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第一章:深い闇からも必ず。
16.常に最善は難しい、だが迷う道も違う!!
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あの薩長同盟っぽいのが終わってから。
私は桂さんも気になるが。
やっぱ話し合いも多い感じでだった。
だから奇兵隊の皆と居る事も増えたが。
そんな奇兵隊の皆へ。
私が桂さんを聞くと…
笑いながら同じ事を言う。
高杉さんも強いが。
桂さんもだと。
そして桂さんは特に戦略。
無駄な争いは好まないと。
話を聞いてると、私も納得はする。
それでも判らない感覚ばかり。
徐々にでもと、私にも判ると。
どうにか考える日々でもある。
だが、私には気になる事もだった。
もし歴史が本当なら…
高杉さんは…
更に坂本さんは?
でも、この時代じゃ…
私は、どうすりゃ良い?
桂さんの事も気になるが。
歴史も考えるばかりだった。
なぁ、桂さん?
こんままだと桂さんだって…
痛ぇだろ?
んなの私だって…
やっぱ見たかねぇよ?
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一方、桂小五郎。
薩摩との同盟から、まだ数日だが…
それでも、だろう!!
あの時、春香が言った言葉を。
冷静に考えて一度、情報だけでも纏める為。
再度、すぐ文を出した。
すぐ忙しい皆が、だった。
深夜にも関わらず。
だが、集まった、その中。
呼んでない筈の中岡にも気付く。
坂本からか…
だが、中岡は…
真っ先に私は睨み付ける。
あの場ですら春香を!!
しかも、また傷を!!
あの春香へ!!
その理由すら私には…
思い出すだけでだった。
一気に怒りだけ湧き上がる。
だが、すぐ察した様子で中岡は…
その場で土下座して頭を。
顔すら上げないままで…
「桂さん!!
そして、この場に集まってる皆へ。
全て俺が、悪かった!!
全ての言動に、俺は謝罪したい!!
せめて、これだけは俺から…
直接、どうしても言いたかった!!
だから龍馬へ、頼んだ…
俺は、この場でだぁ!!
俺が言いたい為だったが。
それでもだ!!
何度でも謝罪するのみ!!
皆が正しい!!
皆が一番、理解してる中で…
俺だけ愚かな事を。
春香さんへ、した!!
本来ならば春香さんへ…
俺から謝罪したいが…
それすらも許されない!!
逆に俺が、近付くなどすれば、春香さんに…
駄目な事ぐらいも充分、判ってる!!
だからこそ、もう俺は全て悪かった事を。
皆にだけでも、するのみ!!」
充分、中岡の言動で意味も判るが。
どうにか怒りを抑えながら…
「中岡…
もう春香へ…
一切、近付かないならば私もだ。
今更、過ぎた事など良い。
この場で、私も含め皆が!!
春香も含めて更にだが。
だからこそ!!
ようやく中岡も判った筈。
この場で集まる皆が、する理由も。
どれだけ未来の為かも…
そして私は春香を!!
絶対に一切、傷付けない…
必ず、守るのも当然!!」
そう言うと頭だけ、中岡は上げたが。
その場からも動かず。
懐から手拭いを出して己の前で置くと。
「もう、あの僅かで俺すら充分だった…
それに桂さんの言う意味を。
俺がだ、全く判ってなかったのみ。
本来ならば合わせる顔すらない上に…
これも俺から返す事も…
馬鹿な俺へ、まで!!
あれだけ優しい春香さんがだ!!
傷付くばかりの未来だけは…
本当に望む筈もない!!
こんな馬鹿な俺が、出来る事を。
少なくても絶対に!!
その為のみ!!
謝罪すら出来ない俺でもだ。
僅かで良いんだ!!
その僅かで充分、俺も命懸けで必ず…」
そう言った時。
すぐ殺気にも気付くが、皆も察した様子を。
真っ先に武市が、だった。
「待て、中岡…
私は今でもだぞ?
先に皆から春香さんの事を知って…
聞いてたにも関わらず。
あの場で私は、春香さんを!!
優先させたのみ。
たった、あの僅かでか!?
身体ではない、しかも心の傷へ!!
もう多過ぎるだけでは、ないのだぞ!?
どれだけ深い傷なのかも判った筈。
そして春香さんは、何も悪くもないのだ!!
それすらも、まさに春香さんが言う欲で、だと!?
この場ならば岡田でも…
そこまでの馬鹿など、一切しない。
もう、あの場で私は…
必死に怒りを!!
抑え付けながら、だったが…
命懸けなのは、皆も当然なのだ!!
そんな事も判らないのかぁ!!」
完全に殺気まで出しながら怒鳴るのも見た。
どうにか私は、この場では…
冷静さを優先させる。
「武市君。
充分、私も判るが、抑えてくれるか?
既に私も、なのだ。
あの場ですら春香が言ってた通り。
中岡は初対面、まして私達の話のみ。
理解すら不可能な事。
私も薩摩との前に言った筈。」
そう言ってからも、武市は殺気だけ抑えたが。
目を閉じたまま続けた…
「あぁ、その通りだったな。
まさに桂さんが言ってた事のみ。
あの場ですら春香さんは中岡の実力までだ。
簡単に分析までした。
だが、中岡の事で完全に判った筈。
どれ程、愚か者ばかり…
あの場では、桂さんと私が居た。
だから単純に、中岡は勝てん!!
春香さんの反応で確信してる。
また春香さんの居た未来ならば…
中岡の様に出した欲のみ、だろう?
もう春香さんがだ。
力に拘る理由にすら納得した。
そんな未来など、絶対に私も許さん。」
その言葉で私も簡単に判る。
溜息が出た。
「武市さんの言葉にも、俺は…
もう全て謝罪のみ。
話した事がないにも関わらず。
ただ、初めて見た美しさに…
見惚れた程。
これが、まさに欲か。
だが、もし俺より酷ければ未来は…
更に、ずっと、そんな中なら、もう…
しかも、そうなら春香さんだけは、ない…
見目の良い女子、全てになる。
そんな未来など、絶対に駄目だ!!
せめて俺程度でも出来る、何かを。
皆が必死なのも判ってる!!
こんな馬鹿な俺でもだぁ!!
何か僅かでも、したいのだぁ!!
この国へ、他の皆もなのに…」
中岡は、目を閉じながら言うが。
怒りは抑えながら私は、もう思ったまま言う。
「一応、中岡が薩摩へと大変だったのも…
私でも知ってる事。
だが、そうだ。
中岡の言う通り、だろう?
そんな未来など、誰も望まないのだ!!
そして今回の薩摩だぞ?
私ですら信じられない程。
この場に集まって貰った皆ならば…
既に判ってる事。
それに今ならば中岡…
春香へ。
一切、私が近付かせないが。
ようやく理解したか?」
そこで中岡も、複雑な顔で私を見た。
すぐ判るが目すら変えたのも判った。
「あぁ、桂さん。
充分、もう判ってる。
俺は勿論、春香さんへ、近付かない。
それでも未来の為、僅かでもだ。」
一応、中岡の言葉も聞いてから皆を見れば…
すぐ皆も察した様子だった。
「小五郎、薩摩との件。
俺も話を聞いてだった。
今でも信じられない感覚だが…
明らかに、だろう?」
晋作には視線のみ。
僅かに私も頷いてから言う。
「あぁ、既に判る事のみでもか。
まだ日も経ってないが…
こればかりは早急に皆へ。
まずは情報の共有。
また私でも僅かに判る事。
春香へ、変化のみだけでもない。
もう未来への希望だ。
今回の薩摩で、もう明確。
春香の存在から未来もだと判る筈。
薩摩との場には、晋作と岡田君。
居なかったが、私でも気になる事も多過ぎる。
武市君も同時で…
僅かに反応してた事も気付いてる。
あの時、春香が言った言葉、だろう?
ずっと私も気になってる。
あの大久保へと、だぞ?
春香は普通に言ったがな。
更に春香が言った持論。
それすら、とんでもなかったが。
もう学のみでは…
せめて先に情報だけでも、だろう。
整理しなければ、全ての先。
予測すら不可能になる。」
そう、春香の持論もあるが。
更に大久保へ。
他にも、あの僅かでもだ。
言った言葉、全て。
もう多過ぎるが。
意味すら別にある気がしてならない。
考える様子はしてたが、武市の気配を。
察して見れば、目を開けた時。
「桂さん、私も同じ意見だ。
あの僅かで情報が多すぎる。
更に薩摩との件。
もう私すら信じられない展開にまでなってる。
やはり春香さんが、唯一の希望、だろう?
だが、あくまで私の中のみ。
春香さんの場合。
学があるのも判ってた事。
それでも、だろう?
あの大久保相手へ、だぞ?
持論も含め、驚きながら私も聞いてたが。
未来でも春香さんの場合。
なぜか学だけでもない感覚か?
同じで引っかかってるのだよ。
更に大久保の言った通り。
それだけの学があって受ける春香さんの…
味わった痛みと苦しみなど、どれ程か。
しかも最善をと?
あの場ですら春香さんが…
大久保へ、言ってたのだぞ?」
私も武市に頷くが、坂本の視線に気付く。
やはり考えてる様子で…
「ワシもじゃな?
春香さんが、やろ?
まぁ、未来の技術は…
もうワシャ想像もかや?
とんでもなかと?
あん空の月まで簡単に、やぞ。
じゃが、再度、同じ事もやろ?
春香さんが、言うたな。
大久保さんへも、再度とやぞ?
もうワシャ考えてんも、おかしか。
ワシがの、一番、気にするん言葉もあるき。
まんま言うがの。
『見えてる物事だけを、見るな』と。
『判ってるつもりでも、判ってねぇ』と。
あの春香さんが言うたろう?
