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第一章:深い闇からも必ず。
13.判ってるからこそ、手段すら厭わない賭け。
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桂さんに前、言われた通り店巡り中だが。
やっぱ…
歩き難いっつうの!!
こんなん靴にする意味ねぇよ!?
いつも少し前で歩く桂さんを見る。
多分、桂さんは…
そう考えると私は悪い気分になる。
だから…
「なぁ、桂さん?
いつもだが。
やっぱ…」
そう言うと桂さんは振り向いたのも私も見るが。
少し不思議そうな顔でしかなかった。
「どうかしたのか、春香?
いつもと?」
私は少し考えるが。
桂さんは優しいからなぁ。
しかも忙しいんだろ?
んなのに…
私にまでかよ…
少し下を向いて言う。
「いや、そのなぁ。
やっぱ私が居ると…
桂さんのかぁ?
気分転換してぇのも判っけど。
私が居たら…
余計、邪魔だろ?」
「な、春香が邪魔など!?
私は思った事もないぞ!!
なぜ、急に…
どうしたのだ?」
すぐ近付いて目の前に桂さんがきて私に言ってくるが。
んん?
判ってねぇのかぁ?
やっぱ優し過ぎんだろ。
でも、そりゃ…
私は少し首を横に振る。
下を向いて、そのまま言う。
「そりゃ…
私も店とか、まぁ…
見んのも楽しいが。
でも桂さんは…
いつもかぁ?
私に合わせて、だろ?
こん下駄みてぇなの。
歩き難いのもあんが。
もう単純に…
足手纏い、だろ?
一応、私でも判っし。
私が居たら…
桂さんのかぁ?
気分転換の意味も…
ねぇだろ?」
「えっ、何を春香?
歩き難い理由は判るが。
だが、私を、か?
足手纏いになど考えた事もないぞ!!
なぜ、そんな事を。」
そこで私も、また桂さんを見るが。
少し慌てながら言ってきた。
桂さんは…
やっぱ…
「でも桂さんは気付いてねぇかもだが。
わざと、だろ?
私にと歩くペース、あ、いや。
歩く速度までかぁ?
合わせてんだろ?
んな事までしてっと…
桂さんの気分転換すら何ねぇ、だろ?
一応、もう…
私でも藩邸だかの場所。
こっからの道も覚えてんし?
別に私一人でも藩邸にぐれぇ帰れっから…
桂さんの気分転換に私じゃ、逆だろ?
んな気を使いながらじゃ…
何も意味ねぇし、桂さんは他の人とかかぁ?
その方が桂さんには良いぐれぇ判んよ。
普段だって忙しいのもだし?
私は邪魔したかねぇ…」
桂さんは凄く驚いた顔になるのも見たが。
すぐ複雑な顔にもなった。
「春香は…
そんな事まで私に、か?
だが、私は春香を一人になど。
約束してるだろう?
したくないのだよ。
それに女子へと、ならば歩くのにだ。
合わせるのが普通の事。
それなのに…」
んん?
普通だぁ?
私は疑問だけ言う。
「桂さん、そりゃ…
何が普通って?」
そう言うと桂さんは少し驚いた顔もしたが。
少し考える様子で…
「いや、春香?
女子ならば歩く速度が、だろう?
違うのが普通だが。
春香は違うと?
普通では、ないと思うのが…
私には判らないのも…
違うと、なぜだ?」
んん?
違うと?
なぜだぁ?
一応、考えるがサッパリ判らない。
そのまま考えながら私も言うが。
「いや、桂さんの普通が判んねぇが。
んなの変だろ?
女だの、男だの、歩くのにかぁ?
どっちも同じだし?
常に片方ばっか合わせんのは違うだろ?
一緒に歩くのが普通だぞ。
んなの歩く事以外でも当たり前だろ?
同じ人間だし?
全員が、まぁ…
えっと、桂さんに判り易くなら…
得意な事も、苦手な事もかぁ?
人それぞれだろ?
違うぐれぇ普通、判んだろ?
二人でなら尚更、余計、変じゃねぇか。
片方ばっか合わせてたら平等でもねぇ。
片方ばっか負担するだけだし?
この時代じゃ常に平等でもねぇからか?
全く判んねぇが。
私は普通に桂さんと同じペース、あ、いや。
同じ速度でかぁ?
普通に歩きてぇだけだが。
こん下駄は歩き難いから出来ねぇし?
同じじゃねぇなら駄目だろ?
桂さんばっかじゃねぇか。
んなの普通、桂さんが大変なだけだろ?」
今度は桂さんが凄く驚いたまま…
「常に平等!?
だからか!?
春香は、つまり私と一緒に?
歩きたいと?
未来は…
いや、具体的には聞けないが。
男女すら普通に…
一緒に歩いてたから、か!?」
私は不思議に思いながら、驚いた桂さんに聞く。
「んん?
どして桂さんが、んな驚くんだ?
そりゃ普通だろ?
仕事とかじゃ、まぁ…
いくら男女平等でもかぁ?
力仕事に関して女じゃ…
やり難いから平等までは出来ねぇがな?
だが、同じ人間だぞ?
頭脳も同じだし?
勉強、あ、えっと。
学べば誰だって変わんねぇだろ。
仕事でも似てんが、男だの、女だの。
学べば人それぞれ同じだろ。
私は歴史は嫌いだが、好きな人も居るし?
逆にがい、いや他国の言葉か?
私は好きでも、苦手な人も居んのも同じだぞ。
得意、不得意は誰だって、あんだろ?
この国は致命的だが。
他国じゃ当たり前だぞ?」
桂さんは驚いた顔だったが。
すぐ考える様子もした。
私も見てたが桂さんの普通が判らない。
そのまま見てると…
「春香の言う通りだな。
だが…
一つ、春香に聞いても良いか?
歴史でもないが。」
私も考えるが。
歴史じゃねぇならと思いながら頷くと。
桂さんは考える様子で聞いてきた。
「さっき春香の言ってた…
致命的とは?」
んん?
さっき?
あぁ、外国の!!
世界史関係だから私も問題ないと判る。
だから笑って普通に言う。
「そりゃ、簡単だぞ!!
桂さんは普通にしてっからなぁ!!
逆にスゲェんだが。
女を大切にしねぇ他国も少ねぇからだ!!
どんな他国もかぁ?
普通は女を。
大切にすんだぞ!!」
凄く桂さんは驚いた顔になったのも見たが。
でも外国の話は私も好きだし?
桂さんは男女関係ねぇ!!
皆をだしなぁ!!
だから嬉しくて笑って続けた。
「あははははっ!!
桂さんは私みてぇなのまでなぁ?
でも、そう!!
皆へだし?
そりゃ驚くよなぁ!!
やっぱ桂さんが正しいんだぞ!!
だからスゲェんよ!!
んな当たり前な事すら判ってねぇクズ共ばっか?
しゃあねぇがなぁ?」
「ま、待て、春香!?
私が凄いだと?
いや、それより当たり前だと?」
私は普通に笑って思い出しながら言う。
「んだぞぉ!!
桂さんはスゲェ優しいし?
嘘も言わねぇし?
めっちゃスゲェだろ!!
がい、いや、他国はかぁ?
真っ先に女を!!
普通、大事にすんのも当たり前だな!!
そりゃ、そうなぁ…
そもそも、女が新たな子を。
未来へと真っ先に繋がる存在だぞ?
そんな女達が、だぞ?
望まなかったらかぁ?
国どころじゃねぇだろ!!
男だけじゃ国すら滅びるのみ!!
んで、何だぁ?
この国は男尊女卑?
しかも男が、常にだぁ?
力ばっか、んで強引にかよ!?
私にもだったが、負ける程度の雑魚!!
んな馬鹿な男共は、いっつも言うぞぉ?
女には負けねぇってなぁ?
マジで馬鹿かって思うぞ!!
結局は力じゃねぇか?
んで、負ける雑魚共は驚いてかぁ?
あははははっ!!
まぁ、大抵、話した事すらねぇし?
所詮、外見のみ!!
私の事は何も知らん!!
驚いて逃げるのみ!!
そんな雑魚にはマジで呆れるだけだなぁ?
桂さんみてぇに話もしてこねぇよ!!
いつも俊介には怒られっけど…
あの俊介は変わらねぇし?
ちゃんと判ってたぞ!!
確かに怒ってくっけど?
どうせ春香と話した事もねぇ奴だったんだろってかぁ?
話せば春香は真逆だと判るからだってなぁ?
んな俊介も私には勝てねぇとしても?
責任感がハンパねぇから私には、お説教なぁ…
一応、私も判るんだが。
んな雑魚共は会話も、しねぇぞ!?
でも桂さんは違うだろ!!
真っ先に会話、いや、対話かぁ?
やっぱ違うよなぁ、おい!!
しかも私より強いのも判っし?
逆に優しいぐれぇだ。
必ず対話でかぁ?
すぐ力でも全く、ねぇし?
私みてぇなんまで世話までだ!!
更に皆まで考えるぐれぇだぞ!?
だからこそ、だろ!?」
「そ、それが致命的な…
しかも私を?
更に春香が…」
また桂さんは凄く驚いた顔もしたまま…
私を見てるのも判ったが。
嬉しくて笑って言う。
「あははははっ!!
桂さんがスゲェ理由が判んだろ?
んな私にまで、かぁ?
この時代じゃ、まず居ねぇだろ!!
私より強いんだぞ?
だったら私は普通、負けるのみ!!
んなのに会話、いや対話かぁ?
真っ先に、だぞぉ?
尚更、スゲェ理由になぁ!!
私すら納得すんだ!!
やっぱ違うよなぁ!!」
そこで桂さんは首を横に振った。
更に目を閉じた、そのまま…
「確かに致命的な…
そんなのまで春香が…
だが、私へ。
なのに、か…」
んん?
どったぁ?
でも桂さんは目を開けて少し笑いながら…
「いや、春香の言う通りだと良く判った。
そして私など凄くないよ。
春香の言う通り、当然だろう?
更に春香が優しいのも私は充分、判る。
本当に、なぁ…」
そう言いながら私の頭を優しく撫でるだけ。
また私は不思議な感覚だった。
でも…
「桂さんの方が優しいんだぞ!!
私みてぇなんにかぁ?
痛くしねぇし?
嘘も言わねぇ!!
私が出来る事すら判んねぇが。
困ってたら私も桂さんは手助けしてぇぞ?
まぁ…
具体的な事は、やっぱ判らんがな。」
そのまま言っても桂さんは変わらず。
頭を撫でながら笑って言ってきた。
「春香はなぁ。
そうして笑ってる方が良いと…
私にも判るのだよ。
春香が笑うのならば…
私も頑張れるのだからなぁ。」
不思議に思いながら、そのまま言う。
「んん?
桂さんは充分、もう頑張ってんじゃねぇか?
あんま、こん詰めるかぁ?
余計、駄目だぞぉ?
大変だろうし。
まぁ、私が言えんのは…
そだな!!
桂さんは大丈夫だってぐれぇだぞ!!」
桂さんも少し笑うのは見れた。
そんな桂さんが私に…
「そうか?
だが、これは春香も、だろう?
充分、私には頑張ってるのも判るのだよ。
すぐ無理なのは誰もが同じ。
それを、だろう?」
私も、かぁ?
同じと!?
