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第二章:僅かな兆しの中でも徐々に。
17.愛する者よりも信じる者、それは目の前に。
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どうしても私は溜息が出るが。
少しだけ桂さんを見ると…
「春香?
徐々に、だろう?
一応、私も…」
すぐ私は土方さんからの薬擬きを。
一気に飲んだ。
それから水とお茶でと…
どうにか飲んでからも目を閉じて思う。
苦い…
どんだけだぁ?
土方さん…
でも桂さんの方が…
普段からだし?
尚更、困らせらんねぇ…
だが、この薬擬き!!
絶対、薬じゃねぇぞぉ!!
そんな事も考えてると…
「おぉ!?
今日の春香は珍しいな。
いつもだが。
もっと小五郎にかぁ?
言われてから飲むのに…」
高杉さんの声で目を。
私も開けて見ると確かに?
二人共が驚いた顔だった。
それにも私は納得しながら頷くが。
また溜息のみ。
ふと高杉さんの事も気になる。
だから高杉さんを見ながら少し考える。
確か…
高杉さんも、だろ?
だが、今まで見た事も?
いや、でも下手に言えば…
そこで桂さんも見る。
さっきまで二人共が驚いた顔だったが。
不思議そうな顔へなるのも私は見てた。
「春香?
今、晋作へ、か?
何か言いたかった様子だったが。
普段とも…」
桂さんが言ってくるのに、また私は…
少し考える。
ちっと前が薩長同盟だろ?
いくら苦手でもなぁ。
もう有名な史実が多過ぎるが…
「ん、俺か?
だが、春香が?」
一応、私は高杉さんも見るが。
すぐ目を閉じた。
そのまま無言で歴史を。
んでも、まだ…
高杉さんは無事だろ?
でも、かぁ?
確か、約一年程度?
一番、有名だと『大政奉還』だぞぉ!?
だがなぁ、おい!!
日々のかよ?
んな記録、ねぇし?
いや、ちっとは…
他だと、あれかぁ?
確か幕府が動くのが…
だが、薩摩は動かねぇ。
名前が幕長戦争だったかぁ?
それも、あっけど…
長州が勝てる筈だし?
でも…
私は目を開けた。
そのまま高杉さんも見ると…
何か考えてる様子には思えたが。
「なぁ、高杉さん?
ここは…
京都だろ?
それに坂本さんも…」
すぐ失言に気付いて私は慌てて口を。
塞いだが、高杉さんが驚いた顔になるのも私は見た。
「ん、今…
春香?
俺と坂本。
更に場所、京都も言ったな!?
だが、小五郎の名すら言わない筈も…」
高杉さんが複雑な顔になったが。
すぐ少し笑いながら桂さんは私へ…
「何も問題ないよ、春香。
きっと歴史を、気にしたのだろうが。
既に、春香の事を、だよ?
晋作も、坂本君も、知ってる。
それに、ここが京都だと。
言ったのは私だ。
春香が言った事は、既に皆が知ってる事のみ。
春香も含めるが、変わってないだろう?」
それを聞いて私も少し、そのまま考える。
桂さんの言う通りだな?
私が言った事は…
だから一応、私も口から手を離すが。
視線を逸らして、どうにか言う。
「桂さんは…
そう、間違ってねぇ…
だが、桂さんも、このままじゃ…」
逸らした先に私が、さっき飲んでた薬の紙を。
見て私は少し閃いた。
これなら、もしかして!?
すぐ桂さんを向いて焦りながら言う。
「なぁ、桂さん!!
ちっと判んねぇが?
この時代は、あれ?
多分、連絡する方法って手紙だよなぁ?
私は書いた事もねぇが。
匿名でなら手紙ぐれぇ…
んん?
いや、この時代だと郵便局も?
ねぇだろ!?
どうやってんだぁ?」
少し桂さんが驚きながら…
「手紙…
それに連絡と?
ならば春香は…
つまり文を、か?
春香が、誰かへ、出したいと?」
それを聞いて、まんま思った。
文だぁ!?
手紙とも言わねぇのか!?
江戸時代の史実は、知ってても日常の生活までだと。
私にはサッパリだった。
「多分?
桂さんの、言う文ってのは…
まぁ、簡単に言えば…
そうなるっぽい?
いや、判んねぇがな?
ちっと私は、良いかぁ?
もう今、思ってる事を。
まんま言うが、全く悪気はねぇ。
だから桂さんも含めてだ。
何も気に、しねぇで欲しい。
単純に私が、だ。
言いたいだけになる。」
二人共が少し私を驚きながら見たが。
言ってから私は目を閉じた。
「めっちゃヤベェな、おい!!
これが江戸時代って意味かよ!?
んな文ってかぁ!?
私は初めて聞いたし?
書いた事も全く、ねぇぞぉ!!
つうか出した事も、ねぇ!!
郵便局もねぇならかぁ!?
どうやってんだ、こらぁ!?
もう、それしかねぇぞぉ!?
しかも、どうやって届けんだってぇの?
届く保証すら判んねぇだろ?
つうか誰が、どうやって、何を使ってやがる!?
署名だの、捺印だの。
本人確認とか、マジでかよ!!
ちゃんとしてんだろうなぁ!?」
大きく言ってから息を。
吐き出してから私は目も開けるが。
二人共が驚いたままだった。
私は複雑な気分になりながら頷いた。
「桂さんも、高杉さんも、全く。
気にしねぇでくれなぁ?
単純にだ。
もう私はなぁ?
この時代は全く判んねぇと。
ただ言いたかっただけだな。」
だが、桂さんだけ首を横に振ると。
私へと複雑な顔で…
「春香の疑問は一応。
私も理解はしたが。
確認の為、少し聞いても良いか?」
んん?
確認だぁ?
「どった、桂さん。
何の確認だぁ?」
複雑な顔のまま桂さんは私の前で…
「春香も言ったが。
つまり文、いや…
紙に書いて送る連絡手段。
それを、一度も?
した事がないと?」
私は素直に頷いて言う。
「そうだな、全くねぇ!!
私から出した事だけだと?
そだな、ねぇし?
紙でも、たまにかぁ?
一応、ポスト、えっと、まぁ…
住んでた場所に、だな?
勝手に送られてくる程度?
あれぐれぇは、たまに紙で読むがなぁ?
んな重要な書類関係とかならかぁ?
それすら普通、読めねぇぞ?
当たり前だが。」
少し桂さんが驚いた様子もしたが。
考える様子でだった。
「春香は当たり前だと?
だが、読めないの、だろう?
それでは文の意味も…」
私には疑問でしかなかったが。
一応、考えながら…
「いや、多分、桂さん?
ちっと意味が違うだろ。
桂さんに判り易くだとかぁ?
単純に言えば、んな、どうでも良い?
文ってのならだぞ?
んなの誰だって読んで良いし?
だから、住んでる家へ。
私が居なくても勝手に届くのみ。
でも、もし重要な事や内容かぁ?
んなの書いてある文ならだぞぉ?
重要だから渡す時点!!
普通、送られた相手、送った相手。
どっちも確認しねぇと駄目だろ?
もし別の誰かに内容を、かぁ?
読まれる訳に、いかねぇだろ?
だから普通、常に本人確認すっぞぉ?
んなのも出来ねぇなら単純。
受け取れねぇし?
読めねぇって意味。
そりゃ、そうだぞ?
内容が重要なのにかぁ?
もし他人に見られた時点。
まぁ、んなのも単純に言えば…
情報漏洩だぞ。」
驚いた桂さんもだったが、今度は高杉さんが…
「ま、待った、春香?
情報の漏洩だと?
つまり、文ならば誰でも読めるから…
ならば前にだ!?
俺も聞いたろ?
あの電話って機械!!
あれだって文の様に連絡は出来た筈。
同じで他人が見たら変わらん。
どうやっても本人の確認など…」
んん?
あぁ、でも確かに?
高杉さんだけは見てるし?
私も言ったし?
だから余計に、かぁ?
理由に納得して私は少し笑う。
この時代なら問題ないのも判る。
そのまま高杉さんへ言う。
「あはははははっ!!
そうだよなぁ!!
高杉さんだけは、iPhone。
いや、えっと、電話って機械だが。
あれに触ってんし?
そりゃ、普通、疑問になるよなぁ!!
ぶっちゃけ言うなら、もう個人の特定っつうか…
本人確認って一応、なるが。
んなの、もう人間すら必要ねぇんだよ!!
全て機械で充分、個人を認識するからな!!
最初から設定してあんよ!!」
ふと、そこまで言ってから私は閃く。
そのまま二人共を驚いた顔のままだった。
その様子を含めて判らないと判断も出来た。
「んだな!!
こりゃ、多分?
二人共が、判んねぇだろうし?
まだモバイルバッテリーも残ってるからな。
もう見せた方が早いぞ!!
ちっと待ってろ!!」
そう言ってから普段、私が使ってる部屋へ。
そのままバッグを取りに戻った。
**************************
もう私でも藩邸内なら迷う事もない。
バッグを持ってから食事に使う部屋へ。
素早く動いて戻れば二人共、複雑な顔だったが。
真っ先に私は、iPhoneを取り出した。
それに電源を入れれば…
まぁ、どうにか?
ギリってかぁ?
予備も残ってっし。
そのまま私は桂さんへ。
少し笑って渡しながら言う。
「高杉さんは勝手に触ってるがなぁ。
まだ桂さんは一度も触れてもねぇだろ?
試してみれば判るぞ!!」
凄く桂さんも驚きながら私を。
明らかに見てだった。
「は、春香?
これは春香の持ち物、機械で。
さっきの話では、大切な物、だろう?
それなのに私へ、なのか?
勝手に触れて壊しても…」
んん?
壊しても?
あぁ、なるほど。
納得して私は、そのまま笑って言う。
「あはははは!!
桂さんらしいな、おい!!
んな機械でも一応かぁ?
流石に刀じゃヤベェが。
普通に触れる程度じゃ。
絶対、壊れねぇよ。
心配ねぇぞぉ!!
まぁ、それが桂さんっぽいから…
めっちゃオモロイが。
あはははははは!!
高杉さんとかなぁ?
全く気にしねぇでかぁ?