やけんど持論の前に、やろう?」
考えながら私も頷く。
そう、それもある。
春香は更に続けたのだぞ?
あの大久保へ…
再度、良く考えろと?
それ程、何か隠されてる筈。
「俺も既に小五郎からだ。
春香の持論も含めて聞いてるが…
つまり、今すら、か?
しかも、あの大久保相手へ、だぞ?
春香が、ならば…
つまり、今すら大久保は判ってねぇと判断された。
更に見えないと言う意味にも取れる言葉だな。
その見えてない、判ってない上に…
この国は進み続ける意味だろう。
補足するならば、これは他国の思惑だけではない筈。
春香の場合、世界を知ってる事も判る。
だからこそ、続けた言葉にもなる。
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる』と。
そう、春香が言ったのだろう?
だとしたら春香は、既に知ってる。
そして知らない方が良かったとの意味へ。
確かに繋がってるが、春香は逆を、選んだ事になる。
知らない方が良いと?
判断した事に、なるんだぞ?
国が狂っていく、世界すら争う中でもだ。
その原因でもある筈にも関わらず。
春香は、なぜ知らない方が良いと?
なぜだ?
なぜ、そんな選択をする?」
考えながら言う晋作の言葉も冷静にと。
私も考える。
それも、だろう。
なぜ…
春香は知らない方が良いと?
つまり知ったからこそ出した言葉だ。
つまり知らなかった方が良いと判断まで…
ふと春香の持論も思い出す。
まさか…
「春香の持論で、重要な部分は…
それが、春香の意味か?
いや、まず再度、私も…」
考える為、私は目を閉じた。
春香を。
更に言葉、何度も思い出しながら…
目を閉じたまま纏めて言うが。
「春香の言った持論。
そのまま再度、言う。
『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事』と、だった。
更に…
『常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ』と。
私が気になる部分だけを、今から言う。
春香の持論、その中にあるが。
『その逆も同じ事』と。
『常に最善を選んでも必ず、何かが』と。
更に持論の後。
あの大久保へ。
『それでもだ。
溢れたのには気付かねぇ方が良いぞ』と?
続けた言葉すら含める。
『知らない方が良いと思える事も多過ぎる』と。
『そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる』と。
ならば…
まさか…
つまり、春香の様な存在を、助ければ…
春香ではない者が、その逆にと同じ事へ!?
だから春香の場合、己を、か?
春香の存在を!?
知らない方が…
皆が得られる、願える、祈れると!?
それは、もう…」
そんな事を!?
どれだけ春香を!!
また怒りが湧き上がる。
「ふざけるなぁ!!
もう、それは春香が!?
そんな事は、もう生贄と等しいぞ!?
あんな春香を、ずっとか?
つまり、気分転換で殴り…
痛め付ける者達が、だろう!?
それを春香自身が!?
その痛みや苦しみを、だぞ?
受けなければ代わりへ、違う者を!!
単純に的が、代わるだけで他の者を!?
同じ様に、気分転換で傷付けるから…
ずっと春香だけ、痛みと苦しみのみ!?
受けるからこそかぁ!!
逆に春香自身で、今度は己を!?
常に受け続ける選択を、したから…
どれだけ春香ばかり…
なぜ、そんな事が出来る?
そして春香は、何も悪くないのにか?
なぜ、春香ばかり、常に受け続けるのだぁ!!
しかも春香自身が、学で…
それを判ったからこそ、だろう!?
だから他の皆は、知らない方が良いと!?
だから他の皆が、か!?
同じ様な痛みや苦しみを。
受けない為のみ!!
己を犠牲にする選択ばかり続ける結果か!!
また春香の言う意味が、変わるだろう!?
だからこそ春香は言うのかぁ!!
生きる意味がないと。
死ぬ意味がないと。
学ばかりで判った春香が…
全てを諦めて出した春香の答えかぁ!!」
「小五郎!!」
大きな晋作の声で目を開けたが。
皆が驚いてると判ってもだった。
なぜ春香ばかり!!
何も悪くないのに…
ずっと!?
錯乱する姿で、どれ程かも…
判る筈にも関わらず。
春香の理由も判って尚更。
どうにも出来ず、私は春香の理解も含め叫ぶ。
「どれだけ狂ってるのだぁ!!
単純に的が、代わるのみ!?
そんなのは、もう春香に限らないのだぞ!?
だから春香が、あんなにも!!
強さに拘る、最大の理由だろうがぁ!!
つまり弱い者が!!
的に、されるからだ!!
だから幼子へ!?
力では絶対、勝てない者へ!!
常に的へ、してからと?
それから平気で痛め付けるからだろう!?
だが、春香は、誰よりも優しいからこそ…
逆に、皆の的へ…
そして誰も春香に気付かず!?
もし気付いても、誰も助けないのだ!!
春香の言った言葉、人間の本質は欲のみ。
ならば…
気付いた者達は、春香と全く違うのだぞ!?
己自身が的へ、されたくないと?
己自身、保身の為だけで?
だから余計に、春香の事は助けないのだぞ!?
ただ、己自身が春香と同じ事を。
味わいたくないからと?
春香の痛みや苦しみを、判ってる上に…
皆の方は逆へ、春香を!?
それが判った春香は、ずっと変わらず。
だから、いつも春香が言うのだ!!
誰も信じないと。
誰も愛さないと。
何も変わらないと。
なぜだぁ!!
あの春香ばかり!!
なぜ、傷付けられるのだぁ!!
しかも何も悪くない春香が!!
誰よりも優しい春香が!!
なぜ、ずっと春香ばかり痛みと苦しみを!?
私には全く判らないぞ!!」
「小五郎!!
落ち着け!!
その春香を。
一番、助けられるのは小五郎だぞ!!」
すぐ驚きながら晋作を見るが。
「当然だろうがぁ!!
既に歴史すら変わり出してんだぞ!?
未来の為でも…
小五郎が春香を助けるしかねぇのにかぁ!!
今すら糸口が明確じゃねぇのに…
小五郎が最善を、だろうがぁ!!」
怒鳴ってきた晋作を見ながら…
どうにか抑え付ける。
そうだ、まだ…
春香は!!
ここで生きて居るのだ!!
そんな事、絶対に許せる筈もない!!
守るのも当然だが。
その未来も…
私が、だろう!?
「すまない、晋作…
そう、春香も、未来も…
私は諦めん!!
それでも私の学ですら、まだ…
明確な糸口が判らないのだ。」
「桂さん…
気持ちは充分、判るが。
私の話も聞いてくれないか?」
武市の声に気付いて向くと、目を閉じたまま…
「桂さん。
あくまで、これは私の予測だがな。
恐らく大久保は、あの僅かでだ。
何か気付いてる筈。
また、それで歴史すら良く変えようと。
何かしら他の方法でも動くだろう。
そこからも糸口は、探れる上に…
薩摩側も真っ先にだ。
春香さんを、最優先する。」
何だと!?
大久保が!!
「武市君?
確かに薩摩すら含め…
既に違うだろうが。
なぜだ…」
武市は目を開けるのも見てたが。
複雑な顔で…
「春香さんが言った後にだ。
あの大久保が、だぞ?
僅かに言った言葉がある。
些細な変化だったが…
あの時に大久保は、すぐ目を閉じた。
その時に言った言葉だ。
『なぜ、未だに己ばかりを』とな。
恐らく大久保は、あの時に、だろう?
見抜いたのだよ。
今の桂さんと同じ事を。
春香さんへ、言ってた言葉の意味ならば…
『なぜ、未だに己ばかり犠牲へ選択する事を』と。
つまり、春香さんの事を、だろう?
桂さんと同じ意味になる。
更に大久保は、僅かだが、続けた。
『春香は無自覚でも』と。
『私でも許せる筈もない』と。
薩摩側は常にだ。
真っ先に大久保が、戦略も含め全てを、だろう?
群を抜いてるのも明確。
だから、あの場で見抜いて出した答え。
決して望まぬ未来だと。」
それは!?
すぐ私も思い出す。
そうだ、あの時!!
大久保は…
だからこそ春香を!?
すぐ最初のみでも…
見抜いたからこそ、だろう!?
真っ先に保護すら先に言って…
春香の言葉で未来までを!!
だとすれば、更に、その意味で?
「確かに武市君の言う通り。
大久保が、あの場ですら真っ先に…
更に春香の持論を、聞いてからだ。
すぐ目を閉じて最初に言った事も、だろう?
『既に、それ程の学ばかりで』と。
『ずっと更に味わったからこそ』と。
ならば、薩摩側は…
春香の持論を、聞いた時点。
あの場で、更に未来の予測を、した事になる。
春香の保護も含め動きすら変える可能性も。
だとしたら…」
薩摩側ならば幕府側へ。
様々な動きすら変える?
大久保の場合。
幕府内でも、だろう?
他の武家だけでもない。
しかも新撰組とすら春香は…
どうにか考える私にと。
また武市は複雑な顔で…
「これは大久保も、すぐ見抜き。
また言ってた事だが。
確かに私も、春香さんを見てた。
もう痛々しいどころでもない。
あんな僅かで…
恐らく、これは春香さんが…
ずっと味わった痛みと苦しみを。
その記憶を、だろう?
