っても、すぐ浮かんだ。
春香の錯乱した姿も…
死んでく仲間達の姿も…
どっちも許せる筈ねぇ!!
「俺達が…
利用と?
土方さん、まさか…
調べてたのは、それを。」
複雑な顔で僅かに斎藤が言うのも。
見てたが、もう俺は目を閉じた。
「あぁ…
斎藤の予測以上。
最悪だってかぁ?
俺と総司は、直で!!
見てんだよ…
最初は信じられねぇと。
疑惑だったがなぁ?
もう確信した!!
俺が、真っ先に幕府も調べ始めた。
その結果だ!!
完全な黒どころじゃねぇ!!
にも関わらず。
今すら俺達を?
新撰組を?
嘘で誤魔化して利用だと…
許せる筈ねぇだろうがぁ!!」
「俺達を?
幕府が…
土方さんと、沖田は…
見たと?
それで…」
どうにか斎藤が言う様子も判る俺は…
「斎藤の予測通りだな。
だからこそ!!
常に俺達、新撰組すら利用だぁ?
さっき俺にと直接、来た者すら既に命懸け…
危険過ぎるって事ぐれぇ判ってた筈。
それでも、した理由だぁ…
もう尚更、俺には許せる筈ねぇだろ?」
「土方さんが、それだけ…
ならば、今の者以外にも?
幼子へ…」
斎藤の声で俺は目を開けた。
明らかに動揺してるのも判るが。
睨み付けた。
「そんな幼子に限らねぇんだよ!!
もう総司すら見られねぇと…
俺すら見てられねぇぐれぇになぁ!!
酷過ぎるからだぁ!!
そんなのに俺達は、だぞ?
ずっと利用されてんのにかぁ!?」
完全に殺気すら抑えず怒鳴ると。
複雑な顔で斎藤は、すぐ目を閉じた。
そのままでと…
「土方さん。
せめて殺気を。
そして見たと…
知ったからこそ。
ならば俺も、です。
現状を。」
冷静に言ってきた斎藤も見た。
だから俺もと…
少し首を横に振って殺気も抑えるが。
「悪りぃな、斎藤。
怒りだけは無理だが…
先に言う事は…
俺と総司。
更に他も含め既に接触してる。
俺達に限らず、例え志が違くてもだ…
誰もが望まねぇ未来!!
そんな未来からの女が居る。
あり得ねぇと真っ先に疑ったがなぁ?
本当だった上に…
今ならば別の場所で、この時代でも保護してる。
その女から聞いた話すら信じられねぇ未来を。
未来からなら当たり前だろ?
既に俺達、新撰組の事。
江戸時代、幕府、薩摩、長州、土佐。
他国も含め全ての歴史も、だぞ?
未来から来たからこそ知ってた。
そして更に判ったからこそだ!!
そんな未来だけは誰も望まねぇと!!
その為だけに動きすら変えてるのも事実!!
無自覚でも言った言葉があった。
俺は気付いたから幕府側を。
真っ先に調べたがなぁ。
やはり黒だ!!
単純に俺達は利用されてるのみ!!
もう絶対、俺すら望まねぇ先へ。
余りにも酷過ぎた!!」
そこまで言ってから、また春香が浮かぶ。
泣き叫ぶどころじゃねぇだろ!?
判らねぇ上に、あんなのは…
斎藤が目を開けたが。
複雑な顔のまま…
「俺は普段の土方さんも知ってます。
その土方さんが、です。
そこまで言う上に…
しかも、さっき土方さんの殺気。
更に言動で嘘など、俺でもないと判ります。
つまり、未来からの女は居る事。
そこから知った未来の為。
既に多くが動いてるならば…
俺も含め知る必要があります。
いくら学があると言っても…
俺は土方さん程ありません。
今のまま先は…
俺も覚悟を。」
そんな斎藤を見てだった。
また俺は目を閉じる。
あんな事すら言いたくねぇが。
だが、俺と総司だけでは…
「斎藤の意味は判ってる。
それでも、あんな未来になるぐれぇなら…
新撰組の中でも斎藤ならば動ける筈。
だから言うがなぁ…
さっきも言ったが。
既に俺と総司は、直でだ。
見て判ってんだよ。
今日の情報でと俺の予測以上、酷過ぎた…
その女は、春香と言う名だ。
隊長以外には勝てる武力も一応あるが。
力ばかり拘る理由も今日で明確。
良いか?