勝手に弄ってたが。
マジで真逆だな、納得すっけど。
でもなぁ、もう既に、だぞ?
その機械にだ、電源は入れてある!!
んで?
桂さんだろうが。
高杉さんだろうが。
今から触れてもだ!!
画面すら変わらねぇぞぉ!!」
そう言うと桂さんは指先で触れるが。
不思議そうな顔へ。
高杉さんも触れるが、同じだった。
そんな様子を、私は見てるだけで判る。
めっちゃオモロイ!!
当たり前だが!?
「あはははははっ!!
二人共が、同じで笑うが。
もう判んねぇだろ?
私は笑うしかねぇがなぁ!!
簡単に言えば、既にだ!!
その機械は私以外、動かせねぇんだ。
そう機械が、だぞ?
勝手に認識してんだよ。
だから二人が触れても全く。
使うどころか動かせねぇ。」
そう言ってから、私は…
驚いた顔の桂さんが持ってるiPhone。
そのままで少し液晶画面のみ。
私の方へ向けてロックを外した。
それから同じで桂さんへ。
「な、何を、したのだ?
だが、春香は、この…
機械すら僅かに触れたのみ、だろう?
さっきと、全く違うが。
しかも猫が?」
もう私は桂さんに笑うだけだった。
「あははははは!!
ヤベェ、そりゃ私は猫が好きだし?
液晶にも猫画像だが。
あの桂さんが、めっちゃ…
驚くだけ…
まぁ、そりゃ、そうだよなぁ!!
簡単に説明すっと、その機械!!
私の顔で、だ!!
補足で言うが、一応、識別の為。
私が指定した数字!!
それを入力しても可能だがなぁ。
既に機械へ。
私を識別する為、その設定がしてある。
だから私が普段から使う事。
全く問題ねぇが。
別の人が、触れてもだ。
内容どころか全く反応しねぇ。」
そう言うと二人共が驚いた顔で私を見たが。
意味は理解したと思って私は笑う。
「一応、見せた方が早いって言ったろ!!
あははははっ!!
その機械に限らねぇよ!!
私が持ってる機械かぁ?
大抵は未来ではセキュリティシステムって。
普通、誰でも知ってるし?
重要な事だろうが、わざわざ?
人間すら関係ねぇだろ?
勝手に機械が認識する。
だから他人が勝手にかぁ?
内容すら見れねぇよ。」
二人共が驚くが、少し思い出す事も私にはあった。
そうなぁ…
前に桂さんが、かぁ?
「なぁ、桂さん?
前に言った事。
覚えてっか判んねぇが。
機械だったら…
螺子だったら話す事も…
出来ねぇってなぁ?
私へ、言っただろ。
だが、そんな機械すら話すぞ?」
そう言うと桂さんは驚いた顔で機械も見たが。
すぐ私を見たのも判った。
「春香へと…
私が、言った事も勿論、覚えてる。
だが、春香?
なぜ…
そんな顔で、言うのだ!?
機械などが春香の!!
代わりにと一切、ならない!!」
そりゃ、桂さんは…
知らねぇし?
優し過ぎるからなぁ…
だから余計。
私は複雑な気分にもなるが。
目を閉じて言う。
「Hey Siri!!」
「どうも、こんにちわ。」
iPhoneが反応した事に気付いて私は続けて言う。
「Musics Start!!」
言った瞬間にシャッフル設定してた音楽が聞こえた。
だから私も普通に言う。
「判ったろ?
桂さん。
未来じゃ機械も話すぞ?
何でも可能だ。
目を閉じながらでもなぁ。
今のは私が、その機械にと。
言ったのも簡単。
ただ、『音楽を開始しろ』と。
別に他すら会話だろうが触れる必要もねぇな。
んな機械があれば全く問題すらねぇ…」
そんな音楽も、普通に私の設定通りだったが。
「こ、これは…
だが、春香は、春香だと。
私も言ってる筈!!
機械ではないのだ!!」
桂さんの焦ってる様な声も私は聞いたが。
少し目を開けると複雑な顔で判らなかった。
「んな驚く事でもねぇよ。
一応、私も判ってんよ?
わざわざ、死ぬ意味もねぇ。
今は目的も、桂さんと約束もかぁ?
してんだろ?
ただ、まぁ…
私が最初、言ってたろ?
んな機械の螺子。
どうにでも、なる。
誰も気にしねぇって意味にだぞぉ。
んな機械でもなぁ…
普通に誰だって持ってんし?
壊れたら買い換えれば問題ねぇ。
誰も、何も、困らねぇ。
いくらでも溢れてる機械だ。」
そこで私は目を閉じた。
未来を思い出しながら続ける。
「何度も私は言ってるだろ?
全て変わらねぇ…
人間の本質、全てが、欲のみ!!
その機械だって単純な理由。
人間が常に楽をする為のみ!!
今、持ってる機械。
既に電話や連絡に限らねぇ。
音楽すら普通、全く問題ねぇな。
手紙、いや、文かぁ?
んなの一切、使わねぇ。
ここが京都だとしたら…
今は江戸時代。
つまり江戸は、東京かぁ?
未来だったら大して時間も?
全く問題ねぇぞ?
んなのも当たり前だぁ。
楽に移動する為のみ、その機械は常にある。
山も、川すら関係ねぇ。
がい、間違えた、他国だな?
んなの空でも飛ベば、全く問題ねぇ。
必要な物、全て金だけ!!
それで誰でも移動すら出来る。
だから世界を。
誰だって知ってるのも普通だろ?
桂さんは聞いてただろうが。
空にある月?
間近で見りゃ、あんな綺麗でもねぇぞぉ!!
他にも太陽かぁ?
んなの近付いたら燃えるだけでヤベェ!!
だが、その太陽があるからこそ。
この地球も含めた宇宙へ。
もう全て…
欲でだろ、知りたいって興味のみ!!
だからこそ解明されてる事も多過ぎる!!
この世界も、国も、全て。
私には螺子、そう見えるって意味だな。
判ってしまえば、簡単だろ?
んなのに、この時代で、更にかよ?
Hey Siri!!
Musics Stop!!」
言えば音楽が止まった事も充分、私には判るが。
少し笑って、そのまま続けて言う。
「Hey Siri!!」
「はい、どうも。」
普通に私も言う。
「だったら今から言うぞ?
そのまま、メモを取れ!!」
「何をメモしますか?」
iPhoneが認識する程度、離れてながら私は言う。
「んだなぁ。
私は江戸時代に居るぞ!!
そのままメモしろ?」
「メモしました。」
効果音も聞いたが、私は目を閉じたまま少し考える。
きっと二人共。
意味だけ判るだろうと。
そう思いながら、私は一度…
止まって、そのまま動かなかった。
目も閉じたままで、iPhoneへと、大きく言う。
「Hey Siri!!」
「こんにちわ。」
思い出しながら私は…
「なぜだぁ!!
それに答えろ!!
私の生きる意味を。
その理由、私へ教えろ!!」
言ったが、返答も充分、判ってた。
「私には、どう、お答えすれば良いのか、判りません。
何か他に、お手伝い出来る事は、ございませんか?」
iPhoneから聞いた後、少し笑って私は言う。
「そうかぁ?
やっぱ同じだなぁ。
だったら再度、同じで充分だぞ!!
出来る事だけ、しろ?
Hey Siri!!
Musics Start!!」
「はい、判りました。」
言えば普通に設定されてる音楽も流れ出した。
私も目を開けて二人共へ見るが。
そんな二人共が、だった。
複雑な顔をしてた。
私には判らないが、意味は判っただろうと。
思いながら少し笑って言う。
「今の二人共が、聞いた通りだぞ。
んな未来だとなぁ?
何でも出来る機械ばっか溢れてるが。
私の疑問、全て答えねぇよ。
んな事、私が判るかっつうの!!」
一旦と、思って私も少し近付きながら普通に言う。
「Hey Siri.
Musics Stop.」
音楽が止まって驚いたままの二人へ。
少し笑って話を続ける。
「この時代でも、かぁ!!
最初は桂さんと、坂本さん、だが。
私へ、だぞ!!
あの土方さんなぁ…
あははははは!!
マジで、どんだけって思う事を。
まぁ、アッサリと言ってくれんよ。
『春香がするべき事』と。
『それは愛する者を探す事のみ』と。
『愛する者を探す為、生きて足掻け』と。
『その中に必ず幸福がある』ってかぁ?
何度も私すら言ってるがなぁ!!
もう武術の習得!!
そっちの方が、ずっと簡単過ぎるだろ?
更に、高杉さんも同じ事を、だし?
あの大久保さんまで…
しかも英語で、言いやがった!?
器が、小さいかすらサッパリだろ?」
言ってから思わず、溜息をして外を眺める。
「一応、世界は広いのも判るが。
相変わらず。
でもなぁ…」
私も、外だけ眺めながら同じ事を。
「Why?
Did you tell me to look for a loved one?
I don't love anyone.
I don't believe anyone.
I have been alone until now.
Why am i alive?
Who can tell me?
だが、あの大久保さんもかぁ…
どんだけ…
You should correct your arrogant attitude.
I remembered!!
And you didn't say.
もう完全な嫌がらせだろ!!」
言いながらも思い出した事もだった。
おい、こらぁ!!
私への質問!!
しかも英語で答えたがなぁ!?
大久保さんも、だろ!!
探し方とか何も言ってねぇ!?
私は普段から言ってた疑問の意味を言った後。
『なぜだ?
愛する人を探すように言ったのか?
私は誰も愛してない。
私は誰も信じてない。
私は今まで一人で生きてきた。
なぜ私は生きている?
誰が教えてくれる?』
大久保さんへと、更に意味も付け足した。
『あなたは傲慢な態度を正すべきです。
私は思い出した!!
そして、あなたは言いませんでした。』
そのまま外を眺めてた時。
いきなり私は抱き寄せられて驚くが。
すぐ桂さんに気付く。
「その最初は…
春香、もう私でもだ。
言葉の意味だけだがな…
既に覚えてるのだぞ。
なぜと?
つまり…
春香が、なぜ生きてるのかと?