僅かでも思い出しそうに、なったから…
私でも、もう判るだけでもなかった。
どれ程、春香さんが受けた痛みと苦しみかなど。
言葉になど、出来ない…
あんな僅かで、あれ程だったが。
錯乱しかけた時すら止めたのは、桂さんだ。」
そこで私も思い出す。
そう、あれすら記憶の一部のみ。
なのに春香は、すぐ…
私も一度、息を。
吐き出してから武市へ。
「あぁ、そうだ…
あんな僅かですら春香は…
しかも記憶さえ一部のみ。
どれだけ、ずっと春香が…
だから私は、すぐ言葉も含め、春香へ。
せめて思い出させない為のみ。
どうにか…」
そう言うと武市は、少し笑うのを見たが。
すぐ…
「また桂さん?
気付いてない様子だな。
それすら大久保も、だぞ?
見てた上に、すぐ見抜くだけでもない。
完全に気付いたのだろう?
春香さんが、無自覚なのも仕方ない。
だが、桂さんも、だから尚更か?
確かに大久保は、想像して笑ってそうだ。
春香さんだけでもない。
桂さんも同じで、無自覚なのだよ。
あの時、すぐだった。
すぐ桂さんは、気付いた。
だから真っ先に、春香さんへ。
全てが、春香さんのみ。
落ち着かせる為、更に安心させる為。
他は一切、全く見てなかった、だろう?
全ての言動すら春香さんの為のみ。
私も見てれば、すぐ判る事。
そして春香さんへ。
全て的確にと、桂さんが、だった。
春香さんの言葉まで理解しながら、全てを。
桂さんが、春香さんへ、と対応してたのも見てた。
そんな春香さんも…
桂さんしか見てなかったのだよ?
あんな状態の春香さんが、すぐだった。
そして桂さんしか見てない上に、信じる言動のみ。
まぁ、やはり無自覚だが。
やはり春香さんは、桂さん以外。
見てないのだ。」
武市の意味には気付くが。
少し考える。
だが、春香の場合は…
「武市君。
それは…
違うのだよ。
春香は…
まだ何も判ってない上に…
私では…」
言いたくない感覚に、私は再度、目を閉じた。
私の事ならば良い!!
私は、あの春香が…
嬉しそうに笑うならば!!
それに私だって…
本当ならば私も、春香だけを。
あの春香が、例え無自覚でも、だろう?
私の事を。
いくら好いてようと、やはり…
「小五郎?
どうした、また、様子も…」
晋作の声も聞いたが。
私は目を、閉じたまま首も横に振る。
どうにか違う感情も抑え付けた。
「晋作…
武市君も含めて、これは皆か?
春香には…
私では、ない者の筈。
無自覚でも、常に…
言ってる事だ。」
「桂さん?
なぜ、そんな事を。
春香さんが?」
武市の声で、私も目を開けるが。
驚いた顔にも判る。
そのまま私は首を横に振る。
複雑な気分で武市を見ながら…
「確かに春香は、無自覚でもな。
私を、か?
それには一応、否定しない…
だが、いつも春香は、言ってるだろう?
未来へ戻ったら、と。
いつ未来へ、戻るか判らないと。
もし間違えてたら修正すると。
あの大久保まで追記すると。
つまり、春香は、無自覚でも。
未来へ…
私の前から…
去る事が、前提なのだよ。」
武市以外の全員も、驚きながら私を。
見た事にも判るが。
複雑な気分のまま続けた。
「そう…
私には春香以外、考えられない。
だが、春香の場合は…
違うのだ。
この時代ならば私が、春香のみを。
常に守り続け、更に未来も…
絶対に、私が!!
諦めなければ!!
そして変えた先の未来へ。
そうすれば戻った未来でも必ず、だろう?
春香は愛される。
春香は美しい。
春香は優しい。
あの春香が、ずっと嬉しそうに…
春香は、必ず皆から…
それこそ『幸福』の中で、常に笑うのだ。
その中から…
本当に、春香が愛する者を。
必ず、見つけ探し出せる筈。
あの春香が、愛する者ならば…
必ず春香の為、必ず春香を、愛するのみ。
何も悪くもない、あの春香が!!
今まで、ずっと痛みと苦しみばかり受け続けた…
あの優し過ぎる春香が!!
ようやく、やっと安心して…
愛されながら笑って暮らせるのだ!!」
想像すると、やはり…
私には春香のみ。
だから笑えないが…
それでも春香は、笑う筈!!
首を振っても、すぐ浮かぶ。
あの嬉しそうに笑う、春香の為。
もう目も閉じて息を吐き出す。
どうにか笑顔の春香だけを。
思い出しながらも続ける。
「前に武市君も居た筈。
私の前で春香が、錯乱してだった。
あの春香が…
なぜ己を、螺子と言うかも判ったが。
どうにか私すら落ち着かせたのみ。
そのまま気を失った春香の為…
ただ、休ませる為、近かった寺田屋へ。
そこで私へ、春香は言ったな?
それこそ逆!!
春香は私へ、春香を忘れろと?
そう言ってから走り去った…
だが、春香が!!
私の事を!!
忘れるべきなのだ!!
そして本来の未来へ。
そこで愛する者と…
一緒に春香が笑うのならば…
平和で、安心しながら…
嬉しそうに、あの春香が笑う為!!
だからこそ、私は…」
「それだけは違う!!」
怒鳴る様な岡田の声で私も目を開けた。
すぐ見れば殺気まで…
だが、睨みながらだった。
「桂さん…
俺には学がない。
そんな俺は、いつも、もう感ばかり。
でも、それだけは違う!!
これも学とも違う!!
春香さんは、もっと違うと!!
もう俺は、感じるまま全部、言う!!
春香さんは嘘も言わない。
そんな春香さんは、学ばかり。
逆に他を、何も知らないと!?
親からすらも愛されない?
春香さんも愛さない?
どちらも俺には違う!!
でも春香さんが、何も悪くない事だけ判る!!
親すら愛さないで、痛みだけ?
苦しみだけ?
それでも、更に春香さんは優しい!!
もう春香さんは学以外、全て判らないと?
その中で未来から?
この時代なら、もっと判らない!!
それなら何も関係ない!!
春香さんは最初から変わらない!!
今まで春香さんも、ずっと言ってた!!
ずっと判らないと。
だから誰も信じないと。
だから誰も愛さないと。
だから全てが判らないと!!
その中で全て初めて桂さんだけ!!
判らない筈でも、いつも桂さんだけ!!
春香さんは信じる。
無警戒になる。
更に嬉しそうに笑う!!
でも春香さんは、凄く優しい!!
だから狂った未来に居る皆まで、心配する。
だから、いつも未来まで気にする。
全て判らなくても春香さんが、優しいだけ!!
そして、いつも桂さんだけ!!
最初から、ずっと春香さんも変わらない!!
その春香さんが?
初めて信じてる桂さんに…
今の姿も、今の言葉も、全部!!
絶対、春香さんは泣く!!
春香さんは、傷付く!!
もっと痛いだけ!!
俺でも絶対に、しない!!
そして、させない!!」
岡田の言葉が、衝撃的だった。
だが、更に睨み殺気すら強めたのも気付く。
「俺が春香さんと話す事は少ない!!
それなのに…
春香さんが言った!!
嘘も言わない、あの春香さんが…
俺や、武市先生の名前まで出した!!
絶対に忘れないと。
なら春香さんが…
桂さんを忘れる事!!
春香さんは絶対に、ない!!
ただ、俺は春香さんへ。
少し手助けだけ…
それだけしか、してない!!
少し、それだけの事でもだった…
あの優しい春香さんは、少し笑った。
皆へ、ありがとうと?
どれだけ優しいか、もう俺でも判る!!
何も判らない中で、ずっと…
その桂さんが、あの春香さんを!!
傷付けるのかぁ!!」
岡田の怒鳴った事に…
私が!?
春香を!!
傷付けるだと!?
咄嗟に私は…
「春香を傷付けさせるものかぁ!!
私は春香がだぁ!!
これ以上など絶対に許さん!!」
もう、すぐ刀も抜いて完全に抑えられない。
殺気すら向けて岡田へと。
「私が春香をだと!?
ふざけるなぁ!!
誰にも任せられん!!」
そこで岡田は逆に殺気すら、すぐ消した。
更に少し笑って…
「それなら桂さん。
更に春香さんも安心する。
俺も安心した。
桂さんも一番、安心します。」
春香も安心と!?
岡田も?
一番、私も安心だと!?
そのままで一応、私も考えるが。
すぐ武市の気配を察した。
視線のみ。
だが、武市も少し笑いながら…
「桂さん。
一応、刀は納めてくれないか?
岡田の言った通り、だろう?
しかも普段から好まぬ桂さんが、完全に…
すぐ殺気までも出して抜く姿もだ。
私は初めて見るぞ?
無自覚だが、既に桂さん自身。
言ってるではないか。」
意味に気付いて私も、すぐ刀を収める。
だが、岡田に言われた事も考えながら…
「今のは咄嗟に…
いや、岡田君の殺気にも、か?
私も言った、か?
だ、だが、春香は…
私が勝手にと、それも、だろう?
それに春香も、だから…
判ってない、のだぞ?
どう…」
私は、どうすれば良い!?
春香も判ってないが?
私が、それを?
勝手に決めては…
必死に私が考えてる時。
「あはははははっ!!
また小五郎?
気付いてねぇ!!
しかも今のもかぁ!?
完全に怒りでかよ。
もう俺は耐えられねぇ?
あははははっ!!
小五郎自身も、今だ!!
言ったのにかよ?
春香を、だろ?
誰にも任せられねぇんだぞ?
あはははははっ!!
今すら、また!?
刀まで、すぐだったし?
本当に気付かねぇと?
あはははははっ!!
どんだけの馬鹿だ!!」
驚きながら晋作を見る。
また!?
気付いてないだと!?