春香は何も悪くねぇ。
ただ、この国に産まれたってだけの事。
そんな春香は命の意味すら判ってねぇ…
だが、当然の事。
父親は不要として春香を、殴るのみ。
母親は失敗作として春香を、見捨てるのみ。
兄達も含め全てがだ。
春香自身の存在を、否定し続けるのみ。
そんなクズ共は、気分転換のみ。
全ての的として春香を、痛め付けるのみ。
その春香が、他の誰かへ。
泣き叫びながら僅かでも助けを。
誰かに言えば監禁され、悪化するのみ!!
ずっと常に春香は、痛みと苦しみのみ!!
その言わない春香に察した、唯一の祖母もだ。
僅かでもと懸命に、守ろうとした中で事故死。
幼過ぎたからこそ春香には命も判らん。
単純に消えた喪失感のみ!!
更に、そんな中で変わらず。
何も判らない春香へ!!
ずっと続けられた事で己自身でだぞ?
自ら腕も傷付け、その痛みで苦しみを。
紛らわす方法のみ!!
だからこそ春香の出した答えだ…
そのまま言うぞ?
己自身は螺子であり、変わらないと。
生きる意味すらないと。
死ぬ意味すらないと。
何も価値すらないと。
だから誰も信じないと。
だから誰も愛さないと。
もう一人で生きれると。
更に言った言葉だ!!
死ぬ方が、ずっと楽だと。
死ぬ事すら許されてないと。
もう判ったか?
こんな事を、ずっと続けられたら…
春香は何も判らないのみ!!
その春香は一切、何も悪くねぇのにだぞ?」
息を吐き出して俺は目を開ける。
そして斎藤も見れば己の刀を。
震える程、強く握り締めながら目も閉じてた。
「土方さん…
そんな事を。
するなど人間とも…
俺は思えません。
しかも未来でならば…
今の俺すら己自身!!
許せません。」
意味には俺も判るが。
「斎藤、俺も同じだった。
だから予測して調べた。
ここからは今日でだ。
話は終わってねぇ…
もっと最悪になる。」
そう言うと斎藤は驚きながら目を開けた。
「な…
土方さん?
もっと酷いと!?」
そんな様子を怒りまで抑えて…
総司も見れば既に泣きそうな顔だったが。
同じで驚いた様子も俺は見てた。
「総司。
既に辛そうだろうがなぁ?
あの春香は…
もっと、だぞ!!
更にある痛みと苦しみ。
それなのに…
何にも悪くない春香を!!
未来の為にと変えるのは…
常に俺達のみ!!
今からでも、どうにか出来るのは…
未来からすれば過去である今!!
この時代に居る俺達しか出来ねぇんだ!!」
俺が総司に向かって怒鳴ると。
総司も複雑な顔で一応、頷くが。
「はい、土方さん。
もう俺は、あんな春香さんを。
あんなのは…
痛々しいどころでもない!!
俺すら僅かな言葉で判るのに…
痛いと、苦しいと、助けてと…
誰かと、あの時すら言って…
春香さんは、何も悪くないのに!?
なぜ、ごめんなさいと?
許してと?
あの春香さんが、謝る事すら絶対に違う!!
あんなにも泣き叫ぶのに…
暗いと、見えないと、寒いと、恐いと…
どれだけ、ずっと!!
俺だって絶対に、嫌です!!」
途中から総司は首を横に振りながら叫んだ…
「総司!!