でもなぁ…
少し私は笑う。
「いんや、私の方はかぁ?
まだ不思議な感覚が判んねぇし?
まだまだってなぁ!!」
「だが…
最初より春香は充分、変わったよ?
良く笑う事も…
私は見てるから尚更か?
春香が徐々に頑張ってるのも判るのだ。」
桂さんが優しく私に言ってきたが。
少し考える。
んん?
また徐々に、かぁ?
でも確かに…
桂さんは最初からだし?
私よりだから…
「だったら良いが。
桂さんが言うならかぁ?
嘘じゃねぇし?
私も頑張れてっなら、もっとだなぁ!!」
納得しながら私も笑って言う。
「春香は普通に私へまで…
そう、春香は何も悪くないのだよ。
頑張るのも良いがな?
だが、徐々にで良いのだから…
もう私は、そうして笑う春香が嬉しいのだ。」
そう言いながら桂さんは優しく笑って。
私へ言ってきたが。
そんな桂さんを。
私は見ながらも判らない感覚ばかり。
でも桂さんは間違えてねぇし!!
スゲェのも本当なんだぞ!!
「さて春香。
暗くなる前に藩邸へ戻ろう。
今夜は慣れない履物で疲れただろう?
もう春香は痛くない。
そして安心してて大丈夫だよ。」
それから少しだけ私の頭を。
また優しく撫でると、やっぱ…
ゆっくり歩き出したのも私には判った。
もうなぁ…
私からしたらかぁ?
桂さんがだぞ?
着いて行く中でも私は考える。
まぁた無茶したら困っし?
どうすっか、まだ…
私には判んねぇし?
これ以上かぁ?
心配すらさせたかねぇんだが。
どうすりゃ良い?
もう考え続けるだけな私だったが。
藩邸へ戻っても変わらず。
一応、徐々にと。
それだけは思いながら部屋でも考えるが。
判らない事で不貞寝した。
**************************
一方、桂小五郎。
すぐ気付いた事でもあった。
また日数もない中で未来へ話し合う為。
春香の寝てる時間ではあるが皆を集めた。
深夜にも関わらず。
全員が集まってたのにも判る。
もう薩摩の件、仕方がないと判断もした。
そして相手を考え文を出して集まった皆を。
確認する。
坂本、武市、岡田は全く問題ない。
晋作も私もだ。
だが、更に話でも出されてた。
仕方がないとは言え…
やはり…
『中岡慎太郎』か。
皆から既に話を聞いてる筈。
それでも…
「桂さん。
龍馬達からも充分、話も聞いてる。
桂さんすら嘘もない。
ですが薩摩藩側からならば余計、危険に…」
確かに言う意味も判るが。
あの春香を!!
絶対に守る事すら私も変えない!!
今の春香ならば尚更だ!!
「理由も充分、判ってる事。
だが、中岡君。
既に最初から私も言ってるが…
その場には私も勿論。
そして春香も同席させる。
一切、変える気もないのだ…
私だけでもない事。」
どうしても怒りが湧き上がるが。
必死に抑えて言う。
中岡も察して止めるのも見た。
「小五郎。
この場では中岡以外、既に判ってる。
まずは落ち着け。
そして、この時刻ならば…
新たに春香から、だろう?」
晋作の声で視線だけ向けるが。
目で意味も理解してるのも判る。
再度、全員にも視線のみ。
「そう、春香は学が多い。
だから徐々にしか聞けない。
だが、これは僅かに未来への糸口と私も確信した。
どうしても予測しながら考えなければ…
確かに致命的だとも判断したからこそ。
忙しいのも判ってるが坂本君達もだった。」
すぐ武市がだった。
「桂さん。
確信とも言ったのならば…
私でも春香さんの事を優先したい。
そして充分、判ってる事でもある。
薩摩との件も重要だが。
先に私は糸口が知りたい。」
中岡だけが僅かに視線で坂本を。
そんな坂本も中岡へ目すら変えた。
「すまんの、中岡。
薩摩でも慎重なん判っちょる。
ワシかて、そうじゃき。
やけんど、春香さんの方やぞ?
幕府に関してはの。
まんま言うが怒りなさんなや?
武器だけで、どうにでも動けるんよ。
じゃが…
未来に関してワシすら譲れんのちや!!」
「龍馬、武市まで…
嘘がないと判ってても…」
そこで中岡も含め全員の視線に気付く。
私は息を吐き出してから目を閉じた。
冷静に頭の中で纏める。
そのままで怒りを抑えて言う。
「私でも驚く事だった。
だが、春香の言った内容も含め私でも納得した。
この国と、他国での致命的な部分にもだ。
春香の言葉を、そのまま皆に言う。
『この国は致命的だが。
他国じゃ当たり前だぞ?』
と、更に追加で言った事で明確。
『女を大切にしねぇ他国も少ねぇからだ』と。
驚いたが、私は理由を聞いた時。
春香は簡単に言った単語。
それは『男尊女卑』と。
つまり、この国で致命的な点。
常に男が有利であり、女を無下にしてる事。
その場で春香は簡単に理由までも言ってたが。
他国は真っ先に女を普通。
大事にするのも当たり前と。
更に笑って普通に言ったが、もう明確!!
『そもそも女が新たな子を』と。
『未来へと真っ先に繋がる存在』と。
『そんな女達が望まなかったら』と。
『国どころじゃねぇ』と。
『男だけじゃ国すら滅びるのみ』と。
これで皆にも判った筈。
今でもだが、これならば過去まで含まれる。
この国での最大の致命的な事だ。
逆に他国側は理解してるからこそ。
女を大切にしながら守るのに対して…
春香は普通に言ってたがな。
私は怒りすら湧いた。
『力ばっか、んで強引にかよ』と?
春香に関しては武術の心得がある。
だから自己防衛で対処を。
『んな馬鹿な男共は、いっつも言う』と?
『女には負けねぇ』と?
『結局は力じゃねぇか』と?
もう多すぎるが、まだだ!!
『負ける雑魚共は驚いて』と?
『大抵、話した事すらねぇ』と?
『所詮、外見のみ』と?
『私の事は何も知らん』と?
『驚いて逃げるのみ』と?
『そんな雑魚にはマジで呆れるだけだ』と?
『桂さんみてぇに話もしてこねぇ』と?
『雑魚共は会話も、しねぇ』と?
決定的でもあったが、こんな事を。
もう私に限らない!!
どれだけ愚かな事ばかり…
常に春香へか!!」
そこで私は目を開けた。
全員が驚いてたが。
もう私は想像しただけで…
完全に怒りが抑えられなくなる。
「ふざけるなぁ!!
これだけ簡単に言うならば!!
春香の意味すら、また変わるのだぞ?
春香の居た未来でも、だろう!?
つまり常に男が、女を?
力で、ねじ伏せてか!?
春香が強さに拘る理由も増えるのみ!!
自己防衛だと前に皆へも伝えたが…
あれすら団体で囲まれるからだと?
逃げ場がないからだと!?
春香の言葉ならば、人間の本質は欲のみ!!
ならば男が、見目の良い女を。
欲のみかぁ!!
狂ってる未来では更に酷くなるばかり。
己の子すら簡単に気分次第で痛め付け…
不要だと命としても扱わない。
大きな問題に気付いても、わざと解決しない。
この国より他国の方が良いと言われても…
もう当然だぞ!!」
「小五郎!!
抑えろ!!」
晋作の声で僅かに見るが。
目を閉じてても怒りを抑えてたのが判る。
どうにか私も息を。
それから皆を再度、見て冷静に…
だが、感情を抑えたからこそ淡々と言う。
「あぁ、判ってる。
どれだけ狂った国へ、なるかもだ。
簡単に判る。
そして春香が簡単に、この国を。
他国の方が、だろう。
今すら他国。
未来でも他国。
もう完全に皆も許せる筈がないだろう?」
「なぜ…
この国が、そんなに…
なるのだ…
桂さんは糸口の可能性と言っても…
更に原因が判らねば?
だから龍馬達も、か。
俺達は、そんな未来へだけは…」
中岡だけが必死で考える様子で言ったが。
皆は無言で私を見てた。
だが、武市だけが目を閉じて言ってきた。
「桂さん…
春香さんが、そう言ったのだな?
そんなにも狂うと…」
どうにか怒りを抑える。
思い出しながら言う。
「そうだよ、武市君。
だが、僅かに春香は希望も言ってるのだ。」
武市も含め全員が、また私を見たのに気付く。
すぐ思い出しながら、そのまま言う。
「春香が居た未来でも、だろう。
流石に予測しか出来ないが。
これは春香を助けた側。
つまり、正しい方が、だと私は思う。
狂った国の中で必死で動こうとする者達がだと。
その言葉が『男女平等』と、だった。
だが、今すらも、だろう?
恐らく未来で、どれだけ学があってもだ。
争いとも違うが、容易にはない筈。
それすら春香の言葉で判る事。
そのまま言う言葉で判る。
『学べば人それぞれ同じ』と。
『力仕事に関して女じゃ、やり難い』と。
『平等までは出来ねぇが』と。
『だが、同じ人間』と。
『頭脳も同じだし』と。
『学べば誰だって変わんねぇ』と。
『男だの、女だの』と。
春香は普通に言った。
それでも、この国の場合。
今すら他国に騙されてる事に気付かず。
明確な致命点すら続けながら…
技術も含めるが、更に学。
狂った中に残った、この国で正しい側。
どうにか出した答えであってもだ。
難しい事も明確だろう?」
「確かに小五郎の言う通りだろうな。
更に補足するならば俺達が幕府を。
また国をだ。
どうにか纏めたとしても…
技術に関して、また他国に騙されながら進んだ先。
ならば今度は国同士になる。
他国との争いも避け続けながら…
狂ってく国内まで正そうとする行為。
春香以上に学があってもだ。
容易に出来る筈もない。」
視線でのみ晋作を見るが。
明らかに考えてるのも判る。
「桂さんの言った予測だが。
私も同じ、この国で残る正しい側が、だろう。
また高杉さんの言った事もだ。
そこまでになれば恐らく…
争いなどよりも学のみ…」
武市の声で見れば目を閉じてたが。
そのままで言ってくる。
「既に技術がある。
この国の場合、小さいのだぞ?
尚更、争いは外交だったか?
国同士で学、争いは、一切せず。
常に避ける中で、狂ってく国内を。
それすらも武力は使えないで、学のみ。
その男女平等として国内を。
纏めながら全て、『学のみ』でしか動かせない。
今の、この国すらも危機的だが…
こうなれば更に難しい。
だが、武力に関して僅かでも出してしまえば…
暮らす民への被害が甚大なのも明確。
だからこそ止められない状況か。
もしかするとだが、追い付いてない。
だとしたら最悪…
春香さんと似た者達が他にも居るのだ。
その者達を保護しながら…
他国の相手、国内すらもになる。
必死に足掻いても、もう間に合ってない結果へ。
だが、今ならば春香さんの存在で私達が、だろう。
他国の思惑には既に判ってるのだ。
確かに糸口だが、幕府には武力でも可能。
まだ何か足りてないのだ。
それを解決させるのすら学のみ!!