察した様子で晋作は…
凄く笑ってたにも関わらず。
急に複雑な顔になるのも見た。
「良いかぁ?
小五郎は全く?
判ってねぇみてぇだからなぁ!!
もう言うしかねぇかぁ?
俺が!!
馬鹿な小五郎より…
真っ先に気付いたぞぉ!!
確かに春香は未来へ、希望の光。
小五郎すら、あの場で言ってたがなぁ…
あの大久保利通!!
更に俺まで、かよ!?
歴史とも全く関係ねぇ!!
史実を除いた記録でだぞぉ?
幼名は判るが。
その歴史、史実以外でだったろうがぁ!!
好物だの、趣味だの、もう全く関係ねぇ!!
そんな事まで未来へ…
残ったらしい下らねぇ記録!!
まぁ、俺すら驚きしかなかったが。
何で小五郎の記録だけ!?
何もねぇんだよ!?
しかも春香すら凄く不思議な顔でだぁ?
本当に知らねぇだと?
更に小五郎のかぁ!?
史実は多過ぎて有名だと?
未来では知らねぇ人が居ねぇと?
にも関わらず。
何で小五郎の記録だけ一切!!
何も出ねぇんだよ!!
少し考えれば判んだろうがぁ!?」
晋作の言葉を、すぐ考えるが。
あの時か。
未来が変わる確信を、確かに。
私も、したな?
それに私が、だろう?
別に居れば知る事もないと。
春香にも言ったが…
未来が変わるのも充分、判る。
だが、私の記録だけは…
私も思い出しながら…
「春香は、そう、だったな。
晋作の事すら簡単にか?
納得しながら言ったが、あれだろ?
まさに長男で、唯一の跡継ぎ。
しかも、あれは…
晋作が、無視された武士へ。
もう怒鳴り付けるだけでもなかったろ?
確かに土下座まで、させたか。
それが記録に残されたらしいな?
なぜか刀の事まで春香は、言った上に…
晋作の趣味には、まぁ、私でも笑ったが?
詩や、酒だ。
更に、女だと?
だが、あれも晋作が、だろう。
一時期、花街ばかりへ。
良く行ってたからか?
完全に違う意味でと、恐らく?
記録として残されたらしいが…」
そう言うと晋作は首を横に振ってから…
微妙な顔になるのも見たが。
「だから待てぇ、小五郎!!
俺の趣味だとぉ!?
春香にも、あの場でだぁ!!
俺の趣味に女は、ねぇんだよ!!
まぁ、一時期?
行ったのは、確かに認める。
だがなぁ!?
そんな事のせいでか?
俺は何かぁ?
春香に、だぞ!?
普段から夜に隠れて女遊びしてると…
もう完全な誤解まで…
真っ先に、それだけは、すぐ!!
否定したぐれぇだぁ!!
どれだけ記録で残ってるんだと。
俺すら全く判らねんだぞ?
それだけ多過ぎる記録に、かぁ?
予測でも他の皆すら趣味ぐれぇ…
春香は記録として知ってるんだぞ!?
そんなに残されてる記録の中で…
小五郎に関してだけ!?
何も、ねぇんだぞ!?
つまり…
春香と小五郎が!!
出会ったからこそ!!
未来へ、だけじゃねぇ。
未来も含めた小五郎が!!
だろうがぁ!!
既に変わってるんだよ!!」
晋作の大声と、その内容に動揺しかない。
「な、私も、だと!?
春香で、未来が、変わってるのは…
そう、だろうが。
私も!?
春香で、か!?」
だが、春香は…
いや、どうなって…
「当然だろうがぁ!!
もう小五郎だけ!!
あんな僅かで、だぞ?
俺すら簡単に春香は…
しかも誤解までかよ!?
俺は、されたのにかぁ!!
なぜ小五郎だけ記録が、ねぇだとぉ?
そんな事は、一つしか、ねぇのにかぁ!!
すぐ判るぞ、おい!!」
どうにか意味は気付いてもだった。
そのまま…
「いや、待て、晋作!?
一応、意味は、か?
私でも判ったが。
だが、春香は…
何も判ってないのだぞ!?
それなのに…
私が?
私も勝手になど出来…
いや、違う!?
しない!!
だが、春香を!?
私で、それは…」
「くっ…
はははは…
こんな事、私は耐えらない。
あの大久保すら漬物と茶か?
全く史実すら無関係の質問で…
完全に動揺どころでもなかったが。
それを、高杉さんもと?
はははは…
桂さんの記録のみ、ないと?
ならば明確にも関わらず。
それすら桂さんは気付かず?
ははは…
しかも高杉さんは…
大久保と同じで趣味を、か?
更に、女だと?
くっ。
見てなくても私は、高杉さんが…
完全に慌てるどころでも、ない姿が浮かぶ。
そして桂さんのみ。
そして春香さんには、やはり桂さんのみ。
だから記録すら未来へ。
一切、残される筈もない。」
武市の声で見ると既に笑いを。
耐えられない様子にも見えたが。
「桂さん?
既に未来の中でも、だろう?
変わった中でも、やはり春香さんには…
桂さんしか居ないのだよ?
だから史実以外の記録さえ残る筈もない。
今すら変わってる歴史なのだよ?
春香さんの場合。
もし未来へ、戻れる時。
つまり未来ではなく、桂さんを。
桂さんのみを選ぶからこそ、だろう?
まぁ、それも、また…
無自覚だが。
そんな桂さんも同じで、か?
くっ、ははは…
無自覚で春香さんのみ、と?
更に、さっきも言ってたが…
他の男になど、任せられないのだろう?
はははは…
これは本当に…
大久保の言う通り、どちらも無自覚と?
確かに想像だけでも笑えるな…」
武市の意味も判って私は目を閉じた。
ふと、また私には春香の…
だから…
「武市君?
更に他の皆へ、も同じか?
もう、そうだな?
私も、だろう。
ならば春香の言葉を、そのままだ!!
『ちょっと待ったぁ!!』
『既に嫌がらせだぞ?』
『これは言えん。』
全て今の私にも当て嵌まる!!
皆も春香を、知ってるだろう!?
既に、美しいだけでもない…
あの優し過ぎる春香が、私へ。
どれだけ無防備で!?
更に毎日、私が、なのにかぁ!!
それだけでもなく?
どう春香へ、と言えば…
いや、どう教えれば良いのだ!?」
叫んだ瞬間、皆が一斉に笑ったのも判る。
だが、また…
「小五郎!!
あはははははっ!!
まさに、そうだな?
春香は、小五郎に、かぁ?
完全に無警戒どころじゃねぇし?
あはははははははっ!!
小五郎からも?
言えんよなぁ?
しかも、あの春香だぞ?
あはははははっ!!
毎日、俺は愉快のみ!!
くっ、あはははは…
だから頑張れとしか…
言えん!!」
晋作の意味も判るが。
私は無言のみ。
「桂さん、それは…
あの場で春香さんが…
くっ…
はははは…
言ってた言葉を?
確かに?
大久保も、そうだろうな。
想像のみで判る上に…
もう私すら耐えられん!!
ははははは…
しかも教えると?
あの春香さんへ?
私にも、それは難題だからな?
くっ、はははは…
桂さんが?
ははは…」
武市の意味も充分、判る。
春香へ、だぞ?
もう難題どころではない!!
だが、私も無言で耐えるのみ。
「わはははははっ!!
ワシも無理ぞ!!
耐えられん!!
あの桂さんがちや?
もう気付いちょらんのにもやぞ?
春香さんへと?
あげな本気なのにやぞ!?
さっき見ちょったきな!!
しかも刀までやったし?
すぐやったがの?
まっこと春香さんは凄いだけやないき!!
やけんど桂さんの気持ちも判る!!
あの桂さんが春香さん、やろう!?
げに可愛い女子やし?
しかも可愛いだけやないき?
まっこと優しいのも判る!!
そがな春香さんを?
やはり桂さんが…
ワシャ羨ましいだけかの!?」
坂本まで!?
私ですら咄嗟に刀を。
否定も出来んが。
そう…
あの春香は美しいだけでもない!!
優し過ぎるのも充分、判ってる!!
だが、そんな春香は…
いくら実年齢が、大人でも…
「ははは…
俺も限界…
でも桂さんだったら…
大丈夫です。
俺も安心…
春香さんも安心…」
岡田の笑いを、更に耐える声にと私は…
流石に我慢も出来なくなる。
目を閉じたままだが。
「岡田君!?
何が、どう大丈夫だと!?
身の安全は確実でも、だぞ!!
この場でも良いが、春香へ?
そんな難題を、かぁ!?
私には、そっちの糸口も判らん!!」
もう大きく言うと…
また皆が、一斉に笑ったのに気付く。
「あはははははっ!!
止めろ、小五郎!!
俺を。
笑い殺す気か?
あははははははははっ!!
俺にもだ!!
春香へ?
無理だな、全く判らん!!
だが、小五郎には…
あははははっ!!
未来の糸口と同じかぁ?
そうな、そっちも…
春香の?
あははははははっ!!
もう俺は駄目だ…」
晋作以外も、それぞれ笑って言ってくるが。
私は全て、目を閉じて無言のみ。
皆の意味も充分、私には…
もう判ってるが。
それでもだぞ!?
あの春香へ。
私が、どれ程か!!
やはり皆は、判ってないだろうがぁ!!
だが、春香も、徐々に?