だろう。」
桂さんが意味に気付いた事もだが。
複雑な顔で判らない。
だから、そのまま桂さんへ。
少し手を伸ばして言う。
「なぁ、桂さん。
桂さんは優し過ぎるだろ?
だから余計なぁ…
んなの私は見たかねぇよ?」
「春香?
何が見たくないと…」
少し桂さんが驚いた顔には私も判ったが。
目を閉じて続けた。
「んなの当たり前だろ。
桂さんが、痛いぐれぇ…
泣きたくても多分、泣けねぇ姿も。
私程度でも判るのにかよ。
異物の私じゃ、何も動けねぇ。
何も出来ねぇ。
知らねぇ方がマシだ。
今すら何も変わってねぇのに…
この世界は常に終わる方ばかり。
そして終わった方がマシなのにか?」
「私が…
泣くから、だと?
しかも…
それに春香は異物でもない。
私は、そんな事なども…」
桂さんの言ってくる意味も私には判ったが。
それでもだった。
広がる痛みと、判らない感覚ばかり。
その感覚で私は勝手に涙も零れるが叫んだ。
「違う!!
判ってねぇんだぁ!!
そして知らない方が…
まだ皆が願えるんだぁ!!
願うだけなら、誰でも出来る!!
そして知らなければ祈れる!!
今でも常に世界は同じだぁ!!
生きる事が一番、辛いだけな人間が…
どれだけ多いと思ってんだぁ!!
そんでも生きたいと願う人間も多いから…
死ぬ事すら許されてねぇのにかぁ!!」
「春香!!
落ち着くんだ。
春香は気付いてない!!」
気付いてないだと!?
私が…
桂さんの声に驚いて私は目を開ける。
だが、桂さんは複雑な顔でだった。
「落ち着いて聞くんだ、春香?
確かに私は…
春香程の学がなくてもだ。
今、言っただろう?
生きたいと願う人間も多いと。
その生きたいと必死に願いながら…
それでも死んでゆく者達。
この国で、そうやって死んでゆく者達がだ。
死んでもと繋げる『本当の願い』を。
また春香は、気付いてない。
そして知らない、だろう?」
何だと!?
生きたいと…
死んでも繋げる願い!?
私は何も言えないが、なぜか桂さんは…
また少しだけ笑いながら私の涙を。
拭って言ってくる。
「春香みたいになぁ…
そう、そんなにも痛みすら必死に、か?
今の様に、泣いて欲しくないと、だ。
例え世界まで私が、判らなくても…
私は多くの仲間が、願ってた事を知ってる。
この国で、春香みたいに泣いて欲しくないと。
そう願いながら死んでいくのだ。
充分、私でも判ってるのだよ。
だから春香?
もう痛みを、苦しみを。
必死で耐えながら泣く姿など…
私は決して見たくない。
私も言ってるだろう?
春香は何も悪くないと。
もう春香を、だ。
私は傷付けたくないと。
そして傷付けないと。
もし私が、唯一、願うならば…
それは春香の『幸福』のみ。
そして何より重要な事は『春香』が。
幸福の中で笑う事のみ、だよ。」
桂さんの言葉に…
どうにか私も考える。
私が!?
泣く姿を?
桂さんも、見たくないと?
しかも『願い』を、だと!?
あの優しい…
お婆ちゃんと同じ『幸福』を!?
桂さんも願うと!!
すぐ目を閉じて私も必死に考える。
**************************
どうにか僅か私は…
「桂さんが…
泣く姿は…
私だって…
だが、どうすりゃ…」
「春香、今も、だろう?
痛い筈だ。
そして春香が、だよ。
何を言っても…
既に歴史は問題ない。
私が断言する。
春香が居た未来も変える為。
最後まで生き抜いてみせると。」
また桂さんの言葉でだった。
今度は土方さんも私は思い出す。
「どうして、だよ…」
私は耐えられなかった。
すぐ目を開けた。
桂さんは複雑な顔で、私には全く判らない。
更に、この感覚が、もっと…
だから、すぐ桂さんからも距離だけを。
素早く私は動いたが、桂さんも僅かに動いた事。
更に高杉さんの気配にも気付いて叫んだ。
「今は誰も動くなぁ!!」
二人共が動きを止めたのも判る。
でも複雑な顔で見てくるが、それが判らない。
もう首も横に振りながら私は…
「どうしてだぁ!!
桂さんも!!
土方さんと、同じだろうがぁ!!
ふざけんじゃねぇ!!
何が長州だぁ!!
何が幕府だぁ!!
同じ日本人同士で、ずっと…
どうして同じ理由で!!
どうして同じ国内で!!
同じ言葉すら判ってる筈なのに…
どうして一方だけを。
どうして繰り返す!!
長州、薩摩、土佐、幕府、全て…
同じだろうがぁ!!
何が志だぁ!!
何が武士だぁ!!
何が国の為だぁ!!
今だけじゃねぇだろうがぁ!!
歴史は、ずっとじゃねぇかぁ!!
今だって幕府が…
滅んだって何も変わらねぇのにかぁ!!
結局は常に…
国の下らねぇ理由のみ!!
上の指導者が変わるのみ!!
過去の歴史でも同じだろうがぁ!!
この国すら何も変わってねぇ…
んな事は他国も同じだぞぉ!!
世界中で、ずっと…
同じ事ばかり繰り返す。
同じ事ばかり願って僅かな平和すら簡単に…
結局は欲で壊すばかりじゃねぇかぁ!!
死んでくならと…
未来すら判んねぇのに願うのみ?
その願いが僅かに叶っても…
結局、壊す事も常にだろうがぁ!!
そんなに願うなら…
最初から、どうして殺すんだぁ!!
どうして力ばかり…
やられたら、やり返すと?
んな事しか、しねぇ歴史の中で…
何が、どう平和を願ってると言えるんだぁ!!」
そこで私は驚いた顔の高杉さんも睨み付けた。
そのまま怒鳴る。
「答えろぉ!!
長州の『高杉晋作』がだぁ!!
桂さんと大久保さん。
あれが『薩長同盟』だったら…
その前に、だろう?
どうして新たに『奇兵隊』を、結成したんだぁ!!
既に『下関戦争』で、他国の武器だって見てる筈!!
それなのにか…
どうして武器を、持てる!!
どうして同じ人間へ、向ける!!
どうして国内だと、判ってながら…
どうして真っ先に『武力』を、選んだ理由をだぁ!!」
凄く驚いた顔もした高杉さんだったが…
すぐ目を閉じるのも、私は睨みながら見てた。
高杉さんも、そのままでだった。
「それは、この国が…
他国の植民地になる前にと。
幕府へ、説得含め試みたが、逆になった事。
更に『朝敵』としてだった…
そこで俺も含め、多くの仲間達が、だ…」
すぐ私は歴史も思い出しながら言う。
「だったら他の道もあった筈だぁ!!
既に他国との接触してるならなぁ?
この国へ単純な『利用目的』でと。
真っ先に思惑すら気付けた上に…
なぜ『武力』を選んだぁ!!
どうしてだぁ!!
答えろぉ!!
長州を、纏めてる『高杉晋作』が、理由をだぁ!!
他国からの助力でもなく、武力を。
つまり『奇兵隊』を、だぞ?
既に過去、長州の史実でなら言えるが。
だからこそ、常に桂さんが、だろう?
他も含めて多くのだ。
常に交渉担当する理由も判ってる。
だったら、どうしてだぁ!!
あんなにも『公武合体』を強引にしたんだよ!?
しかも『尊王攘夷運動』として派手に広げただろうがぁ!?
その全て理由に答えろぉ!!
んな事すりゃ、もっと何も知らない上に…
多くの普通に暮らす民が、巻き込まれた筈!!
そのせいで更に、国内も乱れた筈!!
その乱れで、長州すら窮地へ。
違うのかぁ!?」
動かない高杉さんは一切、目も開けなかったが。
僅かな殺気だけは、私も察した。
「春香の、言う通りだ…
全て正しい…
俺が真っ先に!!
他国の思惑すら見抜き、違う方法で動いてれば…
今すら違う事も、仲間が多く死ぬ事も!!
なかったのも事実!!
それでも幕府の説得が…
春香には出来たとでも、言うのかぁ!?」
大きく言われた質問だが、私は冷静に考える。
幕府の説得だぁ?
そもそも…
全く判ってねぇ…
考えただけで、私は溜息すら出たが。
本当にウンザリする気分になった。
だから、そのまま言う事を選んだ。
「これは土方さんにもかぁ?
危うく言いかけたのを。
ちっと私も、思い出したがなぁ…
説得って言ってる時点!!
既に全く判ってねぇ…
んな高杉さんの質問だぁ?
んな事すら判ってねぇのも、すぐだ。
全く駄目、ウンザリする感覚のみ!!
もう、まんま言うが。
んな事すら最初っから間違ってんだよ!!
根本的に全く違うってんだ!!
んなの単純だぁ。
あの新撰組すら常に利用されてる事も気付かねぇ。
更に江戸時代は長い。
余計に幕府側も、腐ってくばっか!!
常に都合の良い事のみ!!
欲ばっかで動くだけを、ずっと続けながらかぁ?
しかも誰も気付かねぇ上に、江戸時代前。
歴史から遡れば、すぐ判るっつうの。
そもそも、徳川だぁ?
最初っから『幕藩体制』すら武士のみ!!
最初っから一番、都合が良い体制へ。
真っ先に『武力』を!!
使って、ねじ伏せただけ、だろうがぁ。
どんだけ馬鹿だってんだ。
んな都合ばっか!!
んで勝手に身分だの、常に優先した結果。
何も異論すらなく?
『鎖国体制』までアッサリと。
ご都合主義のみ。
んなの江戸時代が始まって、すぐだったろうがぁ。
めっちゃ簡単だよなぁ?
当たり前だぁ、常に一番の強い奴かぁ?
単純、江戸時代が始まってから、ずっと変わらず。
常に逆らえねぇのみ。
もう高杉さんが、かぁ?
産まれる前から幕府すら何も?