私ですら、やはり、まだ…」
そこで武市から殺気が漏れたのに気付くが。
ふと私は、また春香を思い出す。
更に判った事に少し笑いながら言う。
「武市君、気持ちは良く判るが。
恐らく、それも春香が…
既に言ってたぞ?」
武市が僅かに驚きながら目を開けた。
私が晋作を見れば同じで驚いてたが。
「晋作も一緒に私とだよ。
春香から聞いただろう?
あの時は私も驚いたが。
春香の意味にもなるぞ?」
「小五郎…
俺にも春香が?
一緒にだと!?」
春香を思い出せば全て、そう…
私は少し笑う。
本当に春香は最初から…
ずっと私達に嘘すら言わないのだな。
それなのにか?
私は武市に再度、向くと驚いたままだった。
少し笑って言う。
「春香はな。
本当に私達へ最初からだ。
全く嘘を言ってないのだよ。
まだ春香を保護して…
すぐだったか?
新撰組へ注意の時。
春香から言われた言葉があるのだ。
それは、きっと…
坂本君も言われてる事。」
「ワシも!?」
凄く驚いた坂本が見てくるが。
私も思い出しながら言う。
「そう、春香も言ってた事。
一番それが難しいのだと。
そのまま言うが、私すら驚いたから覚えてるよ。
『全ての武力の放棄を先にとだ』、とね。」
全員が驚いた顔になったが。
晋作だけが思い出した様子で…
「あの時か!!
そうだ!!
確か春香が笑って…」
私も晋作へ頷くが。
思い出す為、目を閉じた。
そのままで私も言う。
「既に春香が言ってた事だよ…
確か本来ならば誰も持っては駄目だと。
最初から春香は世界の事も言ってただろう?
この国に限らないと。
そもそも武器や暴力を常に持ってるからこそ…
何かあれば同じだと。
気に入らないなら攻撃をするとだった。
だが、どちらも同じだともな。
だから最初から何も持ってなければ…
何かする前、真っ先に話し合いをするだろうと。
そして皆が一緒に決めていくのだと。
だが、それが一番、難しいと。
結局、皆が強いまま欲ばかりで変わないと。
だからこそ世界すら同じだと。
平和や幸せを春香が望まないと言った理由だ。
常に力を持っており…
更に隠しながら、いざとなれば一瞬で壊すのみと。
そして一人の力では絶対、無理だと。
結局は一番、簡単な方法を皆は選ぶだけと。
それが武力、力だと。
だからこそ常に武力を皆が使うと。
簡単に変わらないとも春香は言っていたか。
どんなに頑張っても難しいどころじゃないと。
言葉だけでは誰も、何も動かないと。
あの時は晋作も、だろう?
私も驚くだけで全く判ってなかったが。
春香が世界を知ってると今ならば意味も判るな。
春香の居た未来では、この国程度。
数発の攻撃で消えるのだろう?
それすら外交として国同士、防いでるのだよ。
それでも世界は常に変わらず争う。
この国も狂ってくからこそ…
最初の春香が出した答えに繋がる。
春香が出した答えが…
『幸せだの、平和だの、私は一切、望まねぇ』と。
『常に一瞬で壊れる曖昧なもの』とか?
確かに、その通りだろう?
未来では一瞬でだ。
この国は消される可能性がある。
それを防ぎながらも国内は狂ってくばかり…
あの時も春香は…
世界では国すら螺子だと言ってたな。」
私は目を開けると皆が無言で複雑な顔だった。
あんなにも優しい春香が…
やはり一番、傷だらけではないか。
思い出せば尚更もう溜息すら出る。
なぜ…
春香ばかり…
一応、話を続けた。
「今ならば、もう皆にも判るだろう?
春香は唯一の祖母すら失った。
ずっと理由も、何も判らないまま…
命すら判らない中であるのは苦しみと痛みのみ。
だが、あれ程の学だ。
そんな学ばかりか?
未来の狂った、この国を。
また全ての世界も知ってしまえば…
更に当て嵌まるのだよ。
生きる意味もない。
死ぬ意味もない。
何も変わらない方が良いのに…
皆が欲で変わってく。
だから春香は皆と同じにだけは…
なりたくないと。
つまり、武力や力、欲ばかり。
同じ様に使う人達には、なりたくないと。
そんな選択をする春香ならば…
誰よりも優しいのにか?
常に傷ばかりで誰も助けてくれないと?
だから諦めて一人を選ぶと?
『幸福』すら望まず、己まで螺子だと言う。
痛みすらも判らない程。
既に傷だらけで…
あれだけ私の前ですら錯乱するならば…
幼子でもある、あの春香も…
必死に最初は、ずっと泣き叫んでた筈だろう?
何も悪くないにも関わらず。
なぜ、あんなにも優しい春香ばかりなのだ?
もう私は、あんなにも悲しい顔の春香は…
見たくない。
そんな未来にも、したくない。」
全員が複雑な顔をしたのは気付いたが。
私は尚更、怒りとも違う感覚が湧いた。
やはり私は春香だけ…
どうしても他は考えられない!!
必ず助けると私も言ったが。
もう…
それだけではない!!
春香の為ならば、どんな事でも…
ならば!!
「坂本君、また中岡君。
私から頼まれてくれないか?」
そう言うと二人共が驚いた顔で見てきたが。
坂本が僅かに…
「か、桂さん?
頼み、じゃと?
しかも、そがな目は…」
私は睨みながら二人を見たが。
春香ばかり思い出す。
「あぁ、二人だけ…
賭けにはなるが…
もう私は許せない!!
なぜ春香ばかり!!
なぜ春香が泣くのだ!!
なぜ春香ばかり痛め付ける!!
ずっと春香を。
あんなにも悲しい顔の春香をかぁ!!
なぜ春香ばかり傷付けるのだ!!
そして春香は悪くない!!
もう私が春香を守るだけだぁ!!
絶対に傷すら付けさせん!!」
「小五郎!!
冷静に…」
「黙ってろ、晋作!!」
すぐ晋作の大声も遮る。
一応、晋作を見れば驚いてたが。
意味も充分、判る。
だが…
再度、皆を見れば同じ。
改めて二人へ視線を。
「もう最悪でも他国からの武器!!
それさえあれば…
幕府や薩摩など相手にもならない。
だが、史実を余りにも動かすのは…
春香の存在自体が危険になる。
だからこその賭けになる!!
それでもだ!!
あの春香ばかり傷付く!!
更に狂う国ならば…
既に春香だけではないのだぞ!?
新たな命は常に泣き叫ぶ国だと?
そんな事になるならば…
もう決めてるのだ!!
『春香には私の全て厭わない』と。
『必ず私が、するのみだ』と。
ならば手段すら問わない!!
だからこそ、可能性のある賭け!!
それは事前に『春香の事』を、薩摩へとだ!!
勿論、同席させる事すら私は一切、変えない。
二人から薩摩へと伝える事を頼みたい。」
凄く二人共、同時で驚いた様子もしたが。
すぐ私は坂本を見た。
気付いた事も判って続けた。
「坂本君が最も重要になる。
これは中岡君には悪いが。
そのまま言う。
中岡君には絶対、不可能だ。
そして坂本君にしか出来ない。」
「ワシがかや!?」
凄く驚いた坂本も見てたが。
中岡に僅か視線のみ、意味も判る。
確かに中岡の気持ちも判る。
一番、薩摩とだ。
尚更だろう。
だが、中岡は春香を。
意味すらだ!!
怒りを抑え、冷静になる為…
私は目を閉じて、また春香のみを。
言動も含めて考える。
簡単に判る事を先に言う。
「中岡君は春香と面識が一切ない。
いくら坂本君を含め、話を聞いてもだ。
この場に居る皆より明確。
今すら春香に関して一番、判ってない。
薩摩へ春香について説明など…
確実に不可能だ。
だが、坂本君は違う。
私と同時、春香と真っ先に面識もある。
その上で思い出したくもないが…
最初の春香までだ、坂本君は知ってる。
あの最初すら長州藩邸で春香が己自身を。
自らの腕を、切り付け笑う春香の姿…
苦しいより、痛い方が良いと…
それ以外でも多く関わってるからこそ。
坂本君にしか薩摩へと、春香の説明は出来ない!!
更に今から私が、春香の場合を言う。
薩摩との同席には気付かず。
まず坂本君と中岡君を、見てからだ。
これは武市君と同じになるだろう。
真っ先に坂本君のみ。
中岡君が一緒でも同じく、完全に無視する。
その場で中岡君が先に名乗っても…
春香へとだ。
疑いを僅かにしてれば見抜かれるのみ。
武市君すら瞬時に春香は見抜いた。
だが、その場で武市君は嘘を言わなかった。
そんな春香は、何よりも嫌うからこそ。
無自覚でも一切、嘘を言わない。
また岡田君の場合。
既に武市君から聞いてた事。
春香が気付いても動かなかった事。
やはり春香から話かけてないが。
岡田君が動いた瞬間、春香は警戒度を上げた。
だが、春香自身が新撰組から助けられたと。
武市君と共に居た岡田君の事を判断した。
それも大きいからこそ警戒度を上げた程度で済んだ。
だからこそ春香ならば…
中岡君へ真っ先に警戒度を上げて無言を。
中岡君の動きすら見逃さない為。
春香からは一切、話さない。
中岡君が疑う限り。
また下手な言動をすれば…
春香は一切、中岡君へ警戒すら解かない。
そのままでも坂本君や私が居れば…
一応、中岡君が居ても警戒のみ。
そして薩摩だ。
その場で、すぐ春香は気付く。
既に学すら高い春香は薩摩の二人を。
面識がなくても名は知ってる。
歴史を知ってるからこそ春香ならば…
気付いてから、まず確認する。
薩摩へすら春香は嘘も言わず。
驚きながら私や坂本君を見る。
そこで春香は更に、だろう。
判れば歴史へ関与したと判断する。
動揺しながら去ろうする。
私が止めれば、その場には残るだろうが。
何も言わない様にと両手で己の口を。
塞いで話さない為の行動をする。
そこから先は…
薩摩との内容次第、春香の予測は不可能だ。」
いくら私が考えても…
そう、春香の場合。
その先だけは全く判らない。
それでも私が、春香をだ!!
そう思いながら目を開けた。
皆が余りにも驚いた顔のまま…
無言で見てるのに気付くが。
思わず少し笑いながら皆へ。
「この場には中岡君以外か?
どれだけ春香が判り易いかも…
知ってる筈だろう?
簡単な事。」
だが、これだけは…
また私は坂本へ向いて見る。
坂本も気付いた時。
「坂本君しか居ないのだよ。
だが、私から先に忠告も含め補足する。
春香自身、いくら歴史が苦手でもだ。
既に学があると。
だから薩摩側、そちらが明らかな嘘を言えば…
すぐ見抜かれる上に…
もし私や坂本君が、だろう?
騙されそうになれば…
春香の場合。
もう怒鳴るどころでもない。
完全に薩摩を敵視する。
春香が嘘を嫌う理由も…
坂本君は知ってるだろう?
そうなれは…
最悪、もう私は春香のみ。
更に幕府と同時。
薩摩も攻撃対象のみ。
武器だけでもない。
私は気付いたが、春香の学。
完全に戦略すら含まれる。
そして簡単に見抜ける…
まして今まで薩摩が相手ならば…
私も一切、容赦しない。」
坂本が複雑な顔になって目を閉じた。
そのまま…
「桂さん。
ワシにも春香さんのや…
嘘を言わん理由、知っちゅう。
じゃから…」
目を開けて坂本が目すら変えたのも見た。
「ワシかて本気じゃき!!