なのだがなぁ…
**************************
その後、どうにか皆が、だった。
笑いを耐えて藩邸からは去ったが。
話し合いは常に…
更に春香の言動へと、逃さず。
注意する事もだった。
私は桂さんも気になるが。
やっぱ話し合いも多い感じでだった。
だから奇兵隊の皆と居る事も増えたが。
そんな奇兵隊の皆へ。
私が桂さんを聞くと…
笑いながら同じ事を言う。
高杉さんも強いが。
桂さんもだと。
そして桂さんは特に戦略。
無駄な争いは好まないと。
話を聞いてると、私も納得はする。
それでも判らない感覚ばかり。
徐々にでもと、私にも判ると。
どうにか考える日々でもある。
だが、私には気になる事もだった。
もし歴史が本当なら…
高杉さんは…
更に坂本さんは?
でも、この時代じゃ…
私は、どうすりゃ良い?
桂さんの事も気になるが。
歴史も考えるばかりだった。
なぁ、桂さん?
こんままだと桂さんだって…
痛ぇだろ?
んなの私だって…
やっぱ見たかねぇよ?
**************************
一方、桂小五郎。
薩摩との同盟から、まだ数日だが…
それでも、だろう!!
あの時、春香が言った言葉を。
冷静に考えて一度、情報だけでも纏める為。
再度、すぐ文を出した。
すぐ忙しい皆が、だった。
深夜にも関わらず。
だが、集まった、その中。
呼んでない筈の中岡にも気付く。
坂本からか…
だが、中岡は…
真っ先に私は睨み付ける。
あの場ですら春香を!!
しかも、また傷を!!
あの春香へ!!
その理由すら私には…
思い出すだけでだった。
一気に怒りだけ湧き上がる。
だが、すぐ察した様子で中岡は…
その場で土下座して頭を。
顔すら上げないままで…
「桂さん!!
そして、この場に集まってる皆へ。
全て俺が、悪かった!!
全ての言動に、俺は謝罪したい!!
せめて、これだけは俺から…
直接、どうしても言いたかった!!
だから龍馬へ、頼んだ…
俺は、この場でだぁ!!
俺が言いたい為だったが。
それでもだ!!
何度でも謝罪するのみ!!
皆が正しい!!
皆が一番、理解してる中で…
俺だけ愚かな事を。
春香さんへ、した!!
本来ならば春香さんへ…
俺から謝罪したいが…
それすらも許されない!!
逆に俺が、近付くなどすれば、春香さんに…
駄目な事ぐらいも充分、判ってる!!
だからこそ、もう俺は全て悪かった事を。
皆にだけでも、するのみ!!」
充分、中岡の言動で意味も判るが。
どうにか怒りを抑えながら…
「中岡…
もう春香へ…
一切、近付かないならば私もだ。
今更、過ぎた事など良い。
この場で、私も含め皆が!!
春香も含めて更にだが。
だからこそ!!
ようやく中岡も判った筈。
この場で集まる皆が、する理由も。
どれだけ未来の為かも…
そして私は春香を!!
絶対に一切、傷付けない…
必ず、守るのも当然!!」
そう言うと頭だけ、中岡は上げたが。
その場からも動かず。
懐から手拭いを出して己の前で置くと。
「もう、あの僅かで俺すら充分だった…
それに桂さんの言う意味を。
俺がだ、全く判ってなかったのみ。
本来ならば合わせる顔すらない上に…
これも俺から返す事も…
馬鹿な俺へ、まで!!
あれだけ優しい春香さんがだ!!
傷付くばかりの未来だけは…
本当に望む筈もない!!
こんな馬鹿な俺が、出来る事を。
少なくても絶対に!!
その為のみ!!
謝罪すら出来ない俺でもだ。
僅かで良いんだ!!
その僅かで充分、俺も命懸けで必ず…」
そう言った時。
すぐ殺気にも気付くが、皆も察した様子を。
真っ先に武市が、だった。
「待て、中岡…
私は今でもだぞ?
先に皆から春香さんの事を知って…
聞いてたにも関わらず。
あの場で私は、春香さんを!!
優先させたのみ。
たった、あの僅かでか!?
身体ではない、しかも心の傷へ!!
もう多過ぎるだけでは、ないのだぞ!?
どれだけ深い傷なのかも判った筈。
そして春香さんは、何も悪くもないのだ!!
それすらも、まさに春香さんが言う欲で、だと!?
この場ならば岡田でも…
そこまでの馬鹿など、一切しない。
もう、あの場で私は…
必死に怒りを!!
抑え付けながら、だったが…
命懸けなのは、皆も当然なのだ!!
そんな事も判らないのかぁ!!」
完全に殺気まで出しながら怒鳴るのも見た。
どうにか私は、この場では…
冷静さを優先させる。
「武市君。
充分、私も判るが、抑えてくれるか?
既に私も、なのだ。
あの場ですら春香が言ってた通り。
中岡は初対面、まして私達の話のみ。
理解すら不可能な事。
私も薩摩との前に言った筈。」
そう言ってからも、武市は殺気だけ抑えたが。
目を閉じたまま続けた…
「あぁ、その通りだったな。
まさに桂さんが言ってた事のみ。
あの場ですら春香さんは中岡の実力までだ。
簡単に分析までした。
だが、中岡の事で完全に判った筈。
どれ程、愚か者ばかり…
あの場では、桂さんと私が居た。
だから単純に、中岡は勝てん!!
春香さんの反応で確信してる。
また春香さんの居た未来ならば…
中岡の様に出した欲のみ、だろう?
もう春香さんがだ。
力に拘る理由にすら納得した。
そんな未来など、絶対に私も許さん。」
その言葉で私も簡単に判る。
溜息が出た。
「武市さんの言葉にも、俺は…
もう全て謝罪のみ。
話した事がないにも関わらず。
ただ、初めて見た美しさに…
見惚れた程。
これが、まさに欲か。
だが、もし俺より酷ければ未来は…
更に、ずっと、そんな中なら、もう…
しかも、そうなら春香さんだけは、ない…
見目の良い女子、全てになる。
そんな未来など、絶対に駄目だ!!
せめて俺程度でも出来る、何かを。
皆が必死なのも判ってる!!
こんな馬鹿な俺でもだぁ!!
何か僅かでも、したいのだぁ!!
この国へ、他の皆もなのに…」
中岡は、目を閉じながら言うが。
怒りは抑えながら私は、もう思ったまま言う。
「一応、中岡が薩摩へと大変だったのも…
私でも知ってる事。
だが、そうだ。
中岡の言う通り、だろう?
そんな未来など、誰も望まないのだ!!
そして今回の薩摩だぞ?
私ですら信じられない程。
この場に集まって貰った皆ならば…
既に判ってる事。
それに今ならば中岡…
春香へ。
一切、私が近付かせないが。
ようやく理解したか?」
そこで中岡も、複雑な顔で私を見た。
すぐ判るが目すら変えたのも判った。
「あぁ、桂さん。
充分、もう判ってる。
俺は勿論、春香さんへ、近付かない。
それでも未来の為、僅かでもだ。」
一応、中岡の言葉も聞いてから皆を見れば…
すぐ皆も察した様子だった。
「小五郎、薩摩との件。
俺も話を聞いてだった。
今でも信じられない感覚だが…
明らかに、だろう?」
晋作には視線のみ。
僅かに私も頷いてから言う。
「あぁ、既に判る事のみでもか。
まだ日も経ってないが…
こればかりは早急に皆へ。
まずは情報の共有。
また私でも僅かに判る事。
春香へ、変化のみだけでもない。
もう未来への希望だ。
今回の薩摩で、もう明確。
春香の存在から未来もだと判る筈。
薩摩との場には、晋作と岡田君。
居なかったが、私でも気になる事も多過ぎる。
武市君も同時で…
僅かに反応してた事も気付いてる。
あの時、春香が言った言葉、だろう?
ずっと私も気になってる。
あの大久保へと、だぞ?
春香は普通に言ったがな。
更に春香が言った持論。
それすら、とんでもなかったが。
もう学のみでは…
せめて先に情報だけでも、だろう。
整理しなければ、全ての先。
予測すら不可能になる。」
そう、春香の持論もあるが。
更に大久保へ。
他にも、あの僅かでもだ。
言った言葉、全て。
もう多過ぎるが。
意味すら別にある気がしてならない。
考える様子はしてたが、武市の気配を。
察して見れば、目を開けた時。
「桂さん、私も同じ意見だ。
あの僅かで情報が多すぎる。
更に薩摩との件。
もう私すら信じられない展開にまでなってる。
やはり春香さんが、唯一の希望、だろう?
だが、あくまで私の中のみ。
春香さんの場合。
学があるのも判ってた事。
それでも、だろう?
あの大久保相手へ、だぞ?
持論も含め、驚きながら私も聞いてたが。
未来でも春香さんの場合。
なぜか学だけでもない感覚か?
同じで引っかかってるのだよ。
更に大久保の言った通り。
それだけの学があって受ける春香さんの…
味わった痛みと苦しみなど、どれ程か。
しかも最善をと?
あの場ですら春香さんが…
大久保へ、言ってたのだぞ?」
私も武市に頷くが、坂本の視線に気付く。
やはり考えてる様子で…
「ワシもじゃな?
春香さんが、やろ?
まぁ、未来の技術は…
もうワシャ想像もかや?
とんでもなかと?
あん空の月まで簡単に、やぞ。
じゃが、再度、同じ事もやろ?
春香さんが、言うたな。
大久保さんへも、再度とやぞ?
もうワシャ考えてんも、おかしか。
ワシがの、一番、気にするん言葉もあるき。
まんま言うがの。
『見えてる物事だけを、見るな』と。
『判ってるつもりでも、判ってねぇ』と。
あの春香さんが言うたろう?
やけんど持論の前に、やろう?」
考えながら私も頷く。
そう、それもある。
春香は更に続けたのだぞ?