全く変わってねぇぞ?」
そこで急に高杉さんが目を開けた。
更に驚いた顔のまま、無言で私は見てたが。
桂さんすら無言で驚いてるのも判った。
また私は、もう溜息しか出ない気分にもなる。
だから二人すら見る気にも、ならない。
視界からも外して、普段と同じ様に呟く。
「はぁ…
マジでつまらねぇ…
更に下らねぇ…」
少し首を横に振って私も頭を冷やす。
二人へは気配のみ、充分と判断も出来た。
そのまま外を眺めながら、思った事だけ続ける。
「どこでも、いつでも、ずっと…
そこだけは変わらねぇなぁ。
人間の本質だけ!!
んな身分制度、続く訳ねぇ…
どんだけ欲まみれだっつうの。
この国に限らねぇし?
んなの結局、強い権力、その維持のみ!!
どの国も変わらねぇが。
一度でも、かぁ?
んな身分が、低いって?
勝手に決め付けた人達へ。
一般民的な人達へ、ってかぁ?
何か喜ぶ事でも、した事あっかぁ?
全く、ねぇだろ?
所詮、自分達の都合良く、常に誤魔化して…
周りすら全て利用しながらのみ。
この国でマシだった時代すら忘れる。
更に他国は陸続き、んなら常にだぞ?
国同士で、ずっと争ってんだ。
普通に強くなってくのみ。
んなのに鎖国みてぇな馬鹿してりゃ。
単純に時代遅れも良いとこだ。
んな事すら気付かねぇ上に、常に男が偉いだぁ?
おまけに女を見下してか。
全く何も偉くねぇ上に、いつも結局、力ばっか!!
んな力を、女が持った時を、逆に聞きてぇよ?
もう単純に滅ぶのみ!!
考え出すと…
マジで他国の方がマシだな、おい!!
この時代よりも、ずっと前からだし?
それすら普通だろ?
先進国なら絶対、真っ先に女を。
最優先すんのが当たり前。
んでも欲ばっかかぁ?
やっぱウンザリするが。
土方さんへ、言った事もなぁ…」
一度、言うのも止めて外を眺めながら考える。
確かに…
外国の方が動き易いかぁ?
時代が違うとしても…
重要人物だけ避ければ大きな問題でもねぇ?
土方さんにも言っちまったし?
いや?
これも単純かぁ?
私は嘘も言いたくねぇ…
そして、したかねぇ…
「は、春香?
まさか…」
桂さんの声に気付いて私も少し見る程度。
でも、また複雑な顔で判らないのもある。
だから私は溜息をしてから冷静にと再度。
考える為、目を閉じた。
桂さんとの約束。
本来の者へ。
でもなぁ…
ずっと今までかぁ?
私みてぇな世話を。
やっぱ一番、桂さんだけは…
目を閉じたまま私は…
冷静に考えてた事で淡々と言う。
「あぁ、そうだ。
私は嘘が嫌いだ。
だが、土方さんも絶対に忘れねぇ。
そして桂さんの約束。
それに関しては他の方法も可能。
私でも桂さんの場合は史実のみ。
その僅かだとしても…」
そこで私も目を開けた。
複雑な顔の桂さんを見ながら少し笑う。
「なぁ、桂さん?
どうしてか記録は、ねぇが。
桂さんの史実ぐれぇ。
どうにか僅かでも、私の方がだ!!
判る可能性も高いぞ!!
だから先に、桂さんの側へ。
愛すべき者を。
それでも充分、約束は果たせる筈。
きっと桂さんだけを、最適に支える筈だ!!
だからこそ愛する者を、私が桂さんの側へ。
そして桂さんも笑って頑張れる筈だろ?」
そう言うと複雑な顔から急にだった。
凄く桂さんが驚く顔になったのも私は見た。
確かに驚く理由は判るし?
一番、桂さんには…
余計に嬉しくなって私は笑いながら言う。
「あはははは!!
めっちゃ名案だろ!?
いつも私ばっか、桂さんに、だったし?
ずっと世話になった、お礼にもなる!!
んな事ぐれぇしか?
私は役にも立てねぇし?
一番、正しい答えっぽい?
だったら私が、だ!!
桂さんへ、本来の相手を。
私が連れて来れば良いだけだろ?
あの約束も含めて私も最善案!!
全く問題ねぇだろ?」
そうすりゃ…
あの優し過ぎる桂さんも?
絶対、笑って頑張れる筈だろ!!
だが、桂さんの場合。
本来の相手かぁ?
なぜか全く記録でも?
全くねぇ事が、私には不思議だろ?
**************************
複雑な気分で桂さんも見ながら…
私も思い出そうとしてた時。
「ま、待ってくれ!!
春香、違う!!
約束は…
春香が!!
離れない事も、一人にだ。
そんな事だけは…」
んん?
どった?
「桂さん、どした?
急にだがなぁ。
一番、桂さんには最善だろ?」
更に桂さんが、すぐ動いて私を抱き締めてきたのも判る。
そのまま声も…
「違う、春香。
離れない事も含めて私は…
既に言った筈!!
それなのに…
また春香は、私へ、か。
なぜ、いつも己を。
先にしない!?
もう春香が傷など…
私も言ってたぞ?
必ず、傷付けさせないと!!
春香が、傷付く先へなど。
私は絶対に、させたくない!!」
普段とも違う桂さんの声には私でも気付く。
だから…
「でもなぁ?
桂さんは優し過ぎるって言ったろ?
もう見てるだけでなぁ?
危ねぇって感じだろ?
それに私も前から言ってるが。
本来、ここに、だ。
私は居ねぇ…
桂さんの邪魔だけは、したか…」
「それも違う!!」
いきなり桂さんが大きく私の声を遮った。
驚きながら…
「既に私は…
もう愛する者は決まってる!!
その者は『春香』だぁ!!
だから、さっき私も言った筈。
私が、唯一!!
願うのは春香を。
そして何より重要な事とだ!!
それは『春香』がだ!!
幸福の中で笑う事のみ。
その為だけ私は、絶対!!
未来も含めて変えるのだぁ!!」
私が!?
その為、未来も!?
何も私は言えなくなった。
だが、桂さんは僅かに腕を緩めると…
複雑な顔で私へ…
「まだ、春香の場合。
言葉も、だろう?
判らないのだろう?
だから私から…
勝手に決め付けて春香へ。
言える筈も、ない事。
それでも春香が、また一人になる。
そんな事だけは…
絶対に私は、嫌なのだ!!」
さっきとも違う、判らない感覚ばかり。
私には広がる中で、どうにか言う。
「桂さん?
でも、それは…
私は、この時代じゃ…」
それなのに、すぐ…
「それでも、ここに今!!
春香は生きて、目の前に居る。
それなのに、なぜだ?
私は最初から春香へと。
言ってるだろう?
私が守ると。
私が助けると。
私が必ず救い出すと。
そして私が、必ずだと。
誰にも春香を。
私は傷付けさせないと。
ずっと私は…
春香へ、全て嘘など言ってない!!」
首を横に振って桂さんは私へと。
複雑な顔で言った事に…
嘘を!?
確かに桂さんは…
今まで…
ずっと同じ事を!?
だが、本来、私は…
言葉だけでもだった。
どうしても私は浮かばない。
ただ、勝手に涙が零れた。
すぐ気付いて私も目を閉じる。
でも…
「春香、今は…
まだ判らなくて良い。
徐々に…
私以外の者も含めて見て良い。
だが、約束も含めてだ。
常に私は、必ず守る。」
私の涙を拭ってくる感覚と。
桂さんの声だけ、だった。
どうしてだ…
私は何も言えないのに…
「もう私は決めてるのだよ、春香?
これは沖田君へ。
土方君へと、伝言も頼んだ。
あれすら嘘も一切、私は言ってないのだ。
『春香には私の全て厭わない』と。
『必ず私が、するのみだ』と。
だから私は春香のみ。
私は、いつも春香へ。
もう全て、既に言ってる事のみ。
まだ春香が、知らないと。
判らないと言うならば…
それが判るまで私が、と。
春香は大丈夫だと。
私は傷付けない。
私は痛くしない。
私が守ると。
私が助けると。
私は傷付けさせたり、しないと。
そんな春香は、今まで何も悪くないともだ!!
全て私は嘘も一切、言ってない。
まだ私を、信じられなくてもと。
徐々にで良いと。
そして春香へ。
もう二度と、あんな事は、私がと。
一切、させないと。
私が必ず、させないと。
全て既に春香へと、言った事のみ。
だから春香も…
いきなり私の前からだ。
居なくなる事だけは、しないで欲しいと。」
目を閉じて様が聞こえる桂さんの言葉は…
全て、私が聞いた事のある言葉だけにも気付く。
だから目を私は開けると…
桂さんが少し笑ってるのも見た。
「春香が、だよ?
まだ判らないと…
だが、私には判ってると。
既に言った、だろう?
そして、私は春香を。
傷付けたくないのだ。
だからこそ…
ただ、私は春香を、待つのみ。
痛くしたくない。
苦しめたくない。
だから徐々にで、春香は良いのだ…」
その桂さんを私は見て思うだけだった。
どんだけ…
優し過ぎんだよ?
私みてぇなのに…
余計、言葉も判らねぇ…
私は判らない感覚ばかり。
言葉すら浮かばない。
だから私は何も言わないまま…
ただ、桂さんに擦り寄った。
「えっ、は、春香?
どうし、えっ、な…
いや、これは…
は、春香?
これの、いや、違う!?
え、どう言う…
春香、その…
何が、だが、私か!?
いや、今だと?
これだと、私!?
その私が、か!?
だが、春香?
えっ!?」
私は桂さんの…
慌てた様子の声は聞こえたが。
前と同じで変わらない事と同時。
ただ、桂さんへ擦り寄ると僅かに…
浮かぶ感覚だけはあった。
凄く昔かぁ…
この感覚は…
「は、春香?
その、どう、した?」
なぜか私は眠くなる。
桂さんも声だけで動かない…
あぁ、少し温かい…
「判らないの…
でも、もう…
痛くないなら…」
僅かにしか言えない私は…
桂さんに擦り寄ると落ち着く感覚と似てた。
「春香…
それで、か。
もう私が居れば…
春香は、もう大丈夫だよ。
そして痛くない…」
私は眠くなるばかり…
「お願いだから…
桂さん…
消えないで…」
そのまま私は、温かさに安心して眠った。
少しだけ桂さんを見ると…
「春香?