春香さんは悪くなかとよ!!
薩摩にはワシがや!!」
そう言ったのも見た時。
「桂さん、龍馬もだが。
一応、確認だけ…
させてくれないか?」
武市の声に気付き見れば…
目を閉じてたが。
「二人が本気な事。
私でも覚悟も含め充分、してる。
更に判ってる。
だが、それは未来の為。
桂さんは言った、だろう?
春香さんのみ、と?
それは春香さんの居た未来。
その為も…
含まれてると。
私は判断して良いかな?」
すぐ武市の意味に私も気付く。
少し考えるが。
「武市君。
確かに私は春香のみと言った。
勿論、この国、その未来も含まれてるが。
逆に私からも武市君に聞こう。」
僅かに武市が目を開けた。
そう、私は春香の為…
だが私には、もう一つの意味を。
少し笑いながら武市に言う。
「武市君が言った言葉を。
そのまま私も聞こうか?
『この国は、どれだけ愚かな道を歩むのだ』とな?」
僅かに武市も驚いたのが判る。
すぐ私も続けた。
「今すら、では、ないだろう?
ずっと過去から…
今すら誰も気付いてないのだぞ?
それなのに、か?」
春香を考えれば尚更…
怒りが湧き上がるばかりだった。
だからこそ、そのまま武市を睨んで怒鳴る。
「皆が志の中でもだぞ!?
必死に命懸けにも関わらず?
誰も致命点すら気付かないだと?
そんな事ばかり続けた結果が春香かぁ!!
その先にある未来など…
もう狂った国では何に悪くない幼子が常にか?
この国に産まれた事だけで泣き叫ぶ未来か?
今まで死んでいく仲間達が…
一度でも望んだ事すらない未来へ!!
更に気付かず向かわせるのかぁ!!
そんな国は許されない!!」
武市が複雑な顔になると目を閉じた。
そのまま…
「私すら何も言い返す言葉も、ない。
だが…」
「だが、春香が唯一の希望、だろう?
武市君。」
すぐ判る事でもある。
だから私も、すぐ言うと…
武市もだった。
すぐ目を開けたが。
驚いた顔のまま私を見てくる。
少し笑ってから私は春香を。
そのまま言う。
「武市君、私も充分、判ってるのだ。
今すら許せない事も…
私は春香の為、それも全く嘘ではない。
だがな、春香は何も悪くないのだよ?
ただ、この国に産まれただけでか?
許せる筈もない…
だからこそ、私は春香でだ!!
最後にしたいのだ!!
あんなにも傷だらけで泣き叫ぶ春香を!!
何も悪くないにも関わらず。
皆が志した先にある未来…
だから私は春香のみ!!
その為にこそだ!!
その中に唯一ある僅かな希望すら春香なのだ!!
皆が本来、望んだ未来の為になる!!
そして私は諦めない。
この国に産まれただけで…
命すら判らず常に泣き叫びながら…
ずっと痛みと苦しみのみ受け続けた春香にだ!!
これ以上、傷など付けさせない!!
当然だろう!?」
武市が驚いた顔のまま…
「桂さんは…
それ程に…」
そこで武市は目を閉じた。
僅かに首を振ると…
そのままで言ってきた。
「あぁ、本当に、その通りだろう。
桂さんが一番、正しい答え…
私自身も再度、己に刻み込む為だけに言う。
桂さんの希望にも私は充分、判った。
更にある意味も含めてだ。
春香さんの為。
全ては未来の為。
この国が愚かな道を続けない為。
あれだけの苦しみと痛みばかり…
何も悪くないにも関わらず。
受け続けた春香さんが最後!!
それすら唯一の希望も春香さんなのだ!!
私も、そんな春香さんには一切、許さない…
これ以上の傷など絶対にさせん。
そして…」
武市が目を開けると私へ少し笑いながら…
「桂さんが春香さんを、だろう。
それすら一番、正しいな。
春香さんに相応しいのも桂さんのみ。
まぁ、今ですら気付いてない様子だが…
やはり春香さんを一番、理解してるのも桂さんのみ。
そんな春香さんを『幸福』に出来るのも尚更。
桂さんのみ、だろう?」
私でも武市の意味には気付くが。
また春香が浮かぶ。
僅か複雑な気分になりながらも武市を。
見れば少し笑ってるが、また…
「武市君、それもだが…
春香を知ってれば判る筈。
それすら私には簡単でも、ないのだよ?」
そう言うと中岡以外、全員がだった。
すぐ笑いを耐える様に私を見たのに気付くが。
「小五郎!?
それも俺にはだ!!
尚更、判るぞ!!
あははははははっ!!
そう、毎日なぁ?
俺は見てるから余計にか?
春香は無自覚だし?
仕方ねぇが。
毎朝の薬すら見てるだけで?
もう二人が判る俺は…
あはははははっ!!
先は長いが、頑張れ?」
晋作の意味も判るが睨むだけ…
それは…
晋作だけだぞ!?
「わははははっ!!
ワシもじゃ!!
耐えられん!!
すぐ判るきの?
あの春香さんやぞ?
その様子やろ?
そんで桂さんが、やろ?
くっ、駄目じゃ、ワシも!?
わははははっ!!」
すぐ爆笑した坂本も見る上に…
「俺でも…
やはり…」
武市の僅か横に居た岡田まで言う状態。
どうにか武市だけは耐えてるぐらいも判る。
目を閉じて私は叫んだ。
「あの春香を判ってるのにかぁ!!
全く私は笑えない!?
どれだけ私が毎日!?」
それから笑ってくる皆へ…
そのまま、また無言のみで耐えるが。
春香を浮かべれば、すぐだった。
徐々にでも春香は…
確かに?
だが、既に充分、美しく優しい上に…
余りにも私へ無警戒過ぎて…
どれだけか!!
皆すら判る筈もない!!
一応、そんな中でも薩摩との件を考える。
春香の場合、賭けだが、もう…
私は手段すら厭わない!!
必ず春香だけは守り抜く…
それこそ未来すら春香なのだ!!
まぁ…
先が長いのも事実か?
**************************
翌朝。
いつも桂さんから私にだった。
そのまま朝食も食べるが。
「春香、その薬が…
嫌なのも充分、判るがな?
良くなってる、だろう?」
そう複雑な顔で言ってくる桂さんを。
私は無言で一応、見ながらも考える。
良くなってんのは…
多分?
私でも判るが。
でも、この薬かぁ!?
違うんだろ!?
単純に、かぁ!?
食べてっからじゃね?
無言のまま私が見てると桂さんは…
少し困った顔になるのも見た。
「は、春香?
これはな?
土方君も春香の為、なのだよ?
私ですら何度も、言ってるが…
普通、薬は苦い…
もう少し春香が食べれる様になればな?
それだけで薬も、だ。
飲まなくて良くなるから…」
そりゃ…
桂さんにはなぁ…
ずっと世話になってんし?
いつも変わらねぇし?
私だって困らせたかねぇ…
もう諦めて私も薬を一気に飲むが。
やっぱ…
めっちゃ苦い!!
すぐ私は水や、お茶を何度も飲んだが。
それから目を閉じて、また思う。
あの土方さんはマジなぁ…
どんだけだぁ!?
毎日だぞ!!
薬ってか名前のかぁ?
んな新手の拷問を!?
今まで初めてだぞぉ?
そんな事も考えてる時だった。
「春香は頑張ってるよ。
薬も続けるだろう?
それとな、春香に一つ。
私から大事な話もあるのだが…
良いかい?」
んん?
あの桂さんが?
大事な話だぁ?
疑問に思いながら私も目を開けると。
少し笑って桂さんが言ってきた。
「実は近々、私は用があって藩邸から出るのだが。
その件についてだと長くなるかもしれない。
そんな時刻まで判らない中で、私がな。
春香を一人には、したくないのだ。
そして既に約束も、してるだろう?
それなのに、いくら春香が藩邸に居ても…
晋作には全く私は任せられない。
更に私が心配なだけで全く落ち着かないのだよ。
だからでもあるが。
そこで春香も一緒に私と来てくれないか?」
んん?
時刻まで判らないだぁ?
私も考えるが。
心配って私をかよ!?
まぁ…
でも桂さんからしたら…
一応、先に私は笑って見てるだけの高杉さんを。
見ながら思い出す事もあったが。
「ん、春香…
俺だって充分、子守ぐらい出来るぞ!?
それに小五郎の場合…
単純に過保護だぞ!!」
急に大きく高杉さんが言ってきたのも私は…
何も言わず、納得はするが。
いんや?
高杉さんの場合…
私の面倒よりかぁ?
私の荷物だろ!!
真っ先に興味ぐれぇ判ってんぞぉ!?
でも桂さんはなぁ…
優し過ぎんのもあっけど。
過保護か?
私との約束まで守る為なら嘘も…
でもなぁ…
また桂さんも見るが変わってなかった。
だから私も、そのまま言う。
「いや、桂さん?
約束も判っけどなぁ?
んならスゲェ大事な用事じゃねぇの?
具体的には判んねぇが。
んなのに私が居たら…
余計、邪魔だろ?
まぁ…
桂さんらしいっちゃ、らしいが。
私みてぇだとまでだと、もう逆だろ?
一応、高杉さんに関しての理由も判るが…」
「その場には勿論、私も居るが。
春香から特に何かする事もない。
だから大丈夫だよ。
ただ、まぁ…
少し退屈させるだろうがな?
私の側に春香が居るだけで充分、安心する。
一応、その場には坂本君も居る。
知らない者が居てもか。
私と坂本君で問題ないよ。」
そう少し笑って言ってきた桂さんを私も見た。
おぉ!?
坂本さんまでかぁ?
つまり…
この藩邸でしてたみてぇな?
話し合いが別の場所でかぁ?
でも桂さんからしたら…
長い時間、高杉さんのみだと。
心配すっからかぁ?
私は思わず笑った。
「あはははははっ!!
めっちゃ桂さんらしいが。
確かに?
最初っから高杉さんは、そうなぁ!!
怒られてたし?
桂さんからしたら余計にかぁ!!
んで私にまで…」
また一応、私も考える。
んな事まで普通、しねぇが。
桂さんもかぁ?
嘘も言わねぇし?
判んねぇ上に私から何もねぇ…
私は笑いながら…
「まぁ、一応かぁ?
私が言える事すらねぇが。
桂さんの理由には納得したぞ!!
具体的には、やっぱ?
判んねぇが。
単純に居りゃ良いだけかぁ?
普段から私の世話ばっかだし?
桂さんへ出来る事もねぇからなぁ。
んな事ぐれぇなら私も問題ねぇよ!!
気にすんなぁ!!」
「また春香は私に、か。
だが、私も、だろうな。
春香が一緒に居て笑うと…
安心するからね。」
それを聞いて私は普通に思う。
桂さんもなぁ?
やっぱ優し過ぎんぞぉ!?
私みてぇなんにかぁ?
今すら忙しいのに…
私が出来る事もねぇ。
なら尚更だろ!!
その時も不思議な感覚はある。
判らなくても今は…
せめて世話になってる桂さんへ。
私がすんのも、やっぱ当たり前だろ!!
それから桂さんが数日後だとも聞いた。
だが、私には何の用かまでサッパリ?