あの大久保へ…
再度、良く考えろと?
それ程、何か隠されてる筈。
「俺も既に小五郎からだ。
春香の持論も含めて聞いてるが…
つまり、今すら、か?
しかも、あの大久保相手へ、だぞ?
春香が、ならば…
つまり、今すら大久保は判ってねぇと判断された。
更に見えないと言う意味にも取れる言葉だな。
その見えてない、判ってない上に…
この国は進み続ける意味だろう。
補足するならば、これは他国の思惑だけではない筈。
春香の場合、世界を知ってる事も判る。
だからこそ、続けた言葉にもなる。
『知らない方が良いと、思える事も多過ぎる』と。
そう、春香が言ったのだろう?
だとしたら春香は、既に知ってる。
そして知らない方が良かったとの意味へ。
確かに繋がってるが、春香は逆を、選んだ事になる。
知らない方が良いと?
判断した事に、なるんだぞ?
国が狂っていく、世界すら争う中でもだ。
その原因でもある筈にも関わらず。
春香は、なぜ知らない方が良いと?
なぜだ?
なぜ、そんな選択をする?」
考えながら言う晋作の言葉も冷静にと。
私も考える。
それも、だろう。
なぜ…
春香は知らない方が良いと?
つまり知ったからこそ出した言葉だ。
つまり知らなかった方が良いと判断まで…
ふと春香の持論も思い出す。
まさか…
「春香の持論で、重要な部分は…
それが、春香の意味か?
いや、まず再度、私も…」
考える為、私は目を閉じた。
春香を。
更に言葉、何度も思い出しながら…
目を閉じたまま纏めて言うが。
「春香の言った持論。
そのまま再度、言う。
『表があれば、裏がある。
光があれば、闇がある。
その逆も同じ事』と、だった。
更に…
『常に最善を。
選んでも必ず、何かが溢れるのみ。
その溢れた事には、誰も気付かねぇ』と。
私が気になる部分だけを、今から言う。
春香の持論、その中にあるが。
『その逆も同じ事』と。
『常に最善を選んでも必ず、何かが』と。
更に持論の後。
あの大久保へ。
『それでもだ。
溢れたのには気付かねぇ方が良いぞ』と?
続けた言葉すら含める。
『知らない方が良いと思える事も多過ぎる』と。
『そして知らない方が皆が得られる、願える、祈れる』と。
ならば…
まさか…
つまり、春香の様な存在を、助ければ…
春香ではない者が、その逆にと同じ事へ!?
だから春香の場合、己を、か?
春香の存在を!?
知らない方が…
皆が得られる、願える、祈れると!?
それは、もう…」
そんな事を!?
どれだけ春香を!!
また怒りが湧き上がる。
「ふざけるなぁ!!
もう、それは春香が!?
そんな事は、もう生贄と等しいぞ!?
あんな春香を、ずっとか?
つまり、気分転換で殴り…
痛め付ける者達が、だろう!?
それを春香自身が!?
その痛みや苦しみを、だぞ?
受けなければ代わりへ、違う者を!!
単純に的が、代わるだけで他の者を!?
同じ様に、気分転換で傷付けるから…
ずっと春香だけ、痛みと苦しみのみ!?
受けるからこそかぁ!!
逆に春香自身で、今度は己を!?
常に受け続ける選択を、したから…
どれだけ春香ばかり…
なぜ、そんな事が出来る?
そして春香は、何も悪くないのにか?
なぜ、春香ばかり、常に受け続けるのだぁ!!
しかも春香自身が、学で…
それを判ったからこそ、だろう!?
だから他の皆は、知らない方が良いと!?
だから他の皆が、か!?
同じ様な痛みや苦しみを。
受けない為のみ!!
己を犠牲にする選択ばかり続ける結果か!!
また春香の言う意味が、変わるだろう!?
だからこそ春香は言うのかぁ!!
生きる意味がないと。
死ぬ意味がないと。
学ばかりで判った春香が…
全てを諦めて出した春香の答えかぁ!!」
「小五郎!!」
大きな晋作の声で目を開けたが。
皆が驚いてると判ってもだった。
なぜ春香ばかり!!
何も悪くないのに…
ずっと!?
錯乱する姿で、どれ程かも…
判る筈にも関わらず。
春香の理由も判って尚更。
どうにも出来ず、私は春香の理解も含め叫ぶ。
「どれだけ狂ってるのだぁ!!
単純に的が、代わるのみ!?
そんなのは、もう春香に限らないのだぞ!?
だから春香が、あんなにも!!
強さに拘る、最大の理由だろうがぁ!!
つまり弱い者が!!
的に、されるからだ!!
だから幼子へ!?
力では絶対、勝てない者へ!!
常に的へ、してからと?
それから平気で痛め付けるからだろう!?
だが、春香は、誰よりも優しいからこそ…
逆に、皆の的へ…
そして誰も春香に気付かず!?
もし気付いても、誰も助けないのだ!!
春香の言った言葉、人間の本質は欲のみ。
ならば…
気付いた者達は、春香と全く違うのだぞ!?
己自身が的へ、されたくないと?
己自身、保身の為だけで?
だから余計に、春香の事は助けないのだぞ!?
ただ、己自身が春香と同じ事を。
味わいたくないからと?
春香の痛みや苦しみを、判ってる上に…
皆の方は逆へ、春香を!?
それが判った春香は、ずっと変わらず。
だから、いつも春香が言うのだ!!
誰も信じないと。
誰も愛さないと。
何も変わらないと。
なぜだぁ!!
あの春香ばかり!!
なぜ、傷付けられるのだぁ!!
しかも何も悪くない春香が!!
誰よりも優しい春香が!!
なぜ、ずっと春香ばかり痛みと苦しみを!?
私には全く判らないぞ!!」
「小五郎!!
落ち着け!!
その春香を。
一番、助けられるのは小五郎だぞ!!」
すぐ驚きながら晋作を見るが。
「当然だろうがぁ!!
既に歴史すら変わり出してんだぞ!?
未来の為でも…
小五郎が春香を助けるしかねぇのにかぁ!!
今すら糸口が明確じゃねぇのに…
小五郎が最善を、だろうがぁ!!」
怒鳴ってきた晋作を見ながら…
どうにか抑え付ける。
そうだ、まだ…
春香は!!
ここで生きて居るのだ!!
そんな事、絶対に許せる筈もない!!
守るのも当然だが。
その未来も…
私が、だろう!?
「すまない、晋作…
そう、春香も、未来も…
私は諦めん!!
それでも私の学ですら、まだ…
明確な糸口が判らないのだ。」
「桂さん…
気持ちは充分、判るが。
私の話も聞いてくれないか?」
武市の声に気付いて向くと、目を閉じたまま…
「桂さん。
あくまで、これは私の予測だがな。
恐らく大久保は、あの僅かでだ。
何か気付いてる筈。
また、それで歴史すら良く変えようと。
何かしら他の方法でも動くだろう。
そこからも糸口は、探れる上に…
薩摩側も真っ先にだ。
春香さんを、最優先する。」
何だと!?
大久保が!!
「武市君?
確かに薩摩すら含め…
既に違うだろうが。
なぜだ…」
武市は目を開けるのも見てたが。
複雑な顔で…
「春香さんが言った後にだ。
あの大久保が、だぞ?
僅かに言った言葉がある。
些細な変化だったが…
あの時に大久保は、すぐ目を閉じた。
その時に言った言葉だ。
『なぜ、未だに己ばかりを』とな。
恐らく大久保は、あの時に、だろう?
見抜いたのだよ。
今の桂さんと同じ事を。
春香さんへ、言ってた言葉の意味ならば…
『なぜ、未だに己ばかり犠牲へ選択する事を』と。
つまり、春香さんの事を、だろう?
桂さんと同じ意味になる。
更に大久保は、僅かだが、続けた。
『春香は無自覚でも』と。
『私でも許せる筈もない』と。
薩摩側は常にだ。
真っ先に大久保が、戦略も含め全てを、だろう?
群を抜いてるのも明確。
だから、あの場で見抜いて出した答え。
決して望まぬ未来だと。」
それは!?
すぐ私も思い出す。
そうだ、あの時!!
大久保は…
だからこそ春香を!?
すぐ最初のみでも…
見抜いたからこそ、だろう!?
真っ先に保護すら先に言って…
春香の言葉で未来までを!!
だとすれば、更に、その意味で?
「確かに武市君の言う通り。
大久保が、あの場ですら真っ先に…
更に春香の持論を、聞いてからだ。
すぐ目を閉じて最初に言った事も、だろう?
『既に、それ程の学ばかりで』と。
『ずっと更に味わったからこそ』と。
ならば、薩摩側は…
春香の持論を、聞いた時点。
あの場で、更に未来の予測を、した事になる。
春香の保護も含め動きすら変える可能性も。
だとしたら…」
薩摩側ならば幕府側へ。
様々な動きすら変える?
大久保の場合。
幕府内でも、だろう?
他の武家だけでもない。
しかも新撰組とすら春香は…
どうにか考える私にと。
また武市は複雑な顔で…
「これは大久保も、すぐ見抜き。
また言ってた事だが。
確かに私も、春香さんを見てた。
もう痛々しいどころでもない。
あんな僅かで…
恐らく、これは春香さんが…
ずっと味わった痛みと苦しみを。
その記憶を、だろう?