徐々に、だろう?
一応、私も…」
すぐ私は土方さんからの薬擬きを。
一気に飲んだ。
それから水とお茶でと…
どうにか飲んでからも目を閉じて思う。
苦い…
どんだけだぁ?
土方さん…
でも桂さんの方が…
普段からだし?
尚更、困らせらんねぇ…
だが、この薬擬き!!
絶対、薬じゃねぇぞぉ!!
そんな事も考えてると…
「おぉ!?
今日の春香は珍しいな。
いつもだが。
もっと小五郎にかぁ?
言われてから飲むのに…」
高杉さんの声で目を。
私も開けて見ると確かに?
二人共が驚いた顔だった。
それにも私は納得しながら頷くが。
また溜息のみ。
ふと高杉さんの事も気になる。
だから高杉さんを見ながら少し考える。
確か…
高杉さんも、だろ?
だが、今まで見た事も?
いや、でも下手に言えば…
そこで桂さんも見る。
さっきまで二人共が驚いた顔だったが。
不思議そうな顔へなるのも私は見てた。
「春香?
今、晋作へ、か?
何か言いたかった様子だったが。
普段とも…」
桂さんが言ってくるのに、また私は…
少し考える。
ちっと前が薩長同盟だろ?
いくら苦手でもなぁ。
もう有名な史実が多過ぎるが…
「ん、俺か?
だが、春香が?」
一応、私は高杉さんも見るが。
すぐ目を閉じた。
そのまま無言で歴史を。
んでも、まだ…
高杉さんは無事だろ?
でも、かぁ?
確か、約一年程度?
一番、有名だと『大政奉還』だぞぉ!?
だがなぁ、おい!!
日々のかよ?
んな記録、ねぇし?
いや、ちっとは…
他だと、あれかぁ?
確か幕府が動くのが…
だが、薩摩は動かねぇ。
名前が幕長戦争だったかぁ?
それも、あっけど…
長州が勝てる筈だし?
でも…
私は目を開けた。
そのまま高杉さんも見ると…
何か考えてる様子には思えたが。
「なぁ、高杉さん?
ここは…
京都だろ?
それに坂本さんも…」
すぐ失言に気付いて私は慌てて口を。
塞いだが、高杉さんが驚いた顔になるのも私は見た。
「ん、今…
春香?
俺と坂本。
更に場所、京都も言ったな!?
だが、小五郎の名すら言わない筈も…」
高杉さんが複雑な顔になったが。
すぐ少し笑いながら桂さんは私へ…
「何も問題ないよ、春香。
きっと歴史を、気にしたのだろうが。
既に、春香の事を、だよ?
晋作も、坂本君も、知ってる。
それに、ここが京都だと。
言ったのは私だ。
春香が言った事は、既に皆が知ってる事のみ。
春香も含めるが、変わってないだろう?」
それを聞いて私も少し、そのまま考える。
桂さんの言う通りだな?
私が言った事は…
だから一応、私も口から手を離すが。
視線を逸らして、どうにか言う。
「桂さんは…
そう、間違ってねぇ…
だが、桂さんも、このままじゃ…」
逸らした先に私が、さっき飲んでた薬の紙を。
見て私は少し閃いた。
これなら、もしかして!?
すぐ桂さんを向いて焦りながら言う。
「なぁ、桂さん!!
ちっと判んねぇが?
この時代は、あれ?
多分、連絡する方法って手紙だよなぁ?
私は書いた事もねぇが。
匿名でなら手紙ぐれぇ…
んん?
いや、この時代だと郵便局も?
ねぇだろ!?
どうやってんだぁ?」
少し桂さんが驚きながら…
「手紙…
それに連絡と?
ならば春香は…
つまり文を、か?
春香が、誰かへ、出したいと?」
それを聞いて、まんま思った。
文だぁ!?
手紙とも言わねぇのか!?
江戸時代の史実は、知ってても日常の生活までだと。
私にはサッパリだった。
「多分?
桂さんの、言う文ってのは…
まぁ、簡単に言えば…
そうなるっぽい?
いや、判んねぇがな?
ちっと私は、良いかぁ?
もう今、思ってる事を。
まんま言うが、全く悪気はねぇ。
だから桂さんも含めてだ。
何も気に、しねぇで欲しい。
単純に私が、だ。
言いたいだけになる。」
二人共が少し私を驚きながら見たが。
言ってから私は目を閉じた。
「めっちゃヤベェな、おい!!
これが江戸時代って意味かよ!?
んな文ってかぁ!?
私は初めて聞いたし?
書いた事も全く、ねぇぞぉ!!
つうか出した事も、ねぇ!!
郵便局もねぇならかぁ!?
どうやってんだ、こらぁ!?
もう、それしかねぇぞぉ!?
しかも、どうやって届けんだってぇの?
届く保証すら判んねぇだろ?
つうか誰が、どうやって、何を使ってやがる!?
署名だの、捺印だの。
本人確認とか、マジでかよ!!
ちゃんとしてんだろうなぁ!?」
大きく言ってから息を。
吐き出してから私は目も開けるが。
二人共が驚いたままだった。
私は複雑な気分になりながら頷いた。
「桂さんも、高杉さんも、全く。
気にしねぇでくれなぁ?
単純にだ。
もう私はなぁ?
この時代は全く判んねぇと。
ただ言いたかっただけだな。」
だが、桂さんだけ首を横に振ると。
私へと複雑な顔で…
「春香の疑問は一応。
私も理解はしたが。
確認の為、少し聞いても良いか?」
んん?
確認だぁ?
「どった、桂さん。
何の確認だぁ?」
複雑な顔のまま桂さんは私の前で…
「春香も言ったが。
つまり文、いや…
紙に書いて送る連絡手段。
それを、一度も?
した事がないと?」
私は素直に頷いて言う。
「そうだな、全くねぇ!!
私から出した事だけだと?
そだな、ねぇし?
紙でも、たまにかぁ?
一応、ポスト、えっと、まぁ…
住んでた場所に、だな?
勝手に送られてくる程度?
あれぐれぇは、たまに紙で読むがなぁ?
んな重要な書類関係とかならかぁ?
それすら普通、読めねぇぞ?
当たり前だが。」
少し桂さんが驚いた様子もしたが。
考える様子でだった。
「春香は当たり前だと?
だが、読めないの、だろう?
それでは文の意味も…」
私には疑問でしかなかったが。
一応、考えながら…
「いや、多分、桂さん?
ちっと意味が違うだろ。
桂さんに判り易くだとかぁ?
単純に言えば、んな、どうでも良い?
文ってのならだぞ?
んなの誰だって読んで良いし?
だから、住んでる家へ。
私が居なくても勝手に届くのみ。
でも、もし重要な事や内容かぁ?
んなの書いてある文ならだぞぉ?
重要だから渡す時点!!
普通、送られた相手、送った相手。
どっちも確認しねぇと駄目だろ?
もし別の誰かに内容を、かぁ?
読まれる訳に、いかねぇだろ?
だから普通、常に本人確認すっぞぉ?
んなのも出来ねぇなら単純。
受け取れねぇし?
読めねぇって意味。
そりゃ、そうだぞ?
内容が重要なのにかぁ?
もし他人に見られた時点。
まぁ、んなのも単純に言えば…
情報漏洩だぞ。」
驚いた桂さんもだったが、今度は高杉さんが…
「ま、待った、春香?
情報の漏洩だと?
つまり、文ならば誰でも読めるから…
ならば前にだ!?
俺も聞いたろ?
あの電話って機械!!
あれだって文の様に連絡は出来た筈。
同じで他人が見たら変わらん。
どうやっても本人の確認など…」
んん?
あぁ、でも確かに?
高杉さんだけは見てるし?
私も言ったし?
だから余計に、かぁ?
理由に納得して私は少し笑う。
この時代なら問題ないのも判る。
そのまま高杉さんへ言う。
「あはははははっ!!
そうだよなぁ!!
高杉さんだけは、iPhone。
いや、えっと、電話って機械だが。
あれに触ってんし?
そりゃ、普通、疑問になるよなぁ!!
ぶっちゃけ言うなら、もう個人の特定っつうか…
本人確認って一応、なるが。
んなの、もう人間すら必要ねぇんだよ!!
全て機械で充分、個人を認識するからな!!
最初から設定してあんよ!!」
ふと、そこまで言ってから私は閃く。
そのまま二人共を驚いた顔のままだった。
その様子を含めて判らないと判断も出来た。
「んだな!!
こりゃ、多分?
二人共が、判んねぇだろうし?
まだモバイルバッテリーも残ってるからな。
もう見せた方が早いぞ!!
ちっと待ってろ!!」
そう言ってから普段、私が使ってる部屋へ。
そのままバッグを取りに戻った。
**************************
もう私でも藩邸内なら迷う事もない。
バッグを持ってから食事に使う部屋へ。
素早く動いて戻れば二人共、複雑な顔だったが。
真っ先に私は、iPhoneを取り出した。
それに電源を入れれば…
まぁ、どうにか?
ギリってかぁ?
予備も残ってっし。
そのまま私は桂さんへ。
少し笑って渡しながら言う。
「高杉さんは勝手に触ってるがなぁ。
まだ桂さんは一度も触れてもねぇだろ?
試してみれば判るぞ!!」
凄く桂さんも驚きながら私を。
明らかに見てだった。
「は、春香?
これは春香の持ち物、機械で。
さっきの話では、大切な物、だろう?
それなのに私へ、なのか?
勝手に触れて壊しても…」
んん?
壊しても?
あぁ、なるほど。
納得して私は、そのまま笑って言う。
「あはははは!!
桂さんらしいな、おい!!
んな機械でも一応かぁ?
流石に刀じゃヤベェが。
普通に触れる程度じゃ。
絶対、壊れねぇよ。
心配ねぇぞぉ!!
まぁ、それが桂さんっぽいから…
めっちゃオモロイが。
あはははははは!!
高杉さんとかなぁ?
全く気にしねぇでかぁ?
勝手に弄ってたが。
マジで真逆だな、納得すっけど。
でもなぁ、もう既に、だぞ?