一応、邪魔だけはしねぇようにと。
それぐらいは思った。
やっぱ…
歩き難いっつうの!!
こんなん靴にする意味ねぇよ!?
いつも少し前で歩く桂さんを見る。
多分、桂さんは…
そう考えると私は悪い気分になる。
だから…
「なぁ、桂さん?
いつもだが。
やっぱ…」
そう言うと桂さんは振り向いたのも私も見るが。
少し不思議そうな顔でしかなかった。
「どうかしたのか、春香?
いつもと?」
私は少し考えるが。
桂さんは優しいからなぁ。
しかも忙しいんだろ?
んなのに…
私にまでかよ…
少し下を向いて言う。
「いや、そのなぁ。
やっぱ私が居ると…
桂さんのかぁ?
気分転換してぇのも判っけど。
私が居たら…
余計、邪魔だろ?」
「な、春香が邪魔など!?
私は思った事もないぞ!!
なぜ、急に…
どうしたのだ?」
すぐ近付いて目の前に桂さんがきて私に言ってくるが。
んん?
判ってねぇのかぁ?
やっぱ優し過ぎんだろ。
でも、そりゃ…
私は少し首を横に振る。
下を向いて、そのまま言う。
「そりゃ…
私も店とか、まぁ…
見んのも楽しいが。
でも桂さんは…
いつもかぁ?
私に合わせて、だろ?
こん下駄みてぇなの。
歩き難いのもあんが。
もう単純に…
足手纏い、だろ?
一応、私でも判っし。
私が居たら…
桂さんのかぁ?
気分転換の意味も…
ねぇだろ?」
「えっ、何を春香?
歩き難い理由は判るが。
だが、私を、か?
足手纏いになど考えた事もないぞ!!
なぜ、そんな事を。」
そこで私も、また桂さんを見るが。
少し慌てながら言ってきた。
桂さんは…
やっぱ…
「でも桂さんは気付いてねぇかもだが。
わざと、だろ?
私にと歩くペース、あ、いや。
歩く速度までかぁ?
合わせてんだろ?
んな事までしてっと…
桂さんの気分転換すら何ねぇ、だろ?
一応、もう…
私でも藩邸だかの場所。
こっからの道も覚えてんし?
別に私一人でも藩邸にぐれぇ帰れっから…
桂さんの気分転換に私じゃ、逆だろ?
んな気を使いながらじゃ…
何も意味ねぇし、桂さんは他の人とかかぁ?
その方が桂さんには良いぐれぇ判んよ。
普段だって忙しいのもだし?
私は邪魔したかねぇ…」
桂さんは凄く驚いた顔になるのも見たが。
すぐ複雑な顔にもなった。
「春香は…
そんな事まで私に、か?
だが、私は春香を一人になど。
約束してるだろう?
したくないのだよ。
それに女子へと、ならば歩くのにだ。
合わせるのが普通の事。
それなのに…」
んん?
普通だぁ?
私は疑問だけ言う。
「桂さん、そりゃ…
何が普通って?」
そう言うと桂さんは少し驚いた顔もしたが。
少し考える様子で…
「いや、春香?
女子ならば歩く速度が、だろう?
違うのが普通だが。
春香は違うと?
普通では、ないと思うのが…
私には判らないのも…
違うと、なぜだ?」
んん?
違うと?
なぜだぁ?
一応、考えるがサッパリ判らない。
そのまま考えながら私も言うが。
「いや、桂さんの普通が判んねぇが。
んなの変だろ?
女だの、男だの、歩くのにかぁ?
どっちも同じだし?
常に片方ばっか合わせんのは違うだろ?
一緒に歩くのが普通だぞ。
んなの歩く事以外でも当たり前だろ?
同じ人間だし?
全員が、まぁ…
えっと、桂さんに判り易くなら…
得意な事も、苦手な事もかぁ?
人それぞれだろ?
違うぐれぇ普通、判んだろ?
二人でなら尚更、余計、変じゃねぇか。
片方ばっか合わせてたら平等でもねぇ。
片方ばっか負担するだけだし?
この時代じゃ常に平等でもねぇからか?
全く判んねぇが。
私は普通に桂さんと同じペース、あ、いや。
同じ速度でかぁ?
普通に歩きてぇだけだが。
こん下駄は歩き難いから出来ねぇし?
同じじゃねぇなら駄目だろ?
桂さんばっかじゃねぇか。
んなの普通、桂さんが大変なだけだろ?」
今度は桂さんが凄く驚いたまま…
「常に平等!?
だからか!?
春香は、つまり私と一緒に?
歩きたいと?
未来は…
いや、具体的には聞けないが。
男女すら普通に…
一緒に歩いてたから、か!?」
私は不思議に思いながら、驚いた桂さんに聞く。
「んん?
どして桂さんが、んな驚くんだ?
そりゃ普通だろ?
仕事とかじゃ、まぁ…
いくら男女平等でもかぁ?
力仕事に関して女じゃ…
やり難いから平等までは出来ねぇがな?
だが、同じ人間だぞ?
頭脳も同じだし?
勉強、あ、えっと。
学べば誰だって変わんねぇだろ。
仕事でも似てんが、男だの、女だの。
学べば人それぞれ同じだろ。
私は歴史は嫌いだが、好きな人も居るし?
逆にがい、いや他国の言葉か?
私は好きでも、苦手な人も居んのも同じだぞ。
得意、不得意は誰だって、あんだろ?
この国は致命的だが。
他国じゃ当たり前だぞ?」
桂さんは驚いた顔だったが。
すぐ考える様子もした。
私も見てたが桂さんの普通が判らない。
そのまま見てると…
「春香の言う通りだな。
だが…
一つ、春香に聞いても良いか?
歴史でもないが。」
私も考えるが。
歴史じゃねぇならと思いながら頷くと。
桂さんは考える様子で聞いてきた。
「さっき春香の言ってた…
致命的とは?」
んん?
さっき?
あぁ、外国の!!
世界史関係だから私も問題ないと判る。
だから笑って普通に言う。
「そりゃ、簡単だぞ!!
桂さんは普通にしてっからなぁ!!
逆にスゲェんだが。
女を大切にしねぇ他国も少ねぇからだ!!
どんな他国もかぁ?
普通は女を。
大切にすんだぞ!!」
凄く桂さんは驚いた顔になったのも見たが。
でも外国の話は私も好きだし?
桂さんは男女関係ねぇ!!
皆をだしなぁ!!
だから嬉しくて笑って続けた。
「あははははっ!!
桂さんは私みてぇなのまでなぁ?
でも、そう!!
皆へだし?
そりゃ驚くよなぁ!!
やっぱ桂さんが正しいんだぞ!!
だからスゲェんよ!!
んな当たり前な事すら判ってねぇクズ共ばっか?
しゃあねぇがなぁ?」
「ま、待て、春香!?
私が凄いだと?
いや、それより当たり前だと?」
私は普通に笑って思い出しながら言う。
「んだぞぉ!!
桂さんはスゲェ優しいし?
嘘も言わねぇし?
めっちゃスゲェだろ!!
がい、いや、他国はかぁ?
真っ先に女を!!
普通、大事にすんのも当たり前だな!!
そりゃ、そうなぁ…
そもそも、女が新たな子を。
未来へと真っ先に繋がる存在だぞ?
そんな女達が、だぞ?
望まなかったらかぁ?
国どころじゃねぇだろ!!
男だけじゃ国すら滅びるのみ!!
んで、何だぁ?
この国は男尊女卑?
しかも男が、常にだぁ?
力ばっか、んで強引にかよ!?
私にもだったが、負ける程度の雑魚!!
んな馬鹿な男共は、いっつも言うぞぉ?
女には負けねぇってなぁ?
マジで馬鹿かって思うぞ!!
結局は力じゃねぇか?
んで、負ける雑魚共は驚いてかぁ?
あははははっ!!
まぁ、大抵、話した事すらねぇし?
所詮、外見のみ!!
私の事は何も知らん!!
驚いて逃げるのみ!!
そんな雑魚にはマジで呆れるだけだなぁ?
桂さんみてぇに話もしてこねぇよ!!
いつも俊介には怒られっけど…
あの俊介は変わらねぇし?
ちゃんと判ってたぞ!!
確かに怒ってくっけど?
どうせ春香と話した事もねぇ奴だったんだろってかぁ?
話せば春香は真逆だと判るからだってなぁ?
んな俊介も私には勝てねぇとしても?
責任感がハンパねぇから私には、お説教なぁ…
一応、私も判るんだが。
んな雑魚共は会話も、しねぇぞ!?
でも桂さんは違うだろ!!
真っ先に会話、いや、対話かぁ?
やっぱ違うよなぁ、おい!!
しかも私より強いのも判っし?
逆に優しいぐれぇだ。
必ず対話でかぁ?
すぐ力でも全く、ねぇし?
私みてぇなんまで世話までだ!!
更に皆まで考えるぐれぇだぞ!?
だからこそ、だろ!?」
「そ、それが致命的な…
しかも私を?
更に春香が…」
また桂さんは凄く驚いた顔もしたまま…
私を見てるのも判ったが。
嬉しくて笑って言う。
「あははははっ!!
桂さんがスゲェ理由が判んだろ?
んな私にまで、かぁ?
この時代じゃ、まず居ねぇだろ!!
私より強いんだぞ?
だったら私は普通、負けるのみ!!
んなのに会話、いや対話かぁ?
真っ先に、だぞぉ?
尚更、スゲェ理由になぁ!!
私すら納得すんだ!!
やっぱ違うよなぁ!!」
そこで桂さんは首を横に振った。
更に目を閉じた、そのまま…
「確かに致命的な…
そんなのまで春香が…
だが、私へ。
なのに、か…」
んん?
どったぁ?
でも桂さんは目を開けて少し笑いながら…
「いや、春香の言う通りだと良く判った。
そして私など凄くないよ。
春香の言う通り、当然だろう?
更に春香が優しいのも私は充分、判る。
本当に、なぁ…」
そう言いながら私の頭を優しく撫でるだけ。
また私は不思議な感覚だった。
でも…
「桂さんの方が優しいんだぞ!!
私みてぇなんにかぁ?
痛くしねぇし?
嘘も言わねぇ!!
私が出来る事すら判んねぇが。
困ってたら私も桂さんは手助けしてぇぞ?
まぁ…
具体的な事は、やっぱ判らんがな。」
そのまま言っても桂さんは変わらず。
頭を撫でながら笑って言ってきた。
「春香はなぁ。
そうして笑ってる方が良いと…
私にも判るのだよ。
春香が笑うのならば…
私も頑張れるのだからなぁ。」
不思議に思いながら、そのまま言う。
「んん?
桂さんは充分、もう頑張ってんじゃねぇか?
あんま、こん詰めるかぁ?
余計、駄目だぞぉ?
大変だろうし。
まぁ、私が言えんのは…
そだな!!
桂さんは大丈夫だってぐれぇだぞ!!」
桂さんも少し笑うのは見れた。
そんな桂さんが私に…
「そうか?
だが、これは春香も、だろう?
充分、私には頑張ってるのも判るのだよ。
すぐ無理なのは誰もが同じ。
それを、だろう?」
私も、かぁ?
同じと!?
でもなぁ…
少し私は笑う。
「いんや、私の方はかぁ?
まだ不思議な感覚が判んねぇし?