僅かでも思い出しそうに、なったから…
私でも、もう判るだけでもなかった。
どれ程、春香さんが受けた痛みと苦しみかなど。
言葉になど、出来ない…
あんな僅かで、あれ程だったが。
錯乱しかけた時すら止めたのは、桂さんだ。」
そこで私も思い出す。
そう、あれすら記憶の一部のみ。
なのに春香は、すぐ…
私も一度、息を。
吐き出してから武市へ。
「あぁ、そうだ…
あんな僅かですら春香は…
しかも記憶さえ一部のみ。
どれだけ、ずっと春香が…
だから私は、すぐ言葉も含め、春香へ。
せめて思い出させない為のみ。
どうにか…」
そう言うと武市は、少し笑うのを見たが。
すぐ…
「また桂さん?
気付いてない様子だな。
それすら大久保も、だぞ?
見てた上に、すぐ見抜くだけでもない。
完全に気付いたのだろう?
春香さんが、無自覚なのも仕方ない。
だが、桂さんも、だから尚更か?
確かに大久保は、想像して笑ってそうだ。
春香さんだけでもない。
桂さんも同じで、無自覚なのだよ。
あの時、すぐだった。
すぐ桂さんは、気付いた。
だから真っ先に、春香さんへ。
全てが、春香さんのみ。
落ち着かせる為、更に安心させる為。
他は一切、全く見てなかった、だろう?
全ての言動すら春香さんの為のみ。
私も見てれば、すぐ判る事。
そして春香さんへ。
全て的確にと、桂さんが、だった。
春香さんの言葉まで理解しながら、全てを。
桂さんが、春香さんへ、と対応してたのも見てた。
そんな春香さんも…
桂さんしか見てなかったのだよ?
あんな状態の春香さんが、すぐだった。
そして桂さんしか見てない上に、信じる言動のみ。
まぁ、やはり無自覚だが。
やはり春香さんは、桂さん以外。
見てないのだ。」
武市の意味には気付くが。
少し考える。
だが、春香の場合は…
「武市君。
それは…
違うのだよ。
春香は…
まだ何も判ってない上に…
私では…」
言いたくない感覚に、私は再度、目を閉じた。
私の事ならば良い!!
私は、あの春香が…
嬉しそうに笑うならば!!
それに私だって…
本当ならば私も、春香だけを。
あの春香が、例え無自覚でも、だろう?
私の事を。
いくら好いてようと、やはり…
「小五郎?
どうした、また、様子も…」
晋作の声も聞いたが。
私は目を、閉じたまま首も横に振る。
どうにか違う感情も抑え付けた。
「晋作…
武市君も含めて、これは皆か?
春香には…
私では、ない者の筈。
無自覚でも、常に…
言ってる事だ。」
「桂さん?
なぜ、そんな事を。
春香さんが?」
武市の声で、私も目を開けるが。
驚いた顔にも判る。
そのまま私は首を横に振る。
複雑な気分で武市を見ながら…
「確かに春香は、無自覚でもな。
私を、か?
それには一応、否定しない…
だが、いつも春香は、言ってるだろう?
未来へ戻ったら、と。
いつ未来へ、戻るか判らないと。
もし間違えてたら修正すると。
あの大久保まで追記すると。
つまり、春香は、無自覚でも。
未来へ…
私の前から…
去る事が、前提なのだよ。」
武市以外の全員も、驚きながら私を。
見た事にも判るが。
複雑な気分のまま続けた。
「そう…
私には春香以外、考えられない。
だが、春香の場合は…
違うのだ。
この時代ならば私が、春香のみを。
常に守り続け、更に未来も…
絶対に、私が!!
諦めなければ!!
そして変えた先の未来へ。
そうすれば戻った未来でも必ず、だろう?
春香は愛される。
春香は美しい。
春香は優しい。
あの春香が、ずっと嬉しそうに…
春香は、必ず皆から…
それこそ『幸福』の中で、常に笑うのだ。
その中から…
本当に、春香が愛する者を。
必ず、見つけ探し出せる筈。
あの春香が、愛する者ならば…
必ず春香の為、必ず春香を、愛するのみ。
何も悪くもない、あの春香が!!
今まで、ずっと痛みと苦しみばかり受け続けた…
あの優し過ぎる春香が!!
ようやく、やっと安心して…
愛されながら笑って暮らせるのだ!!」
想像すると、やはり…
私には春香のみ。
だから笑えないが…
それでも春香は、笑う筈!!
首を振っても、すぐ浮かぶ。
あの嬉しそうに笑う、春香の為。
もう目も閉じて息を吐き出す。
どうにか笑顔の春香だけを。
思い出しながらも続ける。
「前に武市君も居た筈。
私の前で春香が、錯乱してだった。
あの春香が…
なぜ己を、螺子と言うかも判ったが。
どうにか私すら落ち着かせたのみ。
そのまま気を失った春香の為…
ただ、休ませる為、近かった寺田屋へ。
そこで私へ、春香は言ったな?
それこそ逆!!
春香は私へ、春香を忘れろと?
そう言ってから走り去った…
だが、春香が!!
私の事を!!
忘れるべきなのだ!!
そして本来の未来へ。
そこで愛する者と…
一緒に春香が笑うのならば…
平和で、安心しながら…
嬉しそうに、あの春香が笑う為!!
だからこそ、私は…」
「それだけは違う!!」
怒鳴る様な岡田の声で私も目を開けた。
すぐ見れば殺気まで…
だが、睨みながらだった。
「桂さん…
俺には学がない。
そんな俺は、いつも、もう感ばかり。
でも、それだけは違う!!
これも学とも違う!!
春香さんは、もっと違うと!!
もう俺は、感じるまま全部、言う!!
春香さんは嘘も言わない。
そんな春香さんは、学ばかり。
逆に他を、何も知らないと!?
親からすらも愛されない?
春香さんも愛さない?
どちらも俺には違う!!
でも春香さんが、何も悪くない事だけ判る!!
親すら愛さないで、痛みだけ?
苦しみだけ?
それでも、更に春香さんは優しい!!
もう春香さんは学以外、全て判らないと?
その中で未来から?
この時代なら、もっと判らない!!
それなら何も関係ない!!
春香さんは最初から変わらない!!
今まで春香さんも、ずっと言ってた!!
ずっと判らないと。
だから誰も信じないと。
だから誰も愛さないと。
だから全てが判らないと!!
その中で全て初めて桂さんだけ!!
判らない筈でも、いつも桂さんだけ!!
春香さんは信じる。
無警戒になる。
更に嬉しそうに笑う!!
でも春香さんは、凄く優しい!!
だから狂った未来に居る皆まで、心配する。
だから、いつも未来まで気にする。
全て判らなくても春香さんが、優しいだけ!!
そして、いつも桂さんだけ!!
最初から、ずっと春香さんも変わらない!!
その春香さんが?
初めて信じてる桂さんに…
今の姿も、今の言葉も、全部!!
絶対、春香さんは泣く!!
春香さんは、傷付く!!
もっと痛いだけ!!
俺でも絶対に、しない!!
そして、させない!!」
岡田の言葉が、衝撃的だった。
だが、更に睨み殺気すら強めたのも気付く。
「俺が春香さんと話す事は少ない!!
それなのに…
春香さんが言った!!
嘘も言わない、あの春香さんが…
俺や、武市先生の名前まで出した!!
絶対に忘れないと。
なら春香さんが…
桂さんを忘れる事!!
春香さんは絶対に、ない!!
ただ、俺は春香さんへ。
少し手助けだけ…
それだけしか、してない!!
少し、それだけの事でもだった…
あの優しい春香さんは、少し笑った。
皆へ、ありがとうと?
どれだけ優しいか、もう俺でも判る!!
何も判らない中で、ずっと…
その桂さんが、あの春香さんを!!
傷付けるのかぁ!!」
岡田の怒鳴った事に…
私が!?
春香を!!
傷付けるだと!?
咄嗟に私は…
「春香を傷付けさせるものかぁ!!
私は春香がだぁ!!
これ以上など絶対に許さん!!」
もう、すぐ刀も抜いて完全に抑えられない。
殺気すら向けて岡田へと。
「私が春香をだと!?
ふざけるなぁ!!
誰にも任せられん!!」
そこで岡田は逆に殺気すら、すぐ消した。
更に少し笑って…
「それなら桂さん。
更に春香さんも安心する。
俺も安心した。
桂さんも一番、安心します。」
春香も安心と!?
岡田も?
一番、私も安心だと!?
そのままで一応、私も考えるが。
すぐ武市の気配を察した。
視線のみ。
だが、武市も少し笑いながら…
「桂さん。
一応、刀は納めてくれないか?
岡田の言った通り、だろう?
しかも普段から好まぬ桂さんが、完全に…
すぐ殺気までも出して抜く姿もだ。
私は初めて見るぞ?
無自覚だが、既に桂さん自身。
言ってるではないか。」
意味に気付いて私も、すぐ刀を収める。
だが、岡田に言われた事も考えながら…
「今のは咄嗟に…
いや、岡田君の殺気にも、か?
私も言った、か?
だ、だが、春香は…
私が勝手にと、それも、だろう?
それに春香も、だから…
判ってない、のだぞ?
どう…」
私は、どうすれば良い!?
春香も判ってないが?
私が、それを?
勝手に決めては…
必死に私が考えてる時。
「あはははははっ!!
また小五郎?
気付いてねぇ!!
しかも今のもかぁ!?
完全に怒りでかよ。
もう俺は耐えられねぇ?
あははははっ!!
小五郎自身も、今だ!!
言ったのにかよ?
春香を、だろ?
誰にも任せられねぇんだぞ?
あはははははっ!!
今すら、また!?
刀まで、すぐだったし?
本当に気付かねぇと?
あはははははっ!!
どんだけの馬鹿だ!!」
驚きながら晋作を見る。
また!?