落ち着け!!
その春香も、未来も、俺達が、だろう?
どうにか助けられるかも知れねぇ時。
それで良いのかぁ!!
もう判ってんだろう!!」
再度、俺も総司へ。
怒鳴ると、無言で頷いて俺を見たのも判るが。
視線のみ斎藤も見れば目を変えた。
「斎藤も判ったな?
どれだけ春香が…
既に受け続けた痛みと苦しみか…」
「はい、土方さん。
沖田の言動で充分、判りました。
そして俺も、そんな未来など。
決して望む筈もありません。」
斎藤の覚悟を俺も見た。
やはり…
斎藤もだがなぁ…
あんなのすら言いたかねぇが。
俺だって、あんな未来へ!!
絶対に!!
落ち着く為にと目を閉じる。
頭の中で整理してから目を開けた。
二人共を俺は見ながら…
「さっき得た情報。
更に俺が調べた事で判った。
俺も許せねぇが。
春香が言った事でもある。
人間の本質は欲のみ、と。
まさに、その通り。
今だけでもなく、過去の歴史を。
俺は調べた上に…
さっきの情報は今以上に悪化し続けた結果だ。
補足するが、そのまま進み続けた場合。
さっきの者が言ったがなぁ。
この国は狂うだけじゃねぇ!!
この国に産まれただけで不幸になる未来へ…
そんな国に、して良い訳ねぇ。
今から話す事すら春香の助言。
そのまま先に言うぞ?
『見えてる物事だけを、見るな。
判ってるつもりでも、判ってねぇ。』
これは今、この時代だ。
見えてねぇと。
判ってねぇと。
春香は判断したから言った筈。
ならば単純、俺達すら真実は隠されてる。
嘘と誤魔化しで、だろう?
ここで俺の調べた事にも繋がる。
幕府側の嘘、真っ黒だがなぁ…
この幕府が、始まった時へ。
歴史も遡れば判る。
幕府は真っ先に都合の良い仕組みへ。
幕府体制として、この国へ。
俺達が産まれる前から、ずっと変わらず。
全て騙して欲のみ!!
都合の良い様に動くのみ。
だから新撰組は常に幕府から利用され続ける。
俺達の志すら全く無視だ。
都合が悪くなれば、新撰組は切り捨てる。
都合が悪くなれば、新撰組に限らず。
簡単に手の平を変えての利益、欲しか考えない。
それに徳川は長い…
余計、根付いた事ばかり。
尚更、幕府側は欲で周りの利用しか考えねぇ…
次だ、最も重要になる。
春香は持論も言った。
そのまま言えば…
『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事。』
これは全ての時代になる。
ならば未来も含まれる事。
更に春香の言葉で明確。
『常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ』と。
もう一つある。
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる。
そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる』と。
春香は知らない方が良いと。
言った理由が重要だ。
再度、言うぞ?
『その逆も同じ事』と。
つまり、春香を、だ。
春香の様な痛みと苦しみを。
春香自身が受けなければ…
気分次第で痛め付けたクズ共は的のみ!!
代えて別の者へ。
常に逆へ、なるんだぞ?
春香は何も悪くねぇのに…
なぜ、春香が的かも簡単。
幼子が絶対、大人も含めて一番、弱いからと。
弱い者が、真っ先に標的へ。
的にされて春香と同じで痛め付けるのみ!!
だが、春香の場合。
高過ぎる学で、真実を。
歴史も含めて他国まで知った事。
だから春香は、自ら己を。
他の者が、的にならねぇ様に、全て諦めたんだ。
しかも春香は…
既に言ってるだろう!?
『知らない方が皆が得られる、願える、祈れる』だと!?
ならば春香に気付かず、知らないなら皆が。
願える、祈れると。
その春香は、何も変わらねぇ…
だったら春香が、必死に泣け叫んで助けを。
今度は求めても気付いた者達は、だ!!
的にされたかねぇ保身のみ!!