まだまだってなぁ!!」
「だが…
最初より春香は充分、変わったよ?
良く笑う事も…
私は見てるから尚更か?
春香が徐々に頑張ってるのも判るのだ。」
桂さんが優しく私に言ってきたが。
少し考える。
んん?
また徐々に、かぁ?
でも確かに…
桂さんは最初からだし?
私よりだから…
「だったら良いが。
桂さんが言うならかぁ?
嘘じゃねぇし?
私も頑張れてっなら、もっとだなぁ!!」
納得しながら私も笑って言う。
「春香は普通に私へまで…
そう、春香は何も悪くないのだよ。
頑張るのも良いがな?
だが、徐々にで良いのだから…
もう私は、そうして笑う春香が嬉しいのだ。」
そう言いながら桂さんは優しく笑って。
私へ言ってきたが。
そんな桂さんを。
私は見ながらも判らない感覚ばかり。
でも桂さんは間違えてねぇし!!
スゲェのも本当なんだぞ!!
「さて春香。
暗くなる前に藩邸へ戻ろう。
今夜は慣れない履物で疲れただろう?
もう春香は痛くない。
そして安心してて大丈夫だよ。」
それから少しだけ私の頭を。
また優しく撫でると、やっぱ…
ゆっくり歩き出したのも私には判った。
もうなぁ…
私からしたらかぁ?
桂さんがだぞ?
着いて行く中でも私は考える。
まぁた無茶したら困っし?
どうすっか、まだ…
私には判んねぇし?
これ以上かぁ?
心配すらさせたかねぇんだが。
どうすりゃ良い?
もう考え続けるだけな私だったが。
藩邸へ戻っても変わらず。
一応、徐々にと。
それだけは思いながら部屋でも考えるが。
判らない事で不貞寝した。
**************************
一方、桂小五郎。
すぐ気付いた事でもあった。
また日数もない中で未来へ話し合う為。
春香の寝てる時間ではあるが皆を集めた。
深夜にも関わらず。
全員が集まってたのにも判る。
もう薩摩の件、仕方がないと判断もした。
そして相手を考え文を出して集まった皆を。
確認する。
坂本、武市、岡田は全く問題ない。
晋作も私もだ。
だが、更に話でも出されてた。
仕方がないとは言え…
やはり…
『中岡慎太郎』か。
皆から既に話を聞いてる筈。
それでも…
「桂さん。
龍馬達からも充分、話も聞いてる。
桂さんすら嘘もない。
ですが薩摩藩側からならば余計、危険に…」
確かに言う意味も判るが。
あの春香を!!
絶対に守る事すら私も変えない!!
今の春香ならば尚更だ!!
「理由も充分、判ってる事。
だが、中岡君。
既に最初から私も言ってるが…
その場には私も勿論。
そして春香も同席させる。
一切、変える気もないのだ…
私だけでもない事。」
どうしても怒りが湧き上がるが。
必死に抑えて言う。
中岡も察して止めるのも見た。
「小五郎。
この場では中岡以外、既に判ってる。
まずは落ち着け。
そして、この時刻ならば…
新たに春香から、だろう?」
晋作の声で視線だけ向けるが。
目で意味も理解してるのも判る。
再度、全員にも視線のみ。
「そう、春香は学が多い。
だから徐々にしか聞けない。
だが、これは僅かに未来への糸口と私も確信した。
どうしても予測しながら考えなければ…
確かに致命的だとも判断したからこそ。
忙しいのも判ってるが坂本君達もだった。」
すぐ武市がだった。
「桂さん。
確信とも言ったのならば…
私でも春香さんの事を優先したい。
そして充分、判ってる事でもある。
薩摩との件も重要だが。
先に私は糸口が知りたい。」
中岡だけが僅かに視線で坂本を。
そんな坂本も中岡へ目すら変えた。
「すまんの、中岡。
薩摩でも慎重なん判っちょる。
ワシかて、そうじゃき。
やけんど、春香さんの方やぞ?
幕府に関してはの。
まんま言うが怒りなさんなや?
武器だけで、どうにでも動けるんよ。
じゃが…
未来に関してワシすら譲れんのちや!!」
「龍馬、武市まで…
嘘がないと判ってても…」
そこで中岡も含め全員の視線に気付く。
私は息を吐き出してから目を閉じた。
冷静に頭の中で纏める。
そのままで怒りを抑えて言う。
「私でも驚く事だった。
だが、春香の言った内容も含め私でも納得した。
この国と、他国での致命的な部分にもだ。
春香の言葉を、そのまま皆に言う。
『この国は致命的だが。
他国じゃ当たり前だぞ?』
と、更に追加で言った事で明確。
『女を大切にしねぇ他国も少ねぇからだ』と。
驚いたが、私は理由を聞いた時。
春香は簡単に言った単語。
それは『男尊女卑』と。
つまり、この国で致命的な点。
常に男が有利であり、女を無下にしてる事。
その場で春香は簡単に理由までも言ってたが。
他国は真っ先に女を普通。
大事にするのも当たり前と。
更に笑って普通に言ったが、もう明確!!
『そもそも女が新たな子を』と。
『未来へと真っ先に繋がる存在』と。
『そんな女達が望まなかったら』と。
『国どころじゃねぇ』と。
『男だけじゃ国すら滅びるのみ』と。
これで皆にも判った筈。
今でもだが、これならば過去まで含まれる。
この国での最大の致命的な事だ。
逆に他国側は理解してるからこそ。
女を大切にしながら守るのに対して…
春香は普通に言ってたがな。
私は怒りすら湧いた。
『力ばっか、んで強引にかよ』と?
春香に関しては武術の心得がある。
だから自己防衛で対処を。
『んな馬鹿な男共は、いっつも言う』と?
『女には負けねぇ』と?
『結局は力じゃねぇか』と?
もう多すぎるが、まだだ!!
『負ける雑魚共は驚いて』と?
『大抵、話した事すらねぇ』と?
『所詮、外見のみ』と?
『私の事は何も知らん』と?
『驚いて逃げるのみ』と?
『そんな雑魚にはマジで呆れるだけだ』と?
『桂さんみてぇに話もしてこねぇ』と?
『雑魚共は会話も、しねぇ』と?
決定的でもあったが、こんな事を。
もう私に限らない!!
どれだけ愚かな事ばかり…
常に春香へか!!」
そこで私は目を開けた。
全員が驚いてたが。
もう私は想像しただけで…
完全に怒りが抑えられなくなる。
「ふざけるなぁ!!
これだけ簡単に言うならば!!
春香の意味すら、また変わるのだぞ?
春香の居た未来でも、だろう!?
つまり常に男が、女を?
力で、ねじ伏せてか!?
春香が強さに拘る理由も増えるのみ!!
自己防衛だと前に皆へも伝えたが…
あれすら団体で囲まれるからだと?
逃げ場がないからだと!?
春香の言葉ならば、人間の本質は欲のみ!!
ならば男が、見目の良い女を。
欲のみかぁ!!
狂ってる未来では更に酷くなるばかり。
己の子すら簡単に気分次第で痛め付け…
不要だと命としても扱わない。
大きな問題に気付いても、わざと解決しない。
この国より他国の方が良いと言われても…
もう当然だぞ!!」
「小五郎!!
抑えろ!!」
晋作の声で僅かに見るが。
目を閉じてても怒りを抑えてたのが判る。
どうにか私も息を。
それから皆を再度、見て冷静に…
だが、感情を抑えたからこそ淡々と言う。
「あぁ、判ってる。
どれだけ狂った国へ、なるかもだ。
簡単に判る。
そして春香が簡単に、この国を。
他国の方が、だろう。
今すら他国。
未来でも他国。
もう完全に皆も許せる筈がないだろう?」
「なぜ…
この国が、そんなに…
なるのだ…
桂さんは糸口の可能性と言っても…
更に原因が判らねば?
だから龍馬達も、か。
俺達は、そんな未来へだけは…」
中岡だけが必死で考える様子で言ったが。
皆は無言で私を見てた。
だが、武市だけが目を閉じて言ってきた。
「桂さん…
春香さんが、そう言ったのだな?
そんなにも狂うと…」
どうにか怒りを抑える。
思い出しながら言う。
「そうだよ、武市君。
だが、僅かに春香は希望も言ってるのだ。」
武市も含め全員が、また私を見たのに気付く。
すぐ思い出しながら、そのまま言う。
「春香が居た未来でも、だろう。
流石に予測しか出来ないが。
これは春香を助けた側。
つまり、正しい方が、だと私は思う。
狂った国の中で必死で動こうとする者達がだと。
その言葉が『男女平等』と、だった。
だが、今すらも、だろう?
恐らく未来で、どれだけ学があってもだ。
争いとも違うが、容易にはない筈。
それすら春香の言葉で判る事。
そのまま言う言葉で判る。
『学べば人それぞれ同じ』と。
『力仕事に関して女じゃ、やり難い』と。
『平等までは出来ねぇが』と。
『だが、同じ人間』と。
『頭脳も同じだし』と。
『学べば誰だって変わんねぇ』と。
『男だの、女だの』と。
春香は普通に言った。
それでも、この国の場合。
今すら他国に騙されてる事に気付かず。
明確な致命点すら続けながら…
技術も含めるが、更に学。
狂った中に残った、この国で正しい側。
どうにか出した答えであってもだ。
難しい事も明確だろう?」
「確かに小五郎の言う通りだろうな。
更に補足するならば俺達が幕府を。
また国をだ。
どうにか纏めたとしても…
技術に関して、また他国に騙されながら進んだ先。
ならば今度は国同士になる。
他国との争いも避け続けながら…
狂ってく国内まで正そうとする行為。
春香以上に学があってもだ。
容易に出来る筈もない。」
視線でのみ晋作を見るが。
明らかに考えてるのも判る。
「桂さんの言った予測だが。
私も同じ、この国で残る正しい側が、だろう。
また高杉さんの言った事もだ。
そこまでになれば恐らく…
争いなどよりも学のみ…」
武市の声で見れば目を閉じてたが。
そのままで言ってくる。
「既に技術がある。
この国の場合、小さいのだぞ?
尚更、争いは外交だったか?
国同士で学、争いは、一切せず。
常に避ける中で、狂ってく国内を。
それすらも武力は使えないで、学のみ。
その男女平等として国内を。
纏めながら全て、『学のみ』でしか動かせない。
今の、この国すらも危機的だが…
こうなれば更に難しい。
だが、武力に関して僅かでも出してしまえば…
暮らす民への被害が甚大なのも明確。
だからこそ止められない状況か。
もしかするとだが、追い付いてない。
だとしたら最悪…
春香さんと似た者達が他にも居るのだ。
その者達を保護しながら…
他国の相手、国内すらもになる。
必死に足掻いても、もう間に合ってない結果へ。
だが、今ならば春香さんの存在で私達が、だろう。
他国の思惑には既に判ってるのだ。
確かに糸口だが、幕府には武力でも可能。
まだ何か足りてないのだ。
それを解決させるのすら学のみ!!
私ですら、やはり、まだ…」
そこで武市から殺気が漏れたのに気付くが。
ふと私は、また春香を思い出す。
更に判った事に少し笑いながら言う。
「武市君、気持ちは良く判るが。
恐らく、それも春香が…
既に言ってたぞ?」
武市が僅かに驚きながら目を開けた。
私が晋作を見れば同じで驚いてたが。
「晋作も一緒に私とだよ。
春香から聞いただろう?