その機械にだ、電源は入れてある!!
んで?
桂さんだろうが。
高杉さんだろうが。
今から触れてもだ!!
画面すら変わらねぇぞぉ!!」
そう言うと桂さんは指先で触れるが。
不思議そうな顔へ。
高杉さんも触れるが、同じだった。
そんな様子を、私は見てるだけで判る。
めっちゃオモロイ!!
当たり前だが!?
「あはははははっ!!
二人共が、同じで笑うが。
もう判んねぇだろ?
私は笑うしかねぇがなぁ!!
簡単に言えば、既にだ!!
その機械は私以外、動かせねぇんだ。
そう機械が、だぞ?
勝手に認識してんだよ。
だから二人が触れても全く。
使うどころか動かせねぇ。」
そう言ってから、私は…
驚いた顔の桂さんが持ってるiPhone。
そのままで少し液晶画面のみ。
私の方へ向けてロックを外した。
それから同じで桂さんへ。
「な、何を、したのだ?
だが、春香は、この…
機械すら僅かに触れたのみ、だろう?
さっきと、全く違うが。
しかも猫が?」
もう私は桂さんに笑うだけだった。
「あははははは!!
ヤベェ、そりゃ私は猫が好きだし?
液晶にも猫画像だが。
あの桂さんが、めっちゃ…
驚くだけ…
まぁ、そりゃ、そうだよなぁ!!
簡単に説明すっと、その機械!!
私の顔で、だ!!
補足で言うが、一応、識別の為。
私が指定した数字!!
それを入力しても可能だがなぁ。
既に機械へ。
私を識別する為、その設定がしてある。
だから私が普段から使う事。
全く問題ねぇが。
別の人が、触れてもだ。
内容どころか全く反応しねぇ。」
そう言うと二人共が驚いた顔で私を見たが。
意味は理解したと思って私は笑う。
「一応、見せた方が早いって言ったろ!!
あははははっ!!
その機械に限らねぇよ!!
私が持ってる機械かぁ?
大抵は未来ではセキュリティシステムって。
普通、誰でも知ってるし?
重要な事だろうが、わざわざ?
人間すら関係ねぇだろ?
勝手に機械が認識する。
だから他人が勝手にかぁ?
内容すら見れねぇよ。」
二人共が驚くが、少し思い出す事も私にはあった。
そうなぁ…
前に桂さんが、かぁ?
「なぁ、桂さん?
前に言った事。
覚えてっか判んねぇが。
機械だったら…
螺子だったら話す事も…
出来ねぇってなぁ?
私へ、言っただろ。
だが、そんな機械すら話すぞ?」
そう言うと桂さんは驚いた顔で機械も見たが。
すぐ私を見たのも判った。
「春香へと…
私が、言った事も勿論、覚えてる。
だが、春香?
なぜ…
そんな顔で、言うのだ!?
機械などが春香の!!
代わりにと一切、ならない!!」
そりゃ、桂さんは…
知らねぇし?
優し過ぎるからなぁ…
だから余計。
私は複雑な気分にもなるが。
目を閉じて言う。
「Hey Siri!!」
「どうも、こんにちわ。」
iPhoneが反応した事に気付いて私は続けて言う。
「Musics Start!!」
言った瞬間にシャッフル設定してた音楽が聞こえた。
だから私も普通に言う。
「判ったろ?
桂さん。
未来じゃ機械も話すぞ?
何でも可能だ。
目を閉じながらでもなぁ。
今のは私が、その機械にと。
言ったのも簡単。
ただ、『音楽を開始しろ』と。
別に他すら会話だろうが触れる必要もねぇな。
んな機械があれば全く問題すらねぇ…」
そんな音楽も、普通に私の設定通りだったが。
「こ、これは…
だが、春香は、春香だと。
私も言ってる筈!!
機械ではないのだ!!」
桂さんの焦ってる様な声も私は聞いたが。
少し目を開けると複雑な顔で判らなかった。
「んな驚く事でもねぇよ。
一応、私も判ってんよ?
わざわざ、死ぬ意味もねぇ。
今は目的も、桂さんと約束もかぁ?
してんだろ?
ただ、まぁ…
私が最初、言ってたろ?
んな機械の螺子。
どうにでも、なる。
誰も気にしねぇって意味にだぞぉ。
んな機械でもなぁ…
普通に誰だって持ってんし?
壊れたら買い換えれば問題ねぇ。
誰も、何も、困らねぇ。
いくらでも溢れてる機械だ。」
そこで私は目を閉じた。
未来を思い出しながら続ける。
「何度も私は言ってるだろ?
全て変わらねぇ…
人間の本質、全てが、欲のみ!!
その機械だって単純な理由。
人間が常に楽をする為のみ!!
今、持ってる機械。
既に電話や連絡に限らねぇ。
音楽すら普通、全く問題ねぇな。
手紙、いや、文かぁ?
んなの一切、使わねぇ。
ここが京都だとしたら…
今は江戸時代。
つまり江戸は、東京かぁ?
未来だったら大して時間も?
全く問題ねぇぞ?
んなのも当たり前だぁ。
楽に移動する為のみ、その機械は常にある。
山も、川すら関係ねぇ。
がい、間違えた、他国だな?
んなの空でも飛ベば、全く問題ねぇ。
必要な物、全て金だけ!!
それで誰でも移動すら出来る。
だから世界を。
誰だって知ってるのも普通だろ?
桂さんは聞いてただろうが。
空にある月?
間近で見りゃ、あんな綺麗でもねぇぞぉ!!
他にも太陽かぁ?
んなの近付いたら燃えるだけでヤベェ!!
だが、その太陽があるからこそ。
この地球も含めた宇宙へ。
もう全て…
欲でだろ、知りたいって興味のみ!!
だからこそ解明されてる事も多過ぎる!!
この世界も、国も、全て。
私には螺子、そう見えるって意味だな。
判ってしまえば、簡単だろ?
んなのに、この時代で、更にかよ?
Hey Siri!!
Musics Stop!!」
言えば音楽が止まった事も充分、私には判るが。
少し笑って、そのまま続けて言う。
「Hey Siri!!」
「はい、どうも。」
普通に私も言う。
「だったら今から言うぞ?
そのまま、メモを取れ!!」
「何をメモしますか?」
iPhoneが認識する程度、離れてながら私は言う。
「んだなぁ。
私は江戸時代に居るぞ!!
そのままメモしろ?」
「メモしました。」
効果音も聞いたが、私は目を閉じたまま少し考える。
きっと二人共。
意味だけ判るだろうと。
そう思いながら、私は一度…
止まって、そのまま動かなかった。
目も閉じたままで、iPhoneへと、大きく言う。
「Hey Siri!!」
「こんにちわ。」
思い出しながら私は…
「なぜだぁ!!
それに答えろ!!
私の生きる意味を。
その理由、私へ教えろ!!」
言ったが、返答も充分、判ってた。
「私には、どう、お答えすれば良いのか、判りません。
何か他に、お手伝い出来る事は、ございませんか?」
iPhoneから聞いた後、少し笑って私は言う。
「そうかぁ?
やっぱ同じだなぁ。
だったら再度、同じで充分だぞ!!
出来る事だけ、しろ?
Hey Siri!!
Musics Start!!」
「はい、判りました。」
言えば普通に設定されてる音楽も流れ出した。
私も目を開けて二人共へ見るが。
そんな二人共が、だった。
複雑な顔をしてた。
私には判らないが、意味は判っただろうと。
思いながら少し笑って言う。
「今の二人共が、聞いた通りだぞ。
んな未来だとなぁ?
何でも出来る機械ばっか溢れてるが。
私の疑問、全て答えねぇよ。
んな事、私が判るかっつうの!!」
一旦と、思って私も少し近付きながら普通に言う。
「Hey Siri.
Musics Stop.」
音楽が止まって驚いたままの二人へ。
少し笑って話を続ける。
「この時代でも、かぁ!!
最初は桂さんと、坂本さん、だが。
私へ、だぞ!!
あの土方さんなぁ…
あははははは!!
マジで、どんだけって思う事を。
まぁ、アッサリと言ってくれんよ。
『春香がするべき事』と。
『それは愛する者を探す事のみ』と。
『愛する者を探す為、生きて足掻け』と。
『その中に必ず幸福がある』ってかぁ?
何度も私すら言ってるがなぁ!!
もう武術の習得!!
そっちの方が、ずっと簡単過ぎるだろ?
更に、高杉さんも同じ事を、だし?
あの大久保さんまで…
しかも英語で、言いやがった!?
器が、小さいかすらサッパリだろ?」
言ってから思わず、溜息をして外を眺める。
「一応、世界は広いのも判るが。
相変わらず。
でもなぁ…」
私も、外だけ眺めながら同じ事を。
「Why?
Did you tell me to look for a loved one?
I don't love anyone.
I don't believe anyone.
I have been alone until now.
Why am i alive?
Who can tell me?
だが、あの大久保さんもかぁ…
どんだけ…
You should correct your arrogant attitude.
I remembered!!
And you didn't say.
もう完全な嫌がらせだろ!!」
言いながらも思い出した事もだった。
おい、こらぁ!!
私への質問!!
しかも英語で答えたがなぁ!?
大久保さんも、だろ!!
探し方とか何も言ってねぇ!?
私は普段から言ってた疑問の意味を言った後。
『なぜだ?
愛する人を探すように言ったのか?
私は誰も愛してない。
私は誰も信じてない。
私は今まで一人で生きてきた。
なぜ私は生きている?
誰が教えてくれる?』
大久保さんへと、更に意味も付け足した。
『あなたは傲慢な態度を正すべきです。
私は思い出した!!
そして、あなたは言いませんでした。』
そのまま外を眺めてた時。
いきなり私は抱き寄せられて驚くが。
すぐ桂さんに気付く。
「その最初は…
春香、もう私でもだ。
言葉の意味だけだがな…
既に覚えてるのだぞ。
なぜと?
つまり…
春香が、なぜ生きてるのかと?
だろう。」
桂さんが意味に気付いた事もだが。
複雑な顔で判らない。
だから、そのまま桂さんへ。
少し手を伸ばして言う。
「なぁ、桂さん。
桂さんは優し過ぎるだろ?