春香の痛みや苦しみは、既に学で知ってる筈。
にも関わらず…
春香って生贄、春香を、常に犠牲にして!!
わざと助けねぇ!!
わざと無視し続けて的の対象は春香へ!!
こんなのは、もう春香に限らねぇんだ。
俺には全く判らねぇクズ共は…
増え続けるのみ!!
その中で気付いても己の保身のみ!!
そんなクズ共ばかりが増え続けるのみ!!
そのまま、この国が進めば、だぞ?
この国で産まれた赤子…
幼子達は常に、泣き叫び続けるのみ!!
助けても貰えねぇ…
そんな国を。
今まで死んでった仲間達の…
誰が望むってんだぁ!!」
言ってる途中から怒りが湧き上がる。
叫ぶ様に言えば二人共が、だった。
驚きながら僅か首を横に振る。
だが、まだ必死に怒りを抑えて言う。
「二人共が判ったみてぇだがなぁ…
他国は更にある。
この国へと、利用目的のみ!!
同じで、欲のみ!!
この国も騙しながら友好的に近付いてるのみ。
それなのに、この国は国内さえ纏ってねぇ…
他国は見逃して高みの見物だぁ?
既に幕府すら完全に騙されてんのも気付いてねぇ…
そんな他国と、この国で一番!!
致命点は男が、常に女を!!
無下にしてる事すら誰も気付いてねぇ…
つまり、同じく力だぞ?
そんな欲まみれの未来では容姿。
見目の良い女を。
常に力で、ねじ伏せて…
また欲のみ!!
そして春香も女だぞ?
しかも黙ってりゃ見目が良い…
一度も会話しねぇ男共が群がる。
今度は団体に囲まれても、また春香自身!!
どうにか武術の習得する理由になる。
常に力ばかり拘る事すら自己防衛だぁ?
どんだけクズ共が溢れてやがる?
もう春香に限らねぇ…
見目の良い女は全て。
真っ先に、男の欲で狙われるのみ!?
今すら春香が、他国の方が良いってかよ。
言われても当然だぁ…
この国に産まれただけで不孝だと?
終わった方が良いと…
言われても反論すら出来ねぇぞ!!」
二人共が目を閉じた。
斎藤が、すぐ…
「そんな国には絶対に駄目です!!
土方さん。
情報先は知らなくても…
俺には関係ありません。
そして…」
斎藤が目を開けて俺へ。
「俺が出来る全て最善を!!
土方さんから、俺にも指示をください。
俺より学だけでは、ありません。
更に今ならば全て土方さんが、でしょう?
一番、理解も含め、してる筈です。
志も含まれる上に、未来の為。
今まで利用されて死んだ仲間達の分も!!
絶対に俺も、します。
そんな未来は誰も、望んでません。」
総司の気配にも気付く。
目を開けた総司も…
「俺もです、土方さん。
春香さんも、俺は知ってます。
嘘はない事も判ります。
俺では学すら無理ですが…
土方さんの指示で、必ず、動いてみせます。」
二人共が目も変えて言うのも俺は見てた。
少し笑う。
「斎藤、総司もだ。
俺もだがなぁ…
全員が命懸け。
判ってんな?」
「「はい!!」」
二人共がした決意の目を。
俺は見ながら、また春香も思い出す。
何が、ちっぽけな螺子だぁ?
既に長州、薩摩、土佐。
そして幕府側の新撰組すらだぞ?
どんだけだってなぁ…
不思議な感覚にもなるが。
一つだけは変わらねぇ…
「あぁ、そうだな。
やっぱ仲間と一緒にが良い。
俺も未来の為、すぐ安易には動けねぇが。
必ず、未来を!!
俺達、新撰組でもだ!!
絶対に変えるぞ!!」
二人共が頷いたのも見た。
新撰組も纏めながら常に水面下。
徐々に幕府へ。
疑いながらも慎重にと動き出した。
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