あの時は私も驚いたが。
春香の意味にもなるぞ?」
「小五郎…
俺にも春香が?
一緒にだと!?」
春香を思い出せば全て、そう…
私は少し笑う。
本当に春香は最初から…
ずっと私達に嘘すら言わないのだな。
それなのにか?
私は武市に再度、向くと驚いたままだった。
少し笑って言う。
「春香はな。
本当に私達へ最初からだ。
全く嘘を言ってないのだよ。
まだ春香を保護して…
すぐだったか?
新撰組へ注意の時。
春香から言われた言葉があるのだ。
それは、きっと…
坂本君も言われてる事。」
「ワシも!?」
凄く驚いた坂本が見てくるが。
私も思い出しながら言う。
「そう、春香も言ってた事。
一番それが難しいのだと。
そのまま言うが、私すら驚いたから覚えてるよ。
『全ての武力の放棄を先にとだ』、とね。」
全員が驚いた顔になったが。
晋作だけが思い出した様子で…
「あの時か!!
そうだ!!
確か春香が笑って…」
私も晋作へ頷くが。
思い出す為、目を閉じた。
そのままで私も言う。
「既に春香が言ってた事だよ…
確か本来ならば誰も持っては駄目だと。
最初から春香は世界の事も言ってただろう?
この国に限らないと。
そもそも武器や暴力を常に持ってるからこそ…
何かあれば同じだと。
気に入らないなら攻撃をするとだった。
だが、どちらも同じだともな。
だから最初から何も持ってなければ…
何かする前、真っ先に話し合いをするだろうと。
そして皆が一緒に決めていくのだと。
だが、それが一番、難しいと。
結局、皆が強いまま欲ばかりで変わないと。
だからこそ世界すら同じだと。
平和や幸せを春香が望まないと言った理由だ。
常に力を持っており…
更に隠しながら、いざとなれば一瞬で壊すのみと。
そして一人の力では絶対、無理だと。
結局は一番、簡単な方法を皆は選ぶだけと。
それが武力、力だと。
だからこそ常に武力を皆が使うと。
簡単に変わらないとも春香は言っていたか。
どんなに頑張っても難しいどころじゃないと。
言葉だけでは誰も、何も動かないと。
あの時は晋作も、だろう?
私も驚くだけで全く判ってなかったが。
春香が世界を知ってると今ならば意味も判るな。
春香の居た未来では、この国程度。
数発の攻撃で消えるのだろう?
それすら外交として国同士、防いでるのだよ。
それでも世界は常に変わらず争う。
この国も狂ってくからこそ…
最初の春香が出した答えに繋がる。
春香が出した答えが…
『幸せだの、平和だの、私は一切、望まねぇ』と。
『常に一瞬で壊れる曖昧なもの』とか?
確かに、その通りだろう?
未来では一瞬でだ。
この国は消される可能性がある。
それを防ぎながらも国内は狂ってくばかり…
あの時も春香は…
世界では国すら螺子だと言ってたな。」
私は目を開けると皆が無言で複雑な顔だった。
あんなにも優しい春香が…
やはり一番、傷だらけではないか。
思い出せば尚更もう溜息すら出る。
なぜ…
春香ばかり…
一応、話を続けた。
「今ならば、もう皆にも判るだろう?
春香は唯一の祖母すら失った。
ずっと理由も、何も判らないまま…
命すら判らない中であるのは苦しみと痛みのみ。
だが、あれ程の学だ。
そんな学ばかりか?
未来の狂った、この国を。
また全ての世界も知ってしまえば…
更に当て嵌まるのだよ。
生きる意味もない。
死ぬ意味もない。
何も変わらない方が良いのに…
皆が欲で変わってく。
だから春香は皆と同じにだけは…
なりたくないと。
つまり、武力や力、欲ばかり。
同じ様に使う人達には、なりたくないと。
そんな選択をする春香ならば…
誰よりも優しいのにか?
常に傷ばかりで誰も助けてくれないと?
だから諦めて一人を選ぶと?
『幸福』すら望まず、己まで螺子だと言う。
痛みすらも判らない程。
既に傷だらけで…
あれだけ私の前ですら錯乱するならば…
幼子でもある、あの春香も…
必死に最初は、ずっと泣き叫んでた筈だろう?
何も悪くないにも関わらず。
なぜ、あんなにも優しい春香ばかりなのだ?
もう私は、あんなにも悲しい顔の春香は…
見たくない。
そんな未来にも、したくない。」
全員が複雑な顔をしたのは気付いたが。
私は尚更、怒りとも違う感覚が湧いた。
やはり私は春香だけ…
どうしても他は考えられない!!
必ず助けると私も言ったが。
もう…
それだけではない!!
春香の為ならば、どんな事でも…
ならば!!
「坂本君、また中岡君。
私から頼まれてくれないか?」
そう言うと二人共が驚いた顔で見てきたが。
坂本が僅かに…
「か、桂さん?
頼み、じゃと?
しかも、そがな目は…」
私は睨みながら二人を見たが。
春香ばかり思い出す。
「あぁ、二人だけ…
賭けにはなるが…
もう私は許せない!!
なぜ春香ばかり!!
なぜ春香が泣くのだ!!
なぜ春香ばかり痛め付ける!!
ずっと春香を。
あんなにも悲しい顔の春香をかぁ!!
なぜ春香ばかり傷付けるのだ!!
そして春香は悪くない!!
もう私が春香を守るだけだぁ!!
絶対に傷すら付けさせん!!」
「小五郎!!
冷静に…」
「黙ってろ、晋作!!」
すぐ晋作の大声も遮る。
一応、晋作を見れば驚いてたが。
意味も充分、判る。
だが…
再度、皆を見れば同じ。
改めて二人へ視線を。
「もう最悪でも他国からの武器!!
それさえあれば…
幕府や薩摩など相手にもならない。
だが、史実を余りにも動かすのは…
春香の存在自体が危険になる。
だからこその賭けになる!!
それでもだ!!
あの春香ばかり傷付く!!
更に狂う国ならば…
既に春香だけではないのだぞ!?
新たな命は常に泣き叫ぶ国だと?
そんな事になるならば…
もう決めてるのだ!!
『春香には私の全て厭わない』と。
『必ず私が、するのみだ』と。
ならば手段すら問わない!!
だからこそ、可能性のある賭け!!
それは事前に『春香の事』を、薩摩へとだ!!
勿論、同席させる事すら私は一切、変えない。
二人から薩摩へと伝える事を頼みたい。」
凄く二人共、同時で驚いた様子もしたが。
すぐ私は坂本を見た。
気付いた事も判って続けた。
「坂本君が最も重要になる。
これは中岡君には悪いが。
そのまま言う。
中岡君には絶対、不可能だ。
そして坂本君にしか出来ない。」
「ワシがかや!?」
凄く驚いた坂本も見てたが。
中岡に僅か視線のみ、意味も判る。
確かに中岡の気持ちも判る。
一番、薩摩とだ。
尚更だろう。
だが、中岡は春香を。
意味すらだ!!
怒りを抑え、冷静になる為…
私は目を閉じて、また春香のみを。
言動も含めて考える。
簡単に判る事を先に言う。
「中岡君は春香と面識が一切ない。
いくら坂本君を含め、話を聞いてもだ。
この場に居る皆より明確。
今すら春香に関して一番、判ってない。
薩摩へ春香について説明など…
確実に不可能だ。
だが、坂本君は違う。
私と同時、春香と真っ先に面識もある。
その上で思い出したくもないが…
最初の春香までだ、坂本君は知ってる。
あの最初すら長州藩邸で春香が己自身を。
自らの腕を、切り付け笑う春香の姿…
苦しいより、痛い方が良いと…
それ以外でも多く関わってるからこそ。
坂本君にしか薩摩へと、春香の説明は出来ない!!
更に今から私が、春香の場合を言う。
薩摩との同席には気付かず。
まず坂本君と中岡君を、見てからだ。
これは武市君と同じになるだろう。
真っ先に坂本君のみ。
中岡君が一緒でも同じく、完全に無視する。
その場で中岡君が先に名乗っても…
春香へとだ。
疑いを僅かにしてれば見抜かれるのみ。
武市君すら瞬時に春香は見抜いた。
だが、その場で武市君は嘘を言わなかった。
そんな春香は、何よりも嫌うからこそ。
無自覚でも一切、嘘を言わない。
また岡田君の場合。
既に武市君から聞いてた事。
春香が気付いても動かなかった事。
やはり春香から話かけてないが。
岡田君が動いた瞬間、春香は警戒度を上げた。
だが、春香自身が新撰組から助けられたと。
武市君と共に居た岡田君の事を判断した。
それも大きいからこそ警戒度を上げた程度で済んだ。
だからこそ春香ならば…
中岡君へ真っ先に警戒度を上げて無言を。
中岡君の動きすら見逃さない為。
春香からは一切、話さない。
中岡君が疑う限り。
また下手な言動をすれば…
春香は一切、中岡君へ警戒すら解かない。
そのままでも坂本君や私が居れば…
一応、中岡君が居ても警戒のみ。
そして薩摩だ。
その場で、すぐ春香は気付く。
既に学すら高い春香は薩摩の二人を。
面識がなくても名は知ってる。
歴史を知ってるからこそ春香ならば…
気付いてから、まず確認する。
薩摩へすら春香は嘘も言わず。
驚きながら私や坂本君を見る。
そこで春香は更に、だろう。
判れば歴史へ関与したと判断する。
動揺しながら去ろうする。
私が止めれば、その場には残るだろうが。
何も言わない様にと両手で己の口を。
塞いで話さない為の行動をする。
そこから先は…
薩摩との内容次第、春香の予測は不可能だ。」
いくら私が考えても…
そう、春香の場合。
その先だけは全く判らない。
それでも私が、春香をだ!!
そう思いながら目を開けた。
皆が余りにも驚いた顔のまま…
無言で見てるのに気付くが。
思わず少し笑いながら皆へ。
「この場には中岡君以外か?
どれだけ春香が判り易いかも…
知ってる筈だろう?
簡単な事。」
だが、これだけは…
また私は坂本へ向いて見る。
坂本も気付いた時。
「坂本君しか居ないのだよ。
だが、私から先に忠告も含め補足する。
春香自身、いくら歴史が苦手でもだ。
既に学があると。
だから薩摩側、そちらが明らかな嘘を言えば…
すぐ見抜かれる上に…
もし私や坂本君が、だろう?
騙されそうになれば…
春香の場合。
もう怒鳴るどころでもない。
完全に薩摩を敵視する。
春香が嘘を嫌う理由も…
坂本君は知ってるだろう?
そうなれは…
最悪、もう私は春香のみ。
更に幕府と同時。
薩摩も攻撃対象のみ。
武器だけでもない。
私は気付いたが、春香の学。
完全に戦略すら含まれる。
そして簡単に見抜ける…
まして今まで薩摩が相手ならば…
私も一切、容赦しない。」
坂本が複雑な顔になって目を閉じた。
そのまま…
「桂さん。
ワシにも春香さんのや…
嘘を言わん理由、知っちゅう。
じゃから…」
目を開けて坂本が目すら変えたのも見た。
「ワシかて本気じゃき!!