だから余計なぁ…
んなの私は見たかねぇよ?」
「春香?
何が見たくないと…」
少し桂さんが驚いた顔には私も判ったが。
目を閉じて続けた。
「んなの当たり前だろ。
桂さんが、痛いぐれぇ…
泣きたくても多分、泣けねぇ姿も。
私程度でも判るのにかよ。
異物の私じゃ、何も動けねぇ。
何も出来ねぇ。
知らねぇ方がマシだ。
今すら何も変わってねぇのに…
この世界は常に終わる方ばかり。
そして終わった方がマシなのにか?」
「私が…
泣くから、だと?
しかも…
それに春香は異物でもない。
私は、そんな事なども…」
桂さんの言ってくる意味も私には判ったが。
それでもだった。
広がる痛みと、判らない感覚ばかり。
その感覚で私は勝手に涙も零れるが叫んだ。
「違う!!
判ってねぇんだぁ!!
そして知らない方が…
まだ皆が願えるんだぁ!!
願うだけなら、誰でも出来る!!
そして知らなければ祈れる!!
今でも常に世界は同じだぁ!!
生きる事が一番、辛いだけな人間が…
どれだけ多いと思ってんだぁ!!
そんでも生きたいと願う人間も多いから…
死ぬ事すら許されてねぇのにかぁ!!」
「春香!!
落ち着くんだ。
春香は気付いてない!!」
気付いてないだと!?
私が…
桂さんの声に驚いて私は目を開ける。
だが、桂さんは複雑な顔でだった。
「落ち着いて聞くんだ、春香?
確かに私は…
春香程の学がなくてもだ。
今、言っただろう?
生きたいと願う人間も多いと。
その生きたいと必死に願いながら…
それでも死んでゆく者達。
この国で、そうやって死んでゆく者達がだ。
死んでもと繋げる『本当の願い』を。
また春香は、気付いてない。
そして知らない、だろう?」
何だと!?
生きたいと…
死んでも繋げる願い!?
私は何も言えないが、なぜか桂さんは…
また少しだけ笑いながら私の涙を。
拭って言ってくる。
「春香みたいになぁ…
そう、そんなにも痛みすら必死に、か?
今の様に、泣いて欲しくないと、だ。
例え世界まで私が、判らなくても…
私は多くの仲間が、願ってた事を知ってる。
この国で、春香みたいに泣いて欲しくないと。
そう願いながら死んでいくのだ。
充分、私でも判ってるのだよ。
だから春香?
もう痛みを、苦しみを。
必死で耐えながら泣く姿など…
私は決して見たくない。
私も言ってるだろう?
春香は何も悪くないと。
もう春香を、だ。
私は傷付けたくないと。
そして傷付けないと。
もし私が、唯一、願うならば…
それは春香の『幸福』のみ。
そして何より重要な事は『春香』が。
幸福の中で笑う事のみ、だよ。」
桂さんの言葉に…
どうにか私も考える。
私が!?
泣く姿を?
桂さんも、見たくないと?
しかも『願い』を、だと!?
あの優しい…
お婆ちゃんと同じ『幸福』を!?
桂さんも願うと!!
すぐ目を閉じて私も必死に考える。
**************************
どうにか僅か私は…
「桂さんが…
泣く姿は…
私だって…
だが、どうすりゃ…」
「春香、今も、だろう?
痛い筈だ。
そして春香が、だよ。
何を言っても…
既に歴史は問題ない。
私が断言する。
春香が居た未来も変える為。
最後まで生き抜いてみせると。」
また桂さんの言葉でだった。
今度は土方さんも私は思い出す。
「どうして、だよ…」
私は耐えられなかった。
すぐ目を開けた。
桂さんは複雑な顔で、私には全く判らない。
更に、この感覚が、もっと…
だから、すぐ桂さんからも距離だけを。
素早く私は動いたが、桂さんも僅かに動いた事。
更に高杉さんの気配にも気付いて叫んだ。
「今は誰も動くなぁ!!」
二人共が動きを止めたのも判る。
でも複雑な顔で見てくるが、それが判らない。
もう首も横に振りながら私は…
「どうしてだぁ!!
桂さんも!!
土方さんと、同じだろうがぁ!!
ふざけんじゃねぇ!!
何が長州だぁ!!
何が幕府だぁ!!
同じ日本人同士で、ずっと…
どうして同じ理由で!!
どうして同じ国内で!!
同じ言葉すら判ってる筈なのに…
どうして一方だけを。
どうして繰り返す!!
長州、薩摩、土佐、幕府、全て…
同じだろうがぁ!!
何が志だぁ!!
何が武士だぁ!!
何が国の為だぁ!!
今だけじゃねぇだろうがぁ!!
歴史は、ずっとじゃねぇかぁ!!
今だって幕府が…
滅んだって何も変わらねぇのにかぁ!!
結局は常に…
国の下らねぇ理由のみ!!
上の指導者が変わるのみ!!
過去の歴史でも同じだろうがぁ!!
この国すら何も変わってねぇ…
んな事は他国も同じだぞぉ!!
世界中で、ずっと…
同じ事ばかり繰り返す。
同じ事ばかり願って僅かな平和すら簡単に…
結局は欲で壊すばかりじゃねぇかぁ!!
死んでくならと…
未来すら判んねぇのに願うのみ?
その願いが僅かに叶っても…
結局、壊す事も常にだろうがぁ!!
そんなに願うなら…
最初から、どうして殺すんだぁ!!
どうして力ばかり…
やられたら、やり返すと?
んな事しか、しねぇ歴史の中で…
何が、どう平和を願ってると言えるんだぁ!!」
そこで私は驚いた顔の高杉さんも睨み付けた。
そのまま怒鳴る。
「答えろぉ!!
長州の『高杉晋作』がだぁ!!
桂さんと大久保さん。
あれが『薩長同盟』だったら…
その前に、だろう?
どうして新たに『奇兵隊』を、結成したんだぁ!!
既に『下関戦争』で、他国の武器だって見てる筈!!
それなのにか…
どうして武器を、持てる!!
どうして同じ人間へ、向ける!!
どうして国内だと、判ってながら…
どうして真っ先に『武力』を、選んだ理由をだぁ!!」
凄く驚いた顔もした高杉さんだったが…
すぐ目を閉じるのも、私は睨みながら見てた。
高杉さんも、そのままでだった。
「それは、この国が…
他国の植民地になる前にと。
幕府へ、説得含め試みたが、逆になった事。
更に『朝敵』としてだった…
そこで俺も含め、多くの仲間達が、だ…」
すぐ私は歴史も思い出しながら言う。
「だったら他の道もあった筈だぁ!!
既に他国との接触してるならなぁ?
この国へ単純な『利用目的』でと。
真っ先に思惑すら気付けた上に…
なぜ『武力』を選んだぁ!!
どうしてだぁ!!
答えろぉ!!
長州を、纏めてる『高杉晋作』が、理由をだぁ!!
他国からの助力でもなく、武力を。
つまり『奇兵隊』を、だぞ?
既に過去、長州の史実でなら言えるが。
だからこそ、常に桂さんが、だろう?
他も含めて多くのだ。
常に交渉担当する理由も判ってる。
だったら、どうしてだぁ!!
あんなにも『公武合体』を強引にしたんだよ!?
しかも『尊王攘夷運動』として派手に広げただろうがぁ!?
その全て理由に答えろぉ!!
んな事すりゃ、もっと何も知らない上に…
多くの普通に暮らす民が、巻き込まれた筈!!
そのせいで更に、国内も乱れた筈!!
その乱れで、長州すら窮地へ。
違うのかぁ!?」
動かない高杉さんは一切、目も開けなかったが。
僅かな殺気だけは、私も察した。
「春香の、言う通りだ…
全て正しい…
俺が真っ先に!!
他国の思惑すら見抜き、違う方法で動いてれば…
今すら違う事も、仲間が多く死ぬ事も!!
なかったのも事実!!
それでも幕府の説得が…
春香には出来たとでも、言うのかぁ!?」
大きく言われた質問だが、私は冷静に考える。
幕府の説得だぁ?
そもそも…
全く判ってねぇ…
考えただけで、私は溜息すら出たが。
本当にウンザリする気分になった。
だから、そのまま言う事を選んだ。
「これは土方さんにもかぁ?
危うく言いかけたのを。
ちっと私も、思い出したがなぁ…
説得って言ってる時点!!
既に全く判ってねぇ…
んな高杉さんの質問だぁ?
んな事すら判ってねぇのも、すぐだ。
全く駄目、ウンザリする感覚のみ!!
もう、まんま言うが。
んな事すら最初っから間違ってんだよ!!
根本的に全く違うってんだ!!
んなの単純だぁ。
あの新撰組すら常に利用されてる事も気付かねぇ。
更に江戸時代は長い。
余計に幕府側も、腐ってくばっか!!
常に都合の良い事のみ!!
欲ばっかで動くだけを、ずっと続けながらかぁ?
しかも誰も気付かねぇ上に、江戸時代前。
歴史から遡れば、すぐ判るっつうの。
そもそも、徳川だぁ?
最初っから『幕藩体制』すら武士のみ!!
最初っから一番、都合が良い体制へ。
真っ先に『武力』を!!
使って、ねじ伏せただけ、だろうがぁ。
どんだけ馬鹿だってんだ。
んな都合ばっか!!
んで勝手に身分だの、常に優先した結果。
何も異論すらなく?
『鎖国体制』までアッサリと。
ご都合主義のみ。
んなの江戸時代が始まって、すぐだったろうがぁ。
めっちゃ簡単だよなぁ?
当たり前だぁ、常に一番の強い奴かぁ?
単純、江戸時代が始まってから、ずっと変わらず。
常に逆らえねぇのみ。
もう高杉さんが、かぁ?
産まれる前から幕府すら何も?