気付いてないだと!?
察した様子で晋作は…
凄く笑ってたにも関わらず。
急に複雑な顔になるのも見た。
「良いかぁ?
小五郎は全く?
判ってねぇみてぇだからなぁ!!
もう言うしかねぇかぁ?
俺が!!
馬鹿な小五郎より…
真っ先に気付いたぞぉ!!
確かに春香は未来へ、希望の光。
小五郎すら、あの場で言ってたがなぁ…
あの大久保利通!!
更に俺まで、かよ!?
歴史とも全く関係ねぇ!!
史実を除いた記録でだぞぉ?
幼名は判るが。
その歴史、史実以外でだったろうがぁ!!
好物だの、趣味だの、もう全く関係ねぇ!!
そんな事まで未来へ…
残ったらしい下らねぇ記録!!
まぁ、俺すら驚きしかなかったが。
何で小五郎の記録だけ!?
何もねぇんだよ!?
しかも春香すら凄く不思議な顔でだぁ?
本当に知らねぇだと?
更に小五郎のかぁ!?
史実は多過ぎて有名だと?
未来では知らねぇ人が居ねぇと?
にも関わらず。
何で小五郎の記録だけ一切!!
何も出ねぇんだよ!!
少し考えれば判んだろうがぁ!?」
晋作の言葉を、すぐ考えるが。
あの時か。
未来が変わる確信を、確かに。
私も、したな?
それに私が、だろう?
別に居れば知る事もないと。
春香にも言ったが…
未来が変わるのも充分、判る。
だが、私の記録だけは…
私も思い出しながら…
「春香は、そう、だったな。
晋作の事すら簡単にか?
納得しながら言ったが、あれだろ?
まさに長男で、唯一の跡継ぎ。
しかも、あれは…
晋作が、無視された武士へ。
もう怒鳴り付けるだけでもなかったろ?
確かに土下座まで、させたか。
それが記録に残されたらしいな?
なぜか刀の事まで春香は、言った上に…
晋作の趣味には、まぁ、私でも笑ったが?
詩や、酒だ。
更に、女だと?
だが、あれも晋作が、だろう。
一時期、花街ばかりへ。
良く行ってたからか?
完全に違う意味でと、恐らく?
記録として残されたらしいが…」
そう言うと晋作は首を横に振ってから…
微妙な顔になるのも見たが。
「だから待てぇ、小五郎!!
俺の趣味だとぉ!?
春香にも、あの場でだぁ!!
俺の趣味に女は、ねぇんだよ!!
まぁ、一時期?
行ったのは、確かに認める。
だがなぁ!?
そんな事のせいでか?
俺は何かぁ?
春香に、だぞ!?
普段から夜に隠れて女遊びしてると…
もう完全な誤解まで…
真っ先に、それだけは、すぐ!!
否定したぐれぇだぁ!!
どれだけ記録で残ってるんだと。
俺すら全く判らねんだぞ?
それだけ多過ぎる記録に、かぁ?
予測でも他の皆すら趣味ぐれぇ…
春香は記録として知ってるんだぞ!?
そんなに残されてる記録の中で…
小五郎に関してだけ!?
何も、ねぇんだぞ!?
つまり…
春香と小五郎が!!
出会ったからこそ!!
未来へ、だけじゃねぇ。
未来も含めた小五郎が!!
だろうがぁ!!
既に変わってるんだよ!!」
晋作の大声と、その内容に動揺しかない。
「な、私も、だと!?
春香で、未来が、変わってるのは…
そう、だろうが。
私も!?
春香で、か!?」
だが、春香は…
いや、どうなって…
「当然だろうがぁ!!
もう小五郎だけ!!
あんな僅かで、だぞ?
俺すら簡単に春香は…
しかも誤解までかよ!?
俺は、されたのにかぁ!!
なぜ小五郎だけ記録が、ねぇだとぉ?
そんな事は、一つしか、ねぇのにかぁ!!
すぐ判るぞ、おい!!」
どうにか意味は気付いてもだった。
そのまま…
「いや、待て、晋作!?
一応、意味は、か?
私でも判ったが。
だが、春香は…
何も判ってないのだぞ!?
それなのに…
私が?
私も勝手になど出来…
いや、違う!?
しない!!
だが、春香を!?
私で、それは…」
「くっ…
はははは…
こんな事、私は耐えらない。
あの大久保すら漬物と茶か?
全く史実すら無関係の質問で…
完全に動揺どころでもなかったが。
それを、高杉さんもと?
はははは…
桂さんの記録のみ、ないと?
ならば明確にも関わらず。
それすら桂さんは気付かず?
ははは…
しかも高杉さんは…
大久保と同じで趣味を、か?
更に、女だと?
くっ。
見てなくても私は、高杉さんが…
完全に慌てるどころでも、ない姿が浮かぶ。
そして桂さんのみ。
そして春香さんには、やはり桂さんのみ。
だから記録すら未来へ。
一切、残される筈もない。」
武市の声で見ると既に笑いを。
耐えられない様子にも見えたが。
「桂さん?
既に未来の中でも、だろう?
変わった中でも、やはり春香さんには…
桂さんしか居ないのだよ?
だから史実以外の記録さえ残る筈もない。
今すら変わってる歴史なのだよ?
春香さんの場合。
もし未来へ、戻れる時。
つまり未来ではなく、桂さんを。
桂さんのみを選ぶからこそ、だろう?
まぁ、それも、また…
無自覚だが。
そんな桂さんも同じで、か?
くっ、ははは…
無自覚で春香さんのみ、と?
更に、さっきも言ってたが…
他の男になど、任せられないのだろう?
はははは…
これは本当に…
大久保の言う通り、どちらも無自覚と?
確かに想像だけでも笑えるな…」
武市の意味も判って私は目を閉じた。
ふと、また私には春香の…
だから…
「武市君?
更に他の皆へ、も同じか?
もう、そうだな?
私も、だろう。
ならば春香の言葉を、そのままだ!!
『ちょっと待ったぁ!!』
『既に嫌がらせだぞ?』
『これは言えん。』
全て今の私にも当て嵌まる!!
皆も春香を、知ってるだろう!?
既に、美しいだけでもない…
あの優し過ぎる春香が、私へ。
どれだけ無防備で!?
更に毎日、私が、なのにかぁ!!
それだけでもなく?
どう春香へ、と言えば…
いや、どう教えれば良いのだ!?」
叫んだ瞬間、皆が一斉に笑ったのも判る。
だが、また…
「小五郎!!
あはははははっ!!
まさに、そうだな?
春香は、小五郎に、かぁ?
完全に無警戒どころじゃねぇし?
あはははははははっ!!
小五郎からも?
言えんよなぁ?
しかも、あの春香だぞ?
あはははははっ!!
毎日、俺は愉快のみ!!
くっ、あはははは…
だから頑張れとしか…
言えん!!」
晋作の意味も判るが。
私は無言のみ。
「桂さん、それは…
あの場で春香さんが…
くっ…
はははは…
言ってた言葉を?
確かに?
大久保も、そうだろうな。
想像のみで判る上に…
もう私すら耐えられん!!
ははははは…
しかも教えると?
あの春香さんへ?
私にも、それは難題だからな?
くっ、はははは…
桂さんが?
ははは…」
武市の意味も充分、判る。
春香へ、だぞ?
もう難題どころではない!!
だが、私も無言で耐えるのみ。
「わはははははっ!!
ワシも無理ぞ!!
耐えられん!!
あの桂さんがちや?
もう気付いちょらんのにもやぞ?
春香さんへと?
あげな本気なのにやぞ!?
さっき見ちょったきな!!
しかも刀までやったし?
すぐやったがの?
まっこと春香さんは凄いだけやないき!!
やけんど桂さんの気持ちも判る!!
あの桂さんが春香さん、やろう!?
げに可愛い女子やし?
しかも可愛いだけやないき?
まっこと優しいのも判る!!
そがな春香さんを?
やはり桂さんが…
ワシャ羨ましいだけかの!?」
坂本まで!?
私ですら咄嗟に刀を。
否定も出来んが。
そう…
あの春香は美しいだけでもない!!
優し過ぎるのも充分、判ってる!!
だが、そんな春香は…
いくら実年齢が、大人でも…
「ははは…
俺も限界…
でも桂さんだったら…
大丈夫です。
俺も安心…
春香さんも安心…」
岡田の笑いを、更に耐える声にと私は…
流石に我慢も出来なくなる。
目を閉じたままだが。
「岡田君!?
何が、どう大丈夫だと!?
身の安全は確実でも、だぞ!!
この場でも良いが、春香へ?
そんな難題を、かぁ!?
私には、そっちの糸口も判らん!!」
もう大きく言うと…
また皆が、一斉に笑ったのに気付く。
「あはははははっ!!
止めろ、小五郎!!
俺を。
笑い殺す気か?
あははははははははっ!!
俺にもだ!!
春香へ?
無理だな、全く判らん!!
だが、小五郎には…
あははははっ!!
未来の糸口と同じかぁ?
そうな、そっちも…
春香の?
あははははははっ!!
もう俺は駄目だ…」
晋作以外も、それぞれ笑って言ってくるが。
私は全て、目を閉じて無言のみ。
皆の意味も充分、私には…
もう判ってるが。
それでもだぞ!?
あの春香へ。
私が、どれ程か!!
やはり皆は、判ってないだろうがぁ!!
だが、春香も、徐々に?
なのだがなぁ…
**************************
その後、どうにか皆が、だった。
笑いを耐えて藩邸からは去ったが。
話し合いは常に…
更に春香の言動へと、逃さず。
注意する事もだった。
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