春香さんは悪くなかとよ!!
薩摩にはワシがや!!」
そう言ったのも見た時。
「桂さん、龍馬もだが。
一応、確認だけ…
させてくれないか?」
武市の声に気付き見れば…
目を閉じてたが。
「二人が本気な事。
私でも覚悟も含め充分、してる。
更に判ってる。
だが、それは未来の為。
桂さんは言った、だろう?
春香さんのみ、と?
それは春香さんの居た未来。
その為も…
含まれてると。
私は判断して良いかな?」
すぐ武市の意味に私も気付く。
少し考えるが。
「武市君。
確かに私は春香のみと言った。
勿論、この国、その未来も含まれてるが。
逆に私からも武市君に聞こう。」
僅かに武市が目を開けた。
そう、私は春香の為…
だが私には、もう一つの意味を。
少し笑いながら武市に言う。
「武市君が言った言葉を。
そのまま私も聞こうか?
『この国は、どれだけ愚かな道を歩むのだ』とな?」
僅かに武市も驚いたのが判る。
すぐ私も続けた。
「今すら、では、ないだろう?
ずっと過去から…
今すら誰も気付いてないのだぞ?
それなのに、か?」
春香を考えれば尚更…
怒りが湧き上がるばかりだった。
だからこそ、そのまま武市を睨んで怒鳴る。
「皆が志の中でもだぞ!?
必死に命懸けにも関わらず?
誰も致命点すら気付かないだと?
そんな事ばかり続けた結果が春香かぁ!!
その先にある未来など…
もう狂った国では何に悪くない幼子が常にか?
この国に産まれた事だけで泣き叫ぶ未来か?
今まで死んでいく仲間達が…
一度でも望んだ事すらない未来へ!!
更に気付かず向かわせるのかぁ!!
そんな国は許されない!!」
武市が複雑な顔になると目を閉じた。
そのまま…
「私すら何も言い返す言葉も、ない。
だが…」
「だが、春香が唯一の希望、だろう?
武市君。」
すぐ判る事でもある。
だから私も、すぐ言うと…
武市もだった。
すぐ目を開けたが。
驚いた顔のまま私を見てくる。
少し笑ってから私は春香を。
そのまま言う。
「武市君、私も充分、判ってるのだ。
今すら許せない事も…
私は春香の為、それも全く嘘ではない。
だがな、春香は何も悪くないのだよ?
ただ、この国に産まれただけでか?
許せる筈もない…
だからこそ、私は春香でだ!!
最後にしたいのだ!!
あんなにも傷だらけで泣き叫ぶ春香を!!
何も悪くないにも関わらず。
皆が志した先にある未来…
だから私は春香のみ!!
その為にこそだ!!
その中に唯一ある僅かな希望すら春香なのだ!!
皆が本来、望んだ未来の為になる!!
そして私は諦めない。
この国に産まれただけで…
命すら判らず常に泣き叫びながら…
ずっと痛みと苦しみのみ受け続けた春香にだ!!
これ以上、傷など付けさせない!!
当然だろう!?」
武市が驚いた顔のまま…
「桂さんは…
それ程に…」
そこで武市は目を閉じた。
僅かに首を振ると…
そのままで言ってきた。
「あぁ、本当に、その通りだろう。
桂さんが一番、正しい答え…
私自身も再度、己に刻み込む為だけに言う。
桂さんの希望にも私は充分、判った。
更にある意味も含めてだ。
春香さんの為。
全ては未来の為。
この国が愚かな道を続けない為。
あれだけの苦しみと痛みばかり…
何も悪くないにも関わらず。
受け続けた春香さんが最後!!
それすら唯一の希望も春香さんなのだ!!
私も、そんな春香さんには一切、許さない…
これ以上の傷など絶対にさせん。
そして…」
武市が目を開けると私へ少し笑いながら…
「桂さんが春香さんを、だろう。
それすら一番、正しいな。
春香さんに相応しいのも桂さんのみ。
まぁ、今ですら気付いてない様子だが…
やはり春香さんを一番、理解してるのも桂さんのみ。
そんな春香さんを『幸福』に出来るのも尚更。
桂さんのみ、だろう?」
私でも武市の意味には気付くが。
また春香が浮かぶ。
僅か複雑な気分になりながらも武市を。
見れば少し笑ってるが、また…
「武市君、それもだが…
春香を知ってれば判る筈。
それすら私には簡単でも、ないのだよ?」
そう言うと中岡以外、全員がだった。
すぐ笑いを耐える様に私を見たのに気付くが。
「小五郎!?
それも俺にはだ!!
尚更、判るぞ!!
あははははははっ!!
そう、毎日なぁ?
俺は見てるから余計にか?
春香は無自覚だし?
仕方ねぇが。
毎朝の薬すら見てるだけで?
もう二人が判る俺は…
あはははははっ!!
先は長いが、頑張れ?」
晋作の意味も判るが睨むだけ…
それは…
晋作だけだぞ!?
「わははははっ!!
ワシもじゃ!!
耐えられん!!
すぐ判るきの?
あの春香さんやぞ?
その様子やろ?
そんで桂さんが、やろ?
くっ、駄目じゃ、ワシも!?
わははははっ!!」
すぐ爆笑した坂本も見る上に…
「俺でも…
やはり…」
武市の僅か横に居た岡田まで言う状態。
どうにか武市だけは耐えてるぐらいも判る。
目を閉じて私は叫んだ。
「あの春香を判ってるのにかぁ!!
全く私は笑えない!?
どれだけ私が毎日!?」
それから笑ってくる皆へ…
そのまま、また無言のみで耐えるが。
春香を浮かべれば、すぐだった。
徐々にでも春香は…
確かに?
だが、既に充分、美しく優しい上に…
余りにも私へ無警戒過ぎて…
どれだけか!!
皆すら判る筈もない!!
一応、そんな中でも薩摩との件を考える。
春香の場合、賭けだが、もう…
私は手段すら厭わない!!
必ず春香だけは守り抜く…
それこそ未来すら春香なのだ!!
まぁ…
先が長いのも事実か?
**************************
翌朝。
いつも桂さんから私にだった。
そのまま朝食も食べるが。
「春香、その薬が…
嫌なのも充分、判るがな?
良くなってる、だろう?」
そう複雑な顔で言ってくる桂さんを。
私は無言で一応、見ながらも考える。
良くなってんのは…
多分?
私でも判るが。
でも、この薬かぁ!?
違うんだろ!?
単純に、かぁ!?
食べてっからじゃね?
無言のまま私が見てると桂さんは…
少し困った顔になるのも見た。
「は、春香?
これはな?
土方君も春香の為、なのだよ?
私ですら何度も、言ってるが…
普通、薬は苦い…
もう少し春香が食べれる様になればな?
それだけで薬も、だ。
飲まなくて良くなるから…」
そりゃ…
桂さんにはなぁ…
ずっと世話になってんし?
いつも変わらねぇし?
私だって困らせたかねぇ…
もう諦めて私も薬を一気に飲むが。
やっぱ…
めっちゃ苦い!!
すぐ私は水や、お茶を何度も飲んだが。
それから目を閉じて、また思う。
あの土方さんはマジなぁ…
どんだけだぁ!?
毎日だぞ!!
薬ってか名前のかぁ?
んな新手の拷問を!?
今まで初めてだぞぉ?
そんな事も考えてる時だった。
「春香は頑張ってるよ。
薬も続けるだろう?
それとな、春香に一つ。
私から大事な話もあるのだが…
良いかい?」
んん?
あの桂さんが?
大事な話だぁ?
疑問に思いながら私も目を開けると。
少し笑って桂さんが言ってきた。
「実は近々、私は用があって藩邸から出るのだが。
その件についてだと長くなるかもしれない。
そんな時刻まで判らない中で、私がな。
春香を一人には、したくないのだ。
そして既に約束も、してるだろう?
それなのに、いくら春香が藩邸に居ても…
晋作には全く私は任せられない。
更に私が心配なだけで全く落ち着かないのだよ。
だからでもあるが。
そこで春香も一緒に私と来てくれないか?」
んん?
時刻まで判らないだぁ?
私も考えるが。
心配って私をかよ!?
まぁ…
でも桂さんからしたら…
一応、先に私は笑って見てるだけの高杉さんを。
見ながら思い出す事もあったが。
「ん、春香…
俺だって充分、子守ぐらい出来るぞ!?
それに小五郎の場合…
単純に過保護だぞ!!」
急に大きく高杉さんが言ってきたのも私は…
何も言わず、納得はするが。
いんや?
高杉さんの場合…
私の面倒よりかぁ?
私の荷物だろ!!
真っ先に興味ぐれぇ判ってんぞぉ!?
でも桂さんはなぁ…
優し過ぎんのもあっけど。
過保護か?
私との約束まで守る為なら嘘も…
でもなぁ…
また桂さんも見るが変わってなかった。
だから私も、そのまま言う。
「いや、桂さん?
約束も判っけどなぁ?
んならスゲェ大事な用事じゃねぇの?
具体的には判んねぇが。
んなのに私が居たら…
余計、邪魔だろ?
まぁ…
桂さんらしいっちゃ、らしいが。
私みてぇだとまでだと、もう逆だろ?
一応、高杉さんに関しての理由も判るが…」
「その場には勿論、私も居るが。
春香から特に何かする事もない。
だから大丈夫だよ。
ただ、まぁ…
少し退屈させるだろうがな?
私の側に春香が居るだけで充分、安心する。
一応、その場には坂本君も居る。
知らない者が居てもか。
私と坂本君で問題ないよ。」
そう少し笑って言ってきた桂さんを私も見た。
おぉ!?
坂本さんまでかぁ?
つまり…
この藩邸でしてたみてぇな?
話し合いが別の場所でかぁ?
でも桂さんからしたら…
長い時間、高杉さんのみだと。
心配すっからかぁ?
私は思わず笑った。
「あはははははっ!!
めっちゃ桂さんらしいが。
確かに?
最初っから高杉さんは、そうなぁ!!
怒られてたし?
桂さんからしたら余計にかぁ!!
んで私にまで…」
また一応、私も考える。
んな事まで普通、しねぇが。
桂さんもかぁ?
嘘も言わねぇし?
判んねぇ上に私から何もねぇ…
私は笑いながら…
「まぁ、一応かぁ?
私が言える事すらねぇが。
桂さんの理由には納得したぞ!!
具体的には、やっぱ?
判んねぇが。
単純に居りゃ良いだけかぁ?
普段から私の世話ばっかだし?
桂さんへ出来る事もねぇからなぁ。
んな事ぐれぇなら私も問題ねぇよ!!
気にすんなぁ!!」
「また春香は私に、か。
だが、私も、だろうな。
春香が一緒に居て笑うと…
安心するからね。」
それを聞いて私は普通に思う。
桂さんもなぁ?
やっぱ優し過ぎんぞぉ!?
私みてぇなんにかぁ?
今すら忙しいのに…
私が出来る事もねぇ。
なら尚更だろ!!
その時も不思議な感覚はある。
判らなくても今は…
せめて世話になってる桂さんへ。
私がすんのも、やっぱ当たり前だろ!!
それから桂さんが数日後だとも聞いた。
だが、私には何の用かまでサッパリ?
一応、邪魔だけはしねぇようにと。
それぐらいは思った。
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