全く変わってねぇぞ?」
そこで急に高杉さんが目を開けた。
更に驚いた顔のまま、無言で私は見てたが。
桂さんすら無言で驚いてるのも判った。
また私は、もう溜息しか出ない気分にもなる。
だから二人すら見る気にも、ならない。
視界からも外して、普段と同じ様に呟く。
「はぁ…
マジでつまらねぇ…
更に下らねぇ…」
少し首を横に振って私も頭を冷やす。
二人へは気配のみ、充分と判断も出来た。
そのまま外を眺めながら、思った事だけ続ける。
「どこでも、いつでも、ずっと…
そこだけは変わらねぇなぁ。
人間の本質だけ!!
んな身分制度、続く訳ねぇ…
どんだけ欲まみれだっつうの。
この国に限らねぇし?
んなの結局、強い権力、その維持のみ!!
どの国も変わらねぇが。
一度でも、かぁ?
んな身分が、低いって?
勝手に決め付けた人達へ。
一般民的な人達へ、ってかぁ?
何か喜ぶ事でも、した事あっかぁ?
全く、ねぇだろ?
所詮、自分達の都合良く、常に誤魔化して…
周りすら全て利用しながらのみ。
この国でマシだった時代すら忘れる。
更に他国は陸続き、んなら常にだぞ?
国同士で、ずっと争ってんだ。
普通に強くなってくのみ。
んなのに鎖国みてぇな馬鹿してりゃ。
単純に時代遅れも良いとこだ。
んな事すら気付かねぇ上に、常に男が偉いだぁ?
おまけに女を見下してか。
全く何も偉くねぇ上に、いつも結局、力ばっか!!
んな力を、女が持った時を、逆に聞きてぇよ?
もう単純に滅ぶのみ!!
考え出すと…
マジで他国の方がマシだな、おい!!
この時代よりも、ずっと前からだし?
それすら普通だろ?
先進国なら絶対、真っ先に女を。
最優先すんのが当たり前。
んでも欲ばっかかぁ?
やっぱウンザリするが。
土方さんへ、言った事もなぁ…」
一度、言うのも止めて外を眺めながら考える。
確かに…
外国の方が動き易いかぁ?
時代が違うとしても…
重要人物だけ避ければ大きな問題でもねぇ?
土方さんにも言っちまったし?
いや?
これも単純かぁ?
私は嘘も言いたくねぇ…
そして、したかねぇ…
「は、春香?
まさか…」
桂さんの声に気付いて私も少し見る程度。
でも、また複雑な顔で判らないのもある。
だから私は溜息をしてから冷静にと再度。
考える為、目を閉じた。
桂さんとの約束。
本来の者へ。
でもなぁ…
ずっと今までかぁ?
私みてぇな世話を。
やっぱ一番、桂さんだけは…
目を閉じたまま私は…
冷静に考えてた事で淡々と言う。
「あぁ、そうだ。
私は嘘が嫌いだ。
だが、土方さんも絶対に忘れねぇ。
そして桂さんの約束。
それに関しては他の方法も可能。
私でも桂さんの場合は史実のみ。
その僅かだとしても…」
そこで私も目を開けた。
複雑な顔の桂さんを見ながら少し笑う。
「なぁ、桂さん?
どうしてか記録は、ねぇが。
桂さんの史実ぐれぇ。
どうにか僅かでも、私の方がだ!!
判る可能性も高いぞ!!
だから先に、桂さんの側へ。
愛すべき者を。
それでも充分、約束は果たせる筈。
きっと桂さんだけを、最適に支える筈だ!!
だからこそ愛する者を、私が桂さんの側へ。
そして桂さんも笑って頑張れる筈だろ?」
そう言うと複雑な顔から急にだった。
凄く桂さんが驚く顔になったのも私は見た。
確かに驚く理由は判るし?
一番、桂さんには…
余計に嬉しくなって私は笑いながら言う。
「あはははは!!
めっちゃ名案だろ!?
いつも私ばっか、桂さんに、だったし?
ずっと世話になった、お礼にもなる!!
んな事ぐれぇしか?
私は役にも立てねぇし?
一番、正しい答えっぽい?
だったら私が、だ!!
桂さんへ、本来の相手を。
私が連れて来れば良いだけだろ?
あの約束も含めて私も最善案!!
全く問題ねぇだろ?」
そうすりゃ…
あの優し過ぎる桂さんも?
絶対、笑って頑張れる筈だろ!!
だが、桂さんの場合。
本来の相手かぁ?
なぜか全く記録でも?
全くねぇ事が、私には不思議だろ?
**************************
複雑な気分で桂さんも見ながら…
私も思い出そうとしてた時。
「ま、待ってくれ!!
春香、違う!!
約束は…
春香が!!
離れない事も、一人にだ。
そんな事だけは…」
んん?
どった?
「桂さん、どした?
急にだがなぁ。
一番、桂さんには最善だろ?」
更に桂さんが、すぐ動いて私を抱き締めてきたのも判る。
そのまま声も…
「違う、春香。
離れない事も含めて私は…
既に言った筈!!
それなのに…
また春香は、私へ、か。
なぜ、いつも己を。
先にしない!?
もう春香が傷など…
私も言ってたぞ?
必ず、傷付けさせないと!!
春香が、傷付く先へなど。
私は絶対に、させたくない!!」
普段とも違う桂さんの声には私でも気付く。
だから…
「でもなぁ?
桂さんは優し過ぎるって言ったろ?
もう見てるだけでなぁ?
危ねぇって感じだろ?
それに私も前から言ってるが。
本来、ここに、だ。
私は居ねぇ…
桂さんの邪魔だけは、したか…」
「それも違う!!」
いきなり桂さんが大きく私の声を遮った。
驚きながら…
「既に私は…
もう愛する者は決まってる!!
その者は『春香』だぁ!!
だから、さっき私も言った筈。
私が、唯一!!
願うのは春香を。
そして何より重要な事とだ!!
それは『春香』がだ!!
幸福の中で笑う事のみ。
その為だけ私は、絶対!!
未来も含めて変えるのだぁ!!」
私が!?
その為、未来も!?
何も私は言えなくなった。
だが、桂さんは僅かに腕を緩めると…
複雑な顔で私へ…
「まだ、春香の場合。
言葉も、だろう?
判らないのだろう?
だから私から…
勝手に決め付けて春香へ。
言える筈も、ない事。
それでも春香が、また一人になる。
そんな事だけは…
絶対に私は、嫌なのだ!!」
さっきとも違う、判らない感覚ばかり。
私には広がる中で、どうにか言う。
「桂さん?
でも、それは…
私は、この時代じゃ…」
それなのに、すぐ…
「それでも、ここに今!!
春香は生きて、目の前に居る。
それなのに、なぜだ?
私は最初から春香へと。
言ってるだろう?
私が守ると。
私が助けると。
私が必ず救い出すと。
そして私が、必ずだと。
誰にも春香を。
私は傷付けさせないと。
ずっと私は…
春香へ、全て嘘など言ってない!!」
首を横に振って桂さんは私へと。
複雑な顔で言った事に…
嘘を!?
確かに桂さんは…
今まで…
ずっと同じ事を!?
だが、本来、私は…
言葉だけでもだった。
どうしても私は浮かばない。
ただ、勝手に涙が零れた。
すぐ気付いて私も目を閉じる。
でも…
「春香、今は…
まだ判らなくて良い。
徐々に…
私以外の者も含めて見て良い。
だが、約束も含めてだ。
常に私は、必ず守る。」
私の涙を拭ってくる感覚と。
桂さんの声だけ、だった。
どうしてだ…
私は何も言えないのに…
「もう私は決めてるのだよ、春香?
これは沖田君へ。
土方君へと、伝言も頼んだ。
あれすら嘘も一切、私は言ってないのだ。
『春香には私の全て厭わない』と。
『必ず私が、するのみだ』と。
だから私は春香のみ。
私は、いつも春香へ。
もう全て、既に言ってる事のみ。
まだ春香が、知らないと。
判らないと言うならば…
それが判るまで私が、と。
春香は大丈夫だと。
私は傷付けない。
私は痛くしない。
私が守ると。
私が助けると。
私は傷付けさせたり、しないと。
そんな春香は、今まで何も悪くないともだ!!
全て私は嘘も一切、言ってない。
まだ私を、信じられなくてもと。
徐々にで良いと。
そして春香へ。
もう二度と、あんな事は、私がと。
一切、させないと。
私が必ず、させないと。
全て既に春香へと、言った事のみ。
だから春香も…
いきなり私の前からだ。
居なくなる事だけは、しないで欲しいと。」
目を閉じて様が聞こえる桂さんの言葉は…
全て、私が聞いた事のある言葉だけにも気付く。
だから目を私は開けると…
桂さんが少し笑ってるのも見た。
「春香が、だよ?
まだ判らないと…
だが、私には判ってると。
既に言った、だろう?
そして、私は春香を。
傷付けたくないのだ。
だからこそ…
ただ、私は春香を、待つのみ。
痛くしたくない。
苦しめたくない。
だから徐々にで、春香は良いのだ…」
その桂さんを私は見て思うだけだった。
どんだけ…
優し過ぎんだよ?
私みてぇなのに…
余計、言葉も判らねぇ…
私は判らない感覚ばかり。
言葉すら浮かばない。
だから私は何も言わないまま…
ただ、桂さんに擦り寄った。
「えっ、は、春香?
どうし、えっ、な…
いや、これは…
は、春香?
これの、いや、違う!?
え、どう言う…
春香、その…
何が、だが、私か!?
いや、今だと?
これだと、私!?
その私が、か!?
だが、春香?
えっ!?」
私は桂さんの…
慌てた様子の声は聞こえたが。
前と同じで変わらない事と同時。
ただ、桂さんへ擦り寄ると僅かに…
浮かぶ感覚だけはあった。
凄く昔かぁ…
この感覚は…
「は、春香?
その、どう、した?」
なぜか私は眠くなる。
桂さんも声だけで動かない…
あぁ、少し温かい…
「判らないの…
でも、もう…
痛くないなら…」
僅かにしか言えない私は…
桂さんに擦り寄ると落ち着く感覚と似てた。
「春香…
それで、か。
もう私が居れば…
春香は、もう大丈夫だよ。
そして痛くない…」
私は眠くなるばかり…
「お願いだから…
桂さん…
消えないで…」
そのまま私は、温かさに安心して眠った。
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